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白い部屋の会話①
エミルは白い部屋の中で待っていた。
そこは無機的な部屋で、少し薄暗く感じるような照明があたりを照し、床は薄いクリーム色の素材だった。
気温は暖かくもなく、寒くも無いが、空気は少し薄いような気がした。
エミルが座っている机を見ると、ところどころに汚れが見えた。鉛筆か何かで擦ったのか、黒っぽく見えたが、その汚れを消そうとまではしなかった。
その時、入り口のすりガラスの向こう側に影が動いているのが見えた。誰か来たようだ。エミルはそっと立ち上がって、挨拶をする準備をした。