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1話 変人侍、出陣

 『Fantasia・Game・Skill』略してFGS。

 それは最近話題になっているフルダイブ型MMORPGだ。

 なんでも、現実と遜色ないほどのグラフィックであり、物理法則なども、スキル使用時などの例外を除いて再現されるらしい。

 さらに魔力、体力などのステータスがなく、差があるのプレイヤースキルのみ!

 一応身体能力は差がないらしい。

 例えばヘドバンしたとしたら髪の毛一本一本までが精密に動くらしい(公式PVより)。

 自分自身でキャラの職業、スキルなども選べるらしく、決めるのがめんどくさい人は自分にあった職業及びスキルをシステムが脳波から読み取って勝手に決めてくれるらしい。

 なのそれ怖。そりゃ陰謀論唱える人が出てきますわ。


 閑話休題。


 とまあそんな有名なゲームを俺はやろうと思っている。

 たまにはいつもやっているFPS系のゲームから離れるのもいいじゃん!と幼馴染に説得(物理)されたからだ。

 プレイするためだけに買ったソフト込みの機器は高校生には金銭的に厳しいらしいが、メールで両親に懇願すると、買ってくれた。ちなみに俺の両親は仕事が忙しいのか、かなりの放任主義で、なんの仕事についてるのか知らないし聞いたとしてもまともに答えてくれない。

 うわっ、私への愛情、低すぎ......!?


 2回目の閑話休題。


 明日の朝早くからFGSをやりたくてたまらないが、学校に行かなければならないのである。これが学生の悲しき宿命なのだ......。



 翌日、教室に入りながらぼちぼち挨拶をする。

 「おっはー剣斗(けんと)!」

 「おはよう。唯」

 席に着くと幼馴染の天宮(あまみや)唯から挨拶されたので朝の挨拶をする。

 唯は学校一美少女とも言われるくらいに可愛い。綺麗系というよりも親しみやすい顔立ちである。

 ふむ、何真面目に語っているのだろうか。俺にとっても唯にとってもお互いに恋愛感情はないが、幼馴染ということもあって仲が良く、入学したての頃は周りからはカップルのように扱われていたが、二年に進級した時には落ち着いていた。


 その後はつまらない授業をBGMにこれから始める『FGS』に思いを馳せ、学校が終わると同時に自宅へとダッシュする。

 すぐに手洗いうがいトイレ水分補給をこなし、ゲームを起動する。







 目を開けると真っ白な空間に立っていて目の前には剣が刺さっていた。

 状況が飲み込めず突っ立っていると、突然話しかけられる。

 

 『Fantasia・Game・Skillへようこそ!新人旅人さん!私は新規ユーザー対応の案内人13号です!気になることがあったらぜひ話しかけてくださいね!』

 「おぉ!すごいなぁ!」

 『質問がないようなので先に進めますね!「え、ちょm」今からあなたは旅人になってこの世界を旅してもらいます!モンスターを倒すもよし、ひたすら植物を観察するもよし、最低限のルールを守っていただけたら何をしてもらっても構いません!』

 「なるほど......」

 『さて、早速ですが、容姿、職業、装備、を決めてみてください!あ、面倒であったり、よく理解いただけない場合はランダムに決めますのでおっしゃってください!容姿に関しては、基本的に自分の顔のままやる方が多いので、初期状態は自分の顔となりますが、個人情報となりますのでご注意くださいね!』

 

 すると目の前には現実での俺がいた。

 流石に自分のままやるのは少し恥ずかしいのでとりあえずは茶髪な髪の毛を真っ黒に、虹彩も真っ黒にした。

 これからどう加工しようと考えていると13号が『決定いたしました!』という。

 もう容姿をいじろうとしてももう加工できないみたいだ。ほぼ自分なのが少し恥ずかしい。

 『続きまして職業です!』

 目の前に一覧が広がる 

 ・剣士 ・戦士 ・侍   ・暗殺者 ・タンク

 ・鍛治師 ・踊り子    ・盗賊 ・銃士 ・錬金術師

 ・司祭 ・僧侶 ・魔術師 ・呪術師 ・薬師 

 ・医師  ・付与術師   ・回復術師   ・騎士 ・農家   

 ・平民 ・教師 ・漫才師 ・吟遊詩人・船長  ・探偵 

 ・料理人    ・司書 ・自宅警備員

 ・詐欺師・弁護士・娼婦  ・使役術師・賭博師 ・拳闘士 ・アイドル  etc......

  

 やはり自由度を謳っているだけあってかなり多い。

 あからさまにおかしいだろっていうのもあるが、それもまた醍醐味なのだろう。

 『これ以外にもたくさんありますし、今表示されているのは一次職です。一次、二次、三次、超級職、があります。さらにその中でもユニーク職、一般職と、たくさん派生しているので、ぜひ自分に合った職業を探して進化させてみてくださいね♩』


 「わかったよ」

 『では、職業は何にいたしますか?』

 「侍でお願いします」

 『かしこまりました!』

 自慢ではないが、前やっていたF()P()S()()()()()()使()()()()()()のである。あの弾丸を切る感覚がたまらない!!刀はリーチも長く、与えるダメージ量も高いという理想の武器なのだ!と興奮していると案内人が告げる。


 『続きましては装備です!基本のものにするか、オリジナルでいじることもできますよ!......まぁ、性能は同じなんですけどね!あと、任意でアクセサリーも一つお選びできますよ!』

 

 と、目の前のアバターが日本甲冑姿になる。

 武器は脇差と大刀のようだ。

 ......ふむ。流石に顔を曝け出したままやるのは小っ恥ずかしいなぁ。

 

 「初心者用アクセサリーを効果がなくてもいいのでを小面の仮面にすることってできますか?」

 『えっ?小面?あ、はい、一応できますよ?』

 「じゃあそれでお願いします」


 目の前のアバターは小面の仮面をつけた日本甲冑の変人になった。


 「これでいいです。ありがとうございます」

 『あ、はい。続いては名前を教えてください』

 「名前は、サイラムでお願いします」

 侍を並び替えただけの安直な名前だが、ゲームをやる時にはいつもこの名前にしているので結構愛着が湧いている。

 

 『ではサイラムさん、いってらっしゃいませ!!!あ、言い忘れてましたけど『ステータスオープン』って言えばステータスが見ることができます!』

 

 感謝の気持ちを伝える前に視界が白に染まった。




__________________________





 視界が落ち着いてきたので目を開けると、空一面に広がる星空があった。

 どうやら草原に転移?したらしい。

 「うぉぉ!綺麗だなぁ!」

 側から見たら日本甲冑with小面という変人が踊っている恐怖映像だが生憎突っ込んでくれる人はいないので奇行は止まらない。が、落ち着きをなんとか自制心が取り戻した。

 

 「まずはMMOと言ったらまずはレベル上げだぁぁ!!」

 

 夜空?どうせまた見るし感動するだけ無駄無駄ぁ!

 

 刀をいつでも抜けるようにし、獲物を探す。


 「経験値ちゅわぁん♪どっこでっちゅかぁ〜」


 ふらふら獲物(経験値)を探して彷徨っていると、目の前に動くものが!


 あっ!やせいの ゴブリンが あらわれた!

 「さぁて、血祭りの時間だぜぇ!ヒャッハー!」


 サイラムの こうげき! ゴブリンは斧でパリィした!

  

 「なぬ!?」

 

 ゴブリンの こうげき! サイラムには あたらなかった!


 ここまで何年もの歴史を誇るRPGごっこをしていたが、一人のゲームのなりきりは少しばかり虚しいのでとっととゴブリンの首を切り裂く。

 やったね!一撃死ダァ!気持ちぃ!

 「グフフフフフハハハハハハ!」

 

 

 同じように首狩り侍ごっこ(笑)をしていたら、突如脳内に[レベルが上がりました]と鳴り響く。

 おお!Dクエストっぽい!早速確認せねば!

 「『ステータスオープン』」

________________________

PN:サイラム

LV:2

JOB:侍

3000P


装備

主武器:大刀

副武器:脇差

頭:兜

胴:甲冑

腰:甲冑

足:甲懸

アクセサリー:小面

________________________

 

 ふむふむ。なるほど。

 

 初期装備of初期装備だな!


 っと、そろそろ寝る時間になるな。


 ログアウトして寝るか。



 現実世界に戻り、適当なものを胃に詰めて歯を磨きながら風呂につかる。

 時短だ時短!!


 布団に入った時、あまりにテンションが高かったのを思い出したせいで結局全然寝れなかった。

 〈黒歴史+1〉

 


 











 サイラムが気持ちよく首狩りをしていたのを目撃していた人がいた。

 「何あれ、プレイヤー?隠しボスかしら......掲示板で聞いてみよっと......」


 こうして新たなる都市伝説が生まれることになったのだが、当の本人はまだ知らない......

宜しければ高評価ブクマいいね布教をお願いしますっ♪

 


僕は野太刀を背負った細マッチョが大の好物です。

メガネかけてるとなお良き.....

皆さんもぜひどんなキャラが好きか教えてください!


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