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深淵につながる森にて

深淵につながる森で一人のキャラがセーフエリアに向かって移動していた。


「回復薬+99……私達は正しい選択をしたと証明したい」


私は支援班の内の一人で回復薬+99の詳細の経緯を知っている。

回復薬+99の作成が可能だと確信した時、最前線組の意見は様々な意見が出たが大まかな意見は2つだった。



一つは、この作成法を独占し今後必要となるであろう運営資金にする案

もう一つは即座に情報開放し回復薬+99を市場に出回せる案



いくらクレイモア八刀流があると言っても決して

『死んだら現実側でどうなっているかわからない』

というのは変わらない。その為比較的安全な場所で野草を摘み、加工し市場やNPCに売ることで生活している人は未だ多い


その中でも回復薬は一定の需要があり、店売りも比較的値段が高いことから

命を賭けて戦う者から採取中に襲われてしまった者までセーフエリアの外に出る者の命の保険として作用している

そしてその保険を売って生活している者も多く存在する


「これを利用すれば、命の保険として人々から多額の金を集金できる」

「店売り最新装備が整えられ攻略は加速し、一日も早く脱出の糸口に繋がるんだぞ」

「それにこれから先、『店売りの高額必須アイテム』を購入しないといけない場合が発生した時どうするんだ」

「俺達攻略組が地道に依頼をこなして地道に金を集めていくのか?」

「そして、その依頼をこなす俺達の命のリスクはどうなる?」

「だが、しかし!!この方法を独占することにより、こういった自体は避けれるんだ」

「よく考えてくれ!」


独占組はそういった主張をした。


対して開放組は

「結局、依頼金は多く生活するための金は比較的少ない」

「回復薬が出回ることにより死ににくなり、積極的に金がもらえる依頼をを進めたりする人がでる」

「そういった事が進めばPL間全体のインフレが進んでいき、そういった自体に対応できる」

「なにより一部の検証やデバッグは攻略組ではない有志の方もいる。そういった人達から反感を買ったりする行為は避けたい」

「それに無限金銭増殖バグや無敵バグ、必殺バグが発見される可能性が高くそれが発見されれば回復薬などタダ同然になるので渋る必要性はない」

「最も『店売りの高額必須アイテム』なんてものは昨今見ないし最新装備はストーリーのクリア報酬で十分補えているから君達の理論は破綻している」



「そして何より、できる限り人が死ぬような自体は避けたい」



それ以外にも複雑な経済学の話をしていたが、引きこもっていてロクに学校に行ってない私が分かる範囲はここまでだ。



私としては独占組は『自分たちは命or時間をかけてこのゲームを攻略しているだから自由にしても良い、攻略に手を貸さない愚民はコントロールしても良い』

つまり特権階級になりたいだけな気がして反対した。

なにより、最低一日生活するだけの金額より、依頼をこなす事によって得られる金はそれの15倍くらいあるので嫌でもインフレはしていくと思う。


議論は丸一日を要した、結果を端的に話すと代表であるMOZUKUさん

「これで発生する責任と説明は俺が負い、この現象で発生する損害の全ては俺が出す」

「無論、賛同者の人達には金を借りる事になるだろうが、必ず返す」


の発言により、意見は売る側に傾き

最終的に多数決により回復薬+99は全てゴミ同然の価格で売り出されることになった。

ただまだ良かったか悪かったかの結論は得られてない、これから攻略を進めていく過程で得られるだろう……





「だから……だから私達は正しい選択をしたと証明したい」

そう言って深淵につながる森1-1のセーフエリアにたどり着く、そこには




ムキムキマッチョマンがゲーム内にあるジェスチャー『ポージング』を使用して全裸で発光していた。




「…………」

唐突に話は変わるが、昨今のゲームは自分でかなり詳細に作り込む事ができる。

が、しかし、ロクにキャラクリぢからを鍛えてない人間が作ると



『これマジ?上半身に比べて下半身が貧弱過ぎるだろ………』



ということが往々にしてある。

特に足の甲や足首周りをデフォルトやオート調整にした結果、骨が浮き出たり細かったりする現象が多くあるが、このキャラは足の甲、手の甲までしっかりと作られており、なんなら指の関節・爪の先まで体格やジョブに沿った作りをしている。



「た、たしかに手塩にかけて作られている……」



これは完全に私の敗北……ここまで作り込まれたら愛情もひと押しだろうし、これほどまで作り込む為には眠れない夜もあっただろう。

かわいいキャラクターを見に来たという邪な目的がなければ



「大胸筋を合成しているのかい!?」

「作っている毒消し ドンドンデカくなっているよ!」

「低い合成確率を筋肉で補っている!」

「筋肉という装備はリターン・オブ・マテリアルでプロテインに戻らない!!」



と様々な掛け声をしていただろう。

とりあえず釣る用にスクリーンショットを撮り、マッチョマンにゲーム内機能のいいねを送った後、ここから立ち去ろうと振り返ると、そこそこ可愛く作られた猫獣人が非常に複雑そうな顔して佇んでいた。

もしかしてと思いゲーム内ジェスチャー『オマエモカー』を送ると、それを見た猫獣人は途端に笑顔になり、ジェスチャー『オマエモナー』が返ってきた。


私以外に釣られた人もいるんだなぁ。


なにかシンパシーを感じフレンド申請を送ったと同時に、相手からもフレンド申請がやってきた。

似たもの同士だなと私は少し笑いながら、喜んでフレンドを了承した。

こういう話を書いておいてなんですけど、大体のMMOだとキャラクター同士は重ねれますし

未来のフルダイブ型のやつでもキャラクターをブロックするとキャラが見えなくなるみたいな事はできると思うので

「こういう自体が起こらなくないか?むしろ」


『PLをブロックした後そのPLに重なるように移動し、ブロック解除した場合座標位置がおかしくなります』


「で一本書いたほうが良いのでは?」

と思いながら書いてました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] これからもどんどんマッチョをみにくる 哀れな人がいそう [一言] まぁこのゲームはそういう仕様ですで いいんじゃないですかね、実際未来のゲームとか わからないですし
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