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15 恋人同士だから……

「風邪はもういいの?」


「ええ、お陰さまでね。もうすっかり元気よ」


 化粧もしてない先生のすっぴんの顔。

 肌がキレイでツルツルしてるのが余計分かる。


「電話以外でこうして話すのって、何だか久しぶりね」


「そっか。そうかもね」


 学校では話せると言っても馴れ馴れしく出来る訳もない。

 外で堂々と会うことも出来ない僕と先生がリラックスして話すのは久しぶりだった。


「分かってはいたけど、せっかく恋人同士になれたのに不自由ね」


 先生は苦笑いを浮かべる。


「先生と生徒じゃなかったら、もっと恋人らしいこととか普通に出来るんだけどね」


「恋人らしいことって?」


 僕の頭に浮かんだのは、エッチなことだった。

 スウェット姿の先生の胸元は大きな膨らみを強調してるようにも見える。

 思わず大きな胸元に目線が向いてしまうのも、健全な男としては仕方のないことだと思う。


「普通にデートに出掛けたり、一緒にご飯食べに行ったりとかしたかったな」


「あ、そっちか」


「えっ?」


「あっ」


 僕が違うことを考えてたのが先生にバレてしまっただろう。

 先生が純粋に遊びに行ったりすることを考えてた一方、僕はついエッチなことを考えていた。

 それが恥ずかしくて、顔が熱くなっていく。

 赤くなるのを知られないように、俯いたがもう手遅れだったに違いない。


「付き合ってるんだから、そんなこと考えるの当たり前よ」


 フォローする先生の優しさが身に染みる思いだった。


「私だって同じ気持ちあるもの……」


「……え?」


 さっきまでの穏やかな空気が一気に変わったような気がする。

 先生が恥ずかしそうに目を反らす。

 僕は心臓がバクバクしてた。

 そんなつもりで先生の部屋に来たつもりはなかった。

 だが、僕は先生の方へ擦り寄っていた。


「風邪で熱あって、昨日お風呂入ってないから……」


 先生は僕が擦り寄った分逃げるように離れてしまう。


「いや! 俺、そんなつもりじゃ……」


「えっ? あ、ごめんなさい。だ、だって……」


 お互い自意識過剰なのか。

 慣れない状況に、お互い戸惑ってるように感じた。

 その雰囲気を悟った先生が立ち上がる。

 コップを片付けると、水を出して洗い始めていた。

 後ろ姿を見ると、お尻の大きさもくっきり分かる。

 下着の線も分かるのは、ムチムチとして張り付いているからだ。

 そんな目で見てはいけないと思いつつ、どうしても目線がいやらしい目で先生を追っていた。


「お腹空いてない? 何か食べ――」


「……先生」


 僕は後ろから先生を抱きしめていた。

 ずっとこうしたかった。

 先生をこの手で……。


「……真一」


 振り返る先生の顔は真っ赤だった。

 いつも学校で見てる表情とも違っている。

 恥じらいに満ちたその顔に抑さえてた感情が弾けてしまう。


「先生っ!」


 その先生の表情がかわい過ぎて、僕は理性を保てなくなってしまった。


「んっ!? だめ、だめぇ!」


 大きな先生の声に驚き僕は手を止めた。

 慌てて離れると、自分のしたことが恥ずかしくなる。


「ご、ごめん。今日はこんなつもりで来た訳じゃなくて……。ただ先生が心配だったから……」


「分かってるわ。私の方こそごめんなさい。びっくりしちゃったから、大きな声出して……」


 すべてを悟ってたように先生は僕に対して笑顔を浮かべた。


「年頃だし、恋人同士だから興味ない訳ないもんね」


「そんなこと……」


 僕は嘘を付いた。

 興味がない訳はない。

 それでも今日は本当に先生に自分がそういう目的で部屋にやって来たと思われたくなかったんだ。

 だが、先生から意外な言葉が聞かせられる。


「違うの。だって、私も好きな人となら……」


 顔を赤らめた先生が俯く。


「……したいって思うわ。女だから」


「えっ?」


「こんな私でも求めてくれるなんて嬉しい。真一のこと、好きよ。だから……」


「先生。俺も先生が好きです」


 先生の方から僕に近づいて来た。

 近づく唇と唇。

 吐く息も当たる程近い。

 僕と先生は自然に近づくと唇を重ねていた。


   ◇   ◇   ◇


「先生、大丈夫だった?」


「ええ、大丈夫よ」


 すべてが終わった後、僕は先生と一緒にそのまま布団の上で寝転がっていた。

 僕の腕の中で体を寄せる先生が狂う程愛おしい。

 だから、余計自分の不甲斐なさが情けなくて仕方なかった。

 先生はそんな僕を見て笑っていた。


「何がおかしいの?」


「また次の機会でいいじゃない?」


「次って……」


「恋人同士なのよ。これからたくさんするわ」


 吹きながらポツリと呟く先生の顔は、今度は照れ臭そうな表情になっていた。

 僕はもう一度先生を抱きしめていた。

 絶対離したくない。

 そんな気持ちは先生に見透かされていたと思う。


   ◇   ◇   ◇


「今日はお見舞いありがとう」


「いえ、全然」


「風邪、移ったりしてないかしら?」


「大丈夫だよ。先生の風邪なら移っても嬉しいかもね」


「何言ってんのよ」


 先生のアパートを出ても、思い出すだけで興奮してる自分がいる。

 体にもまだ先生の肌の温もりや感触が残っていた。


 僕と先生は幸せだった。

 すべてが順調に進んでいた。

 順調過ぎて僕と先生の行動が普通では考えられないことだという事実を忘れさせていたんだ。

18禁だから、その辺は丸々カット……です。

過去編もここまでで、次話から戻ります(二話の続き)。ややこしくてすいませんです。

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