恋なんてしらない
私達は家に着くと朔が晩ご飯を作り始める。楓君はもう家に帰った。
ダイニングにお箸とコップや飲み物などを私は用意する。
朔が作ってくれたのはパスタとコーンスープだ。ミートソースも作ってくれた。
私はオレンジジュースをコップに注ぐ。朔はカフェオレを飲んでいる。
ご飯に合うのかな…?食べている間、何気ない会話をする。
「朔って好きな人とかいたりするの?」と聞いてしまった。
彼は不敵に笑って「いるけど。それが何か?」と言う。
私は「誰よー!」と言うと「教えてほしけりゃ俺と付き合えよ」と言われる。
「何に付き合えばいいの?」と聞くと「この鈍感がっ!」と恨めし気に言われる。
朔は「っていうかお前は恋とかした事あんのか?」と聞かれる。
「ない」と答えると「だろうな」と言われる。ムッとすると笑われた。
「なんで笑うのよっ!」と言うと「可愛いなと思いましてね」と彼が言う。
不覚にもキュンとしてしまったのが悔しい。「不意打ちはないわー」と言うと彼は「不意打ちじゃなかったらいいん?」と聞かれる。私は慌てて「ダメ!」と言う。
朔は「そういう所だよ」と言われる。ポカンとしていると「バーカ」と言われた。
「あんたの方がバカでしょ!」と言うと「いーや、そんなこと無い」と反論だ。
だから成績表をもってきて「ほら!私の方が上よ!」と言うと「そういう所が、
バカで可愛いんだよ」と聞き取れない所があった。「なんて?」と聞くと「べっつに」と何故か拗ねている。意味不明だ。そこにお母さんが帰って来て「今日も朔君来ていたのね」と言う。私は「そうよ。お母さんの代わりに晩ご飯作ってくれたんだよ」と自慢げに言う。二人ともクスクスと笑っている。は?と思っていると
「なんで夏純が自慢げなのよ」とお母さんが言い朔が「そうそう」と言う。
なんでだろ?と考えていると朔が「んじゃ俺はもう帰るわ」と言った。
「えっ?もう?」と言うと「今八時だぞ」と言われる。「そうですね」と言うと
「寂しい?」と聞かれ私は目を丸くし「んなわけないでしょうがバカ!」と言う。
彼は笑いながら家を出て行った。お母さんが「朔君とほんと仲いいね」と言う。
私は朔は居ないし「まぁね。あいつが居るから私、幸せなんだと思う」と言うと「付きあっちゃえばいいのにねー」とお母さんに言われる。
そこに、お父さんも帰って来て「夏純。ただいまー」と言っている。
私は笑って「お父さんおかえりー」と言う。その時、朔が戻って来て
「言い忘れてたんだけど風神達には気を付けろよ」と言われる。
は?それだけ?と思っていると「じゃあまた明日」と言い去って行った。
なんだあいつ?と思っているとお父さんが「夏純はモテているんだな」と言う。
私は目が真ん丸。「そんなわけないでしょ。私、地味なんだから」と言うと
お母さんが「ほんとかしらねー」と言われる。私は思う。恋なんてしらないと。