絶対に優勝もぎ取ったる!
「ちょっと幾ら何でも無茶過ぎるだろ!」
そうウェッセルさんに怒鳴ったボクは襲撃者の銃を持ってた方の肩を撃ち抜くが、取り敢えず頭に来たので反対側の肩と両膝それに股間も続け様に撃ち抜いた。
そのまま倒れてるウェッセルさんを抱き起す・・・拙い事に銃弾は心臓の真横を掠めており夥しい出血が、明らかに致命傷ギリギリの状態で重傷と重体の境目くらいだ!
「キッド・・・世界共通の宇宙航行距離の単位は・・・・・」
「ベッセルだろ?それが如何した黙ってろよ!」
彼の胸を抑え付けながらレスキューの到着を待つ。
「その最大級なんだ、オレの名前のウェッセルってのは・・・果てしないって意味で」
「だから黙ってろと言ってるだろ!」
レスキューが来て一緒に彼を非常用のバリゲードに移動する。
「オレの家は部長と同じ軍人家系だがレースには協力的でね・・・抑々オヤジがレーサー上がり、だからレースには・・・・・」
「良いから黙ってろっ!」
怒鳴り付けたのに反応が薄い・・・いやボクの言葉に反応して無い!
「それにあのスターライダーはイリーナのマシン・・・だから傷付けられるのは我慢ならなくて、キッドを庇った訳じゃ無いから気にする必要は無いぞ」
「いい加減、黙ら無いとブッ飛ばすぞ!」
だめだ・・・ウェッセルさんボクの声が聞こえて無い。
「だから・・・このまま終わり何て我慢出来るかっ!頼むキッド、オレの事なんぞ良いから行ってくれ!トランサッドの連中に眼にモノを・・・・・」
「キッドッ!」
部長も叫んだ。
「オレからも頼む・・・ウェッセルの為に行ってくれ!」
部長は泣いていた・・・よろける様に数歩下がったボクは脱ぎ捨てたヘルメットを拾うと頭を突っ込み、そして自分のスターライダーに飛び乗った!
ジェネレーターの出力をボクは最大限に上げる・・・警戒は怠ら無いのは背後に敵が居るのは解ってるから、いや他にもトランサッド財団の差し向けた即席の殺し屋は大勢居た。
ボクは奴等が事故を起こしても部長達が巻き込まれない位置に居る事を確認した。
アイツ等は・・・如何やらボクを本気で怒らせた様だ!
視界の端に表示されたシグナルの表示が3秒を切った・・・2・・・1・・・ボクは0と同時に思いっ切り飛び出し、その直後に急制動を掛けて機体を飛び上がらせ無かった!
にわか殺し屋達のスターライダーはボクの真上を掠める様に通過し、3機がぶつかり合いながら回転し前にある海に転げ落ちて行った・・・その後ろを追う様にボクが飛び立った!
一応念の為にチームの専用周波数で連絡・・・だけどウェッセルさんの救命処置に忙しいのか、それともトランサッドの妨害工作か誰も応答しない。
仕方無いので共通周波数で・・・駄目だ誰も応答しない、如何やらトランサッドの妨害工作の様だ!
ボクは諦めると一般放送に周波数を合わせた・・・まぁこのレースは車のレースみたいにピットインが有る訳じゃ無い、誰も話し相手に成ってくれなくても寂しいだけで済む。
筈も無いか・・・一応は頭に詰め込めるだけ詰め込んで来たけど、無線で教えてくれ無いと最新の気象情報すら手に入ら無い!
「上等じゃ無ぇか・・・こちとら地球の大海賊の名前を拝借してる悪童、この程度のハンデが無きゃマトモに勝負にも成ら無いさ!」
ボクは襲撃者の特攻を躱す為に出遅れ最後尾に成ったポジションから、前方のスターライダーの集団に頭から突っ込んだ!
『ドミクソ・アンデール、リアック・マカマキア、ザンネルス・モイットンの3機、これは如何見てもイリーナ・グレイバー機に突っ込んで行きました!これは一体如何言う事でしょう・・・』
放送でボクの事を言ってる。
まあ襲撃者の名前なんか如何でも良いか・・・奴等が生きてる可能性は無いし、仮に生きててもトランサッド財団関係者の名前が口から出て来る筈が無いからだ。
『明らかに狙って行ってます・・・余程イリーナ嬢が目障りなのでしょう、さも無ければ他に狙われる理由が有るのか?』
あれ・・・この解説の人の話し相手、なんか聞き覚えの有る声をしてる?
『既に運営から司法関係に通報された様です・・・このレースはオープンですが国際戦、公平な運営が求められますから!さてアクシデントの所為で紹介が遅れましたが今回のゲストを紹介します・・・かつて世界最年少にして2度のグランドチャンピオンに君臨した、ファルデウス帝国のジュリア・バーカンディ嬢です』
思わずズッコケてコンソールに頭を突っ込んで仕舞った!
あの女が何でココに?
ボクの事に気が付いてるの?
ボクは情報を求めカチューシャでスターシップに連絡を、でも月の裏側に隠れてるので通信が届か無い!
「出力が弱いか・・・でもカチューシャにスターライダーの動力繋げる暇は・・・・・」
接続する道具も工具も無いし時間も無い、真面目に他のレーサーを躱し縫う様に前に進む!
すると明らかにボクの進路を塞ぐ動きが・・・同時に左右から幅寄せされるがコレはサーキットを走ってる車のレースじゃ無く、そして地球の御上品なレースでも無かった!
ボクは敵が十分に近づいた事を見切ると機体を斜めに傾け、そして右のスターライダーの下に滑り込む様に入ると反対側に・・・そのまま敵の機体をサイドに押して互いに!
『おお~~~っとイリーナ嬢が凄いテクニックを見せました!挟んで幅寄せして来たミデル、フェスハの両名を押し付けて弾き飛ばしました。でもジュリアさんミデル・フェスハ両名は・・・・・』
『明らかに狙って幅寄せして来ましたよ!それに前を塞いでいたモント氏も共犯でしょう・・・あっイリーナ嬢が仕掛けました!前に出て・・・ダメ後ろから突っ込まれます!この場合は突っ込む方が有利・・・・・』
へぇ~知ら無かった。
ジュリアさんって本当にスターライダーの経験者だったんだ。
それも可成りの上位レーサーだったらしい!
『あぁ~~~イリーナ嬢がやりましたっ!後ろから突っ込んで来たモントに一瞬浮かび上がる様に躱してから、今度は上からプレスする様に・・・これではモントは・・・あぁっ!火を噴いて爆散!これは近年 稀に見る荒れたレースに・・・・・』
次に現れたのは二人組の襲撃者、前でブロックしながら後ろから当たって来た・・・躱して後ろに廻ってから2台纏めて押し出してやった!
その次は単身だけど横からゴツゴツ当たって来る・・・こっちからもブツかって行き相手を押して行くと、ヤツの方が先にバリアシールドの限界が来て脱落!
その時に斜め後方から突っ込まれたので躱すとバランスを崩してキリモミ状態に、もう1機 突っ込んで来たけどボクが交わすと無関係のレーサーに・・・そのまま事故られちゃ後味悪いから斜め後ろから当てて体勢を崩してやる。
『イリーナ嬢これで撃墜11機目・・・こんな事はフェンツ・オーバーブレイク始まって以来の・・・・・』
『これはレースを中止させるべきでは?明らかにイリーナさんが狙われてますよ!』
ジュリアさんが実況席で叫んでるけど如何ナンだろ、このレース明らかに最初から自己責任を声高らかに叫んでるし・・・自分で責任取る気が無いから続けちゃうんじゃ無いかな?
『イリーナ嬢に一体何が有ったのでしょうか?』
司会者が言うとイリーナさんの顔写真がモニタにの端に、同時に中継機が居るのかボクの映像が・・・後ろ上方から取られているらしい?
『アレ?何か・・・』
『如何しました?』
ジュリアさんが何か言いかけ司会者が促した。
『彼女の姿に見覚えが・・・』
『同じファルデウス帝国民でスターライダー乗り、お会いに成った事くらい・・・・・』
するとジュリアさんが首を捻りながら、
『いえ私は彼女と家としての接点は有りませんし、彼女の家は文官の家系で軍人は出てません。それに私がスターライダーのレースに参加してたのは、ファルデウス帝国軍士官学校に在籍してた辺りの3年間だけ・・・彼女がレース活動を始めたのは此方に留学してからで私の引退後です』
なんと3年しか活動して無かったのに2年もグランドチャンピオンに輝いたの?
『でも・・・あの可愛い小さなオシリ、何処かで見覚えが・・・・・』
よそ様の娘に手を上げる訳には行か無いけどさ、本気でジュリアさんのオシリ引っ叩いてやりたく成ったね!
正面から積乱雲が迫って来る・・・他の機体が左右に分かれ回避するルートを選択するが、ボクは真っ正面から積乱雲に突っ込むルートを選択した!
このスターライダーにはボクの有する❝彼❞の技術を一切導入して無い、全て部長達が用意した❝この世界❞で一般的な技術で練り上げられてるがカーボン・絶縁金属の使用で耐雷能力は高い・・・まぁソレでも雷雲に突っ込むのはクレージーなのだが!
そんな事を考えてるとオフィシャルから通信が、如何やらトランサッド財団の妨害工作に気が付いたらしい。
「XX-105イリーナ・グレイバー、こちらフェンツ・オーバーブレイク開催委員会オフィシャルだ!聞こえるか?」
エッと女らしい声で・・・
「聞こえるわ一体ナニが有ったの?通信が一切途絶えてたけど・・・」
「何者かがケーブル衛星のアンテナを狙撃し破壊したんだ・・・いま星間警察機構と連邦宇宙軍が合同捜査本部を設置し、連携して捜査に当たる事が決定した」
おぅ♪
コレでトランサッド財団では無くコッチに天秤が傾いた!
「ついては現在キミの置かれてる状況に関し警察機構から事情聴取を・・・」
「ふざけ無いで、悪いけど事情聴取はレースの後よ!それともレースを中止にして・・・・・」
「それは・・・」
この世界でレースを中止すれば開催者である運営委員会に責任が及ぶ・・・その場合は再開催を運営委員会と協賛企業の責任で行わなければ成らず、そう成ったら運営委員会は破産者が続出する事に成るだろう。
どこかの馬鹿が政治家しても良い国みたいに祭りをやるのに法律を変え国に借金を背負わせても良い世界では無く、それに脳が腐ってる自称知識人が「国が借金してても債権者は国民だからマイナス要因では無い」何て言う事も無い!
「じゃあレースの後にして、気が散るから通信は・・・・・」
「待てっ!せめて積乱雲は迂回しろ、落雷してHOCに引火したら如何するんだ!」
スターライダーは航空機や航宙機それに自動車バイク船舶と同じく、ハイドロ・オキシジェン・コンポジット通称HOCと言う燃料で飛んでおり、地球の化石燃料よりは安定し安全だがソレでも落雷したら最悪爆発・四散する!
「このレース事故が起きても自己責任なんだから、例え雷雲に入らなくても落雷で死亡したってアンタら責任取ら無いでしょ!ならグダグダ文句を言わ無いで、私は突破するルートを選択する」
「このジャジャ馬が・・・・・」
諦めた様に毒づく彼に、
「チームメイトがスタート地点で私のスターライダーを庇って銃で撃たれた・・・その情報は何か無い?」
彼は一旦言葉を途切らせてから、
「その事件でもコッチは大騒ぎだ・・・被害者は病院に担ぎ込まれ緊急手術に、でもその後の続報は届いていない」
ウェッセルさんは・・・いや今ボクが考えても何も出来無い、ならボクがやるべき事は?
「このレースで優勝を捥ぎ取る為、あえて私は苦難の道を選ぶ・・・止め立て無用いざ参る!」
少々時代がかった台詞を宣い、ボクは積乱雲に飛び込んだ!
この状況に成って初めてミューズの言ってた事を信じられる様に成った・・・いや巫山戯ている時以外ミューズが嘘を吐いてるだなんて一度も思った事は無い、だがコレばかりは余りにも非常識過ぎて信じる事が出来無かったんだ。
今ボクは雷撃を躱しながら積乱雲の中を飛んでいる・・・そりゃ光よりかは早く無いだろうけど、少なくとも音速よりは圧倒的に速い速度で襲い来る雷撃を来る前に察知して避けて飛んでいるのだ。
「雷撃の連打を受けても5分までは耐えられると言う部長の言葉を信じたけど、これなら何の問題にも・・・結局一発も当たら無かったんだから!」
積乱雲を突破しズレていたコースを修正・・・ほゞ赤道上がコースに成っており南北緯度0.3度分づつがレースのコース、それを超えるとオフィサーから警告の通信がジャンジャン来て0.5度を越したら失格だ。
「おっ、来た来た♪」
迂回した他のレーサーが追い付いて来たが現在ボクがトップに躍り出てる。
「さて次の問題は・・・」
すでに高度は1万メートルを突破しており眼の前少し低い位置に、この惑星第2位の高さを誇る山脈が連なってる。
その山脈を超えると黒く見える海が広がっており・・・・・
「地球じゃ赤道上には発生し無い筈なんだが・・・・・」
眼の前には巨大な熱帯性低気圧が渦巻いている。
台風だろうがタイフーンだろうがハリケーンだろうがサイクロンだろうが、仕組みは良く知らんけど熱帯性低気圧と言うモノは赤道から少し離れた場所で発生し赤道から離れて行く物だそうだ!
この惑星でもソレは同じ様だが発生こそ赤道から離れた場所で起き一旦は南北に向かって移動するモノの、その後Uターンして赤道上に来そのまま居座る迷惑な奴が居るが、それ以上大きく成る事は無く居座ったまま衰退し最終的には消える。
でも来る奴は例外無く巨大で消えるまで数日掛かり可成り迷惑・・・そいつの名は❝メガギリス❞、怪獣みたいな名前だけどフェンツでは数年に一回くらいのペースで起こる天災だった。
「しかも今年は2つ同時に発生しやがって・・・アリスが居たら絶対に「持ってる」とか言って揶揄われるな」
先程の積乱雲とは比べ物に成らない・・・なのに後方から必死で喰らい付いて来る奴等が十数組も居て、まあトランサッドの殺し屋さん何だろうけどね!
これで襲って来たのは20台を超え随分多く感じるだ有ろうけど、このレース実は参加者4000機それもプロからアマチュアまで居るオープン戦のマンモスレースなのだ!
その中で下位のレーサーを買収すれば殺し屋のアルバイトする馬鹿も出る、ボクはマダこの倍以上は殺し屋が出て来るんじゃ無いかと思ってる・・・それ以外にもボクを殺すチャンスを見付けたら殺し屋に変貌するタイプの奴が!
「さあ付いて来るなら覚悟して来なよ♪」
ボクは機体を捻りながらメガギリスの中に突入・・・まだ追いて来た奴が全員殺し屋とは断定出来無い、だから揺さぶりを掛けて見るけど追いて来るのにやっとと言う感じだ。
「暴風は凄い事に成ってるけど一定方向から来るからコントロールするの然程は難しく無い、それより問題は・・・アレッ?」
中々腕が良い奴が一機だけマトモに喰らい付いて来る・・・機体番号を照会するとボクのアレを握ったガラの悪いセクハラお姉ちゃん、その動きから如何やらマトモなレースをしに来てる気がする。
それでも殺しに来る動き無いけど間違い無くトランサッドの飼い犬っぽいし油断は禁物、それに他のレーサーの動きも気に成るし・・・・・
正直襲撃者の相手をするだけでコッチは手一杯、本来優勝争いに加われる筈も無いのだが・・・何故か何時の間にかトップに躍り出てるんだよね?
だけど邪魔されてるのは確かで積乱雲を突破した時に付いてた大差も最早無く、真面目にレースのみしてる連中はメガギリスを迂回してる連中も追いついて来てる・・・ショートカット出来るけどメガギリスの中は思った以上に速度が出無い。
まあ暴風雨の中だからね・・・それでもボクはショートカットの御恵の方が大きいと踏んだんだし、それに付いて来るセクハラお姉ちゃんは中々良い腕をしてると思うんだけど。
まぁアッチが殺し屋に転職してる以上はコッチもソレナリの対応をしなくては、ただトランサッドの飼い犬に成ってコッチを探ってるだけと言う可能性もあるから、殺し合いに発展させるのは少し様子を見てからの方が良いだろう。
キュピーッ!キュピーッ!
コンソールから警告音が・・・ヤダなぁこのメガギリス中で帯電してる、さっきの積乱雲の中より落雷が激しい!
だがボクのやる事は同じ襲って来たクズを叩き落とす、ただ正当防衛を主張する為に最初の一撃は敵から受ける必要がある・・・今までバリアシールドを抜かれた事は無かったけど今後は更に注意が必要だ。
「来たな?」
今度は大勢で・・・5機ほど背後から迫った来ると行き成りメガギリスの側面から突入して来た奴等に前を塞がれ、総勢12機で周囲を囲まれジリジリと周囲から距離を詰めて来る!
これはレースで速さを競う競技で進路妨害は違反、抜かされない様にブロックする事は許されるが大勢で囲む事は禁止されている。
まあ地面を走るレースじゃ無いから単純に前を塞げば良いって話じゃ無いし、それに仮に正当なブロックで前を塞がれても後者には攻撃する手段も権利も与えられている!
「馬鹿なっ!」
「そんなっ、自分だって・・・」
前方にシールドを展開し前を塞ぐヤツの背後に突っ込んだ!
そのまま横に行く様に押し出して並んでボクの前を塞いでた奴に突っ込ませる!
バ―――ンッ!と音を立てて2機のスターライダーが回転しながら転落する姿がモニタ越しに見得る・・・モニタごしなのは下方なので直接見る事が出来無いから、スターライダーはバイクの両脇に飛行ユニットやプロペラントタンクを付けた様な形状で下が見得る様に出来て無い。
全天周囲・・・マアそんな感じなのは装備して無く上半身を乗り出して舌を見る余裕は無い、ところがキリモミ状態の敵機に落雷その時には振り落とされてたけど近くで落ちてた敵のレーサーにも飛び火成らぬ飛び雷し雷に打たれてから落ちてった!
「さあ片っ端から叩き落してやる・・・・・」
接触しなくても囲んでる時点で奴等の悪意は立証出来る。
メガギリスの外から中は良く見得無いから自分のデータを消し、ボクの方はスターライダーごと破壊すれば何とか出来ると思ったのだろう・・・ボクに反撃されるとは考え無いでね!
今度は右側のシールドを強化し横から体当すと、キリモミ状態に成って落ちる機体を雷撃が襲う・・・そうか機体を破壊されれは絶縁素材から伝導体が剥き出しに、その状態でメガギリスの高い電子の中じゃ落雷しろと言ってる様なモノだ
「次は・・・」
背面にシールドを展開して急制動、そのまま当たるので無く敵も急制動したのを見計らい木の葉落としの様な技を仕掛けて背後に廻り込んでから突っ込んだ。
木の葉落としは実在したか如何か疑う向きもある業だが小型で(機体に比べ)大出力、そして翼による揚力に頼らない機体なら難しくない技術・・・抑々木の葉落とし自体じゃ無いからね!
それで敵の背後に廻り込んだ後は言う迄も無く、人の命を狙った馬鹿にはソレ相応の報いを受けて貰い地表に叩き落とすのだった。
「オヤ・・・」
あのセクハラお姉ちゃんが発光信号で数字を、その後で「デジタル・ニュートリノ」を送って来た・・・これは無線の周波数と種別か?
「やるじゃ無いか・・・お嬢ちゃん、流石はトップランカーだね」
お嬢さんと言われ一瞬ムカッとしたけど考えたら今のボクはイリーナさんだ・・・女扱いされて当り前だった。
「でもね・・・今までの奴等はチョッと格下だし、この私のレースはチョッと荒っぽいんだぜ!」
シールドを全開にして横から当たって来る・・・ちなみに横から当たって来るだけなら違反行為じゃ無い、このレースでは当たり前の威圧行為だ。
「ヤルじゃ無いか・・・当たる前にシールド強化を、へぶっ!」
今度はコッチから御礼参りにブツかってく、しかも其の侭セクハラお姉ちゃんを押し出しながら・・・・・
「この程度で❝ヤル❞と言われてもね・・・非公式だけど私ヴァイラシアンの軍用艦何隻も沈めてるんだけど?」
嘘です・・・公式です、けどイリーナさんには軍歴が無いから嘘吐いといた♪
「嘘だろ・・・」
数まで言うと確実に信じて貰え無いので敢えて言わないどく!
「さぁ踊りましょう♪これがファルデウス貴族のダンスパーティーよ!」
ヒールな貴族令嬢に成り切って彼女のスターライダーにガンガン打ち当てる!
すると背後からチャンスと思ったのか数台・・・勢いを付けて彼女に当たると見せ掛け急制動をかけ、奴等の背後を取って後ろからカマを掘る!
「オマエ・・・本っ当に貴族令嬢なのか!?」
そう問うてくるセクハラお姉ちゃんに、
「そう、これが間違い無くファルデウス貴族の本当に姿よ!」
と女に成り切って答えた。
「ファルデウスの貴族ってのはバーバリアンと同義語か!」
「今更気付いたの?」
そう言って幅寄せし低気圧の壁に押し付ける・・・台風の眼って奴に入ってたからね、暫く耐えてたけど限界が来て背後に飛ばされてくがスグに立て直して追い付いて来た!
この会話を後でジュリアさんに聞かれたら間違い無く楽しい舌戦に成りそうだ♪
「ポット出の嬢ちゃんにナメられた侭じゃ、こちとらレーサー何ぞヤッてけ無ぇんだよ!」
「コッチにゃ関係無いし・・・・・」
もう一度セクハラお姉ちゃんを暴風に叩きこんでからボクも暴風の反対側に飛び込んだ!
凄い風雨が叩き付けられるけど暫く我慢して飛んでると、その内に風雨が薄れてメガギリスの外に出られる・・・背後でボクに喰らい付いてた殺し屋達も外で馬鹿な真似が出来ずに悔しそうな顔をしてる。
その後ろからセクハラお姉ちゃんも悔しそうな顔をして付いて来る・・・だが何と無く彼女は殺し屋達と違う気がする、他の奴等と連携し様として無いし前を塞いだり頭から背面後方を突いて来無い。
「さてと・・・」
ボクはステップの上で立ち上がり背後に尻を突き出すと後ろの連中に向けて叩いて挑発した・・・通信が繋がって無いのに怒声が響いて来る様なきが、まあ奴等の挙動から女に挑発されて怒り捲ってる事は想像に難しく無い。
それでもこの程度で挑発に乗る様な馬鹿ばかりじゃ無いだろうけど、少しは冷静さを失ってくれれば有り難いと思い挑発した・・・次のメガギリスに突入したら数機くらいは付いて来るんじゃ無いだろうか?
特に次のメガギリスを突破したら丁度フェンツを一周した事に成り大気圏突破に成る、その時までに邪魔な奴等は出来る限り振るい落として置きたかったんだけど・・・・・
「コイツ等・・・正味バカしか居無いのか?」
なんとメガギリスの中まで付いて来た全員と迂回組にからも多くのスターライダーが付いて来る・・・正確にカウントしてる暇は当然無いが、その数は数百も居りボク一人じゃ相手してられそうも無い。
まあ当然ヤバく成ったら逃げるけどネ♪
「それにしても・・・こんなに殺し屋が入ってる何て、このレース本当に大丈夫なのか?」
ボクは他人事なのに可成り心配に成って来たんだけど・・・・・
ゴメンなさい・・・勘違いしてました、公式の実況中継を聞いて解ったんだけど追いて来たのは全員殺し屋さんって訳じゃ無かった!
『おおっと~~~こんな珍事は二度と起き無いかも知れません、イリーナ・グレイバーに触発されて他のライダーもメガギリスに突入だ!』
『しかし危険ですよ?メガギリスの中じゃ姿勢制御も侭成ら無い、小舟で嵐の海に漕ぎ出す様なモノだ・・・ファルデウスのレーサーって皆こんな感じなのですか?』
ジュリアさんより少し年配男性で元ライダーの人も解説に加わってるらしい、その人と解説者とジュリアさんの3人なのかな?
『こんな無茶苦茶な人ファルデウスにだって・・・一人だけ居るけどレーサーじゃ無いし、でも私なら絶対にしませんよ!』
ジュリアさんが言い返していた。
『イリーナ嬢が意図も容易くメガギリスに突っ込んでってるんで他のレーサーも自分にも出来ると勘違いしてるんです・・・まだ奥まで入って無いから見得るけど、あぁ・・・また一人飛ばされて行く!そもそもレース中断しなくても良いのですか?あまり連携出来てませんけど、明らかにイリーナ嬢は複数のレーサーから狙われて攻撃されてますよ!』
まあメガギリスに入る前から襲って来てたからね・・・そう言う奴等は犯罪者に成っても良いって思う位の報酬を提示されてたんじゃ無いか、そんな話に真っ当な連中なら今後のキャリアを考え絶対に乗ら無いだろうしね!
『それは委員会の方じゃ無いと・・・でもレースを中止したら如何成るかはジュリアさんも解るでしょ、恐らく中止にはしないイヤ出来無いんですよ!』
後に成って知ったんだけど・・・こう言うスポーツイベントってヤッパリ大金が動く、それで甘い汁を吸おうと政治家や役人それに企業がと言う図式はコッチでも有ったらしい!
その後の事なんか考え無いで後に成って負の遺産を残しても政治家が「こんな事に成ると想定出来無かった」の一言で終わらす様な地球の様な時期が有ったらしく、その為にイベントのみで使い捨てられた建造物や施設、そのイベントを楽しめる趣味の人を喜ばせる為だけに大量の税金を投入と・・・やりたい放題だったそうだ
だけどこう言う時は専制政治の方が対処が早い・・・実は爺ちゃんの曽祖父くらいの皇帝陛下が「オマエ等ナニ考えてんの?」と言いだして、税金投入し放題だった政治家や役人を絞り上げ私財を没収したそうだ。
そして無駄な公共事業や趣味的イベントに税金を投入する事を禁じ、元を回収出来無いのに金をぶち込む様な真似を止めさせる・・・まあ日本の政治家達にも見習って欲しいね!
だけど弊害も有った・・・税金投入出来無いから身の丈に合った事しか出来無く成ったけど、そう言うコトで思い掛けないリスクが発生した時に運営委員会や協賛企業が責任を取らなくては成らなく成った!
あれっ、これって当然な事じゃ無いかな?・・・まぁそう言うコトで追加に大金を投入しなくては成らない場合を想定し、安易に中止とか言え無く成った訳だが例外がある。
『それに先程からイリーナ嬢に中止要請を出したら如何かと言ってるんですが・・・・・』
そう被害者のボクが「殺される助けて!」と言えば正当な理由を持って中止に、その場合ツケは襲撃者や関係無いなら可哀想だけどチームに・・・そして黒幕まで辿り着いたらトランサッドに廻す事が出来るけど!
『チームメイトが銃撃された事に怒ってるのか「断じて続行」だと、レース中に襲い掛かって来る奴等は自分で叩き潰して地獄に送ると息巻いてまして・・・・・』
何度も通信が入ったし前半は確かに言ったけど地獄に送るのくだりは言って無ぇぞ?
『実際彼女に叩き落とされたスターライダーの数は、あぁ中心部に入ったのでコチラから見得無く・・・・・』
『さっさと衛星に繋げる様に要請しなさいっ!少なくとも眼に入ったら確認出来るでしょう!』
ジュリアさんが怒鳴る。
さっきは上から見られる状態に丁度良い衛星が居なかったらしい。
この放送は他の連中も聞いてるから・・・ボクが襲われるのは暴風圏の中にいる間だ!
『それにしても・・・』
ジュリアさんが呟く。
『このイリーナさんって本当にアノ子みたい・・・・・』
ウン間違い無くボクのコト言ってるよね!




