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決着は付いた!

 まぁ外す余裕は確かに無かったのだ、心臓に狙った通り2発の銃弾をブチ込んだ・・・この事に関しては仕方無いと言える。


『キッド様、大変です・・・所属不明の軍艦が3隻、巡洋艦クラスと駆逐艦クラスの2隻が接近中!ただし巡洋艦はフェンツから、駆逐艦は外洋から・・・・・』


『誰が送って来たのか大体見当は付いてる!予定通りに・・・イヤ折角だ、パーティーに御招待しよう!』


 駆逐艦の方はガネスの船に接舷し様としてる・・・多分ゼニスに雇われたチンピラ、まだボクの事をイリーナと思って攫いに来てるのだろう!

 一方で巡洋艦はガネスの船を沈めに掛かっておりコッチはキムセンに雇われた方だと推測できる!


『ミューズ分かってるな?』


『流石に海賊を雇うのに顔も出さずに済む筈は無い、奴等は信用出来無ければ仕事は受けませんからね・・・つまり少なくとも海賊のボスと繋ぎ役はキムセンと直接じゃ無くても』


 さすがミューズだ分かってる♪


『顔を見ただけで分かる奴が仲介人に、下手すればキムセン本人と接触した事が有る!だから殺さずに・・・・・・』


『了解ですが、お兄さまこそ大変なのでは?』


 ミューズに心配されてるが、


『ハンッ、何がさ♪』


 チョッと悪ぶって言ってみる♪


『簡単だろ?たかがチンピラ数十人相手する程度・・・・・』


 ボクはMP5Kの安全装置を外すが、


『違いますよ・・・お兄さまが殺さないで我慢出来るかって言ってるんです』


「オマエ迄ボクの事を獣か何かかとっ!?」


 思わず声に出して怒鳴ってしまう!


『だって、お兄さま相当怒ってらっしゃるでしょ?それに興奮もしてるから暴走しないか心配で・・・・・』


『オマエ・・・そんなにオシリを叩かれたいか?』


 凄みを効かせて言ってみたが、


『お兄さま否定出来ると御思いで?今までの所業ちゃんと覚えてます?』


 くっそ~~~最近強く成って来ただけで無く、生意気にも成って来た・・・だが性悪お兄ちゃんにはマダ必殺技が有るんだぞ!


「最近・・・ミューズが可愛く無くなって来た(ボソッ!)」


 何かココまで「ガァ~ンッ!」と言う効果音が聞こえて来た様な気がしたが、実際ミューズの反応が一切無くなった!


「オイ・・・コラ、ミューズッ!ミューズさんっ!」


 一切反応しない・・・ミューズが電源を落とした様に沈黙している。


「おいキッド・・・オマエ幾ら何でも酷いぞ!」


「ミューズさ~~~んっ!お願いだから再起動して下さい・・・駄目だキッドさんっ!一体どうする積りですかっ!」


 コクピットに居たポップさんとイメンケさんに突っ込まれる。

 そしてコクピット後部の休憩室、最近リビングと言ってる部屋からも回線越しに・・・


「お兄ちゃんっ!ミューズお姉ちゃん虐めちゃダメでしょ?めっ!」


 と叱られてしまう。

 そんな中ダーグは冷静に・・・・・


「おいキッド・・・時間が無いぞ」


 と言った・・・クソッ、ダーグはボクにミューズに対する「もう一つの必殺技」が有るの知ってるからな・・・・・


「分かった悪かったっ!お詫びに大人のキス3回・・・」


「5回でお願いしま~~~すっ♡」


 即座に再起動しやがった・・・まぁ巫山戯(フザケ)てるのは最初から分かっているけどさ!




 数時間後・・・ジョンブルソンの武装警官隊がガネスの船に雪崩れ込んで来た。


「キミがキャプテン・キッドだね?私はジョンブルソン警察の刑事長ヨハンソンブルムです・・・少し話をしても?」


 この世界では日本の警察より下級司法職員の階級が3つほど多い、だからカチューシャが自動で翻訳する際❝警部補❞と❝巡査部長❞の間に❝刑事長❞❝刑事❞❝刑事補❞が入れられてる。


「ウン、可能な限り協力するよ」


 ボクは力無く・・・見える様に答えた♪


「イリーナ嬢の身代わりとしてファルデウス帝国グレイバー伯爵に雇われたと言う事で・・・・・」


「待って下さい・・・アナタのパーソナルIDを聞いても?」


「良いですよ」


 彼が差し出した名刺カード、受け取るのでは無く見せて貰いカチューシャの機能で読み取った・・・この世界では身分証明書と名刺は同じ物で、そう言う風に使うモノなのだ。


「この名刺に記載してあったアドレスに、ボクの視覚をデータ化したモノを送ります。このカチューシャには、そう言う機能が付いているんです・・・・・」


 質問する以上に効率の良い証拠を提供されヨハンソンブルムさんは喜んで内容を確認・・・ただしデータはコノ船に乗り込んで剣術使い倒した直後から、メモリー容量の問題でソレ以上は保存出来無いと嘘を吐いた♪

 それで幾つか質問するとボクの体調を気遣い、後日事情聴取をするから今日は休んでと言って解放してくれた。

 その際に警察の小型宇宙船でボクをスターシップに送ってくれ様としたのだが、


「お待ち下さい・・・」


 ボクに叩きのめされた剣士さんが声を上げる。


「主人であるガネスより、イリーナ様に対し丁重に御持て成しするよう言われています・・・送迎も私達の役です」


「私もガネス氏の事は尊敬している・・・それでも君たちの主人はキッド君を殺そうとした犯罪者だ。その配下である君達にキッド君を・・・・・」


「良いんだヨハンソンブルムさん、ガネスは元々ボクを殺す気は無かったし今さら彼等もボクに害する積りは無い・・・お気持ちだけ頂いていきます」


 そう言って一礼し剣士さんの後に続いた。

 そして小型の連絡船(ランチ)に乗って、客席が無いので荷物らしいのに座った所で・・・・・


「このドジッ!」


「す・・・すいませんっ!」


 操縦席に座る彼の後頭部を手加減しながらも強めに蹴っ飛ばす!


「カチューシャで視覚情報保存してると言ったのに・・・ナンで()()タイミングで出て来るの!危うく映る所だったじゃないか・・・」


「だって流石に・・・艦橋が吹き飛んだんですよ!」


 ボクは移動するランチの窓からガネスの船を・・・見事にスターシップと海賊の巡洋艦が行った戦闘の流れ弾で吹き飛んでるが、ミューズの奴スターシップとは解からない武装を使ったんだろうな?

 何せアノ攻撃でガネスの遺体が吹き飛んだ事に成ってる♪


「それより荷物は・・・」


「キッド様のお尻の下に・・・」


 何と腰かけてたのがそうだったのか・・・布地でグルグル巻きにされてるので気が付か無かった。


「これ・・・窒息したりしないよね?」


「通気性は抜群ですから・・・それより本当に生きてるんでしょうね?着弾跡が見事に心臓に上に・・・・・」


 ボクは布地を剥がしながら、


「レーザーとかブラスターじゃ無いんだ。衝撃は強かっただろうけど弾は体内まで入って無い、それより衝撃で心臓が心配だ・・・早く治療しないと生き残っても頭がパーだぞ急げっ!」


 ボクはランチを急がせる!

 さあ後は結果次第、吉と出るか凶と出るか・・・・・




「どう言う事か説明して貰えるんだろうね?」


 そう不機嫌に言う壮年の紳士・・・現在は先の戦闘後から3日間ほど経過した時間、3日前は恰幅の良い紳士と言う感じだったオッサンが、今はチョッと神経質そうな細身のインテリに見える姿でスターシップのリビングに不機嫌そうに座ってボクと対峙している・・・全身成形し捲ったからね!


「オマエ何勝手な真似を・・・・・」


 日本の湯のみで緑茶を飲みながらガネスいや元ガネスだったオッサンが唸った。

 あの剣士風のお兄さんと運転手さんはビクビク恐縮してる感じだったけど、執事さんは何食わぬ顔で茶を啜りながら・・・・・


「何の事です?私は友人を救おうと最善の方法を模索(もさく)し行動しただけ、文句を言われる筋合いは・・・元の主くらいしか」


 その主に向かって正面からボクの横で(のたま)ってる辺り中々の曲者だ。


「その主ってオレ・・・・・」


 執事さんは指をパチンと鳴らしソレを合図にアリスがリビングの壁のモニターをいれる・・・モニターに映し出されたのはニューズ番組、そこではゼニスやキムセンだけで無くトランサッド財閥のトップ陣で犯罪を犯してた者が軒並み逮捕されてる姿が映し出されてる。

 それだけじゃ無い・・・ボクと対峙し正直な心情を白状してからボクに心臓を撃ち抜かれる姿の映像が、いや実際には撃ち抜いて無く人体を傷付け無いラバー素材の弾丸(血糊入り)で胸を撃ったのだ♪

 その映像の下の方には「ファルデウスの女英雄キャプテン・キッド嬢 提供」と書かれていた。


「貴様ぁ!」


 頭に来た元ガネス氏がテーブルを飛び越えボクに襲い掛かって来たけど、こっちも正対し互いの両手を掴んで握り合う・・・こいつ結構強いな!


「何で素直に死なせなかった・・・何か恨みが有るのか?」


「おう有るぞ・・・一つは悪戯でボクを女性に報道されるよう手配したな?何でボクが女英雄とか嬢付で報道されてる?」


 すると背後で剣士の兄ちゃんが「スミマセンッ!」と叫んで土下座する・・・そうコイツがガネスの指示で動いたのだ!


「それは今日の事だろ?ちょっとした悪戯だ、それに俺が文句言ってるのは3日前の話だぞ!」


「勿論もう一つ有るぞ・・・この騒ぎにボクを巻き込んだ事だ!お陰で結構好みの姉ちゃんを何度も引ん剝いたのに、この状況じゃアノお尻を十分に堪能する事が出来無かったじゃないか!」


 空かさずミューズとジョシュアさんに後頭部を叩かれるが・・・・・


「ミューズは兎も角ジョシュアさんボクに逆らって良いの?」


「ヒヤァァァァ・・・・・・ッ!」


 まだ剥がして上げて無かった湿布を思いっ切り吸い付かせたのだ♪


「き・・・汚いぞパーティーが終ったら剥がしてくれるって!?ヒャアァァァ~~~~~ッ!止めて止めてぇ~~~~~っ!」


 この数日ジョシュアさんの恥ずかしい姿を堪能出来無かった憂さ晴らしに、更に思いっ切り強く湿布を吸い付かせて虐めてたらミューズに再び後頭部を叩かれた!


「いい加減にしなさいっ!この爆弾湿布を剥がす暗証番号(コード)は・・・」


「ンな物は無い・・・カチューシャ使ってるならスグに誰でも外せる」


 ジョシュアさんを促し医務室へエスコートするミューズだが、帰って来た時にはジョシュアさんは啜り泣きながらミューズに引っ付き完全に年齢が入れ替わっていた。


「ミューズお姉さまぁ~っ、感謝しますぅ!」


 と呼び縋り付いてる・・・まさかミューズやジョシュアを変な性癖に目覚めさせて無いよな?

 お尻から湿布を剥がしスッキリした顔で帰って来たジョシュアさんは、


「アタイが悪かったのは確かだけど、それ差し引いても酷い目に会った・・・」


「ドコが?」


 途端にジョシュアさん眼を吊り上げ、


「あんな物騒な物ケツに貼り付けられてだな・・・」


「ただの湿布だぞ、アレ・・・・・」


 ジョシュアさんが言葉に成って無い叫びをあげボクに非難し始めたが無視する♪


「とにかくアンタを救出する事については、ボクの雇い主はアンタじゃ無く執事さんと運転手さん達だ♪利益の供与を受けて無いアンタに文句を言われる筋合いは無い・・・アンタが言われる義務は有ってもな!」


 テーブルを挟んで睨み合うボクとオッサンの左右・・・右側にはジュリアさんが、左には部長・イリーナさんそしてウェッセルさんとフェンツ大の3人が座っていた・・・要はウェッセルさん持ち直した訳ね♪


「アンタの息子や親父には迷惑かけられたが、アンタには恨みは無いし道理を通そうとしてたのは分かってる。文句を言う積りは無いよ・・・・」


 イリーナさんが貴族らしくない言葉で伝えた。


「アンタの・・・なんか言い難いな、早く次の名前を考えてくれ!ゼニスやキムセンは逮捕され、その悪事は白日の下に晒されてる・・・アンタの働きでな!そしてアンタも・・・」


 ウェッセルさんが言うとモニターに表示されてる番組が変わり、表示されたのはドレもガネスの追悼番組で彼の死を惜しんでる・・・何でこう成った?


「キ・サ・マ・の・()()・だ・ろ・う!」


 オッサンがボクの頬を抓り上げ勿論コッチも同じ事をして抵抗してると、執事さんが咳払いをし・・・・・


「兎に角だ・・・我が主人ガーネスゲイター・ルドルム・トランサッドは死んで、ここにいるアナタは私の古くからの友人です!ならば遠慮なく言わせて貰う・・・別れの際アナタは私に「悲しませて済まない」と謝罪した・・・それが本心ならコレは私達の意趣返しと思って諦め反省して下さい!」


「そうですよ旦・・・いえアナタの望み通りトランサッド財団は国の管理下に置かれ、元頭首を始め罪を犯した者は次々逮捕されてる。そしてガネスゲイター・トランサッドは自分の責任を取って死んだ。それで良いじゃ有りませんか?」


 執事さんと運転手さんが言うとオッサンは渋い顔に、さらに剣士のお兄さん改めボディーガードさんも・・・・・


「アナタにとって足枷でしか無かったトランサッド頭首の鎖が切れたのです、もう一度別の人間として最初から人生を楽しむも・・・・・」


「そうは言ってもなぁ・・・」


 財団のトップに居た親族が犯した悪事、それを止められ無かった事に責任を感じてるようだが・・・・・


「ぶっちゃけアンタが居たって居なくたってトランサッドの暴走は止まらなかったんだ・・・それを自分の責任と思って塞ぎ込むの何て思い上がりも甚だしい、そんなのはジョンブルソンが上手くやってくれるさ!」


「何だと?」


 オッサンは怒りを浮かべた目で睨むが、


「それにアンタが責任を取ら無ければ成らないのは別の人に対してだ!」


「それは誰だ?」


 ボクは執事さん達を指差して、


「アンタを助ける為に全財産を放り出してボクを雇った彼等だよ・・・彼等の人生を一生返済で終わらせるのかい?」


「お前たち・・・馬鹿な真似を・・・・・」


 そう言いながらも目が潤むオッサンに更に追い打ち、


「言っとくけどコイツ等だけじゃ無いよ!ファルデウス愚物革命戦争、そしてファルデウス・ヴァイラシアン最終戦争・・・国家レベルの争いを収めたボクの料金はアンタが二人に渡した退職金程度じゃ足りないぜ!」


「何だと・・・」


 彼は部下だった奴を路頭に迷わせたり出来無いだろう。


「さっさと次の仕事立ち上げてボクに借りを返しなさい、その3人だけじゃ無いんだよ負債者は・・・アンタの船のスタッフ達、アンタの元部下も秘書がまとめて・・・・・」


 ガネスと名乗っていたオッサンは頭を抱えて蹲った。

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