白い部屋の会議⑥
エミルは内心肯定できなかった。
もう一つ洞を用意するということは、大木に穴を開けなければならない。
そんなこと、大木がすんなりと許すはずもないだろう。大木に相談に行かなければならない。
森の番人は言った。
「それではエミルくん、調整してくれたまえ。」
やはりそう来た。いつもそうだ。この場で言われた意見はエミルに言われ、最終的にやらされることになる。
「やはりエミルに任せるのが1番いいからね。」
エミルもエミルで人任せにするのは嫌だったが、それを傘に着て進められるのも嫌だった。
白い部屋の会議は、森の番人の一声で終わりとなったが、エミルは森の番人を追いかけて外へ出た。
「森の番人、ちょっとよろしいですか?」
「なんだい、エミル。」
森の番人は少し歩調を緩めたものの、足を止めることはなかった。エミルも歩きながら話しを続ける。
「あの大木には小人たちだけでなく、他にも多くの者たちがいます。今の時期は、他に空いている穴なども無いと聞きしました。小人たちの要望を叶えるとなると、新しく大きな穴を開けなければならない。それは大木が承知しないでしょう。」
エミルは、もし先ほどの話を認めたらどうなるかを、森の番人に話した。森の番人は少し頷きながら、黙って聞いている。