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完璧超人

 俺がまだ小学生で東京に居ったころ、俺の学年には完璧超人と言われていた女の子が居った。

名前は何やったかな?

とにかく、走れば男子より速いし、スポーツ万能、学業優秀、容姿も可愛く、性格も朗らかだったから、男子女子分け隔てなく人気があって、そう、俺の初恋の相手やった。

よく一緒に遊んだ。仲間たちとともに。

 親の転勤とかあり、結局告白するとかなかったが、それはそれで良い思い出や。

 しかし、なぜ急に思い出したんやろ?

やっぱり、件の美少女が「中村由貴」だったからやろか?


 いや、違う。

由貴ちゃんのあの言葉や。


『松川 茜』


 そう、あの完璧超人『松川 茜』の名前が出たからや。

いろいろなことが記憶の底あからあふれてくる。

今、何してるんやろか? 

会いたい、会って話をしたい。

松川だけでなく、あの頃のみんなに。

由貴ちゃんに頼めば、連絡先教えてもらえるやろか?

全員は無理でも、芋づる式になんとかならんやろか?


 ああ、じっとしておられへん。


 しかし、時間がなくて由貴ちゃんと連絡先交換できんかったのが悔やまれる。


 明日、朝一で連絡先交換してもらお。



 翌朝。、いつもより少し早くに目が覚めた俺は、その分余裕をもって登校した。


 教室では、すでに由貴ちゃんの人垣ができていて、連絡先の交換などとても無理そうやった。


 仕方なく、意気消沈してぼーっとしながら廊下を歩いていると、人にぶつかった。

何やら急いどったようや。


「ご、ごめんなさい。急いでいたもので」


「いやいや、あんたに怪我なかったらいいんよ」


そこでぶつかった相手をよく見る。

なんと、4組の美人さんやないか。


「私は4組の坂巻弥生です。本当にごめんなさいね」


「俺は3組の姉小路貴康や。よろしゅう」





「なーにが『よろしゅう』だよ! 」

現場を見ていたらしい大林がツッコんできた。


「3組だけじゃ物足りず、4組の美少女にまで粉かけるつもりか? 」


「姉小路君は女たらしだねぇ」


続いて、島田、常石の波状攻撃。


「っ、お前ら本当に仲いいな。おはよう」


「おう、おはよう貴康」


「おはよう」


「おはようさん」


教室に移動しながら。


「だいたいやなぁ、ぶつかってきたんはあの子やで? 」


「知ってるー」


「なら、濡れ衣やんかー」


「はははははははは」


「おかげでいい匂いついたろ? 」


「う、うるさいわい」



 後で知ったんだが、坂巻さんって勉強も運動もできて、容姿も性格もいい完璧超人やった。



















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