面白く成って来た!
パインさん達に急いで来る様に連絡した・・・ボク達を追跡してる筈なのに逃亡者側から呼ばれるなんて情けないと思うなかれ、実は結構ハードで陰湿な情報操作しており彼女達は泣きながらボク達を探し廻ってるのだ。
そして同時に鉱山惑星から一番近かった先日のフリーコロニーに戻る・・・このコロニーと鉱山惑星は同じ恒星系内に在りながら2人の貴族に分割して与えられてる、ようは恒星系丸々一つやる程の者では無く、その片方がミーモットだったと言う事だ。
コロニーに着き奴に雇われてたチンピラ達とギルド併設の酒場でボクに絡んで来た2人を呼び出すと、そこには何故かダイルさん達が来ており奴等に教育的指導を課しながら船乗りの基礎訓練をさせている。
「まさかと思うけど・・・こいつ等を雇う積りじゃ無いよね?」
「その積りです」
思わず関節技をかけ様かと思ったけど、
「こんな奴等は放置しといたら周囲の迷惑、性根を叩き直して真人間に改造しておく必要が有ります!私が全ての責任を持ちますから思う通りにさせて下さい、代わりに1年で真面な人間に戻し3年以内に掛けた経費を取り戻したうえで利益を・・・」
イヤそんな約束して良いのか?
と思ったらお茶の用意してた執事さんが良い笑顔で・・・
「懐かしい我々の船は元々❝海賊商会❞と言われてたんです・・・打ちのめしたチンピラを力尽くで私たちの船に乗せ、更生させて真人間で一人前の船乗りにしてから社会に還元するのをライフワークにしてたのです!彼等が一丁前の船員に成って社会に出る時は泣いて感謝を・・・・・」
すると見た事の無い中年男性が顔の前で手を振りながら何か言いたそうにしていた。
「ベルド君・・・」
執事さんが冷たい目をするが彼は何を気にした風で無く、
「オーナー初めまして、この度スターシップ貿易に入社させて頂いたベルド・マリソンと申します。ジョンブルソンから移住して来ました・・・」
鍛えられた肉体をした渋みの有る中年男性だ・・・何となくだが匂いで分かる、この男は船乗りそれも船長とか責任の有る立場にいた人間だ。
「もとトランサッドの?」
「星間貿易事業部に居ました。その前は執事さんと一緒に社長の船に・・・」
やっぱり・・・
「さっきの執事さんの話・・・大嘘だから真面目に聞いてはいけませんよ、社長を始め彼等は襲ってきた海賊を返り討ちにするのをライフワークにしてたんです。そして船長や賞金首は当局に、残った雑魚は矯正の名の下で徹底的に酷使を・・・彼等が解放された時に流した涙は感謝の涙では無く解放された喜びの涙ですよ!まぁその後に悪い事をし様と言う気には成らなかったと思いますけどね・・・・・」
ボクはジト目で執事さんを見やると途端に目を背け、それを見たボクは溜息を吐きながらベルドさんに・・・
「君みたいな人が・・・」
「続々入社してますよ、スターシップ貿易に・・・ジョンブルソンからファルデウスへの移住の済んだ者から・・・・・」
「好かれてるんだねダイルさんは」
中には貯金を叩いて資金を出し合い、自分達で船を用意して入社した者もいるらしい・・・そんな仲間をダイルさん自ら引き連れて来たのは、いざと言う時に乗せられるだけ人を乗せて鉱山惑星を脱出する為だった。
「と言っても現時点では5隻しかありませんし、その惑星の全員を載せて脱出するには・・・・・」
「その5隻に何人の住人が載せられる?」
「乗せる」で無く「載せる」と表現したのは誤記で無く取り敢えず運搬すると言う意味だ。
「精々10万・・・それでも3日も航行出来ません。そこまで人を乗せたら酸素と水が足りません・・・・・」
「それじゃ全然足りないよ・・・・・」
このフリーコロニーが一番近い避難先だがスターシップなら兎も角、普通の船で1週間・エルミスでも3日弱は掛かる・・・ちなみにスターシップなら1日ね♪
「あの鉱山惑星の総人口は300万・・・ロイヤルフェンサーが来ても余裕で避難出来るとは言い難い、それに邪魔をされない様にミーモット・マルドゥースの軍を完全に制圧しとく必要が」
「その前に捕らわれてる人達を助けないと先に売られちゃったら大変ですよ?」
アノンさんに言われた。
「もちろん分かってる、だからココに来たんだよ」
そう言ってボクが笑顔を向けるとチンピラどもが嫌そうな顔をする・・・失礼な!
「出来る事から片付けよう、ジョシュアさんの予報は自信あるんだよね?」
「もちろん明日は晴れ・・・冗談ですっ、冗談ですってばぁ!だからアタイのパンツに手をかけないで!もう嫌ですってば、お尻叩きは!大丈夫です最低でもマダ半月は持ちますって!」
どの程度あの鉱山惑星が持ち堪えるかを出立前ジョシュアさんに計算して貰った・・・彼女は専門家とは言い難いが少なくともスターシップでは一番造詣が深い、そして彼女の読みでは暴走具合から算出し20日ほどで限界を迎えるそうだ。
このフリーコロニーには3日かかってるから残り17日、かなりタップリ余裕を取って貰たけど余り悠長に構えていられない。
なにせ鉱山惑星の地熱プラントは今更止める事が出来無い、こう言う弊害が深い場所から溶岩を汲み上げてると発生するのだ。
その前に住民を救出して、ミーモット・マルドゥースを打ちのめさないとならない。
「そう考えると地球の倍の大きさだけど住民300万と言うのは運が良かったのかな?地球は半分の大きさなのに住人ウン億人だったし・・・・・」
「大きさの比べ先は?」
「質量だよ・・・直径が倍だったら大変だよ!」
体積が8倍に成るのかな?
そうなったら惑星上に散る住民を集めるのは大変だよ!
と言っても住民はコロニー以外で生活してる者は居無い、他の難居住惑星と違い大気は呼吸可能と言え水や生活物資は外に殆ど無いからね?
その点も避難させるには都合が良かった。
「そう言えばあの惑星に名前は?」
「んなモノ付いてませんよ?あの恒星系は人口太陽生成事業で造られたばかりですし、中心の恒星すら番号で呼ばれてる位ですから・・・そう言えば、このフリーコロニーだって番号しか・・・・・」
するとバーテンさんが気分を害したように、
「この間まで確かに番号だけでしたが、ちゃんと今では❝エンドラ❞と名前が・・・・・」
「如何言う意味なの?」
ボクが言うと、言い難そうに・・・
「このコロニーが廃棄されフリーコロニーになった原因、宇宙港に突っ込んでセンターピラーに突き刺さった船の名前です」
如何やら当時このコロニーの持ち主だった貴族の船らしい。
しかもエンドラってファンタジーに出て来そうな名前だけど、ボクには頭の3文字が気にかかる・・・エンド・・・終わり・・・終局・・・行き止まり・・・・・
「縁起の悪い名前だなぁ・・・」
「まぁそう何ですが・・・」
勘違いしてるけど訂正してやる必要も無い。
それより・・・
「アイツ等どこら辺をウロウロしてるんだ?偽情報で遠くに追いやり過ぎたかな・・・まぁパインさんは脳筋だしキャンディさんはジュリアさんの部下だけあって天然だし、唯一の男性であるヴァッサーさんも何か今一つ頼り無いし・・・・・」
「「「何か言いましたぁ!」」」
タイミングと言い突っ込み具合と言い、芸人として良い感じで思いっ切り不満そうな声を揃えて上げながら三人がギルドに入って来る。
「流石ファルデウス芸人、中々良い突っ込みを・・・・・」
「私達は芸人じゃ無いですからね!それにジュリア中佐は兎も角ダレが天然ですか?」
「キャンディさん、君に決まってるでしょ?今の「ジュリア中佐は兎も角」の辺を音声メールで・・・・・」
本当に送る積り無いけど慌てだすキャンディさんを後目に、
「よしメンツが揃ったから始めるか!」
ボクは酒場のテーブルを一つ借りて紙媒体にプリントアウトした惑星の地図を広げるが、位置関係の把握も必要だから四等分した軽度上から四つに分けた丸い地図にしてある。
「この際ミーモットは後回しで良い、鉱山惑星の警備軍を押さえ奴隷商を捕縛、そして住民を集めて何時でも避難させる・・・一週間で落とすぞ!」
「いや無理でしょ?」
皆が声を揃えて言うが、
「無理じゃ無いっ!300万の住民を強制的に避難させるんだから、この際❝人道的な問題❞は多少目を瞑っても非難する意思が有る者は全員救い出すんだから!」
「お兄さまったら嫌がってるクセに映画化するネタばかり増やして、これでマタ映画化依頼殺到するよ・・・でもだったら何でココに戻って来たの?アッチでやれる事が他にも・・・・・」
ボクは酒場の中で正座させているチンピラどもの方を指して・・・・・
「こいつ等拾って教え込まなければならない事が有ったからね♪」
何をさせられるか分からずに不安そうになってるが・・・・・
その3日後・・・
「エンドラに来ていたのは傭兵家業を兼業する船乗りでした。自前の戦闘艦を持ってたのですが抵抗されたので船の方は・・・乗員の男は皆殺しにして船長の小娘と乗員の女を捕らえて来ました。やはり脱出したフレッドと言う小僧が有り金を叩いて雇ったそうで、同行してた子ども達の口も封じて置きました」
「良くやった・・・だが何で2人を攫って来たんだ?」
この話し相手はミーモット配下の・・・モブだし敵だし名前など良いか如何でも、ただ不便なので「モブエネ」君と命名しよう!
雑魚キャラの敵でモブエネ最悪いや最高の冗談でしょ?
「いや子爵は女や容姿の良い子供を集めてましたよね?」
「領内でな・・・」
ゲスの相手ばかりしてる所為か考えてる事は大体解かる・・・モブエネ君が言ってるのは「わざわざ連れて来たのは何でだ?」と言う意味、黙って自分達で売っちゃえば利益は独占出来るからね!
ただモブエネ君も勘違いしてたけどコイツ等は人身販売に関れるほど悪党じゃ無い、まぁ晴れて貴族に成ったミーモットが搔き集めたチンピラだもん精々強盗どまりで一般人の殺人や人身販売を出来るほど腐っる奴は居なかった。
そこでボクは前に使ってた特製の真偽解析装置で頭の中を徹底的に調べた・・・ファルデウスや同盟国に売って大分儲かったアレの事、それで調べたら取り締まりに来た司法関係者や商売敵なら平気でブッ放せるけど一般人に手を出す事は躊躇ってる奴が多かった。
だから信用はしないけど利用はする事に・・・ちなみに強姦しそうな奴ゴロゴロ居たけど、現在そいつ等はダイル・ブート・キャンプに強制参加で地獄の性格矯正中だ!
「確かに最初はね・・・ちゃんと仕事してるので業務外のバイトについては口を出されたくは無いですよ本来は、ただ今回はアンタいやマルドゥース子爵にも1枚噛んで貰った方が良い稼ぎに成ると思ったんですよ」
ボクの演技指導の賜物、1日で仕込んだ割には大分悪党らしく振舞える様に成った♪
「まあ見て下さいよ・・・・・」
奴は縛られて猿轡されてるボクとジョシュアさんをモニターの方に引っ張る、ボクは義侠心に駆られてフレッドの依頼を受けた傭兵と言う設定で返り討ちに合って奴等に捕らわれた事に成ってるのだ。
「んっ、確かに中々オレの好みで上玉・・・しかし痩せ過ぎだ。せめて女なら、もう少し胸が欲しい・・・まぁ確かに評価はA+だな。それに後ろの女も人並み以上だが少し品が無い、まぁこれなら確かに高く売れるが精々A-かBプラスと言った所か?」
まあ騙してるボクが言うの間違ってるかも知れないけど・・・テメェ少しは疑い持てよっ、女装した男を相手に何を冷静に品定めしとる!?
「解って無ぇなぁ・・・・・」
そう言うとモブエネ君は露骨に気分を害した。
「オイ・・・オレを誰だと・・・・・」
「まあ怒らないで話聞いて下さいよ」
この間迄は自分だってチンピラ同然だったろうに偉そうにしてるモブエネ君、彼に良く見える様にボクに長髪のウェッグを被せて・・・ボクの髪の毛の色を変えて短くしてある。
「ブロンドのカツラしか手に入ら無かったので・・・これが銀髪だったら如何成りますか?」
すると暫くボクの顔をマジマジ見てたモブエネ君は・・・・・
「ミュ・・・ミューズ姫っ!」
「ではこの髪が黒かったら?」
「キャプテン・キッドか?」
ボクはさも悔しそうな貌を・・・笑うのを我慢してた訳じゃ無い、少しは疑いを持てやと本気で怒っている!
「マルドゥース子爵は元侯爵家の子息で、その伝手でマダ生きてる物が有るんじゃありませんか?こう言う獲物は、その伝手に流した方が・・・・・」
そう言いながらボクの頬をペロリと舐め、ボクは背筋にゾゾッと何かが走った!
オイ貴様・・・そこまでしろとシナリオに無かった筈だぞ!
「た・・・確かに、そうすればSクラス評価で幾らでも高く売れる!」
「即金で500万クレジットでアンタに売ろう!この子なら男でも女でも高く売れる筈、その後で幾らでも高値を付けると良い・・・・・」
何を余計な事を言ってる?
コイツ・・・裏切る気か?
ボクは本気で背筋に冷たいモノが走った!
「いま何と言った?」
モブエネ君も顔を引き攣らせてる!
しかもこのバカは何とボクの股間に手を伸ばして上から握りしめ!
「こいつガキの癖に❝乱射狂のボウイ❞何て呼ばれてて、ワメリケーノじゃ名の知れた悪童だったんですよ・・・オレも何度か痛い目に合っててね」
あれ?
何か演技が続いてるの?
「このガキの遺伝子操作して髪の色を黒でも銀でも変えれば、軽く数千万クレジットで売れますよ?ひょっとしたら億を超えるかも、それにキッドとして売るなら男の方が・・・・・」
「売れる・・・間違い無く売れるぞっ、勿論ミューズ姫も捨てがたいが今はキッドの方が高く売れる!」
オイオイ・・・変態かコイツ等と顧客は?
「で・・・本当はドッチなんだ?男か女か・・・・・」
「それは・・・」
馬鹿がニヤリと笑って・・・うんコイツの呼び方は馬鹿で決定!
「ご自分で確かめられた方が、もちろんアナタも子爵も出荷前に味見する気でしょ?」
人生最大の悪寒がボクの背中にゾゾッと走った!
コイツの呼び名は❝大馬鹿者❞に変更・・・・・
「ぎゃあぁぁぁっ!す・・・すみませんでしたぁぁぁ~~~~~っ!」
奴等の船は戦艦タイプのエルミスⅡで牽引しスターシップも連結されていた・・・だから思ったより早く鉱山惑星に到達出来、その道中が終わる辺りで先程の通信をしてたのだが終わった途端にボクは奴に逆エビ固めをかける!
「あ・・・あのギメ・・・・・」
「あんな奴の名前なぞ如何でも良い、あんな奴はモブエネで良い!」
モブエネの意味が解らん奴は怪訝な顔をしてけど、それすら頭に来て思いっ切り締め上げる!
「ぎぇぇぇ~~~~~っ、勘弁して下さいよ!上手く行ったじゃ、姉さんも勘弁し下さいよっ!」
ボクに逆エビ掛けられてる大馬鹿者の頭や背中をジョシュアさんがゲシゲシと足蹴にしてる!
「そりゃ旦那確かに可愛いけどさ、何で女であるアタイの方が評価が低いんだ!それに品が無いって・・・・・」
流石にプライドが傷付いたらしい・・・だがプライドが傷付いたのは、もう一人いたのだった!
「流石お兄さま・・・変態さん達にも大分人気の様で・・・・・」
「嬉しく無いっ!」
もう泣きそうだよ、だけど今回は流石のミューズもプライドを傷付けられた様だ!
「でも・・・いくらお兄さまが可愛いからって、何で女の私の方が評価が低いんですかっ~~~~~!」
ミューズが大馬鹿者の背中に飛び乗り上で何度も飛び跳ねる!
「いや旦那たちも好い加減に・・・・・」
「死んじゃいますよコイツ♪」
ボク達3人はトマスさん達に引き剥がされ、その時で二人でクスクス笑ってるイメンケ・アノン両名の脛を蹴り上げた。
「ギ・・・いえモブエネの奴は変態で、男も女もイケるけど実際には男の方が好きだと言うのは有名な話で・・・・・」
「先にしろよっ!」
ボクは大馬鹿者の尻を蹴飛ばした。
「余程早く味見がしたいのでしょう・・・船を総督府に降ろせと誘導が、上手く行ったでしょ旦那たちの望みは総督府の制圧なんだから・・・・・」
総督府は宇宙港に隣接しており、近くの軍事キャンプに捕らわれた人を収監してる。
「ミューズ、そろそろ離脱の時間だよ」
「コッチに下さいよ」
そう言ってオデコにキスしてやると唇を突き出した。
「仕方ない子だなぁ・・・じゃあ上手く事が運んだら御褒美は?」
「もちろん大人のキスで♪」
改めてキスを交わすとミューズはスキップしながらスターシップのコクピットに、程無くしてスターシップは船体を大馬鹿者の船から切り離しステルスモードで離脱して行く。
「スターシップ一隻で大丈夫なんですか?」
「危なくなったら逃げる様には言って有るし・・・」
それに本当に危なく成ってタイミングを逃すほど馬鹿じゃ無い筈だ。
「アッチは軌道上から逃げ様とする奴を叩き落とすだけだからね。そしてコッチは・・・・・」
ボクは奴等の船に満載された装甲歩兵と機動歩行戦闘機を見渡して、
「さあ皆そろそろ大気圏突入の時間だっ!第一攻撃目標は敵の戦力全て、そして絶対達成目標は囚われた美女や子供の無事全員救出・・・抵抗するなら敵は皆殺しで良いからね!」
皆から歓声が上がる。
「オマエ達は道案内だ・・・今までの罪滅ぼしに精々頑張ってねw」
複雑な顔をしてるけど、
「この度の働きに依っては恩赦が与えられる・・・君達は刑務所入る代わりに当分ダイル氏によるキャンプで矯正されるが、手を抜かずに働いた者は現状維持を約束しよう」
「「「そ・・・それのドコが恩赦なんだ!」」」
皆が声を張り上げるが、
「えっ、そんな事言って良いの?これから本当の地獄は始まるんだけど、自分で地獄の釜の蓋を開けちゃうの?」
皆が顔を引き攣らせてると、
「そろそろ慣れて来ただろうしダイル矯正キャンプを本格的に始め様と、安心して下さい3年後には全員真人間に・・・その過程で・・・5パーセントほど損失が出るかも知れませんが?」
全員の顔が声にしないで「損失って何だよ!」と叫んでいる。
執事さんも・・・
「今まで身体を壊さぬように食事・休息・休息は十分与えてましたが・・・」
今度は声に出して「どこがだ!」と叫んでたが、
「最終的には3つとも4割減と・・・」
チンピラの皆の顔から綺麗に揃って血の気が引いてく!
「それと同時に身体を動かす量も徐々に増やして最終的には1.5倍ほどに・・・」
「じょ・・・冗談だよな?」
「そんな事されたら死んじまうぞ!」
誰かが言ったけど、その肩をボクとベルドさんが左右から叩きながら・・・
「「生きて帰って来るんだよ」」
と優しく言った。
ちなみに大馬鹿者と仲間たちには・・・
「大馬鹿者のアドリブは君たちに幸福をもたらした・・・お前たち全員、総督府へ先頭で突入する名誉を与え・・・」
言い終わる前に大馬鹿者に対し袋叩きが始まった。
まあ一番警備が厳重だから、でも時間が押してたので・・・
「おい遊んでいると減点対象だぞ」
と忌々しそうに舌打って離れて行った。
と言っても軍人に対する戦闘に素人なんて役に立たない、本当に先頭で突入させるってのは嘘だけどね。
「ノーダーは7機か・・・」
パインさん達の船3隻にはアサルト・ノーダーが30機以上づつ計100機以上搭載されてるけど、この惑星全体を制圧するのに不必要に分散出来無いので借りて無い・・・代わりに軌道上から逃げる敵を落とすだけのミューズには必要無かったのでスターシップに積んでたのを持って来たのだ。
代わりに武装した装甲歩兵をパインさんが率いて同行してくれた、カブリヌスはジョシュアさん達とイメンケさんアノンさんで、ドチラかと言うとジョシュアさん達の方がノーダーには適して無い。
「ノーダーの数を増やしといて良かったよ、エクセリオンは今の所ボクとミューズしか使え無いし・・・・・」
正確には使えるけど真価はおろか十分に性能を発揮出来無い、辛うじてだけどダーグと居ればジュリアさんが比較的マトモに操縦出来る。
「総督府はボクが一人で落とすから・・・・・」
「これまた無茶な事を・・・・」
パインさんが苦笑い♪
「誘拐された人の無事救出が最優先でしょ?ボクがノーダーで飛び込んで大暴れする、その内に戦力が総督府に、そしたら皆で収容キャンプを・・・・・」
「先に我々が先制打撃を、隙を与えず大気圏からサンティーウェン・ハンガーダッシュ・マリンシールを降下させます」
サンティーウェンの指揮はパインさんの副官シナモンさんが取ってるそうだ。
「でも本当に一人で大丈夫ですか?」
パインさんの部下が言う・・・ダーグが居ればありがたいけど今回はミューズに付いてて貰った。
そしてミューズやダーグ以外の人間では・・・・・
「本気で暴れ捲ってるボクと同行する勇気ある?当たり前の様に流れ弾飛んで来るけど自己責任で避けられる?」
と言うと黙った。
ボクはパイロットスーツに着替えてミュータントの能力で髪の色と長さを戻しながら・・・・・
「今回本気で暴れまくる積りだから近くにいない方が安心だよ?そろそろ降下地点じゃ無いかな・・・・・」
「怪しまれない様に減速中・・・キッドさんが降下した後は収容所に・・・・・」
ボクが暴れたら帝国軍が来たと思うだろう、そうしたら普通は囚われた人を人質に使うか最悪は証拠隠滅を企まれる。
勿論戦力を総督府に向ける事を躊躇うかも知れないが、そんな事を言ってられない程ボクが大暴れすれば収容所は手薄に・・・
「では作戦通り・・・キッドさんを降下させた後は大気圏離脱と見せかけ、収容所の反対側で戦力を降下しますけど・・・・・」
「大丈夫・・・」
ボクは愛機のコクピットに攀じ登りながら、
「ボクが暴れたら単騎で攻めて来た何て絶対に思わせ無いから!」
と言い残しコクピットハッチを下ろす。
総督府前で宇宙港に侵入する艦から飛び降りると、先ずは周囲に大量のミサイルをバラ捲いた・・・なるべく被害が出ない様に、それで居て派手に燃え続ける様に!
そして火の中に飛び降りるとボクは右往左往してる警備軍に発砲を開始、幸い敵は戦闘ポッドで搭乗員の居ないタイプばかりだった。
「この世界のロボットは無人機ばかりだからね・・・・・」
ボクは安心して鉄器を撃墜して行き、偶に指揮官らしき人を見ると可哀想だけど取り巻きと一緒に吹っ飛ばした・・・こう言う時は敵に攻撃されない様に、出て来ちゃいかん事も知らないらしい。
でも運が良いのか悪いのかボクが銃を向けると彼らは算を乱しながら背を向け逃げて行く、基本的な戦闘訓練も満足に終えて無いらしいはボクにとっては必要以上の殺戮を回避出来るので大歓迎だ!
その内ポッドが全滅し総督府に直接攻撃を仕掛けるとボクを包囲する様に多方向からの援軍が、戦闘機に戦車それにポッドでアサルト・ノーダーの配備は無いらしい。
「ボクもだけどキミ達も運が良いよね?」
普段からコクピットを直撃させてるけど余裕が有れば無駄な殺傷はしない、罪科が有るなら法律と刑罰で裁いて貰うからボクが私刑する必要も無いでしょう。
「ザザッ・・・敵の数・・・・・」
「判りませんが相当数導入されてるかと・・・総督府は持ち堪えられ・・・・・」
モブエネ君とマルドゥース子爵の相談かな?
いや子爵自ら話はしないかな?
「ちょっと黙っててね?」
ボクは総督府の通信アンテナを探し攻撃、更に応援戦力を壊滅させると本格的に総督府を攻撃し始めた。
「旦那・・・コチラも上手く行きました!運の良い事に犠牲者は出荷前でして救出出来、そして買い取りに来た業者は・・・」
「もちろん撃墜・・・いや背後関係を吐かせたいから出来る限り生きたまま、出来る限りで良いからね」
「了解しました!」
パインさんの部下から連絡だった。
続いて・・・・・
「こちらサンティーウェン、降下後直ちに部隊を展開・・・東大陸のコロニーを片っ端から、でも抵抗は少なく降伏を勧告するとスグに白旗を上げます」
「こちらもです・・・北大陸のハンガーダッシュです、ろくに抵抗する気は敵も持って無い」
「中央大陸担当のマリンシールです・・・作戦通り事実を告げた途端に殆どの敵勢力が降伏勧告を飲み、抵抗の意思を見せてるのは極少数でしかありません」
当然だろう・・・彼等だって自分の住んでる星が自壊寸前だと知らされて無い、知らせてるのは極一部の配下だろうけどソレだって本当に仲間なのかどうか?
ことが終わったら口封じに殺される可能性の方が高いと思うし、それでも追いて来る馬鹿など要る筈も無い。
居るとしたら自分が使い捨てである事に気が付けず、約束されてる高額の報酬に目が眩んでるだけ、そう言う奴が最後まで戦い続けてるに過ぎなかった。
そしてそう言うバカは指示通りに総督府に集まる。
「応援要りますか?」
「このまま敵機を叩いてれば良いだけだからボクの方は必要無い、それよりこの星に点在するコロニーを全て制圧しなきゃ!降伏の意思を示した者には引き続き管理をさせて、あくまで反抗した者は降伏したコロニーから人を・・・・・」
当初の計画を確認するけど・・・
「そんなの居ませんよ・・・地熱プラントが暴走してる事を知ってる者は一人もいませんでした、やはりミーモットは彼等を黙ってプラントを暴走させて・・・・・」
本当に碌なモンじゃ無いな!
「予想より早く片が付きそうですよ、それよりソッチは如何なんですか?」
「最初は陽動で暴れるだけの積りだったけど・・・ボクが単機なの暴露ちゃったみたいで、アッチが自棄に成って取り囲みに来てるんですけど」
すると通信に割り込んできたパインさんに、
「あのさあ君が大将なんだから取られるとコッチが詰むのよ・・・応援廻すから」
「そんな必要は無いよ」
ボクは軽く返す。
「敵対する相手を全員黙らせればアッチが先に詰みさ!」
ボクは前を塞ぐ様に立ちはだかったポッドを飛び蹴りにして倒す。
アニメじゃ無いから全力で蹴倒された戦闘ポッドはダメージがデカい、何とか立ち上がろうとするトコを脚を引っ掛けて転がすと銃弾を打ち込んで沈黙させる!
「それよりパインさんの方は?」
「作戦通りさ、キッドが敵を引き付けてくれたから制圧は簡単だった。ただ被害者の収容が・・・ミーモットの奴は万単位で女を搔き集めてたんだ」
「高く売れそうな女を優先的に・・・んっ?」
立ち上る炎の壁を突き抜けて何か巨大な人型の影が歩いて来た。
身長は5メートル強でエクセリオンと大差は無いが・・・・・
「驚いたな・・・アレはポッドじゃ無い、アサルトノーダーだ!」
この世界では少なくとも現在ボク達が所有してるアサルトノーダー以外に、ここまで人に類似した形状を持つ機動兵器は無かった筈だ。




