ボクの船にエンブレムが付いた!
ジョンブルソンとの国境に在るカレルリン星系の惑星ミリネラ・・・ファルデウス帝国とは友好国である為に国境の管理は緩く、身分証明が出来るなら行き来は自由で特別な手続きは必要無かった。
それどころか宇宙船乗りが国境を跨いで商売をするのも自由で、国境を超える時に識別信号を発信してるだけで良く・・・最も非合法な物を持ち込む輩は後を絶たないので警備は厳重だ。
さてそんなミリネラに在る船乗りギルドにボクは入って行く・・・実は親の死去などによりボク位の年齢で船を相続し船主に成る人が居無い訳じゃ無いのだが、流石にボクの歳で自ら操船し自分で表立って仕事をするギルドの会員は殆ど居無い。
ちなみにギルドは正式には❝|宇宙船所有者総合組合《シップオーナー&セーラーズ・ギルド》❞と呼び、正確には自分で航行させるにしろ所有だけして人を雇って動かせるにしろ所謂❝船主❞と、雇われて船に乗る❝船乗り❞の為の組合・・・業務内容は仕事の斡旋から交渉の窓口・船乗りたちの銀行業務や保険業務まで多岐に渡る。
「オイ・・・」
「あの娘は・・・」
明らかにボクを見て娘と言った愚か者が居てムカッとするが、性別を間違う事は兎も角ボクは自分が子供である事を自覚してる。
そして一端の船主で仲間と主に船を宇運用する事業者であり、その位で行き成り暴れる程の子供では無い・・・筈だ。
一直線にレセプションカウンターに進もうとするが、テンプレ通り柄が悪そうな奴に前を、背後も2人掛かりで塞がれ退路を断たれて仕舞う・・・まあボクの辞書に退却の文字は無くは無いけどね♪
「オイオイここは子供の遊び場じゃ無い、様が無いなら帰りな・・・それより俺たちの相手でもっ!」
全部言い終わる前に奴の股間を蹴り上げ、そのまま脚で持ち上げると後方倒立回転のノリで背後に投げ飛ばした。
「うげっ!」
「ぎゃふっ!」
狙い通り背後を塞いでた二人を巻き込み、邪魔が無く成った所で改めてカウンターに着く。
「船主セイ・ヤフネ・・・愛称はキッドです。仕事を受注したいので紹介して貰えますか?傭兵も兼業してますので荒事でも熟せますが・・・・・」
「「「「「キャ・・・キャプテン・キッド?」」」」」
途端に周囲の船乗り達が顔色を変える・・・うむうむ良い反応だ、ボクの名前はムカ付いたら貴族だろうと国家だろうと消滅させる殲滅者として有名に成ってる事だろう。
なにせジョブ・トゥーニックとアズミーナの件は秘密にされてるけどダラスにマルドゥース一族、それにヴァイラシアンと言う国家は滅亡させたし光神教は残ってるけど当時の首脳陣は地獄か監獄行だ♪
「救国の女勇者キャプテンキッドか?」
「美少女英雄のキャプテンキッドだろ!」
「いや天空の女神のキャプテンキッド・・・解った、もう揶揄わないから銃を収めて!」
ボクは奴等に向けた銃をホルスターに戻しながら、
「ボクが男だってことは報道されてる筈だよね?」
「ほとんどの人が信じて無いわよ?いや現実から目を背けてるのかも・・・君が男の子だって報道された直後何か、「嘘だ~っ!」って叫びながら川に飛び込んだ馬鹿だって居たし」
並んだ隣のカウンターのお姉さんに言われる・・・この世界の男共って一部の頭の弱い阪神ファンと同じレベルの代物らしい、ボクの眼の前に出て来たら即叩き潰したる!
「しかし辺境って訳じゃ無いけど・・・ジョンブルソンとの窓口って言ったって、こんな外れまで良く来たわよね?」
「情報廻って来て無いの?頭に来た偉い人が居たんで、顔潰してやる為にミューズから脱走を・・・・・」
「ミューズって、あぁ首都星の新しい呼び名ね?」
お姉さん達と楽しく会話をしながら良い仕事が無いか聞いて見る・・・カウンターの綺麗所を独占してるんで嫉妬してる眼が半分、ボクに対して邪そうな眼を向けてるのが3割・・・襲って来てくれたら眼にもの見せて上げよう♪
「そうですね・・・特Sクラスのキッド様に、似付かわしい依頼と成ると?」
「チョッと待って?」
ボクは嫌な何かを聞いた気がして問い質す。
「ボクのランクはBクラスですよね?」
「初登録時にBクラスですね・・・・・」
お姉さん達ナニか残念な生き物を見る眼してボクを見てる気がする。
「反乱軍ぶっ潰して敵対国を滅亡させ皇女様の暗殺企んでた宗教団体の膿を絞り切り、そして惑星2つ分の自然環境を完全再現出来る遺伝子もたらしといてですか?失礼ながらキッドさんは最高位Sクラス認定を軽く10回取れる位の活躍ぶりですよ?それで世界に20人も居無いSクラスをブッチして、新設された特Sクラスに・・・そもそも初登録時にBクラス何てソレだけで普通有り得ないから!」
ヤメてくれよおい!
「キッドさんって初回入会した侭でギルドに顔を出した事が殆ど無いでしょ?仕事の受注だって基本的に政府依頼しかも事後受注だったりして、だから気が付いたら特Sクラスだ何てコメディみたいな展開に・・・・・」
「人の人生をギャグみたいだとか言うな!」
そう言ってカウンターを叩いたボクにギルドの受付嬢たちは追い打ちをかけて来る。
「だって本当にコメディ何だもん」
「キッドさんを主人公にしたフィクションって大抵アクションコメディだし♪」
「こんな面白い話、他じゃ聞いた事ありませんよ!」
「泣くぞ!」
如何やら知らない間にボクを主人公にした漫画や映画が出回っているらしく、それを聞いたボクは肩を怒らせながらスターシップに戻るのだった・・・まる!
「お兄さま、ゴメンなさい!ゴメンなさい!ゴメンなさい!ゴメンなさぁ~~~い!びぇぇ・・・・・」
ミューズのスカートを捲り上げパンティを膝まで降ろしたボクは、彼女がガチ泣きするまで力一杯オシリを本気で引っ叩いたのだった!
ボクを題材にしたフィクションの商業展開はボクが精査し許可を出さないと使用出来無い事に成ってる、その窓口はジュリアさんの実家バーカンディ伯爵家が運営する巨大企業バーカンディ・グループのエンターテイメント部門に一任してあった。
で元とは言えバーカンディ・グループの社員だったイメンケさんに問い合わせて貰い、イメンケさんも流石にボクの意志を無視して映画なんか作らせないだろうとジュリアさんの母親であるマリアさんに問い合わせてくれる。
結果・・・ボクが正式に許可を出した事に成っており、勝手の許可を出した痴れ者を只今成敗してる最中なのだ!
「もうしません!もうしません!!もう絶対にしないから、もう許してよ~~~~~っ!ピェェ・・・・・」
割と本気で泣かした所でイリスが救援に来てボクの腕を掴んで上目遣いで「もう許してあげて」と御願いされ、もう少しボクとしてはキツ目に絞め上げて置きたかったんだけどイリスに免じて勘弁して上げる。
そんなイリスとアイギスさんは、わんわんガチ泣きしてるミューズのオシリを覗き込ん呆れた顔をしながら言った。
「凄い真っ赤・・・痛そう」
「キッドさん・・・幾ら何でも、チョッとやり過ぎでは?」
「当然のオシオキだよ・・・ミューズが許可した映画のシナリオをチェックしたけど、いくら何でもボクはココまで無茶苦茶して無い!それにコンナ格好良く振舞っちゃいないしね」
作品のシナリオをチェックしてるけど、ボクの事が10倍くらいカッコ良く描かれてる・・・ちなみに実際の作品はチェックしないのは、どうしても監督の創作が入って仕舞いフィクション作品に成るからね。
現実に起きた事を現実の通りに書いてたら流石にエンターテイメント作品なんか作れない、そんな事位はボクにだって解っては居る・・・まあソレは良いのだがミューズが許可したシナリオや修正した内容が如何しても気に入らない!
いや修正と言うより、この場合は密告とか告げ口っぽい話に成って来るのだが・・・・・
「何でコンナにコメディテイストにしたがってる」
「それに関しては私が悪い訳じゃ無い、お兄さまの暴れる動機や暴れ方は如何見たってコメディにしか・・・いえ何でもアリマセン」
お尻叩き再開を恐れるミューズが口を噤んだ。
そんな事なら最初からコンナ真似するんじゃ無い!
「しかもボクのプライバシィーをブッチして要らん事をペラペラと、なんでボクの恥ずかしいエピソードを奴等に吹き込んだ?」
正直ミューズがボクの所に来た映画化依頼を勝手に許可した事について然程は怒って無かったのだが、ボクが怒ってるのはシナリオに勝手に加えられたエピソードや小噺だった。
例を上げればアイスコフィンを造ってジェリス艦長達とファーレンを目指してる時に、女物の下着や制服を着させられてた話やボクの着替えてる所の写真を流出させられた話・・・ファルデウスの情報局関係の人に真偽解析機を売ってくれと、ズボンに縋られ脱がされかけた話とかボクの人には見られたくない所ばかりがクローズアップされている。
「だって・・・お兄様がモデルならサービスシーンも需要があるかと思って、ゴメンなさいっ!もう言いませんっ!!もうしませんたらぁ~~~~~っ!!!」
余計な事を言ってオシオキ再開させて仕舞うミューズ、流石のイリスも呆れてヤレヤレと手でジェスチャーしている。
「チョッとイリスも助けてよ!」
「もう私に出来る事無い、せっかく助けたのに余計なコト言って無駄にしたのミューズお姉ちゃんじゃん」
「イリスちゃんに見捨てられたぁ~~~~~っ!」
そう言って泣きながら更にオシリを叩かれるミューズさんであった。
さてミューズへの報復が一段落すると・・・・・
「ギルドの方でもボクに依頼したい話が有るそうだ・・・チョッと難易度が高いけど報酬は良いって、ただボク達に依頼して良いかクライアントに御伺いを立てなきゃ成らないそうで・・・2~3日待ってなくては成らないんだ」
「それは丁度良い、その前にアノ人と話を詰めて頂ければ♪」
イメンケさんが気に成る事を言う。
「あの人って・・・」
「丁度良かったバーカンディ伯爵家の所領って結構近いから、あの方も明日には飛んで来るでしょうし・・・・・」
「ボク達ミューズから逃げ出したんだけど・・・解ってる?」
バーカンディ家は当主と娘が帝国軍に籍を置いている。
完全に帝国側の筈なんだが・・・・・
「あの方は軍から身を引いてますし・・・・・」
それで誰が来るか想像が付き、まあ帝国軍の将兵なら休暇でも無ければ領地に戻れ無いだろう・・・そう思ってたけど?
「この度は私どもの不手際により・・・・・」
翌日・・・バーカンディグループの偉い方々が惑星ミリネラの軌道衛星に、ボクの借りてるドッグに押しかけ横一列に並ぶと見事な土下座を披露する。
「そんな事をされても困るんだけど・・・それにマリアさんもアザトイ真似は止めなさい!」
「こんなオバちゃんじゃ駄目かしら?」
ボクの隣に座って腕を絡ませながら囁く・・・自分の容姿を有効に使って来る辺り、流石に母娘こう言う所は全く持って良く似てる!
「だってキッド君が怒って公開した映画を永久封印するとか言われたらグループとしては大損失、ミューズ様には個人資産何て大して無いだろうから損害賠償の訴訟は陛下に・・・・・」
「やめいっ・・・イヤむしろ面白いから裁判起こして貰おうかな?」
すると自分の❝たわわな果実❞をボクの上腕に押し付けて揺さ振りながら、
「損失が出ちゃ困るのよ!私で駄目なら娘を付けるから、お色気で何とか誤魔化されて・・・・・」
「自分で言うのは止めなさい、まして娘を売ろうとは何を考えてるんです・・・それと離れてアンタの反対でミューズとイリスが!」
ボクの上腕と前腕に噛み付いて歯を立てていやがるんだ!
「クスクス嫉妬しちゃってカワイイ♪」
「あんたワザと煽っているだろ?」
この女も中々の悪戯者、でも正直ジュリアさんとは姉妹にしか見え無しほど若く見え抱き付かれて嫌な気はしない、むしろ大いに御褒美なのだが嫉妬してるミューズとイリスが五月蝿いんだ。
いやジェリスさんに悪いからヤメて置こう・・・否むしろジェリスさんに苦情を申し立てる位で丁度良いかも、夫以外の異性にオイロケ篭絡作戦を展開する様な妻はオシリを叩いて御仕置きしてもらわねば!
「駄目だね・・・自分の息子ポジションの君にジャレてるだけだもの、まぁ他の男に本当に御色気で篭絡したら・・・昨晩のミューズ様程度には、お尻ペンペンしないと成ら無いかな?」
「やだアナタったら・・・・・」
そう言われて途端にマリアさんが顔を赤くして少女の様な恥じらいを見せ、同時にミューズも顔を真っ赤にして問い質す。
「何でジェリスさんが知ってるんですか?」
「先程イリス殿に・・・」
「イリス~~~っ!」
「ゴメンなさいっ、つい・・・」
まぁ2人がジャレ合ってるのは解っており、イリスが頭を押さえて蹲るけどミューズも本当に拳骨を落としたりしない。
「でも何でジェリス艦長が居るの?それにボクの事見付けて・・・・・」
「捕まえようなんて思って無いよ、でもソレ疑ってるんだったらスターシップに入れて大丈夫なの?」
そうマリアさんを送って来て一緒にお茶してるのは帝国軍人のジェリス艦長だ。
「電子パラライザーで常に狙っとく様アリスに言ってあるし、その場合は麻痺させて放り出しますよ?」
「怖い子だね君は・・・」
ジェリスさんは顔を顰め、
「いや君が悪戯で逃走したの元帥に対してだろ?私とビスタは君が逃げそうな此処と、旧ヴァイラシアン方面に陛下の命で派遣されたんだ」
「爺さまに?」
そう言うと背後に居た3人の兵士を紹介し様と、いや首都星ミューズに行った時に皆の護衛をしてくれた人達だよね?
「あの時の10人の中から選んだのだがミューズ様の護衛と周りの世話に、スターシップに同乗させてくれと頼んで欲しいと陛下に言われたのさ。こいつ等は戦闘能力も中々高いが、貴人の身の回りの世話も出来る様に訓練されてる。元々そう言う人物の警護をする為に訓練されてたから・・・」
まあ事実ミューズは皇女様、お付きの側仕えが一人も居無い事は問題だもんね?
「と言われても子供の頃は虐待されて監禁され、お爺さまに助けられてからは看護師さん達から・・・お世話をして下さる方が居ても如何したら良いのか判りません」
「如何しても嫌なら無理にと言わないが、そうで無いなら言ってやるな・・・爺さまも皇女たるオマエに、皇族らしい生活をさせてやれなかった事を気にしてるんだろうし」
このまま流れに任すとミューズが断って仕舞いそうなので、この場に居ない爺さまとジェリスさんに対し助け船を出す。
それに腕の立つ警護の者が居ればミューズの自由な行動の幅が・・・そう言えば、
「勿論アイギス殿やイリス殿の警護に廻して貰っても良い、ビスタが連れてった3人も高速艇でコッチに向かってる」
「最悪ボクが断って逃げ様としても3人だけは乗船させ様と考えてたんだ?」
あらゆる意味でミューズ・イリスそれにアイギスさんは要警護対象、警護も出来る世話役が付いてくれるのは逆に有難いかも・・・艦隊を付けられるよりはズッとマシだ♪
「って事はアノ時の女性5人と男性1人が乗船か?」
「女性が多いのはミューズ様達の警護する以上は仕方無い布陣だね・・・ただ私の希望を言えば腕が立つのが居るんで、もう一人男性を乗船させて欲しい」
ボクは少し考えてから・・・
「爺さま達に出す報告はチェックさせて貰う、こっちが出したくない情報や居場所は・・・・・」
「当然だが内密にしてくれて構わない」
話が付いたので、お茶を一服する事にする。
お茶の用意をし様とするミューズとアイギスさんを3人が止めに入ったが、彼女達は楽しみでやってると自分達で喫茶の準備を済ませた。
「では皇帝陛下からの密使としての役割は済ませた・・・後のバーカンディグループとしての交渉はキミに任せるよマリア」
「ハイ♪」
どうもマリアさんはグイグイ来る性格でボクは少し苦手なタイプだ。
「抑々こう言うキャラじゃ無いんだマリアは、私の部下に成った時から真面目一辺倒な女性だったからね・・・でも私の妻に成って父が引退した後は、バーカンディグループのトップに成らなければ成らなかったからチョイ悪な女貴族の企業頭首キャラを自分成りに作ってるんだ♪」
成程・・・先っきの恥じらう方のキャラが本来のマリアさんなのか?
「とにかく意地悪言わ無いで下さい、今後は直接キッドさんに許可を頂く様にしますから・・・・・」
「そうは言ってもバーカンディグループを含め、対外交渉全てミューズが取り仕切ってるからな・・・と言うより、その点はボクよりミューズの方が優秀だし」
「今後は勝手な真似は致しませんから、如何か御容赦の程を・・・・・」
コラ皇女たる者が簡単にソファの上と言え土下座こくな!
「他にも勝手な真似しとらんだろうな・・・もし有るなら今の内に白状しといた方が良いぞ、後で判ったら10倍増しでオシオキだかんな!」
「あわわ・・・」
途端にミューズが慌て出す。
「その狼狽え様・・・何か隠してるだろう?さあ言え、白状せいっ!」
「怒らない・・・無駄ですね・・・・・」
ミューズが涙目に成ってるけど、こっちはナニ仕出かされたか心配で成らない。
「お兄さまを題材にした映画は既に2作公開されてて、先程バーカンディグループと3作目の契約を・・・・・」
「その事に付いてはタップリお仕置きしたから許してやる!別に今更だろ・・・ただシナリオはチェックし直すからな!」
「主演は続けて同じ人と言う事で・・・」
「俳優さんに対して文句言う気何か無いぞ?」
「お兄さま役をしてるのは女優さんでして・・・」
「そう言う事をオマエがしとるから、ボクが女性って疑惑が晴れないんだな・・・」
悪の権化はココに居たか!
「ネッお兄さま勘弁してよ・・・これ以上オシリ叩かれたら、私如何にか成っちゃうってば!」
本気で脅えてるミューズに迫るボクだが、お尻叩きは許しといて上げようかな?
取り敢えずミューズを引き寄せてボクは彼女を膝の上に横たえる・・・この体勢なら何時でもオシリ叩きに移行出来るので、お仕置きの再開を怖がってるミューズはビクビク脅えてた。
まあ今日は割かし本気で引っ叩いて上げたからね♪
「と言う訳で今更主演交代は、その女優さんが可哀想だし継続で構いません」
「良かった、あの子本当に頑張ってる娘だから♪」
マリアさんも安堵していた。
すると横から・・・
「じゃあチョッと真面目な話をしようか・・・」
居住まいを正してジェリスさんは言った。
「これを陛下から預かって来たんだ・・・キミから預かってる遺伝子遺産・通称❝方舟❞に搭載されてた物だが、キミ達が忘れて改修しそこなってるんじゃ無いのかね?」
スターシップにも搭載されている物より簡易に造られた記憶媒体でHDDの様な物、方舟のは全部精査して中身を消して置いた筈・・・ただし本体はファルデウス帝国に進呈した。
「コレだけ別ブロックに成ってたんだ・・・もちろん中身は入ってるし、君達との信頼を保つ為に覗いてなんか無いよ」
そう言われてハッとする・・・とある装置が、あの箱舟には積んで有ったのだ。
「こんな大事なモノを忘れてた何て、本当に電磁場嵐を喰らって頭が可笑しくされてたんだな?」
「私も思い出せませんでした・・・だけど元々チャンと機能するか保障も無かったので・・・・・」
ボク達が感慨深げに言うと、
「これは何なんだ?」
「これ自体は記録媒体らしいが?」
ダーグ達も興味を唆られたらしい。
「見た方が早いけど・・・その前に確認したい、これに地球に帰還する航路は?」
ミューズが静かに首を振った。
抑々そう言う機能の物では無いのだ。
「アリス・・・再生しながら自動翻訳を」
「了解しました。再生します・・・」
リビングに有った端末を繋いで中身を再生した。
「オイもっと詰めろ皆の顔が映し切れ無いだろ?」
「アンタが詰めなさいよ!」
「なぁ・・・カメラ後退げれば良いだけじゃ無いか?」
ボクと同じ年位の少年少女がゴソゴソと・・・やがて全員が綺麗に成らんでカメラに対峙し、その顔はボクが見知った者ばかりだった。
中心に居たリーダー格の奴が・・・ゲンが代表して喋り出した。
「20××年×月××日・・・こちら霊聖中学校2年A組❝スターシップの熱々カップルを応援する会❞一同より、安室 改め 夜船 星さまと夜船 ミューズ様へ!」
こらこらボク達はマダ結婚して無いし籍も入れて無いぞ!
「スターシップのAIから説明して貰ってる、これから亜空間に突入し別の次元に向かう事を・・・帰還の目処は付かず二度と帰って来れない可能性が高い事もね!だからコレがオレ達からの最後のメッセージだ」
まあ事故だけど二度と帰れなく、話も出来無く成った事は確かだね。
「でもオマエなら生きて亜空間を突破できるし、行った先の別世界でも活躍出来ると信じてる・・・むしろオマエが死んだ何て話を聞いたって絶対に信じ無いからな!」
ヤバイな・・・こう言う熱い展開って嫌いな筈なんだけど♪
「達者でな!何が相手でも、たとえ運命だろうと負けるんじゃ無ぇぞ!!!」
「モブの僻みだ・・・カワイ子ちゃんと一緒にアッチの世界で幸せに爆死しろ!」
ゲンに続いて怒鳴ったのはリョウ、何がモブの僻みだ何気にモテ捲ってるクセに!
「ミューズちゃんゴメン、これだけ言わせて・・・私セイ君のコト男の子として好きだった。でも告白する事も出来無かったし、セイ君がミューズちゃんの事が好きに成った事も解ってる。こう言うの付き合いの長さじゃ無いもんね・・・こんな事に成るなら告白しとけば良かった」
幼馴染のミコちゃん・・・全然 気付け無かったけど、そんな風にボクの事を思ってたんだ?
「だから諦めてセイ君がミューズちゃんと一緒に幸せに成れるよう祈ってる!ウウン・・・幸せに成らなかったら許さないんだからね!」
「ミコの事はオレに任せろ!オマエの代わりにオレが責任もって幸せに・・・」
「何だオマエってミコのコト好きだったんだ?」
「どさくさに紛れて告白とはやるな!」
「それにオマエ等、ちょっと考え老けて無いか・・・オレ達は中二だぜ?」
「解かったコレが所謂❝厨二病❞イテェってば!」
コウにタクちゃん、それにリュウにキョウジ・・・・・
「オレ達はセイの事を応援してるし、人生に打ち勝って必ず幸せを掴むって信じてるからな!」
「アバヨッ、達者でな!」
「いや僕は諦めない・・・絶対にマタ会えるって信じてるからね!」
「元気でね・・・私もセイ君のコト、チョッと良いなって思ってたんだ♪」
友達みんなが最後のメッセージをくれた・・・最高の贈り物だ!
「相互送受信レベルが低下して来た・・・これ以上、送っても無駄だろうから最後に・・・伝えたい事は極力データにして送って有るから、このデータディスクか?それの中を漁ってくれ・・・じゃあな元気でな相棒っ!」
スターシップが亜空間に突入したのだろう、そこでブツッと音声が切れ・・・いつの間にか泣いてたボクを抱きしめ、ミューズが頭を撫でてくれていた。
「続いて・・・同じ記憶媒体の中のデータを読み上げましょうか?」
「・・・頼むね・・・・・」
涙が止まら無いボクは啜り泣きながら答える。
「キッド様の叔父さまと叔母様は他にも詐欺や横領の余罪が発覚し、経済事件としては異例の懲役10年以上の判決を受けました。キッド様の訴えを無視し続けた司法関係者は身元が調べられ公開されて退職、更に日本を逃げ回って生活してるそうです」
一番ムカ付く奴等には相応の罰が下ったらしい。
「これは世論が動かしたと言うより、コイツ等の所為で各公機関のトップが首を挿げ替えられる事に・・・これに対する報復なのでしょうが、まあ罰が下っただけマシと言うモノでしょう。世論が騒ぎだしても動かなかった事を責められ、当時の首相は再選も出来ませんでした」
そんな奴等の事は如何でも良いけどね。
「後・・・友人の方から、これオマエの仕業だろうって写真が・・・独裁政権の何処かの国で、諜報機関が入ってたと噂されるビルが壊滅して・・・・・」
ウン、スターシップの事を嗅ぎ付けて奪おうとしてた奴等だね♪
「そして最後に・・・・・」
モニター化してる壁一面に絵が映し出される。
不規則に散りばめられ時には交差した大小の十字は夜空に輝く星を表してるのだろう・・・その星空を背景に五芒星をトップにした大きな流星を、その流星が描く軌跡の上を一隻の帆船が航行していた。
「セイ君を意識して皆で考えたんだけど気に入ったら使って貰えると嬉しいな?とメッセージが付いています」
スターシップのエンブレムを考えてくれたらしい。
マアこの船の場合、態々塗装を塗り直さ無くても・・・・・
「アリス・・・プログラムを修正」
「船体の機種両側面と船体左右の上下面・・・更に垂直尾翼の様に立ってるフォトンスタビライザーの外側に左右で如何でしょうか?」
「上出来だ」
この時から・・・ボクの船には立派なエンブレムが描かれる事に成った。




