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2話 変人侍、朴念仁

 早くFGSの世界で刀をぶん回したいが学校という魔窟に向かわねばならないことが心底悔やまれる。

 「あ〜隕石落ちて学校休みにならなかなぁ。それかリモート授業の復活」

 一昔前は今では風邪扱いのコロナウイルスが恐れられていてリモート授業なるものが流行ったらしいが、サボる人が多く、成人した時に教養が身についている人が少なかったので当時の政府はリモート授業を撤廃したらしい。

 リモート授業がどんな感じだったのか思いを馳せながら学校に向かっていると唯にあった。


 「ん、剣斗じゃん。おっはー」

 「おは」


 一緒に登校しているとまたあらぬ噂がまた流れ、互いに迷惑がかかる(主に男子の嫉妬による被害)ので、時間でも潰してのんびり行くかぁと思い立ち止まってスマホでFGSの最新情報を調べる。

 

 「?どうして立ち止まるの?一緒に行こうよ」

 「また噂ぬ振り回されるからパス」


 この幼馴染は噂を気にせずにいられる強いやつだから、提案できるのだろうけど、俺みたいなFPSで芋しながら背後奇襲するような小心者にはちと荷が重い。


 「え〜しょうがないなぁ(せっかく時間合わせてきたのに......)」

 しょうがないと言いつつも何やらぶつぶつ呟いている唯の姿を見て些か恐怖を覚える。


 「ほらいったいった」


 背中を軽く押すとこちらを名残惜しそうに見ながらも小走りで学校に向かった。

 唯は純粋だ。

 小さい頃と同じように一緒に登校しようとする。

 そして恋とは厄介なものだ。

 近くにいるような気に入らない奴を徹底的に潰そうとするのだから。


 

 朝から鬱な気分になったので授業中にテロリストが入ってきて颯爽と対峙する自分を妄想してストレスを解消する。

 一昔前はそんなこともあったらしいが、今のご時世生徒一人一人の生体認証が登録されており、テロリストの乱入は妄想の産物となったらしい。

 いや、まぁテロリストに勝てるわけがないので安心するんだけどね。

 やっぱ颯爽と活躍する妄想をしちゃう。男の子だもん♪



 「こら冨樫!走らんかい!」

 OK、落ち着け俺。

 状況を把握しようじゃあないか。ちらとスマホに目を落とすと遅刻寸前の時刻になっており、校門前にいるのは生徒指導の申し子と言われる佐々山先生だ。

 あ、これ死ぬ気で走らないと詰むやつだ。


 

 「どうした冨樫?死にそうだぞ?」

 オリンピック陸上の選手のタイムを追い越す勢いで校門を通り抜け、教室に入り息も絶え絶えになっていると親友と言っても過言じゃないほどの中である羽生海が声をかけてきた。


 「遅刻......ゼェゼェ......佐々山......はぁはぁ......校門ダッシュ」

 頑張って呼吸をしながら何が起きたかを伝えると海は憐れみを含んだ目線をこちらにやり、ため息をついた。

 おっと、色男はため息ひとつでもかっこいいですなぁ。

 海はかなりのイケメンである。唯の男版である。

 末恐ろしきはそんな主人公感あるやつばっかが集う我が学校。


 「そういや俺最近FGS始めた」

 というと海は目玉がこぼれ落ちそうなほどこちらを見た。

 「え!?お前FPSで刀使うことが至高!!とかいってたじゃん!どういう心境の変化!?」

 「そんな以外かよ?普通にFPS以外もやってみよーかなーってのと、唯にやれってボコされた」

 「あれ?でも唯ちゃん何も知らないっぽいよ?ちゃんと始めたって言った?」

 「んにゃ、まだよ。だってあいつFGS廃人だろ?煽られるのが目に見えてるからな。もう少し強くなったらいうつもりだよ」

 海は呆れたものを見るような目でこちらをみてきた後にため息をついた

 (唯ちゃんが一緒にやりたいだけだってどうしてわからないのかなぁ......)

 「ん?なんか言ったか?」

 「いーや何も?強いていうなら朴念仁の相手は大変なんだなぁってね」

 どういう意味かと問い詰めようとしたら先生がきたので話を中断して自分の席に戻る。

 そのあとは真面目に授業を受けて、昼飯は海と学食を食べ、午後の授業も受けてから部活もないので帰宅する。





 

 朝の言葉の真意を確かめてないと気付くのはFGSを始める前だった。









 海の言ったことが気になりつつも、愛しいゴブリン(経験値)()し続ける。


 そろそろ街にも行ってみたいと思いつつ、ゴブリン狩りがやめられない止まらない。

 たまに色違いのレアそうなゴブリンを倒すと力が漲る感じがしたのでさらに首狩りを続ける。

 やはり刀は最強だ。どんなに堅そうな部位でもサクサク切れる。

 初期装備でこれなのだから、もっとレア装備だったらどんなに切れるのか。想像しただけでにやけが止まらない。

 ゴブリンたちが恐ろしいものを見る目つきでこちらをみたあと、逃げるが無駄無駄無駄ァァ!


 とまあ首を刈り続けているので経験値がどんどん貯まる。つまり、レベルがまぁまぁ上がる感じがするのだ。

 「そろそろ確認するかぁ『ステータス』」

 ________________________

PN:サイラム

LV:12

JOB:侍

3000P


装備

主武器:壊れかけの大刀

副武器:脇差

頭:兜

胴:甲冑

腰:甲冑

足:甲懸

アクセサリー:小面

________________________ 


 10レベも上がっていたので、テンションもアゲアゲだ。



 

 

 あとはやはり気になるのは大刀が壊れかけていることだ。

 「まずは、街で武器を購入しなきゃか」



 止めるのにちょうどいい時間にもなっているので、明日から街に行こう。

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