チンピラ?適当にボコしとけば良いじゃ無いか!
首都星ミューズの重力圏内から脱出するとジェイナス婆ちゃんが黙ってテレビを点ける・・・ファルデウス帝国の放送は公営と民放でドチラも受信料は不要、公営は完全に税金で運営され民放は地球と同じ企業等のスポンサードで運営されてる。
その内容と言えば民放は地球と大差が公営は余計な娯楽番組は無くニュースと改正された法律の解説とか、抑々ファルデウスでは官僚や政治家が下手な古語や故事それに英語を使って国民を惑わし誤魔化す事を法で禁じてる・・・あぁ生まれ故郷だけど何処かの島国の政治家・官僚に見せてあげたいね!
もっとも民放にだってニュース番組位は有り、そのニュースでスターシップのミューズ降下が大ニュースに成っているのだ!
「そりゃ大気圏外から地表に対し直角の角度で降下する船が有ったら大騒ぎだ・・・しかも離脱までほゞ垂直に、これじゃマタ欲の皮突っ張らせた奴がキッドちゃんを狙いに来るよ!」
とジェイナス婆ちゃんが未だに酒瓶を持ったまま言った・・・もうパーティーも終盤だったんでスターシップで留守番してたダーグとアイギスさんへのお土産と自分達の酒の肴、そして同時に連れてきた子供達へ食べさせ様とジョシュアさん達が余って御馳走を大量にコンテナに詰めて持って来たのだ♪
が何時の間にか会場の酒類を料理に忍ばせて、ちゃっかり婆ちゃんが大量に隠し持って来たんだ・・・その内にアル中に成っちゃうからね!
さて御馳走は子供達にも振舞ったんだけど最初はミンナ遠慮していた・・・だけど年上の子供か年下の子を促して料理に手を出す始め、やがて皆で食べながら「お母さん(またはお姉ちゃん)にも食べさせて上げたい」と泣き始める。
それを見てボクたちは胸が締め付けられる様な思いをしたけど、
「キミ達は誰に仕事を依頼したと思ってるんだ?お母さんもお姉ちゃんも助かるに決まってるだろ!」
この子達が飲まず食わずでボクに届けた小銭の袋じゃ、とても依頼料には届かないけど大丈夫・・・彼等じゃ無くても他から金を引っ張る算段はしてるんだ!
むしろ払う義務が有るのは彼の方だ・・・害虫の駆除は確りとしとか無きゃ、見逃しちゃったペナルティにボクを雇って貰うからね。
「そしたら後で一緒に美味しいモノを食べりゃ良い、その程度の❝お釣り❞は出るだろうからね」
そう言って励ましたら笑顔に成って再び料理に手を出す子供達を、ボク達も微笑ましく思いながら世話をアイギスさんに頼んで客室代わりの射撃場を出た・・・何で射撃場かって?
射撃場はレンジ以外は喫茶室っぽい造りに成ってて、お客さんが大人数な場合は放り込むのに丁度良いからさ(笑)
するとジョシュアさんやジェイナス婆ちゃんそれにイメンケさんは、酒と料理を手に射撃場を後にして追いて来る。
向かった先は隣の医務室で、あの手を負傷した子供の手当てをしてたのだが・・・ボク達が行くと、ちょうど医務室から治療が終わった少年とアノンさんが出て来た。
射撃場に行かせて皆と一緒に食べさせた方が良さそう、そう思って食事をして休むように言うと射撃場に案内したが・・・ジェイナス婆ちゃん達が手にしてる御馳走は彼に食べさせて上げ様と思ってたらしい。
「さてと・・・」
コクピット背後のリビングに行くとアイギスさん以外のクルーが勢揃いしてたが、子供達を見守るのはアリスに任せアイギスさんにもコッチに来る様に連絡する。
そして二人にも御土産を食べて貰いながらボクも少しお腹が減ったので手を伸ばす・・・何せリビングのテーブル上には婆ちゃん達が会場から持って来た御馳走が並んでいたからね!
すると・・・・
「キッド様・・・ファルデウス帝国・皇帝陛下からAD通信で会談を求められています」
「繋げて・・・」
現在スターシップのリビングは360度全面水槽に成ってるんだけど、それをカバーが覆われると前と同じく全面モニターに成る様に改造した。
そして何時もなら地球の風景や静物・絵画を全面表示してるんだけど、そのモニターに今日は爺ちゃんの怖い顔が思いっ切り大きく映し出された。
「爺ちゃん・・・怖い顔が近い、怖い顔が近い!」
「やかましいっ、怖いは余計じゃっ!」
と言いながらも気難しい顔してた自覚は有るのだろう、両の頬を揉み解しながら・・・・・
「ガネ・・・いやダイル社長から報告は聞いた・・・間違い無いのであろうな?」
「あぁマルドゥースの残党が、とある星の美女を強制的に連行してる・・・爺ちゃんの勅命って事にしてね」
ボクは携帯型の簡易αトライシクル真偽解析装置で彼等をスキャン、嘘や勘違いの可能性は極めて小さい事を報告する・・・・・
「マルドゥースめ・・・末端まで追放するのは可哀想だと手心を加えてやれば恩を仇で返しおって、こんな事なら一族郎党全て追放すれば良かった!」
「そう思うなら何で最初からやらないの?」
と軽く突っ込んだら悔しそうに、
「確固たる証拠も無いのに末端まで厳罰に処すのか?オマエならやるのか?」
「・・・・・返す言葉も御座いません」
そう言うボクに「してやったり」と言う顔をする爺ちゃんだったが、背後にいたジェリスさんに・・・・・
「ハァ・・・全く大人気無い」
と溜息と共に言われて苦虫を千匹くらい噛み潰した様な顔をする♪
「マルドゥース家の現状は?」
「領地を召し上げて3階級の降爵、まぁ子爵領としては大きめな領星を与え汚名を返上し再起する様に言い渡したのだが・・・・・」
名誉を挽回する前に汚名を積み重ねちゃったね?
「と言うか普通反乱を起こした家は少なくとも取り潰しに成ら無いか?」
爺ちゃんは更に苦い顔に成る。
「マルドゥースの家はデカ過ぎたからな、それに本家は取り潰し当主は死亡したが末端の者は反乱はおろかミューズの中傷にも関わって無かった・・・もっとも良心の呵責では無く打算からなのは見え見えだったがな!それでも眼に見得て罪を犯して無くば裁く事は出来んし、そこまで取り潰すなら他の小さな家も潰さねばならぬぞ!」
陛下の爺ちゃんが公正だったと言う事だろう・・・マルドゥースを完全に取り潰したなら追従した家も取り潰さ無くては、そうしたら跳ね返った末弟が反乱軍に参加した家や親戚が加わった家も潰さなくては成らない!
「で・・・今のマルドゥース本家って、どんな奴が取り仕切ってるの?」
陛下の顔の横に並んだのは・・・底意地の悪そうなイヤらしい感じをした顔だった。
「ミーモット・マルドゥース・・・コイツもロクなモンじゃ無いが、決して頭が悪い訳でも無い様だな!オマエを手に入れたらファルデウスを乗っ取れると本家の連中が反旗を翻した時、せっせとコイツは自分の派閥を連れ首都星ミューズに投降した」
「当時はマダ首都星にミューズの名前つけて無かったろ?」
チョッと突っ込んだ♪
「細かい事言うな・・あの時期は死んだと思ってたミューズが生きて帰って来たんで舞い上がってたん時期だな、マルドゥース公爵が首都星ミューズに侵攻しオマエとジュリアに完膚なきまで叩き潰された直後だった。正直オマエの様な常識外れと違い私達はマダ残ってたマルドゥース本家の残党に辟易してた」
「常識外れが何だって?」
その言い方は無いだろう!
「オマエ・・・自分が常識持ってるつもりか?オマエは気に入らなければマルドゥースなど、ファルデウスごと敵に廻しても相手にするだろ!そして奇麗にマルドゥースだけ片付けた暁には、敵に廻ったワシ等に散々嫌がらせをしてから出奔するだろう・・・違うか?」
「良く解ってんじゃん♪」
さすが爺ちゃん良くボクの事解ってるね♪
「誰が常識外れじゃ無いと?オマエだけは非常識と言われて怒る資格は・・・イヤそんな事は如何でも良い、とにかくだ・・・そんな所に残党の半分近くを連れ投降して来たから無碍には扱う事が出来無かった。本当に内乱に加担して無かったしな」
溜息を吐きながら説明する。
「だが私の知ってる限りミーモットと言う男はマルドゥース本家の連中やダラスと何ら変わらん、選民主義に凝り固り自分より下と見定めた者の価値を一切認めない愚物の権化で吐き気を催す男だよ!」
と心底イヤそうに言った。
「ねぇ本家が没落する前のミーモットって奴の立場は?」
「飼い殺し状態だったんじゃないか?確か六男とか七男とか八男とか・・・そんな感じの立場だったし?」
そこで或る考えが閃く。
「どうせ爵位を継げないなら本家を潰してでも自分が子爵に・・・・・」
「当然そう考えてただろうな・・・ただ実行した形跡は無いのだ」
うわっ、本当にロクでも無い!
「で遂に祈願の貴族に成れたから多少羽目を外しても如何にか成るとでも思ったのだろう」
「それで美女を集めてハレムでも?」
爺ちゃんとジェリス艦長が言うが、
「その程度で済めば良いと思うけど・・・」
「何か掴んでおるのか?」
爺ちゃんが訝しげに聞いて来る。
「そう言う訳じゃ無いんだけど・・・先の戦役後、爺ちゃんの事だから当然ミーモットの事は調べた筈だ。かなり厳しくね・・・」
「まあ当然だな・・・」
そこら辺は信頼に足る人物だ爺ちゃんは♪
「じゃあマルドゥース本家の反逆やミューズへの誹謗中傷にミーモットが関わってる可能性は絶対に無かったんだよね?」
「当然だな・・・先の懸念は私も持っていたからミーモットが本家を乗せた可能性も想定してたが、その力も父や兄への信頼も当時の奴は持ってい無かったな」
ボクはチョッと考えを整理しながら、
「フレッド(子供達のリーダー格で手の甲を棘で貫いた子)達は母や姉を強制的に連れ去られたと、そんなのが爺ちゃんに暴露たら爵位剥奪で即刻刑務所行きだろ?」
「一番キツい強制重労働刑務所に送ってやる!」
胸を張って言う爺ちゃんだったが、
「そんな爺ちゃんが健在なのに人間狩り迄した理由って何?」
貴族に成ったのだ・・・多少無理をしたら美女を囲う事など造作も無い、それでも危険を冒してまで強制的に美女を無理矢理に集めたのだ。
フレッド達の話では行き成り街を制圧して一定のレベル以上の美女を集めて行ったらしく、また現在街は閉鎖状態にあるらしい・・・そんな中では宇宙船の定期便とかで抜け出せる筈が無い。
それで見知りの小型のカーゴ船の船長に頼み込んでチャーターし子供全員載せて来たのは、たぶん自分達が助からなくても子供達だけは安全な場所に逃げさせ様と思ったんだろう。
「爺ちゃん・・・現在のマルドゥース子爵領ってのは?」
「元の領主は先の反乱でマルドゥース公爵に付いた愚か者の一人だ・・・領土は自然惑星が一つと難居住惑星が3つ、だが難居住惑星の一つは大規模な氷晶鉱の鉱山施設と地熱発電所がある。その他には特出するモノが無い星系だな・・・・・」
「その氷晶鉱の鉱山が有る難居住惑星の居住コロニーがフレッド達の住んでた街、そこで人間狩りをするとは一体ミーモットは何を考えてる?」
アヴァ元帥も首を捻るが正直見当も付かなかった。
「キッドよ・・・」
「これでもボクは一端の船乗りの積りでね・・・二重依頼は受けないよ、フレッド達からの依頼を受けた以上はネ!」
爺ちゃんが鼻を鳴らす。
「ふんっ、オマエが子供達から受け取った報酬など燃料どころかコーヒー代にもなるまい!それに受けた依頼は母や姉の救出の筈だろう?私がオマエに依頼したいのはミーモット・マルドゥースの調査と帝国法に反してた場合は逮捕だ!これらの依頼をドコからか受けてるのかオマエは!?」
そりゃ確かに受けて無い・・・が そう爺ちゃんに言わせるのが目的、フレッド達にも言っただろギャラは他から引っ張るってさ♪
「この依頼を受ければオマエは帝国法に基づき司法権の代理執行権を獲得出来る。そうすれば・・・」
意地悪そうに爺ちゃんが言ったが、
「貴族が相手でも大手を振って警察権を乱用する事が出来る♪捜査権・逮捕権・命令権・・・・・」
「オマエ今さり気無く乱用言ったろ!乱用は駄目だからな、適用しろよ!」
チェッ、残念チャンと聞いてたか!
「録音しといて言質を取ったと言いたかったのに!」
「心臓に悪い、油断も隙も無い奴だな!」
爺ちゃんが溜息を吐いた。
「まあ役に立つなら爺ちゃんの手も借りるさ・・・これよりスターシップは皇帝陛下より緊急依頼を受けマルドゥース子爵領へ楽しい狩りに向かう、獲物はハラワタの腐り切った外道だ!」
そう言ってボクはスターシップの進路を決めた。
「なるほど・・・こう言う使い方するならアタイ達でもキッドの旦那の役に立つか♪」
「旦那と言われるの好きじゃ無いんだけどな」
そう言うボク達は一路マルドゥース子爵領に向かってスターシップを航行させながら、ジョシュアさん達にアイアンイーグルやアサルトノーダーの適性検査の後に操縦や宙戦それに地上戦・白兵戦の訓練を受けさせていた。
実際に乗せて見たけどジョシュアさん達には特に優れたノーダー適性は無かったけど、それでも十分実戦で通用するレベルで操縦可能・・・特にアイアンイーグルを使っての航宙戦はスグにコツを掴んで実戦可能レベルに、いや正直言うとジェリスさん達の艦隊にいた航宙戦闘機のベテランパイロットに比べての遜色の無いレベルだったんだ!
これなら戦闘機戦は彼女等に任せ同時にノーダーの訓練を受けて貰えば間違い無くボク達の戦力増強に繋がる、それにしてもスターライダーのレーサーだった事を念頭に置いても4人とも戦闘機の腕が良過ぎると思う。
するとスターシップへ帰還後にジョシュアさん達4人組の一人トマスさんが、
「エッ?旦那はジョシュアから聞いて無いんですかい?俺たち元々ジョンブルソン宇宙軍士官学校の士官候補生だったんですよ」
「イヤ初めて聞くんだけど・・・」
道理で戦闘機戦の基礎が出来てる筈だ!
「じゃあ軍人崩れ?」
「いや正確には士官候補生崩れで・・・」
話を聞くと宙軍士官学校の航宙戦闘機科で主席の4人組だったんだけど、上官と言うか教官のハラスメントに耐え兼ねて自主退学してスターライダーのレースに参戦したらしい!
するとジョシュアさんの取り巻きの残り二人パプアとピットも続いて言った。
「これで俺たちが英雄キッドのスポンサード受けてチャンピオンシップに名乗りを上げたら、あのデムスのクソ教官に一泡吹かせてやれる!」
「ただでさえ主席4人の同時退学で面子を潰してやったからな!」
ワオ私怨の固まり、そう言うのボク大好きw
「じゃあ大会までに仕事片付けて次のレースで優勝しないと、金銭面での障害は消えたから後は・・・・・」
「イリーナさんの存在ですかね?」
先の仕事で護衛対象だったスターライダー・レースのチャンピオン、ところがジョシュアさんを含む4人組はニヤリと笑って・・・
「と思うでしょ?でも次のレースにイリーナは出て来ないんですよ旦那♪」
「なんで?先日逃がした大気圏突破レースのタイトルでしょ」
先のレースではボクが入れ替わってたから彼女はポイントを得ていない。
彼女ボクの優勝を自分のモノにする気は無いみたいで、馬鹿正直に自分と入れ替わってた事を委員会に報告しポイントの返還を申し出た(チームとしてのポイントは有効)
「一つはウェッセルの奴がマダ本調子じゃ無い、もう一ヶ月か二ヶ月は出て来れないでしょう?」
まぁ死に掛けた訳だしね。
「もう一つは次の惑星エルヴィンの赤道レースはチーム戦限定で4人組じゃ無いと出場出来無い、1台のマシーンを使い4人でエルヴィンを1周づつ周回した後に最後が大気を突破しゴールへ・・・・・」
ルールがチョッと違うのか?
「イリーナとウェッセルとフェンツ大スターライダー部の部長、あの3人はトップクラスの腕前だけど匹敵するライダーはフェンツ大には居無い・・・」
「ボクが加わったら4人だけど・・・解かった・・・出ないっ、出ないったら!だからズボンに縋り付くな脱げるだろ!ジョシュアそれ以上引っ張ったらスターライダーに乗せて大気圏でケツを火炙りにするぞ!」
「ケ・・・ケツの火炙りは怖いけど絶対放さないぞ!旦那が出ないって約束するまで・・・・・」
「だから出ないって言ってるだろう!」
この瞬間ジョシュアさんのオシリ引っ叩こうかと思ったんだけど、泣きながら縋ってくるのが余りにも必死で哀れだったから許してやった。
3日程かけてマルドゥース子爵領の近くに到着したボク等は子爵領手前にあるフリーコロニーに入港する・・・行き成りマルドゥース子爵領に飛び込んでも思い通りに捜査も救出も出来無いだろうと思ったからだ。
それにココにはフレッド達に輸送船を格安でチャーターさせた船主が居り、フレッドの母ちゃんの親友だったそうで協力を求めるには適当な相手だ。
ただ問題が一つ・・・・・
「最初にボクが持ってた偏見通りのフリーコロニーなんだよな・・・・・」
古い西部劇に出て来るような荒んだ雰囲気のする街並みのコロニーだった。
あまり目立っても良い事が無いので、ジョシュアさん達4人だけ連れて下船した。
「いや旦那が出ってって目立たずにいられるんですか?」
「ボクが子供で絡まれるって?」
チョッとムカッとする。
「違いますよ旦那の性格です!そりゃ間違いなく絡んでくる馬鹿出るだろうけど、そいつら相手に大人しく紳士的にいられるんですか?」
そう言われると・・・
「正直自信無い・・・・・」
パプアに言われる迄も無く、ボクって性格的に静かにしていられない。
「取り敢えず行先は船乗りギルドか・・・・・」
「絶対に大騒ぎに成りますよ・・・覚悟するしか無ぇか」
ピットも呆れた様に言った。
するとトマスが、
「フリーコロニーにある様なギルドは商業関係以外はチンピラの巣窟です。旦那や女のジョシュアが一緒な以上は確実に絡まれる、ジーンの旦那達にも来て貰った方が良かったんじゃ無いですか?」
ジーンと言うのはジェリスさん達がミューズの護衛に付けてくれた7人組のリーダー、確かに彼等なら格闘戦から頼りに成る事は確かだけど・・・・・
「出来る筈無いだろ・・・あの人達は腕っぷしは確かだけど上品過ぎる癖に如何見ても軍人だから、ボク達の素性が一発で疑われて暴露るんじゃ無いか?」
彼等を引き連れてるトコを見られた瞬間に詰む!
「その点アタイ等なら・・・・・」
「フリーコロニーのギルドに出入りしてたって・・・・・」
「おかしくない程度には荒んで居るモンな♪」
ジョシュア・パプア・ピットが続く。
「良く分かってるじゃん、その通りだよ♪」
「そこは否定して下さいよ」
ジョシュアさん達が情けない声で言う。
さてと・・・ちょっと雰囲気の有る街中の宇宙港近くにある建物に入ると、待合室代わりの酒場にいる連中の視線がこっちに集中した。
うんヤッパりギルドは酒場が併設されて無いとね♪
「オイお嬢ちゃん・・・」
うんテンプレ通りの展開だ!
「ここはお嬢ちゃんみたいなガキが遊びに来る所じゃ無ぇ(ダンッ!)ぎゃぁぁぁぁ~~~~~っ!」
うん、足の甲を銃で撃ち抜いて盛大に悲鳴を上げさせる。
しかも奴が痛みに転げ廻るより早く、その甲を踏み付けて逃げられ無くしてやった!
「て、てめぇ・・・」
「口の利き方も知らんのか?」
思いっ切り踏み躙ってやると盛大に汚らしい悲鳴を上げる。
「ス・・・スミマセンでした・・・・・」
汚いなあ、涙だけで無く鼻水まで垂らしやがって♪
「喧嘩売るなら相手を見てから売りなっ!」
そう言って顎を蹴り上げると意識を刈り取った後に「いや相手見たから売って来たんじゃ?」と呟いたジョシュアさんのオシリも引っ叩いとく!
すると仲間っぽいのが一斉に立ち上がったが、ジョシュアさん達4人がボクを取り囲んで庇いながら銃を抜いた。
「ウチの旦那に喧嘩売るならアタイ等が相手だよ♪」
お尻を擦りながらジョシュアさんが言った。
「こう見えてもウチの旦那は気が短ぇんだ・・・命の要ら無ぇ奴から掛かって来な!」
「それにコンナ可愛い顔してて相当エゲツ無ぇぞ!」
「確かに見た目は天使だけど、中身は真っ黒で大悪魔だかんな!」
ボクは黙ってジョシュアさん以外3人にもケツに爪先を食い込ませとく!
するとカウンターに座ってた男が他の奴の陰に隠れながら・・・・・
「甘いよっ!」
ボクはガードしてくれてるジョシュアさん達の間を擦り抜け前に出ると、ちょうど銃を構えて飛び出して来た男の手首を狙ってホルスターに戻してといたM1911を抜き撃った!
ズダンッ!
「ひぎゃあっ!」
銃を構えた手を狙って撃ってやると弾は手首の下から飛び込んで肘から飛び出す!
『うっわ~~~これは痛いぞ!』
転げ廻って苦しむ奴の横を通りカウンターへ、
「バーテン・・・ミルク、ジョッキでね!」
「へ、へぇ・・・」
彼はボクに怯えながらミルクを注いでくれたけど、
「おいボクを舐めてるのか?冷えて無いじゃないか!」
「か、勘弁して下さいよ!ここは酒場です・・・冷えたビールは置いて有ってもミルクは料理用に置いて有るだけです」
「飲む奴いなくたって牛乳を置いとくなら冷やして置けよ!腐るだろ?」
「腐る前に仕込んじゃいますよ!」
このコントの様なやり取りを聞いてたジョシュアさん達が、
「旦那・・・バーテンさん揶揄うのは止めとけよ、可哀想だろ?」
「ホント悪戯っ子なんだから・・・」
そう言ってボクを取り囲んだ。
「チェッ、これからが面白かったのに・・・ねぇバーテンダーさん、ここにパイクさんって言う船長さん居るかな?」
「いえ今日は居ませんね・・・おいパイクは何か仕事受けてるのか?」
するとバーカウンターの向かいに並んだギルドのカウンターのオバちゃんが、
「パイクならマルドゥース子爵領に行ってる。明日には帰って来るんじゃ無いか・・・」
「時間は?」
するとギルドの職員さんは?
「食料品の運搬だから午後には成るんじゃないかと思うけど、詳しい時間までは・・・」
「捕まえるのは難しそう、仕方無いココに張り込むか・・・」
するとギルドの職員さんが手招きをしてるので行ってみた。
「パイクは仕事が終われば、そこのバーで飲んだくれてる・・・明日の午後に来れば十分さボウイ君」
「少年?」
すると職員のオバちゃんが笑いながら、
「自分の名前を忘れてるのかい?」
と言ってから小声で、
「英雄さん♪」
と続けた。
如何やらボクの正体は気が付いてるらしい。
だから偽名を使うよう促してるのだ。
「と言う訳で仕事一件頼まれてくれないかね?これを熟して帰ってくれば丁度パイクと会う事が出来るよ」
「報酬は・・・乗った」
高くも無いが安くも無い。
丁度良い適正な仕事だった。
「手続するから待ってて・・・アンタが残ったミルクを飲み終える頃には片付く」
「OK♪」
酒場の方のカウンターに戻るとジョシュアさん達は始めており、
「まだ仕事中だよ?」
「勘弁して下さいよ、抑々オレ達の身体を火照らしたのは旦那が売った喧嘩ですよ?」
と言われて仕舞った。
「しかも熱い視線を向けられてるから・・・・・」
酒場の連中はボク達を見てるけど、
「また喧嘩の続き・・・」
「売って来ないでしょ流石に♪」
この4人リーダーはジョシュアさんだけど実質はトマスさんが動かしてる感じがする。
するとギルドのオバちゃんにもチンピラが何人か話を聞き出そうと行ってるので、会話をカチューシャの機能で盗み聞きした。
「あの子のコト知ら無いのかい・・・❝乱射狂のボウイ❞って言って、ワメリケーノじゃ有名な子だよ?口を開いて言葉を吐くより先に銃が火を吐くって!」
思いっ切りボクを悪人に仕立て上げてる!
「実際悪人でしょ?チョッと揶揄われた位で足の甲撃ち抜いて・・・」
「本当は股間を撃ち抜こうとしたんだ!流石にソレは可哀想だと思って足の甲で許してやったのに・・・・・」
皆に聞こえる様に言う・・・すると酒場にいたチンピラ達が一斉に股間を抑えて前屈みに成った。
翌日の15時ごろ・・・ボクはフリーコロニーに戻ってギルドに向かった。
でもギルドのカウンターには誰も居ない、仕方が無いので酒場のカウンターに行きミルクを注文・・・何も言わ無くともジョッキに冷えたミルクが満たされる。
「ありがとう冷やしといてくれたんだ♪」
「股間を撃ち抜かれたく無いですからね」
怖がられてるのか?
「アレは冗談だよ!絡んで来たり銃を抜かなければ基本ボクは撃ったりしない、先に銃を抜かないのはボクのポリシーなんだ」
「足の甲を撃ち抜かれた馬鹿は銃を抜いて無かったですよね?」
良かった・・・冗談にツッコミを入れてくれる辺り怖がられてる訳じゃ無いらしい。
「それに御礼ですよ・・・アナタに足の甲を撃ち抜かれた馬鹿は札付きでね、でも気を付けて下さい奴は毒蛇の様な奴で」
「うん分かってる・・・手下を連れて外で待ってるよ」
驚いてるバーテンさんを後目に、外の様子をカチューシャの機能でスキャン・・・帰り際に狙って来る積りだろう!
「気を付けて下さい」
「何コッチの狙い通りさ♪」
ああ言う奴は狙った奴には何時までも付き纏う、しかも自分をブッ飛ばした相手には必ずね・・・昨日殺しても良かったんだけどフリーコロニーと言え絡まれただけで殺しちゃ問題、それ以前に絡んで来ただけで殺すのも可哀想だから仲間を集めて襲って来た所で半殺しにしてやる事にした。
すると・・・あの男が中に入って来た!
意外だな・・・外で襲って来ると思ったのに?
「おい小僧・・・」
「なんだジジイ!」
すると頭に血管を浮かべ、
「まだジジイと言われる歳じゃ無ぇ!」
と怒り出す。
「五月蝿いな・・・どうせ昨日の意趣返しだろ?相手してやるから10分待ちな!」
「何で10分なんだ?」
ボクはジョッキを持ち上げて、
「この良く冷えた美味しいミルクを味わい終わるまで10分掛かる・・・」
ボクの前のジョッキで「じゅっ!」と音がした。
このジジイが吸ってた葉巻を放り込んだんだ!
「これでスグ始められるだろ、決っとおおっ!!!」
ボクにブッ飛ばされてアイツが一直線に壁に飛んで行き頭から突っ込んだ。
食べ物を粗末にする様な奴はボクは許さない!




