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18 一時の休暇

本ページには暴力的、性的な描写があります。

苦手な方はページを飛ばしてください。

(とりあえずお決まりのコースを進もう)


俺は豪華な魔法車に乗り込み、この国で一番立派な館に向かった。

この館がこの国の俺の家だ。


もちろん、担当しているもう一つの国にも似たような館が存在している。

一応説明しておくと、この家も、そしてもう一つの国にある家も別に俺が買ったわけじゃない。

聖なる加護者様たる俺に、この国のクズどもが「寄進」して来たのだ。

よって俺の大事な大事な、命の如く大事な財布には全くダメージは無い。


巨大で豪華な門を魔法車がくぐり、館の入り口に到着すると、俺は車を飛び出し寝室に急いだ。

勢いよく寝室の扉を開けると、そこには美しい女達が整列している。

こいつらは娼婦などと言う下賤な連中ではない。

この国に住んでいる貴族や商人、権力者が用意した身元のはっきりした女達だ。


もちろん、用意されているのは女だけではない。

ギラギラと輝く巨大な宝石、下賤な者どもが一生口にできないであろう砂糖を大量に使った菓子や俺専用の牧場で育てられた脂滴る肉料理の数々、更には一本で城が立つという程の価値がある高級酒がずらりと並んでいるのだ。


そんな寝室を前に、俺はよだれが出そうになる。


(毎度のことだが、この寝室の扉を開ける瞬間が楽しみで仕方ない。

こいつらは俺の子種が欲しくて欲しくて仕方ないのだ。

「加護者の子供を身ごもる」というのは世界共通の女の夢らしく、こいつらは娼婦ですら嫌がるような行為も嬉々としてやってのける。

そんなクソみたいな事が夢と言うのは笑えるが、俺としては毎回楽しめるので大歓迎だ。


さて、どいつから楽しもうか?)


俺は一瞬だけ悩みはしたが、いつものように脳みそではなく下半身の指示に従うことにした。

そして俺は気に入った数人をベッドに押し倒し、旅の疲れを癒す。


(ふふふ、「旅の疲れ」か、我ながら傑作だ。

俺が使っている魔法車は最新式だから、運転で疲れるような事は殆ど無い。

街道も難所という部分は全く無く、その殆どが直線だ。

俺は曲がり道になった時だけ、ハンドル操作をすればいいだけなのだ。

最近では「そろそろ曲がり道だな」というのが分かるようになってきた。

それ以外の時間、俺は魔法車にある個室で寝るか娯楽本でも読んでいる。

そして日が落ちれば魔法車を止めて、用意してある夕飯を食べて寝るだけだ)


俺は女どもの体を味わいながら、至福の時間を過ごす。


(ああ、やはりこの瞬間はたまらん。

女の肉布団に包まれる瞬間はいつでも興奮する)


俺はベッド脇に立たせている女どもをチラリと視線を送る。


(さて、こいつらの相手が終わったら、次はあいつらだ。

さて、こいつらの何人に「お情け」をくれてやろうか?


……やれやれ……、全くもって俺は本当に慈悲深い人間だ。

こんな下賤な者どもに、分け隔てなくお情けを与えるのだから……)


それから俺は用済みをベットから叩きだし、ベット脇に立つ何人かの新品女を指差した。




翌朝。

散々楽しんだ俺は寝室を出た。

そろそろ、もう一つの「お楽しみ」の為に、しっかり朝食をとらないといけない。


椅子に腰掛けた俺の目の前には、豪華な朝食が用意されている。

これはこの国で1、2を争う料理人どもが作った朝食だ。


もし俺が一言「不味い」と言うだけでその料理人は職を追われる事になるが、そんな危険を冒してでも加護者に食事を提供するという名誉を連中は求めているのだ。

連中は己の料理が加護者の血肉となる事で、それが女神様にも伝わるのだと信じている。

噂では、俺が一言「美味い」と言っただけで、その料理を作った料理人は嬉しさのあまり気絶したらしい。


そして食事が終わったら風呂だ。

もちろん、風呂場にも女どもが配置されている。

どいつもこいつも積極的に胸を当ててくるし、タオルなんぞ使わずに、手で俺の体を愛撫するかのように洗うのだ。


もし気に入った女が居れば、その場で押し倒す事もある。

今日は俺の「お情け」に適う女は居なかったが、まあ、明日になれば新しい女どもが補充されているだろう。

気にしなくても、国に居る間はずっと楽しめるのだ。


その後、風呂を出た俺は大切な「私物」が入った箱を魔法車に乗せると、大通りを進んで行く。

本来ならば、この時間帯の大通りは混雑の極みであり、ほとんど進む事も出来ない筈なのだが、俺が国に居る間は俺専用の「加護者路」が存在している。

大勢の無能どもがモタモタしている姿を横目に見ながら、俺が乗った魔法車は目的地を目指す。


それから少しして、目指すべき場所が見えてきた。

それは国一番の大商会が所有する建物だ。

既に入り口には制服を来た美人どもが整列しており、その中から気に入った女を選んで連れて行く。


更に俺は車に積んであった「私物」の入った箱を女どもに持たせ、この商会のトップが待つ部屋に通される。

そして女どもに扉を開かせ部屋に入ると、大商人という風格の爺さんが土下座して俺を向かえた。


(ふん、何が大商人だ。

こいつの頭は毛が少ないから靴の汚れ落としにも使えない)


俺はジジイの頭をグリグリと踏みつけながら、


「持って来てやったぞ」


と言う。

するとジジイは、


「ありがとうございます! 加護者様!!」


と大声を出すのだ。

そして俺は「私物」の入った箱をジジイに渡すと、ジジイは俺に大量の金貨を差し出す。

支払われた大金に、俺は視線を送った。


(全く、この副業はいつまでたっても辞められない。

基本的に特別神官の私物は全ての検査の対象外だ。

という事は、本来禁止されている「物」も、簡単に運ぶ事が出来る。


……そういえば、今回運んだ物は何だったか?

麻薬だったか? それとも教会が禁制としている書物だったか?


……まあ、どうでもいいか。

どうせ誰も俺を咎める事など出来ないのだから)


ジャラジャラと金貨が音を立てる大きな袋を前に、俺はニヤニヤとした笑みを浮かべ続けた。


(基本的に、俺が金を支払うことはない。

俺が宝石店に入れば、そこの商人は店で一番高価な宝石を何とか渡そうとしてくる。

俺が暇つぶしに武器屋に入ったときは、国中の武器屋が集まり、最後には国宝級の剣を渡そうとしてくる。


どこの店に行っても俺は特別待遇であり、俺に金を請求するアホは居ない。

どいつもこいつも「うちの商品を加護者様が身につけている」という名誉が欲しいのだ。

もし加護者が商品を身につけ、一言でも「これは良い物だな」と言ったら、その店の将来は安泰だ。

国中から客が集まり、栄える事が約束されるのだ。


……だが、使わないにしても金には一種の魅力があるのも事実だ。

実際に使う事の無い金ではあるが、金の山というのは見えているだけで心が落ち着く……。


この荒んだ世界を生きる健気な俺に、一時の安らぎを与えてくれる……。

だからこそ俺は金を愛しているし、金も俺の事を愛しているのだ。


更に言えば、金の山を女どもに見せると女どもの目の色が豹変する。

それを見るのも一興なのだ)


俺は「使う事の無い大金」を車に乗せ、商会の女を一人選んで裸にしてから車に放り込み、館に到着するまでの間、暇つぶしに楽しんだ。

もちろん「お情け」は口にしか出さなかったのだがな。

俺の「お情け」はそんな簡単に与えられるような安物ではないのだ。


その事実を知った時の女の顔は傑作だった。

全裸で四つん這いになり、犬そのまんまの姿となった女は不満そうな顔をしたので、俺は顔面を蹴り飛ばした。

すると女は口から血を流しながら床を転がり悲鳴を上げる。


(……まったく、女は一々喧しくて仕方が無い。


だが、俺の足元で女が苦しんでいる姿というのは素晴らしい。

金ほどではないが、俺の傷ついた心を癒す力がある)


俺は床で苦しむ女の腹を踏みつけ、靴の裏で女の体を楽しむ。

美人の柔らかい女体を、硬い靴の底で踏みつける快楽と言ったらない。


そんな余興を楽しんでいた時、俺は見つけた!

俺好みの女が歩いている姿を!!


俺は急いで魔法車を止めさせ、車の周りに居た護衛の騎士達に、


「おい!! あそこにいる赤い服を着た女だ!! あの女を館に連れて来い!!」


と命じた。

すると命令を聞いた騎士達は力強く頷き、人ごみに消えた女を追いかける。

俺はそんな騎士たちを興奮気味に見送った。


(さて、今夜が楽しみだ!

久しぶりに興奮出来るぞ!!)


そして俺は、余興を再開するのだった。



夕飯後。

寝室で女を待っていると、騎士たちが女を連れてきた。

騎士達に腕をつかまれ、女はもがいている。

騎士はベッドに女を押し倒し、暴れる女を拘束した。

女は必死に叫ぶ。


「加護者! 私の腹には既に夫の子供がおります!! どうか! 産まれるまでお待ちください!! やっと身ごもった子供なのです!」


女は涙ながらに訴える。


「もう子供が出来ないと諦めていた時、やっと身ごもったのです! 今、激しく動いてしまうと、この子が流れてしまいます! どうか! どうか!」


屈強な騎士達に拘束され、身動き一つ出来ない妊婦はポロポロと涙を流し、懇願してきた。


(そうか……。

お前は、そんな事になっていたのか……。

俺は、そんな状態の女を犯そうとしていたのか……。

……それは……。


とてつもなく興奮するではないか!!!

久しぶりにみなぎって来る!!

お前達が必死に作った結晶を、俺の「信仰心」で貫いてやろう!!)


しかし、妊婦は必死になって暴れ続けている。

これでは、夜を共にすることは難しい……。


そこで俺は周囲にいる女達に命じ、妊婦に媚薬を注射させることにした。


「女ども聞け! この女に最も多くの媚薬を注射したものに、次のお情けを与えよう!」


この一言で女どもの目の色は変わり、そして妊婦の命運も決まった。

俺は続けざまに騎士に命じ、妊婦を絶対に動けないように拘束させる。


俺の言葉を聞いた妊婦は注射をされまいと必死に身をよじるが、5人の騎士と10人近い女どもが妊婦の体を完全に固定し、指一本すらも動かせない。


そんな妊婦に女どもは我先にプスプスと注射を打ち続ける。

女どもは、


「神官様! 見てください!! 私が打った注射は3本目です!! もっともっと注射しますね!」

「私はこんなに注射しました!!」

「次の注射はわたしが用意しました!!」


と競うように注射を続ける。

既に棚にあった瓶は全て空になって床に転がっている。

空き瓶は全部で……20個くらいかな?


(これでこの妊婦も楽しめるであろう。

おお、俺はなんて優しいんだ)


うるさい口は騎士が既にふさいでおり、妊婦は「ウーウー」と泣いているんだか、喋っているんだか分からないアホな音を出している。


(そろそろ妊婦は正気を失いつつあるな。

媚薬が効いてきたようで、瞳孔が開き、目がうつろだ。

本来なら薄めて注射する媚薬を何本も注射したのだ。

これで効かないなら大した者だな)


今、妊婦は快楽の海に居るのだろう。

騎士達が拘束を解いても逃げようとしない。


妊婦はグッタリとベッドに横になり、ほとんど気を失っている。

そんな妊婦に女どもは跨り、まだ注射をしていない場所を探しては注射を続ける。


そのうち、気を利かせた女が液状の飲むタイプの媚薬を持ってきた。

そして妊婦の鼻を押さえて、ぽっかりと開いた口からも大量の媚薬を飲ませる。


既に意識を手放している妊婦は、その媚薬を無抵抗にゴクゴクと飲み続ける。

すると妊婦はビクンビクンと痙攣を始め、それを見て女どもは歓声を上げた。


「神官様!! 私の注射した媚薬が効いたのです!!」

「いいえ違います! 私が飲ませた媚薬が効いたのです!!」


「そうだ! 神官様が使いやすいように!! この女の腕を縛っておきますね!」

「あっ!! なら私は足を固定します!!」


とキャーキャー騒ぎ出した女どもを手で制し、俺はベッドに近づいた。


(……さて、楽しませてもらおうか。

久しぶりに一晩中「お情け」をやろう)


そして俺は既に意識の無い妊婦の体にむしゃぶりついた。



翌朝。

隣で寝ていた妊婦は既に冷たくなっていた。


(そういえば最初の頃は随分体温が高かったのに、途中からいきなり体温が低下したな。

何度か度数の高い酒を肛門から腸に入るだけ流し込んだが、結局体温は戻らなかった。

……まあ、冷たくなった分、絞まりも良くなって随分気持ちよかったのだが。


あれは新体験だった。

また今度やろう)


少しだけ満足げな笑みを浮かべた俺は、冷たくなった女の体をベッドから蹴り落とす。


(しかし、この妊婦はくたばっていたのか。

ああ、もったいない事をしたな。

肛門から流し込んだ酒は、そこそこ高級品だったのだが。


……まあ、どんな高級酒であっても簡単に補充できるし、同様に女も補充は容易い。

何故なら俺は加護者だからだ。


俺の行いは全てが肯定され、ゴミどもの尊敬を集める。

こんな妊婦が何人死のうが関係無い。

この国に住むゴミども全員よりも、俺の方が価値があるんだ。


それにこの妊婦も幸福だったんじゃないか?

最後に加護者に愛されたんだからな。

多分、今頃女神様に祝福されているだろうよ。

良かったな、おめでとう)


俺は寝室の外で待機していた騎士達に命じ、生ゴミの処理を任せる。


(やれやれ、あの程度で死ぬとはな。

全く、俺はあの妊婦に粗相をされた絶対的な被害者だ。


このベッドはお気に入りだったのに、生ゴミが乗っていたとなると新品に交換する必要がある。

仕方ない、今晩は隣の寝室で寝るとしよう。

いい迷惑としか言いようがない。


ちょっとはこっちの気持ちも考えて欲しいものだ。

最近は「他人を思いやる」という基本的な気持ちが欠如し始めているように感じる。


それと多少の我慢くらい出来ないとだめだろう。

だからあの程度でゴミが生ゴミになるんだ。


これは女神教の信仰をもっと広めないと駄目だな。

……全く、こいつらの無能っぷりには頭痛がしてくる。

本当に、世界には正常な人間が一人も居ないな)


等と少しだけ落ち込んだ俺ではあるが、直ぐに気持ちを切り替える。


「……さて、気を取り直して朝食にケチを付けるとするか」


騎士達が人間大の袋に生ゴミを入れて寝室から運び出すのを確認すると、俺は朝食を呼ぶベルを優雅に鳴らした。

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