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呪殺夢  作者: FROGGER
16/22

五夜目 4

 本堂の闇に浮かぶ蝋燭の光が、老婆の輪郭を形作る。


 「大口を叩いてこれか、無様じゃのぅ?」


 老婆の前で跪く男。


 「汚名をゆすぐ機会を与えてやったものを。 今更見せしめをして事が済むと思うたか。 このたわけめ」


 老婆の罵声に、身じろぎもしない男。 恥じ入っているのか、それとも……


 「貴様のせいで、此度の所業が浮き世の果てまで知れ渡ったのじゃぞ? 身の程は弁えんと、のぅ?」


 沈黙が続く中、老婆の影がゆっくりと後ろを向く。


 「これより『呪殺夢』を執り行う。 もはやお前の居場所など、ここには無いわ。 己が無能を呪いながらね。 痴れ者め」


 周りを取り巻く気配が一カ所途切れる。


 外へと続く木戸だと察する男。


 (お帰りはあちら、か)


 心の中で歯ぎしりしつつ、男は逃げた(・・・)




 外へ出た男は、目を疑った。


 村外れの一角が、淡い光に包まれている。


 脱兎のごとく光の方角へと向かう男は、とある民家の前で立ち止まると勢いよく木戸を開けた。




 (ねぇ、こんな話、知ってる?)




 Iチューブのメッセージが表示されたパソコンの前にいた二人が、振り向く。


 「どこに言ってたんですか、運転手さん(・・・・・)?」


 「……いつだ?」


 「遅いですよ、先輩(・・)?」




 「いつ気付いた?」


 戸口に立つ男、坂間真悟が問うた。

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