そして全て片が付き・・・・・
それから1週間が過ぎた。
「なんだかんだ言って世話に成ったな・・・・・」
イリーナさんと宇宙港の駐船スペースで握手をしてるとパパラッチ的な奴がボク達の写真を撮る・・・まあ眼障りだし勝手に写真を撮るのは如何かと思うんだけど、ボクは敢えて何も言わずにイリーナさん達との会話を続けた。
「慰謝料を含む賠償金で当分レースの資金に苦労はしない・・・父には連絡しておいたから・・・・・」
「コッチにもレプトン通信が来たよ・・・連れ帰る必要は無しで仕事は終了、結果all rightタップリ報酬を払って貰ったし・・・・・」
すると部長さんが
「いや今さらイリーナん家からの報酬何て、はした金は如何でも良くないか?」
「ハァ、アレがはした金ですか!?」
驚くボクに・・・・・
「あの執事さんと運転手さん、それに部下だった人達がキッドに支払ったのは・・・おいっ!キッド如何した?如何したんだ・・・・・」
ミューズからタブレットの様なアレで振り込み証明を見せられたボクは眼を回し卒倒、冗談じゃ無いボクが彼等から受け取ったのはチョッとした国家予算並みの金額だった!
ガネスのオッサンは二人に渡せば他の部下達にも分配すると思って渡したそうだが、それにしたって一人一人の受け取る額はウン億クレジットのレベル・・・とんでもないモノを貰って閉まった!
「お兄さま・・・また金額に驚いて・・・こんな❝はした金❞でイチイチ驚かないで下さい」
「イヤ❝はした❞じゃ無い、絶対に❝はした❞じゃ無いぞ!」
ボクは携帯用のボトルから冷たい麦茶を飲み自分を落ち着かせる。
「まあ結果、俺たちのチームは潤ったけど・・・可哀想なのはアイツ等の方だな」
スターシップに資材を積み込んでるロボットカーゴに指示を飛ばしてるジョシュアさん達、次のレースに出る資金も無くアルバイト漬けの日々に成ると泣いてたのでボクの船に乗せ就職させてやった。
でも乗せる事をボクに進言して来たのはミューズで・・・
「姉さんっ、生鮮食品と清涼飲料の積み込みは終わりました!あと15分もすればジェネレーターの補充触媒も・・・・・」
「無理しないでね・・・それとミューズで良いよ、年上のジョシュアさんに❝姉さん❞何て呼ばれるなんて・・・・・」
するとジョシュアさんったら
「何を言います!姉さんの方こそアタイは呼び捨てにして下さい、なんたって姉さんはスターシップの女将さんナンだから」
「まぁ女将さんなんて♪」
嬉しそうにしてるミューズに貌が緩む。
治療に名を借りた折檻と仕事の斡旋と言う救済に、ジョシュアの奴はミューズに完全に飼いならされて忠犬と化してる様だ・・・うんジョシュアは呼び捨てで良いな!
するとイリーナさんは徐に口を開き、
「キムセンが・・・」
「死んだんだろ?」
トランサッドが国の管理下に置かれて財団としての力を失うと、途端に拘置所的の様な所に収監されていたキムセンは何者かに絞殺されたのだ・・・まぁ誰がやったか分かっている。
厳重に監視されてる獄の中へ軽々と侵入し繋がれてた奴を消す、そんな事を出来そうなのは少なくともボクはアイツしか思い浮かばない。
「まぁ間違い無いでしょうけど・・・その口から何かが漏れるのを危惧したか、さもなければ単純に恨みからなのか」
「恨みからですよ」
一緒にいたイメンケさんに話を振ってたら反対側からアノンさんに声を掛けられた、今日はビジネスマン然としたスーツ姿で御登場、それにしても恐ろしい奴・・・一切気配を感じ無かった!
「あの男は前の秘書を犯し自殺させといて、自殺の原因が自分である事を隠し罪に問われ無かった・・・依頼主は明かせませんが本当に恨みからです」
そう言うと手に持ってた御盆から皆にドリンクを配った。
「やっぱり雇って治療費を稼がせるべきじゃ無かったかな・・・」
「あんなクズに裁判まで生かしとく必要ありますか?」
ボクは溜息を吐きながら、
「同感だけどソレ決めるのはアノンさんじゃ無くない?」
「そんな冷たい事を・・・・・」
彼は笑う。
「で・・・今日は何の用?」
「そうだキッドさんに相談が・・・・・」
なんか嫌な予感がする、いや絶対に何かボクの精神衛生に悪い事言うぞ!
「ボクを船に乗せませんか?」
「ほら来たぞ!絶対嫌だからな、客船代わりに使う気か?」
「もちろん搭乗員としてですよ、それにボクを船に乗せていれば変な事しそうな時に止め易いんじゃないですか!」
「それ・・・脅しって言うんじゃない?」
「ボクは役に立つ男ですよ・・・給与は他の皆と常識で割り出して頂いて結構、足りない分は自分で稼ぎますから」
「それオマエの場合殺しだろう?」
コイツと話すと伏字が多く成る!
「ボクは優秀ですよ・・・例えばキムセンは逃げ様とした所、武装警官隊に囲まれて逮捕されました。でもゼニスは如何成ったと思います?」
「知ってるよ、いや正確には大体見当が付いてる!如何せ・・・・・」
イリーナさんがソッポを向いた・・・まぁ実はボクも知ってるんだけどね、イリーナさんにボコされてボロ雑巾みたいに成って警察署に引き摺られて来たってw
彼女が私怨を晴らす為にボコしたのはボクにとって如何でも良いが、貴族令嬢たって隣国の貴族・・・このジョンブルソンで司法機関から逃げ回ってるゼニスをイリーナさんが見付けられる筈も無い。
そしてそんな奴を見付けてイリーナさんをサポートしたのはコイツに間違い無く、このタイミングでそんな事をした理由はボクに自分の捜査能力や情報収集能力をアピールしたいだけだろう。
「少し良いかね?」
そう言って現れたのは恰幅が良かった体型が細身に代わったオッサンだった・・・部下の人達がボクに助けを求める際に退職金を全て注ぎ込んだので、それを補填するのと同時に再就職先を作る為に会社を立て様としてる。
「イリーナ殿に話が有るのだが・・・」
ボクが前を開けると彼はイリーナさんの前に進み出て、
「ありがとう御座います・・・あんなクズでも息子、そして殺されても仕方の無い事をしたのに命を助けて頂いて・・・・・・」
と頭を下げた。
「気にしなくて良いさ・・・私はキッチリ借りを返し、その借りが殺すほど溜まってた訳じゃ無かっただけだよ」
「イリーナさんってカッコ良い、男前だなぁ・・・痛っ!」
イリーナさんにゲンコツを落とされた。
「で・・・会社設立に奔走してると聞いたんだけど?」
「それが上手く行かなくてね・・・非常手段を取る事にしたんです、あぁ英雄殿に挨拶が遅れましたな♪初めまして・・・にわか起業家のダイルと申します」
新しい名前をダイルにしたらしい。
「そもそも私の戸籍は無くなったので・・・ファルデウスで新しい戸籍を求めるしかない、こっちで私が新しい身分を得るのは流石に難しいので」
アリスに周囲でボク達の会話を盗み聞きしてる奴がいないか警戒させて話を続ける。
「そこで会社もファルデウスに籍を置きますので、どうせなら一緒に行かせて貰えませんか?」
「護衛料は高いよ?」
と当然言った。
だが・・・
「何を言ってらっしゃる・・・自分の会社の船を護衛するのに金を取らんでも良いでしょう?そんな事を言わないで下さい」
「はぁ?」
ボクは何が何だか分からないボクに、剣士改めボディーガードのお兄さんがタブレットを・・・
「それでは次のニュースです・・・この度トランサッド財団の複合犯罪解明に協力したファルデウスの英雄キャプテン・キッド嬢が、新しく貿易会社を設立する事を発表しました。会社名は彼の愛船に因んでスターシップ貿易と・・・・・」
ボクはダイルさんを睨みながら・・・・・
「こんなのボク知らないんだけど・・・」
「えぇ今初めて話ましたから・・・」
ため息が出た♪
「で・・・先にボクへ支払われた大勢の元部下の人達の退職金や慰労金、それ等を再度自分への負債にし新しい会社の出資金にさせボクに会社を立たせようと?」
「流石に察しが早い♪」
得意げに頷くオッサンに、
「甘いぞクソジジイッ!」
ボクは彼に飛び付いて後ろからチョークスリーパーホールドを極める!
「そんな事をしてボクに何のメリットがある?」
「ゆ・・・優良な企業持つ人物は世界的に一目置かれます。また権力や企業との交渉もスムーズに・・・それに自慢じゃ無いですが私なら利益を確実に生み出す会社を作る自信が有ります」
「キッドさん許してあげて下さいっ!顔色が・・・・・」
ボディーガードさんに止められるが止めて上げない!
だがイリスに、
「お兄ちゃん、年寄りを虐めちゃダメでしょ!メッ!」
うむ可愛い・・・その向こうでヤキモチ焼いてるミューズも、仕方無い2人の可愛らしさに免じて許して遣わそう♪
ところが・・・・・
「ま・・・まだ年寄りと言われるほど・・・・・」
ミューズの所のジジイ共と一緒で年寄り扱いされる事にダメージを追う性分らしい。
「こんな事なら助けてやるんじゃ無かった・・・・・」
ボクは少し後悔している・・・いや嘘だよ、全く後悔なんかしていなかった♪
ガネいやダイルさんが実は船乗りだった事と船乗りの仕事が好きだった事を考慮して・・・チームのサポートカーと言うかサポートシップにする為スターシップで牽引してたトレーラー船、その牽引してたコンテナ船を格安と言うより捨て値でダイルさんに提供した。
あとは牽引するトレーラー船を用意すれば船会社を起こせるし、彼の手腕ならスグは無理でも多少時間を掛ければボクへの返済も無理無く出来る・・・そう思ってたんだけどボクの予想を斜め上に裏切って上昇しやがった!
お陰でボクは知らん間に❝スターシップ貿易❞のオーナーに、そしてダイルさんはチャッカリ雇われ社長の座に座り込んだ・・・と思ってたんだけど!
「あの船の船長は私が勤めます・・・アナタは社長をやって事務仕事を・・・・・」
「何を言う!社長自ら船を動かし社員と共に汗を流す、それが俺たちの作った会社だっただろうが?」
ダイルさんと執事さんが大喧嘩を始めた・・・二人とも元々船乗り、そして経営や事務仕事は本来好きで無かったらしい。
ただ少なくともダイルさんに限っては組織運営能力が高い、これは押し切られるかと思ったら合流したスーツ姿の知的な美人が女社長に収まった・・・ガネス氏の元秘書だった。
「彼女が一番経営能力が高かったからな♪」
「これでスターシップ貿易も安泰、これからもヨロシクお願いしますよ会長♪」
いつの間にかガネス氏の元部下だった者や仲間も少しづつ合流し始めてる・・・一気に集まると流石に怪しまれるから、ただし一様にガネス氏の死にショックを受けてる事を理由にジョンブルソンから出国しているので、ガネス氏の人望の厚さを補完する様な美談に昇華されていた。
「じゃあ全てが片付いたんだな?」
「はいオーナー、滞りなく・・・・・」
「それじゃ♪」
「えっ?」
今度はダイルさんの腕を捻り揚げるとチキンフェイスロックを執行する!
「さっきのニュースは何だっ!誰が❝キッド嬢❞だっ!!マダこの悪戯引き摺っとんのか~~~っ!!!」
思いっ切り締め上げるとタップしながら・・・・・
「待って下さいオーナー今回は私の悪戯では・・・」
じゃあとギロリと執事さん運転手さんボディーガードさんを睨むが、彼らは一様に首を左右に・・・すると視界の隅でジリジリ後退する影が、こう言う悪戯はミューズかと思ったけど・・・・・
「ジョシュアさん、アンタの仕業か・・・・・」
お茶の用意をアノンさんが始め自然と屋外で茶会が始まり、チャッカリ取り巻き3人と休憩しに来てたジョシュアさんは何も言わずに踵を返して逃げロボットカーゴに飛び乗った。
ロボットカーゴは地球のフォークリフトと動力付き荷車が一緒に成った様な物で、普段は口頭で命令すれば自動で作業をしてくれるが人が乗って操縦も出来る。
「甘いっ!」
「アワワ・・・」
ボクはロボットカーゴに飛び乗るとキー代わりのメモリを抜き、彼女の腕を捻り揚げてロボットカーゴから強制的に降ろす。
「さてジョシュアさん・・・なんでこんな真似を?と聞く迄も無いか、湿布の仕返しかな・・・・・」
「ははは・・・軽い冗談ですよ、旦那・・・・・」
ウン思いっ切り顔が引き攣ってるよね♪
「先っきの報道はダイルさん達が流した情報・・・それを新聞社や出版社なんかに出す際入れ替えた?そんな器用なスキル持ってるのかな?」
するとトマス・・・ジョシュアさんと一緒にスターシップに就職した取り巻きの一人が手を挙げた。
「すみません俺がジョシュアに無理矢理やらされました」
「あっ、このヤロ!(バシィッ!)きゃんっ!」
お尻を一発思いっ切り叩いて黙らせる!
「続けなさい・・・」
「お・・・俺は嫌だって言ったんですよ!でもジョシュア協力しないと嫌がらせするぞって・・・こいつの嫌がらせ陰湿だし執念深いしスッゴク性質悪いんです!」
まったく・・・
「ボクに悪意の行為をしたと言え脅迫されてのこと、また素直に自分から白状したからボーナス査定マイナス1ポイントで勘弁してやる・・・3ポイントで一割減俸だからな!」
「ありがとう御座います~~~っ!」
まあ実質無罪、本当に罰するほどの事じゃ無い。
でも・・・
「そしてジョシュアさんは・・・・」
ぺろんっ!
「な・・・何して・・・・・」
何してってレザーっぽいパンツと下着を下ろしたんだよ!
「お尻叩き30の刑!」
「そんな子供じゃ無いんだから(バシィッ!)きゃぁぁっ!お姉さま許して・・・」
「まだ言うかっ、20発追加っ!」
「ひぃぃぃぃ」
ボクがジョシュアさんをお仕置きしてるとイリーナさんがミューズに、
「良いのか止め無くて?」
「お兄さまの顔を見て下さい・・・同じ笑顔に見えますが引き攣ってるのは本気で怒ってる証拠、こう言う顔の時はエッチな考えでお仕置きしてません!下手に止めに入ればトバッチリを受けますよ!」
背後でミューズが説明しジョシュアさんは相応の報いを・・・では済ま無かった。
その夕方・・・
「へへぇ~~~、そ・・・粗茶で御座います・・・・・」
「そのお茶は船に置いてあった奴だろ?つまりボクのお茶なんだけど・・・・・」
ボクの言葉にジョシュアさんが何も言えなくなる・・・お仕置きの追加が怖いのだろう。
「まあ悪戯に関してはキミが悪いがオシオキしたし、報道されたのはボクの落ち度だ・・・文句を言う気は無いから安心して」
助かった~~~と言いながらペタンと床に座り込むジョシュアさんだった。
で何でそんな会話に成ってるのかと言えば先のジョシュアさんへのお仕置きを撮影され、「キャプテン・キッドは女王様」だとか「キッドお姉さまにお仕置きして欲しい!」などと言うタイトルの記事が夕刊に!
「怒りに我を忘れたボクが迂闊だった・・・・・」
「本当に怒っただけでお仕置きしてましたもんね・・・私をお仕置きしてる時みたいな楽しそうな笑み、一切浮かべてませんでしたもの」
マァそんな喜んだ顔して他の女の子にオシオキしてたらボクがミューズに叱られる。
「じ・・・自業自得よキッド君!そもそも君は女の人を叱る場合、何でお尻叩きにするの?」
「趣味!」
レプトン通信で話してたジュリアさんに答えると、流石に横から強めの突っ込みが入る・・・勿論ミューズからだ。
「でもミューズちゃん以外のお尻を叩くの初めてじゃない?」
そう言えば・・・いや未完成のアイスコフィンでジェリスさんの部下であるココさん達をお仕置きしたし、投降したばかりのパインさんのオシリに高重力下でお盆を落とした・・・のはボクじゃ無くてミューズか?
「それでもミューズちゃんは特別で他の人のオシリなんか叩いて無かったじゃない、私も叩かれそうになったけど・・・なんでジョシュアさんなら抵抗なく?」
後ろでジョシュアさんが「そーだ、そーだ!」と言ってるので睨み黙らせる、次騒いだら再度お尻叩きだからな!
でもそう言えば何でだろ・・・ジョシュアさんの お尻に手を出す事はハードルが低い、でもスグに理由が思い付く。
「ジョシュアさんって歳上のクセに歳上に思えない・・・何か妹っぽいからだと思う」
「そりゃ無ェよ!旦那・・・」
ジョシュアさんが情けない声で言い、取り巻き3人が笑い出して彼女に蹴り上げられていた。
「その点に付いては何となくジュリアさんもそうなんだよな・・・歳上っぽく無いと言うか、❝お姉さん❞や❝お姉さま❞ってより❝お姉ちゃん❞って感じの!」
「なによそれ失礼ね!」
モニター越しに彼女が怒ってる・・・すでに彼女は出立しファルデウスへの帰路に付いていたからね♪
「これでもキッド君の姉を自認してるんだから、今後はお姉さまと・・・・・」
「じゃあ言わせて貰うけど・・・先のレース中ボクのお尻の見ての発言に関して・・・」
するとジュリアさんは急に赤面しながら、
「マダ言うの?執拗いなぁ・・・」
と頬を膨らませる。
うんカワイイ!
ほんと❝お姉ちゃん❞って感じでね♪
「帰ったらジェリス艦長やマリアさん・・・そして爺ちゃ・・・じゃ無くて陛下に揶揄われる覚悟しといた方が・・・・・」
「ちょっとキッド君、告げ口した?あんな黙っててって言ったのに酷い!」
少々エキサイトし始めた。
「まだ気が付いて無いの・・・やっぱりジュリアさんを❝お姉さん❞呼ばわり出来ない、お姉ちゃんが最適だよ」
他の意見もあるのは承知の上でボクにとって❝さん❞付と❝ちゃん❞付では差が有る・・・前者の方が年長者への敬意が感じられ、後者はもっと気安い存在に思えるのだ。
「あのレースの中継・・・それこそジョンブルソンとファルデウスだけじゃ無く、世界中に流されてるんだよね?」
「当然じゃない♪同盟国だけで無く、過半数の敵対国にも・・・そんな世界的に人気と権威のあるレースで2度もチャンピオンに成るのって凄いんだからっ!もっと尊敬しても良いんだ・・・・・・」
ボクはマダ気が付か無いのかポンコツ娘と思いながら、
「その事については凄いと思うし尊敬出来るよ?でも・・・・・」
「でも?」
ボクはミューズの口を塞ぎながら言った・・・こいつ歳が上のクセにイリスより迂闊で余計な事をスグ言って仕舞う、今も口を塞がらなかったら「お兄さまは、そのレース初出場でチャンピオンに・・・」とか言い出しかねない!
「つまり実況中継も世界中に流されたのでは?世界共通語を使う陣営には・・・・・」
「あっ・・・」
漸く気が付いたらしい。
「ジュリアさん・・・周囲でスターライダーのレースを見てそうな人は?」
ジュリアさんはダラダラ冷や汗を流しながら・・・
「お爺ちゃん・・・私の本当の・・・自分でもレースしてたし、その影響で私もスターライダーに・・・・・」
「だけ?」
ジュリアさんがカタカタ震えだす♪
「ヘ・・・陛下も・・・私が参戦してから興味を、お父さんなんか最初から好きで見てて・・・しかもお母さんは元レーサー・・・・・」
「つまり最も親しい人に全員見られてる可能性があるよね?そこから飛び火したらそれこそ・・・・・」
するとジュリアがスクッと立ち上がり、
「ミント・・・転進して、進路をジョンブルソンに・・・」
「なにバカ言ってるんですか!」
さすがに怒って止めに入る。
「ちょっと忘れ物を・・・」
「あとで送らせれば良い事です」
「お願い逃げさせて・・・」
「逃げ様としたらキッド君じゃ無いけど、お尻を思いっ切り叩きますからね!みんなの見てる前で・・・・・」
「お願いよミント逃げさせてよぅ~~~っ!私をネタにして笑う為、絶対お父さん達が手ぐすねを引いて待ち構えてる」
「自業自得です!」
我が侭言うジュリアさんにミントさんは冷たく言った。




