現在、捕虜を監視中・・・・・
自爆した艦の残骸や戦闘中のデータ、撮影されてた画像や映像を解析した所・・・自爆したのは悉くヴィエントでは無くノスモーで使われてる艦影だったが、この程度ではノスモーに文句を言える証拠には成り得ないと婆ちゃんは言う。
「ノスモーって、どんな国なの?」
「そうですね・・・ロクでも無いと言う事ではヴァイラシアンと良い勝負、厚顔無恥で恥も知らないと言う点ではヴァイラシアン以上、そして他国から情けないと舐められてる事に関しては他に類を見ないほど酷い国です」
こ・・・ここ迄ミューズに言わせる何て、これは相当笑わせてくれる国の様だ!
「恐らくですが、お兄さまとスターシップの事も狙って来ると思いますよ!少し周囲に警戒する方が良いのでは無いでしょうか?」
「メンド臭いなぁ・・・」
この辺りは立体宙域図を出して見るとノスモーとヴァイラシアン、2ヶ国と国境が隣接していた・・・今はヴァイラシアンはファルデウスに併合されノスモーの領宙がファルデウス領に食い込んでる様な感じに成っている。
「まあ危機感を募らせてるんでしょうけどね・・・ところで応援来るのは何時頃に成るの、投降した敵艦隊を其の侭にしとけ無いしジェリスさん達に任せるのも可哀想だし」
「逃亡し始めたら抑え切れ無い・・・頼むから20倍近い大艦隊を、私一人で面倒見させ様とはしないでね!」
ジェリスさん所の艦隊は500隻くらい・・・一斉に散開され四方八方に逃げられたら流石に追い切れ無い、それに反しスターシップやエルミスⅡみたいに高火力で俊足の艦なら敵を潰しながら追い掛け廻せる。
実はジェリス艦長のロイヤルフェンサー2も7割方がエルミスⅡで構成されてるけど、それでも頭数は減らしたく無いと言うのが本音だった。
「良いですけど御褒美として、また美味しいモノ食べに連れってってくださいね♪」
「お父さん、私も♪」
ジェリス艦長が苦笑していた。
敵が散開して逃げる場合を想定し、ロイヤルフェンサー1と2それにスターシップは敵の残存艦隊を囲む様に配置された。
敵の艦にはジェネレーターの起動は愚か通信さえ許して無く、実際ジェネレーターを起動させた艦を1隻・・・たった今スターシップが撃沈した所だった。
「ギリギリだったけど何とか退艦し切れた様ですね・・・敵も無茶をします」
「これだけ離れてたら逃げ切れるかと思ったんだろ・・・バカな奴等だ!まあ逃げ出せたなら良かったんじゃ無い?ボクなら手加減しなかったんだけどな・・・」
実は撃ったのボクじゃ無くミューズで、ボクが動力炉直撃で撃つ前に彼女がレーザーで動力炉を掠める様に撃ち抜いた。
正直に言えば運だった・・・動力炉を打たなければ敵艦を止められ無いし、撃てば時間が稼げても結局やがては爆散してしまう。
それでもボクの様に直撃コースを遠慮なく撃ち抜かれるよりは、ミューズの様にエンジンを掠める方が時間が稼げるし上手く行ったら爆散は回避出来る。
今回は回避迄は出来無かったけど十分逃げる時間を作る事は出来たらしい。
「敵艦隊から救命艇を出す許可が欲しいと通信が・・・・・」
「許可する・・・けど今後も動力炉に火を入れたら、その艦は即座に撃沈すると伝えて」
「了解しました」
ミューズは答えると敵のオペレーターに其の旨を伝え、ボクはシートから降りると前方に有るミューズのコ・パイロット席に行ってミューズのオシリを軽く叩いた。
「あんっ♡」
「射撃許可出して無いぞ!」
可愛い声を上げて驚くミューズを一応叱るけど、
「だって、お兄さまじゃ即撃沈コースでしょ?別に余裕が有る時くらいは情けを掛けてあげても・・・・・」
「そう言う事を普段の戦闘中に言わないから信用してるけど、せめて射撃前に一言くらい言えよ!それにミューズに言われたら、ボクだって手心くらい加える」
必ず聞くとは断言出来ないけどね。
「その話を始める前に撃ち抜いちゃいそうだったから・・・・・」
まあ確かに・・・即撃ち抜く事に掛けちゃ、クランキー大尉が「早撃ちキッド」なんて仇名で呼び始めた。
「ソレでも一応許可を取ってよ、これでも一応艦長さんなんだから」
「ゴメンなさい」
小さくなったミューズの頭を撫でながら、
「でも腕を上げたな・・・先っきの発砲、エンジンと装甲の間を綺麗に撃ち抜いたぞ」
「えへへ・・・」
正直ボクにはアソコまで精密に狙い撃ちにする自信は無い。
「キッド君、ロイヤルフェンサー3とディフェンサーのカペターズ大将が・・・・・」
応援が来た様だけど、マダマダ出航は出来無かった。
意外とあっさり味方の艦を自爆させた敵は特定出来た・・・やっぱりノスモー帝国の軍人で、面白い様に情報が引き出せているらしい。
「何せ言ってる事が嘘かホントか判るんだもの、何問か質問に答えさせれば大体本当の事を言わせる事が出来ますよ♪」
やっぱり敵の正体はノスモーの軍人さんで集めた傭兵や海賊に、ヴィエントの艦船を使わせていたのだった・・・とにかく敵艦隊を分散させて帝国領の奥に移送、捕虜は収容所と言うか流刑地で肉体労働に就かせるそうだ。
大昔みたいにツルハシやスコップを持って鉱山を掘らせる訳じゃ無いらしいけど、それでも一般人じゃやりたがらない様な肉体労働が待っている。
「とにかく全員訊問して用済みなのは収容所へ、何か知ってる奴は情報を絞り上げてから収容所へ・・・・・・」
「結局収容所なのね(笑)」
情報持ちを炙り出しながら捕虜を選別し同時に移送するのは手間が掛かり、選別は移動しながら行うと言え捕虜に成った敵を全部送り出すだけで数日掛かるそうだ。
最後の1隻を送り出す迄は留まって欲しいと言われたので、どうせならジェリス艦長の仕事も片付けて仕舞おうと思った。
ウェルム少将のロイヤルフェンサー3が捕虜の一部を連行して行った後、ボク達は残った捕虜を引き連れ「この世界でのボクの冒険」が始まったジェリス艦長達を助けたアノ場所に移動する事にした。
「一応・・・残してった敵艦の残骸に遺体は仕舞って置いたんだよな?」
「残骸も資材に成るので全部牽引してくそうですよ?」
「人手は余ってるから丁度良い、ウェルム少将が帰って来る前にスグに出られるよう整理しておこう♪」
流出して無重力下に漂っている遺体を集めさせ、同時に残骸を切った貼ったして移動させ易い様にしている。
「鹵獲した敵の艦は型落ちのヴィエント製ばかりだね・・・元々ヴィエントや周辺国の艦船は安かろう悪かろうの代表みたいな船なんだよ、その中でも特にヴィエントは艦自体が消耗品みたいなモンでね!逆に形は似てるモノのノーマの船は安価な割に中々良い出来だし、ファルデウス製のはモノは良いけど高いと言われてる」
「でもソレって民生品の話でしょ?」
「勿論だけど軍艦の場合はそんな事は言ってられない、いざと言う時に自分たちを守る盾に成るんだからね・・・でも普段から民生品で大した物が造れない企業が、いざ軍から受注受けたってロクなモノを造れる筈が無いだろう?そんなモノしか作れない企業は、如何したってソレが製品に現れるんだよ」
そう言えばボクの お婆ちゃんが初めて車かバイクかを買った時、欠陥が有ったのでメーカーに問い合わせたら「所詮は民生品ですから」と訳の分からない言い訳されたと言ってたな・・・そのメーカーの関わったモノを、その後は一切買わ無く成ったんだってw
「さてと・・・敵さんを働かせて見張るだけにしても、全員でコクピットに詰めてる必要無いよね?」
「じゃあ私はリビングに引っ込んでようかねぇ」
「では私は昼食の用意を・・・・・」
「おいポップ・・・さっきのゲームの続きを・・・・・」
臨戦態勢じゃ無いのだから適度にだらけよう!
「ミューズとイメンケさんも休憩して来たら?」
「それを言ったら戦闘で一番酷使されるのはキッド君とミューズ様ですよ、私がコクピットに詰めてますから休んで来て下さい。イリスちゃんはトレーニングでもするかい?」
戦闘に加える積りは無いけど、イリスにも一応スターシップでの戦闘トレーニングはさせてある。
極論だろうけどボク達全員が討ち死にしたなら、船が動かせるのなら彼女に一人で逃げて貰う必要が出て来る。
「あ・・・イリスちゃんには・・・・・」
ミューズが何か言い難そうに、
「シューティングレンジで一寸お話があって・・・・・・」
おいチョッと待て・・・お前イリスに何をさせとる?
スターシップに設えたシューティングレンジ・・・そこのベンチに お行儀良く腰掛けてるミューズさんは、ボクからの梅干し攻撃でコメカミをグリグリされていた!
「勝手な真似をして申し訳御座いません・・・お兄さま許して・・・・・」
と言いながら泣いている!
地味に痛いんだよねこれ(笑)
「何時からイリスに銃を握らせてた?」
「昨日からバッテリーを抜いたレイガンを構えさせてただけよ・・・まだ発砲させた事は無いから・・・・・」
「イリス・・・戦闘に加わったらオシリ叩きだと言ったよね?」
「でも お兄さまは最悪の状況に備えて訓練はさせると言われました」
うん確かに言ったけど、それは操船に関してだけの話であってね・・・まさか銃の取り扱いまで教える積りは無かったんだけどな!
「チョッと良いかな?」
ついて来たイメンケさんが言い出した・・・ダーグとポップさんがゲームの勝負をコクピットでやりながら留守番しててくれるそうで、手が空いてイメンケさんはコッチに来てたのだ。
「イリスちゃんにスターシップの基本操作教えろって言われてたけど、すでにマスターして基本戦闘まで教えてるんだ」
「いや戦闘は教えなくても良いでしょ!アンタ何してんの・・・チョッと待ってよ、基本操船をマスターしてるって?」
「ちょっと冗談でしょう?」
ボクと興味本位で遊びに来てたジェイナス婆ちゃんは驚きながらイリスを見詰める。
「操船法はアイギスさんから教わってたそうですよ?」
「そう言えば外洋航宙クルーザーの操縦経験が言ってたもんな・・・民生品と言えファルデウスの扱い難い船を操船出来るなら、スターシップの操船何て簡単なモノか?」
「何かムカッと来るセリフだねぇ」
ボクの言葉にファルデウスの造船職人がカチンと来たらしい♪
「それどころか主砲の発砲訓練も良い成績ですよ・・・流石にキッドさんやミューズ様それに職業軍人だったダーグさんには敵いませんが、私やポップさんよりは余程良い成績を出してるんですよ!」
「これイリスや・・・いくら成績が良いと言っ・・・・・」
「子供の内から人殺しなど覚えてはイケナイ・・・でしょ?」
とニッコリ笑うイリス・・・うん正にミューズの幼女バージョンだ♪
「一応ボク達も子供だけど、それでもイリスは若過ぎる・・・少なくともミューズと同じ位の歳に成る迄は・・・・・」
そこはボクにも譲れないモノがある・・・爺さまには話した事が有るんだけど、正直に言うとミューズを戦闘に関わらせた事だって早過ぎたと後悔してるのだから!
最も爺さまには「オマエだって早過ぎるわ!」と鼻を鳴らされたけどね♪
「お母さまからは、お兄さまに相談しなさいと言われてたのですが・・・お兄さまを始め周囲に相談出来る者が一人も居無く成った場合以外、私の判断で武器を手にしては成らないと言われております」
イリスの言葉を良くかみしめ吟味してから答えた。
「それで良いと思う、それとイリスや仲間の命が危険に曝されてる時・・・誰かが相談する余裕無ければイリスの判断で行動するんだ。ただし先ずは自分の安全を最優先に・・・その基準や判断は、これからボク達で教えて上げるから・・・・・」
「では早速、銃の方を・・・」
うちの女共は何でこう好戦的なの?
アイギスさんったら銃の撃ち方までイリスに教え込んでた様だ・・・レイガンでの成績は炸薬式拳銃のミューズを上回り、軽くミューズがイジケテ仕舞っている。
最もミューズだってレイガンを使えば成績は跳ね上がり、ボクと同じ銃を持ちたいからって無理してPPK/Sを使っているのが悪いのだ!
「いざと言う時は迷わずレイガンかレーザーを使うんだぞ、間違っても炸薬式の銃をメインにし様なんて考えるんじゃ無い」
「解かってるってば、お兄さまは心配性なんだから・・・」
ミューズがトレーニングを開始すると何とイリスまで炸薬式の銃を撃ってみたいと言い出した!
一応アメリカ辺りだと州によっては6歳児くらいから銃を撃って良いらしい、らしい止まりなのはアメリカに行った事も無ければアメリカ人に聞いた訳でも無いから・・・ただネットで6~12歳用の銃(子供が好みそうなカラフルな奴)を見た事が有るので、それ位の年齢から許されると予想してるだけだ。
正直な所 冷凍冬眠してた所為で正確に算出 出来無いのだが、現在ボクの年齢は10代中ほどでミューズが3歳ほど下・・・そしてイリスは更に3歳ほど下に成る。
つまり10歳未満だから銃の手解きをするには丁度良いのかも知れない。
「ボクかダーグの監督下なら撃つ分には許可するけど、まだ炸薬式拳銃の携帯は許さ無いからね・・・携帯して良いのはレイガンで、撃つ事も極力避け・・・いや撃つ時は躊躇わずに撃て!」
日本の一寸おかしい評論家や教育者の考えをファルデウスで実践する必要は無い、安い倫理観で撃つ事に躊躇いミューズやイリスが傷付く何て論外の話だ。
「条件を修正する・・・イリスが銃を撃つ必要性を感じた時、その場に相談出来る者が居無いなら自分の判断で発砲しろ!例えば誰かがイリスにナイフを持って迫って来たり、アイギスさんに銃を向けてる者を見かけた場合・・・その時 近くにボクや他の人間が居なければイリスの判断で発砲せざるを得ないと思う」
「ハイッ♪」
イリスが元気に答えた。
「良し♪じゃあイリスに銃を・・・と言っても、イリスにも撃てる小型の炸薬拳銃ともなると・・・・・」
ボクはレンジに置いといたアタッシュケースを引っ張り出す。
中にはボクの拳銃コレクション、他にもレンジの横にはコレクションを飾った棚が置いてある。
「趣味で作ってるから小口径弾の小型拳銃って、あんまり置いて無いんだよね・・・いや造って無いんか?」
なんせ本当に趣味だけで造ってるし抑々のトコロ実用性すら考えて無い・・・見た目がカッコ良いから、大好きな創作物の主人公が使ってるから、そんな感じでセレクトして有るんだからしょうが無い(笑)
第一ミューズに与えたPPK/Sだって改造し弾も9㎜パラベラムにして有るけど、この銃自体が時代遅れ(と言っても精々一世代前で現行の銃だけど)でPPK/Sの後継にはPPSとかP99コンパクトとか出てる。
でも銃として魅力感じ無いのよねソッチ・・・とか考えてるボクに!
「お兄ちゃん、私この銃が良いな!」
ここで勝手に銃を手に取ったらイリスにとって初のオシリ叩きに成る所だけど、イリスは棚に飾ってある銃を指差しただけだった・・・いやスケベ心で狙ってた訳じゃ無い!
勝手に銃を手に取ったら銃は危険物、使い方を教えられてる段階で勝手に触ってはいけないと叱りたかった・・・でもイリスはソコの所もチャンと教え込まれてた様だ♪
いや全然残念じゃ無いよ?
そもそもボクが趣味で叩いて泣かせたいのはミューズのオシリだけだから♪
「?」
「っ!!」
正解の行動を取ったイリスの頭を撫でながら、イリスが指差してる銃を確認したボクの顔は引き攣った・・・そこに並んでるイリスが指差してた2丁の銃はS&W M500を再現した銃だから!
「この銃が良いです♪この銀の銃が、撃つ度にクルクル回るのが好きで・・・・・」
そう言えば背後の壁をモニター化させてボクやミューズが練習してる所を見せてた!
「いやコノ銃は・・・・・」
爬虫類型人類のクリーチャーボディを霊長類型人類に改造して造ったボクなら兎も角、この銃は破壊的な反動で実用性皆無と言う点では抜きん出てる銃だ!
しかもハッキリ言うと調子に乗り過ぎたレベルで改造・・・先ず材質はコッチの世界でも最高に良い超高級品をセレクト、本来は耐久性の問題から5装弾に成ってるレンコンを普通のリボルバーと同じ6連装にした!
また弾の方も元々マグナム自体が酒瓶の用語で「大盛り」と言う意味なのに、それも地球の常識を横に置いといて高性能の異世界炸薬をタップリ詰め込み強装弾化・・・どこかの漫画の主人公が下手に撃ったら腕の方が吹っ飛ぶリボルバーを持ってたけど、それに準ずる下手に撃ったら確実に骨折以上の怪我する破壊力を持っている銃なのだ!
「それは・・・威力が凄いんだけど反動も凄いんだ!イリスが撃ったら腕が吹っ飛びかね無い、最低でも骨折か脱臼はすると思う・・・・・」
イリスが思いっ切り引いていた!
「じゃ・・・じゃあコッチの黒い銃は?」
うんM29ブラックフィニッシュの6.5インチモデル・・・某映画の主人公ハリーさん御用達、言う迄も無く銃弾は超強化された44マグナムだ!
「さっきの銃よりソフトだけど、それでもマダマダ強過ぎる・・・骨折か脱臼は確実だね!それと先に言っとくけど・・・その銃の下に飾ってあるチョッとばっかり小さい銃も似た様なモノだから」
短砲身のリボルバーが並んでるけど.44マグナム弾や.357マグナム弾を使う銃しか置いて無い、しかもS&Wの銃を参考にした物ばかり・・・あぁM500の片方だけはチョッと違う。
元々S&WのM500とトーラスのS&W500マグナム弾仕様のレイジングブルは砲身以外は似た形してるけど、それをSFっぽいデザインし直したオリジナルカスタムガンなんだ!
それとオートの銃も幾つかは改造し過ぎてるな・・・でも形から入って何が悪いと言うボクの方針で、原型と言うか元の銃のイメージは残して改造してる。
「こう言う形が良いの?」
もちろん飾ってある段階で弾は入れて無い、それでもレンコンを開いて弾が入って無い事を確認し直しから渡した。
「ハイ、この形が気に入ってます」
「この侭の形で小さく成っても?」
「構いません」
「じゃ・・・造るか?」
うん・・・これは最初から造った方が早いね♪
そうして出来上がったのは怪しいカスタムリボルバー・・・S&W M36俗に言うチーフスペシャルをベースに、後継型であるM60やM360も参考にし意匠も取り込んでみた。
マア見た目は殆どM36だけど、M36は現在でもM36クラシックの名前で販売されている優良モデル、その信頼性の高さはS&W社の折り紙付きだ。
そうだな名前は一応❝チーフス・カスタム❞とでも名乗って置くか・・・本当に趣味でしか銃を造らないよねボク、だけど今回は全面的にイリスの好みと言うか意見を優先して製作した。
先ず撃鉄は最近(と言ってもボクが居た頃の地球ね)流行のフレーム内蔵タイプやフレームで殆ど挟んだシュラウドでは無く剥き出し、そう言うタイプもイリスに提案したけどイリスはコッチが良ろしいそうなので・・・まあ任意でハンマーを倒せるのは便利だし、ボクも撃鉄の付いてた方がカッコ良いと思う!
ちなみに製作時間は15分ほどでスターシップの工房じゃ、そんなモノで造れて仕舞う♪
タンッ!タンッ!
小気味良い音を立てて銃を撃つイリスにミューズが対抗心を燃やして隣でPPK/S撃ち捲ってる・・・まあイリスは銃の手解きを受けてたと言え炸薬式は初めて、ミューズは自分の初めての時の屁っ放り腰を思い出して悔しいのだろう。
タンッ!タンッ!
パンッ!パンッ!
いつも大口径の銃をブッ放し感覚が麻痺してるボクには軽く感じる銃声を聞きながら、ボクは談笑し互いにしってる所や気付いた事をレクチャーし合う二人を見て和んでいた。
そりゃ楽しんでる玩具は物騒極まり無いけどスポーツシューティングと考えたら健全だ・・・潜在的にガンアレルギーを持つ日本人は良くスポーツシューティングを危険行為扱いするけどさ、それを言い出したら弓道やアーチェリーも一緒で弓だって元々は人殺しに使ってた道具だ?
「こらっ!」
上に向けてたけど銃を持ったまま本格的に、お喋り始めた二人にコツンと軽く拳骨を落とす!
「お喋りするなら銃から弾を抜いて置いてからになさい!」
「「ハ~~~イ♪」」
二人は再び銃を構えて発砲し始め・・・するとジュリアさんとジェリスさんの親子や、パインさん達までスターシップに遊びに来た。
「レンジは2レーンしか造って無いんだ・・・・・」
元々ボクとミューズがトレーニングする事しか考えて無かったから、皆がシューティングを楽しみだしたら狭い事この上無い・・・これでは当分ボクは撃て無そうだ!
「全くクリッパーにだってラグナロクにだって、射撃訓練場くらい造って有るんでしょう?」
わざわざ狭いスターシップに来て撃たなくても良いだろうに・・・仕方無いからボクはガンキャリアーに使ってるアタッシュケースを、テーブルの上に広げて自分の銃を検分し始めた。
このアタッシュケースには比較的に良く使う銃を仕舞って有るが、割と頻繁に改造したり元に戻したりしてるのだ・・・中でもメインに使ってるのがCZ75とコルト・ガバメントのカスタムだ!
CZ75はM7545と名付けた45ACPモデル、もともとダブルカアラムだったCZだけど45ACP仕様にしたのでチョッと御デブさんだ。
まあフィクションじゃ性能以上に尾鰭が付き過ぎて過大評価されてるけど、それでも扱い易くて優れたモデルには変わりが無くベレッタのM92シリーズやシグ・ザウエル社のP226(9㎜)やP220(45口径仕様)と共にボクのお気に入り拳銃だ♪
勿論だけど他の地球産・自動拳銃が劣ってたり使い難かったりする訳じゃ無い、他のメーカーの銃だって幾つもコピーして棚に並べて飾って有るんだけど、この4丁がボクにとって扱い易くて尚且つ見た目も気に入ってるベストの銃なんだ!
「お兄さまは凝り性ですからね・・・この棚だって武器庫と言うよりは、趣味のコレクションだし・・・・・」
「五月蝿いな・・・ボクは職業軍人でも司法関係者でも無い、これ等は実際にタダのコレクションなんだから良いじゃ無いか!」
如何やらミューズとイリスは休憩に入ったらしい、レンジではジュリアさんとジェリス艦長が父娘で親子喧嘩に興じ出した!
「バカスカ撃ち捲っちゃって・・・2人ともレイガンを使ってるんだな?」
地球より遥かに技術が先進してる❝この世界❞でも、実用的な威力を持ち携帯それも拳銃サイズで製造出来る光学兵器は限られてる。
先ずはパルスレーザーを使うレーザーガンに簡易的な中性子粒子砲を拳銃サイズにしたレイガン、荷電粒子砲は拳銃サイズまでコンパクトに出来なかった・・・この世界の技術ではね!
それにレーザーに熱エネルギーと衝撃波を咥えたブラスターガン・・・レーザーガンが焼き切るのに対し、ブラスターは焼きながら吹き飛ばす!
この3つが主流な携帯型光学兵器の主流なんだけど、銃として一番理想的なブラスターは衝撃が炸薬式拳銃に順ずる程強く大きく重い・・・逆にレーザーは小型軽量で女子供にも扱い易いけどマンストッピングパワーに欠ける。
その中間がレイガンと言った所だ・・・一応ボクは3種類とも造って撃ち捲ってる、でもこの中ではブラスターを携帯する事が一番多い。
大きい?重い?発砲の反動がキツい?そんなの火薬で発砲する炸薬式拳銃に比べたら屁みたいなモンだよ♪
「そんなお兄ちゃんが一番気に入ってるのはドノ子ですか?」
とイリスが可愛らしく抱き付きながら聞いて来て、ミューズがヤキモチ焼いて絡んで来るかと思ったらイリスの頭を撫でてから・・・やっぱりヤキモチ焼いてて反対側の腕に抱き付いて来た!
「オマエ等・・・両手にぶら下られてちゃ、ボクは何も出来んぞ!」
「私だって、お兄さまとベタベタしたいモン♡」
「お邪魔だった・・・別にお姉ちゃんからお兄ちゃん取ったりしないよ?」
オマエ張り合うなよ(笑)
「で・・・お兄さまの一番のお気に入りはヤッパリこの子でしょ?」
流石にミューズは解かってらっしゃる、ボクの一番のお気に入りコルト・ガバメントのカスタムモデルを指差した。
一度ダブルアクション・ダブルカアラム化させたけど、ガバメントのスマートなデザインが損なわれて握り難く成った・・・見た目から入るボクでも性能と比べれば現実的に選ぶしか無く、ボクもガバメントをシングルカアラムに造り直した。
あのガバメントのスマートで握り易いグリップと固定ベルトを引っ掛け外し易いハンマーは、ボクにとってショルダーホルスターから抜き打ちする時に最高の形状なのだ・・・実益にも影響する以上は選ぶ事は出来無かった。
「あら?でもこの銃・・・なんか前のと変わってませんか?」
「こんな細かい所、良く気が付いたね?」
これはシングルアクションにしては少し重めのガバメントの引き金を若干だけ軽くする為、それと見た目の問題で元々ボクはガバメントのスライド式の引き金の形状がデザイン的に余り好きでは無い。
だから楕円形のトリガーガードの中で、スライド引き金の前にダブルアクションの拳銃に付いてる様な三日月形のトリガーを設置、梃子の原理でスライドを後ろに押し込むタイプの引き金にした。
そして機構はあえてシングルアクションのまま、そもそも発砲の度に自動的にハンマーを起こしてくれるんだからダブルアクションにする必要は無いと思う。
「同じ銃を色違いで2種類造ったのですか?」
このカスタムガバメントは黒と銀のツートンカラーとロイヤルブルー仕様で一丁づつ造って仕舞った・・・オタクと笑いたければ笑えば良い、ボクだって そう思ってるんだから!
ちなみにグリップはドチラもパックマイヤー風のラバーグリップ、と言うより自動拳銃とシルバーフィニッシュのリボルバーには、一部ラバーとウッドの複合材やG10も使ってるけど基本的に このパックマイヤー風ラバーグリップを使っている。
「さてと・・・そろそろレンジが空かないかな?」
迷惑な親子は未だに親子喧嘩を続行中だ!




