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さあイツでもドコからでも!

 新しい銃を腰にブラ下げて御満悦のボクは鏡に向かって何度も銃を抜いて見る・・・少々大きいけど抜き打ちには問題が無い、ボクはオリジナルの新型炸薬式実弾拳銃の出来に満足している。

 デザインはコッチの世界と時代寄りのSFチックなデザインで、どちらかと言うと地球ではSFテイストのアニメかゲームに出て来る様な見た目をしている。

 そして威力は・・・うんコレは拳銃じゃ無くて大砲が出すべき威力かも知れない、普段は弱装弾を使って威力を落としておこう。


 無駄な事してるなって?

 ロマンだよロ・マ・ン♪


「でも・・・こう言う格好で銃をブラ下げるのは当分お預けかぁ・・・・・」


 自分で言い出しといて沈んでいるボクだった・・・そうミューズに化けて相手を挑発すると言う事は、当然ボクが変装してミューズに成って行動すると言う事つまり女装である!

 ボクが一番コンプレックスを刺激される事、しかも今回は自分から言い出したから今更逃げられない!


「またボクが女だったと言う風分が・・・」


「いっそキッドさんも世の中のオカマさんに習い開き直って女装を趣味にされては?クセに成ると割と快感に成っちゃうって話ですよ女装は・・・いや何を!」


「それにキッドさんの女装なら間違い無く需要が・・・冗談ですっ、冗談ですってばぁ!」


 銃を抜いて安全装置を外しながら照準を付けると二人が必死で謝り出した!

 まあ弾倉(マガジン)を抜いて薬室(チェンバー)も空にしてあるんだけどね・・・言う必要は無いな!


「とにかくキッドさんがミューズ様に化け、ミューズ様を狙う相手を見定め無力化する間に・・・・・」


「私達はミューズ様がバカンスを楽しみながらも目立たない様に行動させると言う事ですね?」


 ジーンさんとニアさんに言われる・・・彼等の協力も必要だったからファルデウス帝国軍人の7人には事のあらましを話したが、当然だけどミューズにはテロリストが親族である事もあって話せ無い。

 そこで・・・・・


「折角お爺様から逃げたのに・・・」


「そう言うな()孝行だと思って付き合ってくれ・・・・・」


 情報集めにギルドに行ったらギルド長が爺ちゃんの友人(実際に幼馴染)で情報が漏れた事に、そしてクレメンスさんからミューズに国賓として式典に参加要請して貰い、その後も爺ちゃんからの❝お願い❞で何度か公務として表舞台に貌を出して貰った。

 その間はジョシュアさん達が挑むレースに奴等が何かしないか調べてる事にしてボクは貌を一切出さ無かった・・・いや実際に廃教主義者達の事は調べてはいたんだけどね、それでもミューズを一人でファルデウス帝国の公務に出席させた事は(影ながらガードしてたけど)チョッとした理由が有った。


「こうして見るとお姫様と言うのも大変な物ですね・・・明日からジョシュアさん達の予選が始まると言うのに・・・・・」


「じゃあ入れ代わって上げ様か?ボクもやる事が無くてヒマだし、抑々レースは見るより出たいから・・・」


 ミューズは悪戯っぽく笑いながら、


「そんな事したらジョシュアさん達泣いちゃいますよ、でも大丈夫ですよ私もお爺さまの孫として・・・あれ?」


 よろけたミューズをボクは後ろから抱き締めると介抱する振りをしながら、


「如何したんだ?アリス、ミューズにメディカルチェックを・・・・・」


 勿論ミューズが多少疲れてた事は確かだけど、よろけたのは一服盛ったから・・・そしてミューズを医療用のカプセルに放り込んでアリスに検診させた事にして、


「少々お疲れの様ですね・・・でも大丈夫ですよ病気とかじゃありません!」


「過労か・・・お前ずっとカプセル保存(㊟精神は擬似的にAIを経由、AIに移さなくても躰を冷凍保存させて代行させる事は可能だった)されてたんだから、少しは躰を労わってやらなきゃ駄目だ!それでも無茶すると言うなら少しハードなオシリ叩きで反省させるぞ?」


 と罪悪感を覚えながらミューズを説得いや脅迫した♪

 こうしてボクはミューズの身代わりを堂々とする事に成り、ミューズはジョシュアさんの別荘でレースを観戦しながら療養、イリスとアイギスさんには看護及び付き添いをして貰った。


「あんまりミューズを騙したりクスリ盛ったりしたく無いんだけど・・・・・」


「まぁミューズさんを守る為と言う事で・・・」


 こうしてボクは恒例の女装でミューズに化ける予定だったけど、その前に・・・・・




 この際、正直に言ってさ・・・ただのテロならボクは出しゃばる気は無かったんだけど、相手がミューズを狙って害する気なら話は別だった・・・もちろん感だけで無くチャンと検証し敵が本気なの確認してから判断するけどね殺す事を!

 ミューズを皇帝の孫娘で皇位継承者として、そして英雄キャプテンキッドの相棒でヒロインとして、アイツ等の眼に付く所に目立つ様にして押し出した・・・それを見てアイツ等は如何するかな?

 もちろん悔しがりながらも今更手を出さないと言うなら何の問題も無い、態々コチラから毒虫の巣に手を突っ込む事は無いからね・・・後はノーマの司法機関の仕事に成る。

 でもボクの感は確実にチョッカイを掛けて来ると言っている・・・それも廃教主義のテロリズムに絡めて、抑々ミューズの活躍は既に耳に届いてただろうしソレがコッチから手の届く所に来て奴等が黙っているとは思え無かった。


 そして奴等が手を出して来るなら・・・その舞台は間違い無く惑星エルヴィン赤道4周レース、テロとしての宣伝効果を狙うならココでミューズを襲うしか無いだろう!


「さぁ手を出すなら出して来い、その手が掴んだボクの手が貴様らの地獄行きチケットだ・・・その時は超特急で地獄に送り込んでやる!」


 ボクは舌舐めずりしながら敵を待ち構えていた・・・そんなボク達は()()見付けたテロリストの隠れ家の前に居て、司法当局に連絡して警察機構の到着を待っている。

 そう偶然いや偶然ですよ偶然なんだってば・・・解かったよ嘘ですよ偶然じゃ無いですよ!


「こちらキッドですけどマクレーン警部、敵がコチラに気付いたらしいけど如何しよう・・・見逃しちゃっても良いかな?」


「良いわけ無いだろ!だが民間人に逮捕の代行を依頼するなんて・・・」


 まぁ警察が民間人に戦闘や逮捕を依頼したくは無いのだろうけど、生憎コッチもそう言ってられない状況に成っていた。


「その前に邪魔なボク達を殺そうと思ったみたいで弾がコッチに・・・・・」


「それを先に・・・いや相談する前に反撃しなさい!君ならテロごときに後れを取る事は無いだろう?」


 良し!

 お墨付きは貰ったぞ♪


 ボクはイメンケさんとアノンさんに調べさせてたテロリストのアジトで、車庫前で銃撃して来る愚か者(テロリスト)に銃を向け・・・そして自分の心の中にある本当の気持ちを素直に正直に暴露した。


「モルモットの諸君!ボクの新銃の試射に付き合ってくれてありがとう、峰打ち(非殺傷弾)だから安心して撃ち抜かれてくれ!」


「いや撃つのは兎も角、抜かれたら普通に死ぬんじゃ・・・・・」


 イメンケさんが呟いたが言い終わる前に3連射・・・すると3人のテロリストが数メートル後ろまで吹き飛ばされ、派手な音を立てて建造物や車庫の壁にブチ当たると落下し此処(ココ)からでもハッキリ判るほど明確に痙攣(ピクピク)してる!


「・・・・・おかしいな・・・・・普通に打撃だけで体内には入らない弾の筈なのに?」


「体内に入らなくても威力有り過ぎでしょ、打撃専門の格闘家のパンチより威力がありますよ?思い切り助走付けたヘビー級レスラーのドロップキック並みのパワーが有る!」


「ちなみに被害者は確実にフライ級以下ですからね、あれなら死ぬ事は無いかも知れないけど十分 死ぬ事だって有り得るかも知れませんよ!」


 そして二人はボクに向かって、


「「これ・・・絶対に非殺傷弾じゃ無いですからね!」」


「ハイ、ゴメンなさい・・・」


 珍しく叱られ素直に謝って仕舞った。

 そして奴等に向き直ると時間が止まってるテロリスト共に向かって・・・


「じゃあ撃ち合い再開する?」


 そう言うと全員武器を捨て、後は警察が来る前に喋れる奴等から聞きたい事を聞いて置くだけだった♪




 その夜はミュータントの力を使ってミューズに外見とか体型を合わせたんだけど、ミューズとイリスの熱烈なリクエストで更に小さくさせられ幼児状態に・・・抱き付かれるわ頭撫でられるわ玩具にされて仕舞った!


 さて気を取り直してミューズと同じ瞳と髪の色に体格もしてミューズの代りに公務に出席中♪


「でもコレでキッド様が襲われたらミューズ様が心を痛めないですか?」


「それは残念だけど諦めるしかない、自分の親族が悪意を持って襲い掛かって来るより大分マシな状況だと思う。まあ敵は潰したと思ってたボクが油断したって事にして・・・」


 今日は此方に来訪した爺様と愛しいミューズが、公務で教祖のパーロさんと会食に来たと言う事に成ってる。

 ちなみにミューズと公務に出席した時も爺ちゃんコッチにズッと居たクセに、ボク達の事を嗅ぎ付け駆け付けた事にしてた・・・そこでボクとミューズが入れ替わってたら面白い悪戯に成るんじゃないかと言ったら割と悪戯好きのミューズが喜んで協力してくれたけど。


 ゴッ!


「ぶふっ!」


「如何されました陛下?」


 ノーマのホスト役の外交官が怪訝な顔をする。


「イヤ何でも無い・・・」


 あまりにもニヤ付き過ぎの爺さんの脇を思いっ切り突いてやった。

 とにかくノーマ議長のクレメンスさんと会談に同席した後、応接室でスターシップに通信を繋げさせた爺さんは、


「そこに居るのは解かっとるからミューズを出せ」


 と宣った。


「私がオマエとキッドの区別がつかんと思ってるのか?まぁ中々大した変装だとは思うが・・・とにかく偶には祖父と食事する優しさ位見せなさい」


「お爺さまに申し上げますが、この悪戯考えたのお兄さまですからね?」


 すると何も教えて無いのに、


「お前も笑いながら同意したのだろう?」


 そう言ってミューズとの通信を切った。


「さてコレでミューズには私がキッドと行動してる事と、対外的にはミューズと行動してる事を偽装出来た筈だ・・・次は如何出る?」


「待つさ・・・アノンさんの調べじゃ割と腕利きの殺し屋さん達がノーマ入りしてるんだろ?」


 するとアノンさんは、


「10人以上入って来てますよ・・・まあ一人一人のレベルは私よりチョイ下、キッドさんが恐れるほどの相手じゃ無いんです。問題はこの半分以上がチームである事ですかね?」


「一人一人がB級でもチームに成ったらA級以上の力を発揮する・・・そう言う事も有るだろうね」


 全員じゃ無いけど入国した暗殺業者のリストを渡された。


「でもソレは大した事じゃ無い、問題は・・・・・」


 それとは別に一枚の報告書を・・・


「コイツは?」


「入国直後に宇宙港から消えました・・・足取りが全く掴めない」


「キッドに言っとくがノーマの司法・諜報機関の腕は馬鹿にしたモノじゃ無い、それを撒くと言う事は相当の手練れだぞ?」


 爺ちゃんが即フォローする。

 イメンケさんも・・・


「私も追いましたが全く痕跡が有りません、コイツだけはアノンやボクと同等以上の腕前かと・・・・・」


 何か怖く成って来たけど?


「カーニヴァー?」


 アノンさんが発した言葉にイメンケさん達が凍り付く。


「何者だ?」


 爺ちゃんの問いかけに、


「最高位クラスの殺し屋ですね・・・間違い無くボク達よりレベルが上だ」


「10回戦って一度か二度勝てるかな?いや一度も勝て無いかもと言うレベルの相手ですね?」


「二人だって確か超が付く一流どころの諜報員と暗殺者だろ?そのアンタ等でも勝つ見込みが無いの?」


 聞いて見たけど帰って来たのは、


「諜報員って戦闘要員じゃ無いんですけど・・・」


「勝てそうも無い相手からは逃げる事にしてるんで・・・」


 何とも頼りない言葉が返って来る。

 カーニヴァーと言うのは凄腕の暗殺者で、ありとあらゆるデータが残されて無い・・・そんな謎の人物で一つだけ確かなのは狙われた人は確実に死んでる事だけだった。


「何でそんな大物がミューズを・・・そんな奴を引っ張り出す理由は?」


 何か裏が有りそうな気がしたけど、


「いや裏なんか無いだろう・・・マルドゥース伯爵家の生き残りがテロリストに加担してると成れば、間違い無くノーマとファルデウスが共同戦線を張って壊滅に動き出す。ノーマの相手でも手一杯なのに我々ファルデウスまで相手にしてられない、この女は見た目は整っとるからテロリストの広告塔として顔を出し過ぎてる・・・ミューズが自分に気が付く前に口を封じたいだけだと思うぞ」


「冗談じゃ無い!そんな降らない理由でミューズの可愛い口を塞がれてたまるもんですか、アイツ等はコノ銃で衛星軌道上までぶっ飛ばしてやる・・・」


 すると・・・


「となると当然襲って来るのは・・・・・」


「この後のレース観戦中でしょうね・・・」


 イメンケ・アノン両氏は固い口調で言った。


「対処は?」


「ちと荷が重いな」


「無理です」


 本当に頼りに成らないな・・・


「カーニヴァーって奴、どんな殺し方を好むの?」


「狙撃ですね・・・でも爆発物も使った事があります」


 アノンさんは商売敵だったので詳しい情報を持っていた。


「爆発物の方は何重にもチェックを、抑々キッドさんがミューズ様として移動するルートは厳重に調べて有りますから・・・・・」


「と成るとヤッパり狙撃かな?」


 マクレーン警部は真面目に地図を広げた・・・と言っても紙媒体で無く3D立体映像(ホログラフィー)を表示させただけ、星を周回するレースだからサーキットで見物出来る訳じゃ無いんだけど、それでもサーキットをグルグル回って観戦してた時の名残でスタートやゴール地点に人が集まり観戦する。


「この惑星エルヴィン赤道周回レースではスタート地点とゴールが一緒、そしてソコが一番大きな観戦会場(他にも大きなモニターで観戦する会場は設えられてる)で同時に公式観戦会場です。一般席も多く用意されてますが勿論ロイヤルシートも、ただソコを狙撃出来る様なポイントはコッチだって警戒してますよ」


「それに周囲には狙える高い建造物が多く・・・・・」


 厳密にはゴールは成層圏でゴール後にスタート地点に降りて来るのだが、そのスタートと着陸地点はプラットホームと呼ばれる❝だだっ広い広場❞・・・ただしその広場は街のド真ん中で囲む様に観客席が有り、スタートした後は6枚の超巨大モニターが立ち上がって観客を楽しませる事に成っている。


「って事はボク達が観戦してる間にミューズに扮したボクの頭を撃ち抜く気かな?」


「その可能性が高いかと思いますが爆殺した事がある事も御忘れ無く、キッドさんごと陛下やクレメンスさんを巻き添えにする可能性はありますからね。いや最初からクレメンスさんも一緒に狙って来る可能性も・・・・・」


「じゃあ私も狙われる可能性が高いだろう・・・奴等を国外追放したのは私だ、矮小な奴等の事だ間違いなく私も恨んでるよ」


 そう言うとホログラフィーを覗き込んで・・・・・


「しかしこの厳重な警戒の中でキッドを狙撃する事が出来るのだろうか、そんなポイントは何処にも無いと思えるのだが・・・・・」


「消えた男がイヤ女の可能性もありますが彼が本当にカーニヴァーなら、現れたなら以上は既に暗殺の手筈は整えてる筈です。狙撃なら場所も道具も準備は・・・・・」


「アリスでも狙撃地点までは特定出来ないと言うし、せめて敵が狙撃で来るか爆殺を目論むか・・・・・」


 すると爺ちゃんが


「狙撃だよ・・・多分爆殺では来ないかと思う」


 とポツリと呟いた。


「何で?」


 聞いて見ると爺ちゃんは心底イヤそうな顔をして・・・


「アイツ等はミューズを手酷く傷付けて歪んだ欲望を満たしてた、皇室に連なるモノを迫害すると言う帝国貴族に有るまじき背徳行為で己の加虐欲や優越感などを・・・・・」


 それはボクにも理解出来た。


「私を殺す事も視野に入れただろうが先には殺さない、奴等なら追放した私にミューズの死をマザマザと見せ付け苦しみ抜かせてから殺すだろう・・・だから爆破するにしてもオマエを撃ち抜いた後にするだろう」


「自分のした事を棚に上げて心底クズ共だこと、奴等を殺すのに良心の呵責を感じなくて良いけどね!」


 ボクが言い捨てると爺ちゃんは今更と言う様な顔をして呆れながら、


「本来は仕えるべき帝室の血筋、その血に連なる(ミューズ)を迫害する事で快楽を感じてた奴等だぞ?何を今更・・・」


「確かに今更だけど何でそんな・・・いや何でも無い」


 何でそんなクズ共を野放しにしたのかと言いたかったけど爺ちゃんが殺さなかった理由は知ってたので黙る事にした・・・そいつ等は確かに末端まで死刑に処されるべき罪を犯したが、死刑に処するなら筆頭はミューズの父と母だったからだ。


 まぁその二人はボクが地獄へ送っといたけど、そして・・・これからもミューズを害する積りの奴等なら、ボクが超特急でソレも思いっきり残忍で苦痛をテンコ盛りにして地獄に送り込んでやる!


「キミ達の観覧する貴賓席は絶対に爆破させない事を保証する、少なくとも何か爆発物を仕掛けさせる事は絶対に無い」


「ノーマの警察機構はファルデウス並みの水準、安心しても良いぞ」


「なんだよ安心出来無いじゃん!」


 途端に爺ちゃんとクレメンスさんの怖い顔が左右から迫って来た。


「なんですかノーマの警察機構が信用出来無いと?」


「ファルデウスの司法機関に何か文句あるのか?」


 流石に為政者だけあって威圧力が高いんだけど、


「ファルデウスとノーマの司法機関や警備体制が同じレベルなら、ボクが安心出来る要素がドコに在ると言うんだよ!遂この間ナスティーズがミューズとジュリアさんを狙った時、何人もの殺し屋が爺ちゃんが会見する宇宙港に入り込まれたじゃ無いか!」


 アッと思い出してバツが悪い貌をする爺ちゃんとソレを横から呆れた顔で見てるクレメンスさん、だけどクレメンスさんは爆発物に対する警戒だけは自信が有る様だ。


「どうしたって基本的には貴賓席は一番良く見える席にせざるを得無い、よっぽど警備に問題が有るなら話は別・・・だけど今回ばかりは爆発物を仕掛けられる心配は無いと言い切れる。まぁ確かに絶対は無いと思って私達も警備してるんだ・・・・・」


 そう言って会場の全体図を表示した。


「これって客席が貨物コンテナいや航宙貨物船その物なのか?」


 流石に驚かされる・・・会場の客席全部が貨物用宇宙船のコンテナに成ってるのだ!


「会場は現在 完全な更地に成ってる・・・レース実施の直前に地面に探知機をかけて完全にクリーニング、その上でコンテナ部分に客席を仕込んだ航宙貨物船を降下させて客席に仕立てるんだ。勿論それまでの間は衛星軌道上で宇宙軍が警備し降下までに何度も爆発物のチェックを、降下後も24時間体制でレースが終わるまで警備と危険物チェックを行う」


 流石に感心させられた。


「ファルデウスの警備体制とは違うんだよファルデウスのとは♪」


 何かドコかで聞いた様なセリフ、ムカッとした爺ちゃんがクレメンスさんと小突き合ってるが確かにコレなら警備に穴が無い様に思えた。


「まぁ冗談は置いといて確かに人のやることに絶対は無いが、それでもノーマは現状想定出来る最大限の警備体制を敷いている」


「じゃあ・・・」


 ボクは会場のホログラフィーマップを見て・・・


「ボクはノーマの司法機関を信用し狙撃手にだけ集中させて貰うとするか!」


 そう言う事ならチームで来る連中の処理はイメンケさんとアノンさんの両名に任せ、ボクは狙撃にだけ集中すれば良い!

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