難しいなぁ
4月も後半、クラスカースト的なグループも固まり、俺は由貴ちゃんと由貴ちゃんと話す機会がほとんどなくなった。
彼女はカースト上位のグループに属し、俺は下から数えたほうが早いグループ。
彼女のグループでは外山何某というさわやか系のイケメンが幅を利かせておって、由貴ちゃんに近づくことすらできない。
噂では外山何某は由貴ちゃんをたいそう気に入っているらしいから、なおさら他グループの奴は近づけないやろなぁ。
そうこうしてるうちに、俺の中で思い出を含めた由貴ちゃんはもう、どうでもよくて、むしろ今この時の友達関係を優先しようと思い始めていた。
そのせいで、なんとなしに由貴ちゃんを避けるようになっていたんや。
時々、視線を感じることがあると、やはり由貴ちゃんの、なんとも寂し気なしせんだったりする。
そんな視線を感じると、俺もどことなく興が削がれて、大林達とも遊びに行く気分にはなれんかった。
何となくひとりでいる時間が増えた。
渡り廊下でぼーっと空を見上げていると、4組の完璧超人こと坂巻弥生声をかけてきた。
2週間くらい前に廊下でぶつかって以来、俺たちはいくらか話をする仲になっとった。
「何、ボーっとしてるんですか? 姉小路君」
「あ、ああ」
「ちょっと考え事しながら、空眺めとった」
「姉小路君は意外とロマンチストなんですね? 」
クスッと坂巻は笑う。
「別に笑うことないやんか? 」
「悩み事ですか? 相談に乗りましょうか? 」
「......。じゃあ、頼む」
「は い」
嬉しそうな笑顔や。
「あのな、幼馴染とうまく話ができないんや。6年間もブランクがあるせいかわからんけど......。俺、どうしたらええかな? 」
「あと、周りがな、快く思ってないらしくて、邪魔すんねん」
「それは、難しい問題ですね」
「あと、ちなみに連絡先はわからん。交換してないから」
「あらら」
「『あらら』やないわぁ。困ってんねん。助けてくれえ」
「........」
「.........」
「じゃあですね、こんなのはどうでしょう? 古典的なやり方ですが、靴箱に手紙を入れて、呼び出すのはいかがでしょうか? 幸いうちの学校の靴箱には扉がついてるから、本人以外にはわからないと思いますよ」
「! 」
「それだ! ありがとう坂巻。恩に着る」




