スッキリしないと思ってたら、カワイイ妹が・・・
ヴァイラシアン帝国残党軍の中で最も大きな集団を潰したのだ・・・生き残った残党は❝投降❞か❝徹底抗戦❞を選ぶ事に成るが、権力を手放したくない貴族達は圧倒的に後者を選ぶ。
それでも既に勝ち目など残って無い事は皆分かっているらしくファルディウスに投降する士官以下の兵が飛躍的に増えたが、上位貴族や上位士官はマダ決められない様である。
「ここまで・・・しなくても良かったのでは無いでしょうか?」
「確かにヴァルマーの一族は残ってますから、遺伝子情報のサンプルは幾らでも有りますが・・・・・」
消し炭と化したヴァルマーの遺体の前でファルディウスの分析官が文句を言うが、そんな事を言われてもボクの様な性格破綻者を使えば❝こう❞成っても仕方無いんじゃない?
それに地球よりは化学が大分進んでるんだから、この程度なら遺伝子とか解析する事も出来るんじゃ無いだろうか?
「面倒臭いんです・・・それはもう言語に絶するくらい!」
「あと残業確定です!我が家には綺麗な奥さんに可愛い子供が待ってるのに」
「それに残業代出無いし・・・・・」
「最初の話以外は全部嘘だよね?残業もヘったくれも戦時遠征中だし、そもそも戦時中に元とは言え敵国まで出張って残業代とか最初からで無いでしょ?」
戦争中敵国に責めて来てるのに、残業なんか無くたって妻子の待つ家に帰れるか!
「ジェリス艦長に文句言っておこう」
「冗談です!冗談ですってばァ!!!!!」
途端に分析官の お姉さん達がボクの足に縋りついて来る。
「で結局ナンでソコまでコイツの事を調べてるの?」
ボクが手柄を吹聴したくて嘘吐いてるとか疑ってるの?
「イヤそんなのキッド様に必要無いですよね」
「クローンや影武者を使って逃げられたら後が面倒臭いですから・・・・・」
心配してるのはソッチの方らしい。
「簡易検査ではヴァルマー本人と出ましたが、これから更に精密検査を・・・あっ!現場検証も事情聴取も終わりましたからキッド様はもう結構、後は大丈夫ですよ♪」
数日後ヴァルマー本人である事が精密検査で再確認される。
「これで取り敢えず先古代文明人の遺産は全て回収出来たよな・・・・・」
スターシップのコクピットに戻ってシートをリクライニングさせる。
もちろん座り心地も最高だが何気に寝心地も最高に良いのだ。
「今後の予定を如何するかだよな・・・・・」
正直言うと予定ではミューズと気ままに世界を旅し、色々なモノを見て廻ろうと思ってた・・・勿論ミューズも賛成してくれている♪
だが先日の幽霊団地の件で気落ちしてるのかヤル気が出て来ない、ヴァルマー本人を殺《ヤ》る迄あんなに高揚してたのにだ。
「やっぱり年端も行かない子供達を殺した事に・・・・・」
何だかんだ言いながら衝撃を受けているらしい。
「お兄さまの手にかけられる前に、あの子達は既に死んでたんですよ・・・お兄さまが気に病む必要はありません」
ボクの独り言に帰って来る声・・・後ろから抱き付いて来たミューズは、ボクの事を慰めてる積りらしい。
「気に病んでる訳では無いさ・・・でも思いっ切り後味の悪い事をさせられて、面白くないだけなんだよ。そして納得がいかないんだな・・・・・」
ヴァルマーの奴は苦しみ抜かせてから殺した、まあ奴のやった事に比べれば生温過ぎると言うモノだろう。
それでも地獄に行ってでも、もう一度いや何度でも奴を惨殺してやりたい!
「そう言うのを気に病んでるって言うんですよ?まあ仕方無いかな・・・ならヴァルマー本人は無理ですが、共犯で憂さを晴らしませんか?」
壁面モニターに嫌な顔をしてる奴等の手配写真が並ぶ。
爺様が小遣い稼ぎにヨロシクと言ってたヴァイラシアン支配階級の残党達だ。
「ヴァルマーと一緒に行動してたのに見限って途中で袂を分かちガスターから逃亡した者、あの子達を船に乗せたのはコイツ等そして・・・・・」
一人の中年男の顔が大写しになった。
ドコかヴァルマーの奴に似ている顔に見える。
「ヴァルマーの息子でヴァルトンと言います。あの子達を慰み者にする為、無理矢理 船に乗せた張本人・・・ロリコンでサディストの変態です!」
「なんとまあ・・・・・」
ボクは俄然とやる気が起きて来る!
「てっきりヴァルマーが主犯だと思って黒焦げにしちゃったよ!こっちが主犯だったか・・・ミディアムレア位で許して上げたら良かったかな?」
「そう言う目的で子供達を乗せた事を知ってた上、しかも息子と同じ性癖を持って一緒に楽しもうと考えてた鬼畜外道ですよ!そう言う性癖なのも捕虜の訊問やデータ解析で調査済み、その上に危険地帯を調査に向かわせ遭難しても助けに行かなかったクソ野郎ですよ!その事はパイン大尉に確認済み、減刑してもベリーウェルダンの辺りが妥当・・・気にする値打ちも有りません」
ミューズの奴は悪党が相手だと矢鱈と辛辣に成る。
「ところで息子の方は逃亡時は一緒だったのに一体ドコ行ったんだ?」
「この宙域に私達が来て最初の海戦でジュリアさんにボロ負け、父親に叱責されてヘソを曲げ敵前逃亡を・・・・・」
ウ~ン中々の畜生な奴、殺すのに良心の呵責が必要無い位に♪
「逃げた先って解ってるの?」
「中々大きな戦力を率いて消えましたから、行く先が解ってたらジェリスさん達が動きます・・・でも逆に痕跡を残さずに消えるとなると、ルートや手段も限られますね」
ミューズが一生懸命、ボクにやる気を起こそうとしてくれている。
ならば・・・お兄ちゃんとしては女々しくイジケていられない!
ボクが出立し様としてる事は皆にバレており、ジェリス艦長が敵残存勢力掃討部隊を組織してくれた。
ミューズが根回しを済ませてくれてたのだ。
「取り敢えず独立愚連艦隊としてパイン・アップルトン大尉とヴァッサー・メローネ大尉が艦長を務めるエルミスⅡC/H型・重巡洋艦サンティーウェンとハンガーダッシュの2隻、それに新造艦エルミスⅡBマリンシールを加えて中核に・・・ただしパイン大尉自身は突撃部隊の隊長を務めるので、艦長は副官のシナモン中尉が務めます。さらに今回はジュリア・バーカンディ中佐率いるロイヤルフェンサー第一艦隊が同行、お兄さまは軍人に成る事を拒んでるので顧問として艦隊指揮を・・・あと一緒にいる方が研究が捗るとかでジェイナスお婆様とポップ・インシャグワー少佐も同行します。それに・・・・・」
「その艦隊名は何だよ・・・それに顧問って本来手は出せない立場の筈じゃ?」
若干呆れ気味のボクであったw
「あとマリンシールは誰が艦長さんするの?」
「ジュリアさんの配下に居たキャンディ・コットンズ中尉が大尉に昇進して艦長さんに!本当はジュリアさん、ミントさんに任せる気だったけど本人がジュリアさんの副官してる方が見てて面白いからってw」
それは同感だ♪
「それド~ユ~意味よ!」
行き成りモニターに大写しに成るジュリアさんの顔、まあコッチも艦隊指揮官専用チャットをオンにしてたんで聞かれて当然なんだw
「キッド君とミントには後でお話が有りますからね!」
「それは良いけどマタ泣かせて良いの、ボク舌戦じゃ負けないよ?」
するとチョッと怯んだ様な顔をしながら、
「クッ、こ・・・今度は負けない、絶対 勝って見せるんだから!」
艦長クラスの貌が次々モニターに表示され、皆が呆れた様な顔をして会話を聞いてる。
「それより何でロイヤルフェンサーごと、ボクに追いて来る事に成ったの?」
「キッド君に追いてく方が逃亡中の残党見付ける可能性高そうだし・・・」
この人、油揚げ掻っ攫う気 満々だな!
「そうだ・・・ダーグが如何する?子供達と一緒に・・・」
「帝国が全面的にがバックアップしてくれるし、後は皇帝陛下とサンティーに任せるよ♪あんまり子供を親が育てると言う種族じゃ無いんだ、我々リザーダーは・・・サンティーも向こうに着いたらサンティアラと分離して、義体か惑星の管理AIに組み込まれるらしいし」
リザーダーは放任主義な様だ・・・そう言えば爬虫類って大抵子供生まれると、その時から野生の世界に放り出されて生存競争を戦うんだよな?
そう思ったけど言ったら確実にミューズとダーグに叱られるから言わない!
「じゃあダーグは?」
「暫くキッドに付き合うさ♪ポップも私を連れて来たいらしいし・・・・・」
本当の意味での実用化されたノーダー経験者だから、ポップもノーダー部隊発足の最終段階に入って張り切ってるし!
「まあ兎に角・・・五月蝿いヒトが来る前に、早く用意を整えて逃げ出すとしましょう♪」
ミューズが明るく言ってるけど、もう少し爺さんに優しくしてやってね!
「では全面的に我らをバックアップしてくれると?」
キッドに敵としてロックオンされたヴァルトンは、モニターに映る化粧の濃い女フェスケーク侯爵夫人に向かって言った。
「条件は先の通り・・・・・」
「キャプテンキッドの首ですね?」
「それと皇帝の孫娘も、皇帝も身内を失う悲し実を知れば良いのよ!」
ドコまでも自業自得と言う言葉を知らない女だった。
だが残念な事に彼女は皇帝の孫娘は実質二人居て、まあジュリアは本当の孫じゃ無く姪孫だが孫の様なモノだった。
そのジュリアがキッドに同行し、しかも艦隊を率いているとは思っていなかったのだ。
「キッドには戦艦か重巡洋艦が2~3隻同行してるだけと聞いている!新型とは言え艦隊で囲んで押しつぶせば何とか成るでしょう?」
「勿論です!先日後れを取ったのは艦隊戦によっての事、新鋭艦と言っても数隻相手に後れは取りません」
ハッキリ言ってヴァルトンは無能な男だったが自尊心だけは高く、そして自分の能力を過大評価していた。
何と言ってもキッドは(ジュリア艦隊の援護は有ったモノの)単艦で数万の艦隊に飛び込んで行って仕舞う様な非常識なヤツなのだから!
ヴァルトンはキッドの活躍を報道でしか知らず、しかも誇大され話が大きく成ってると思っている・・・自分の事を棚に上げて!
「当家の艦隊をアナタの指揮下に加える事は出来ませんが、隠していた資産で3千隻の艦隊を用意する事が出来ます。これを使って私の望みを叶えたなら、アナタのファルデウス帝国籍を作って私の養子に・・・・・」
そんな密談を交わしているのだが、その頃ファルデウス帝国帝都 帝城の執務室で皇帝陛下が臣下と共に溜息を吐きながら・・・いや苦笑を漏らしながら彼女の密談を盗聴していた。
「当家の艦隊ったって殆どガスターで沈んでるだろ・・・・・」
「こ・・・この様な謀略をAD通信で、しかも民間の回線で・・・馬鹿なのか?こいつ等は本モノの馬鹿なのか?」
「馬鹿以外のナニモノでも無いでしょう、如何しますか?このまま憲兵隊を差し向けて捕縛させましょうか?」
「まてまて会話が続いておる・・・・・」
傍受されてると気が付かず密談を続けるフェスケーク侯爵夫人とヴァルトン・・・・・
「ガスターに合流して無かった分家の者が二人います。片方が4000と もう片方が100程、後者を囮にしてキャプテンキッドを誘き寄せ前者と私で挟み撃ちにします。私の艦隊は1500しかありませんが婦人が3000用意して下さるなら合わせて4500、他にも幾つか分家の者がいますから10000近くの戦力が・・・・・」
「兎に角あの小娘を宙の藻屑に変えるのです!捕らえて慰み者に出来るなら尚良し・・・・・」
その時セリフを聞いて皇帝の執務室は爆笑に包まれた。
「だ・・・大々的に報道させておらんと言え、こいつ等まだキッドを女の子だと思っているのか?」
「情報収集が足らぬのw」
「キ・・・キッドが聞いたら泣きますねw」
皆、腹を抱えて笑っている♪
ところが・・・
「皇帝の孫が一人同行してる筈よ!確かミューズとか言う出来損ないが、そいつにも同じ様な眼に会わせて・・・・・」
それを聞いた皇帝の眼に殺意が宿った。
「捕縛に向かわせますか?」
アヴァ元帥が伺いを立てる。
「今は要らぬな!ヴァルトンとやらが失敗してから逮捕し、地獄を見せてやると良い・・・・・」
虎の尾を踏んだだけで無く,、思いっ切り踏み躙っているフェスケーク侯爵夫人だった。
「取り敢えずキッド達にも知らせて置いてやれ!キッドには必要無いだろうが、後で何故教えなかったとミューズに怒られるのは嫌だし・・・・・」
宰相が呆れた顔をして言う。
「情けない・・・孫娘への御機嫌取りが優先ですか?」
「五月蝿いわ!」
初老の皇帝は子供の様に剥れている。
ボクの指揮する独立愚連艦隊とジュリア・バーカンディ中佐率いるロイヤルフェンサー第一艦隊・・・一応まとめてボクが指揮する事に成った。
と言っても基本方針をボクが決め補助に付いたジュリアさんが聞いてから指揮を出す、またはボクが暴れている間は彼女が全面的に指揮を執る事に成るだろう。
まあコッチは本職の軍人では無いから当たり前だ。
「この際ボクなんか通さないで指揮はジュリアさんが取って欲しい・・・」
「一介の軍人が指揮を執るより救国の英雄の方が士気が上がるのよ♪」
そう言いながら、
「そうだジュリアさん、約束がマダ果たされて無いみたいだけど・・・・・」
「約束?」
ジュリアさんが首を傾げる。
「ボクが男だって情報修正する報道がされて無いんだけど・・・・・」
それを聞いたジュリアさん眼をパチクリ・・・・・
「私・・・間違い無く、早く修正する様に念を押したからね!」
「じゃあ何故ボクが男だと報道されて無い!?」
少し頭に来るかも・・・
「正確には一度報道されたのですが、市民は全く信用せずいまだにキッド様を女の子だと・・・まあ男性市民からすれば崇める偶像は女の子の方が良い」
「女性もいるだろう?女性は如何したっ!」
するとアリスが面白そうに・・・
「女性は女性で自分と同性の英雄が活躍する方が嬉しいらしくて、ちなみに
理由が もう一つ有るのですが・・・・・」
「何なのさ!」
ボクは かなり機嫌が悪い!
「ミューズ様がキッド様に付いて行く事を瞬時即断で表明された皇帝陛下の腹癒せと、当時エビを奪われたウェルム少将の憂さ晴らしで嫌がらせをされてまして・・・・・」
「あのジジイ共・・・次に会ったら覚えておれ!」
そう言ってドンとテーブルを叩く、いま皆でコクピット裏のリビングに居るのだ。
その時 お婆ちゃんの形見である大きなクリスタルの灰皿から、小さなメダカが跳ね上がった。
「お兄さま・・・お魚さん達が驚いてしまいますよ」
素直に謝るボク・・・灰皿は灰皿として機能しておらず、インテリアとしてメダカとマリモを飼っている。
水面に浮草で覆われてるからメダカが飛び出す心配は無いが、その浮草の根っこ部分に卵を産み付けている・・・そろそろ金魚鉢に移動しよう。
「考えたらコレも一財産よね・・・・・」
遊びイヤ打ち合わせに来ていたジュリアさんが呟く・・・最近 彼女達は地球のメニューにつられ、頻繁にスターシップに来ては会議と言う名のお茶会や食事会を開きに来るのだ。
その彼女の言ってる事だが、実は先日 地球産メダカのペアをオークションに掛けたら一組3億クレジットの値が付いたそうだ!
それでイメンケさんが追加でお金を振り込むと言ったが、要らないと断ったら・・・受け取って貰わないと困ると泣き付かれた。
あんまり安く買い叩いて後で高く売ると、凄い税金がかかるそうで法律は地球より大分進んでる様だね?
「こんな物で驚いてちゃ・・・」
「もっと凄いモノが有るの?」
ジュリアさんが食い付き気味に言った。
今日は彼女達しか来て無いから見せても良いかな、そんなに凄いモノだとボクとしては思って無かったんだけどな?
休憩室と言うか居間の様な感じ使っているコクピット後方のリビング、全天周囲全てがモニター化しており普段は地球の風景や絵画を映し出している。
「イメンケさんには内緒だよ、こんなの見られた日には・・・・・」
ボクが指を鳴らすと察したアリスがモニターをスライドさせ、そこにはコクピットと外部2か所の出入り口以外全て・・・360°水槽が設置されている。
「元々母さんの趣味だったんだけど、地球を出る際に置いてく事出来無くってさ・・・それに自分で買い集めた魚やエビも居るし♪」
「ホント一寸した水族館ですよね♪」
実はスターシップいや当時のエルミスⅡに持ち込んだの、地球の熱帯魚に惚れ込んじゃったミューズの我が儘だったりする♪
当時のミューズは万が一の時には、この魚達に囲まれて永眠する覚悟もしてたそうだ・・・絶対させないけどネ!
当然そんな下らない事を考えてたミューズには、後で失言した時にお尻ペンペンのオシオキした・・・可愛かったな♪
「キッド君ってホントHよね・・・」
「そんな事をジュリアさんに言わないで下さいっ!」
ボクもミューズからゲンコツを貰った・・・ところがジュリアさん達は水槽の中を覗き込んで・・・・・
「こんなの・・・一財産じゃすまないわよ?」
「星系一つの領土収益位には成ると思いますよ・・・・・」
ミントさんとキャンディさんも唖然としている。
「やっぱり別物よね・・・似た様な魚は居るけど・・・・・」
「そんな皆さんの世界程文明が発達してれば、幾らでも新しい生物の居る星を見付けて新種なんか次から次へと・・・何でソンナ顔をしてるの?」
皆がエッと言う表情をしていた。
「そう言う常識から疎かったんですねwお兄さま、ファルデウスで一番多い人類種は、どんなタイプですか?」
「ボク達と同じ霊長類型ヒューマノイドだろ?実際多いし・・・」
ファルデウス宇宙軍も、ほとんど同じ人類種(人種では無い)で9割近くを占めてる筈だ。
「ハイ♪次に多いのが霊長類型と他の人類種とのハイブリット型、それに霊長類以外の哺乳類型・魚類型そして最後に今回発見されたダーグさん達の爬虫類型と続きます。その発見されたヒューマノイドの数プラスその百倍くらいしか生物の済む惑星が発見されておりません」
つまり如何言う意味ナンだ?
「つまり生物の居る惑星自体が凄く少ないんですよ♪」
フムフム・・・
「我がファルデウスを有する星雲アルファと一番近い星雲であるベータ、この二つにしか私達の交流は及んでませんが、この二つの星雲で恒星だけでも1兆4000億もあり惑星の数は数え切れません。その中でも生物が発見された惑星は僅か数万、しかもその7割がカビやバクテリアの様な微生物しかいないんです」
なるほど・・・全ての恒星が恒星系・惑星系を成してる訳じゃ無いだろうが、それでも平均5つの惑星で惑星系を構成すれば5倍、平均が10だと十倍に成る。
その惑星全ての中で数万しか生物が発見されて無いなら、その確率は途方も無く小さいって事に成る。
「つまり他の惑星の生物を発見する事は、凄くレアで稀少価値が発生すると言う訳ね?」
「ハイ、そう言う事です♪そして新しい発見は生物学や免疫学・遺伝子工学に多大な発展を・・・・・」
そう言えば聞いた事有るけど霊長類型ヒューマノイドだって大別すると7つの惑星から発生しており、それが発展・融合して現在の霊長類型人類を形成してると言ってたな?
つまりファルデウスもヴァイラシアンも元々同じ民族だったそうで、ちなみにダーグ達の頃は星雲アルファの1割も開発出来て無く、他の人類種と接触する機会は無かったらしい。
「そう言う惑星や生物を発見する冒険家も多いですが・・・」
「お勉強中スイマセンが・・・・・」
ジェリス艦長が回線を繋いで来る。
「キッド君に陛下から緊急連絡だ」
講義を中断されたミューズがプックリと頬を膨らませる。
素の頬っぺに機嫌を直す為にキスをすると・・・ミューズは途端にゴキゲンに成ってソファにオシリを下ろし、眼の前の婆ちゃんの灰皿に青いガラス玉を見付ける。
「これって・・・」
そのガラス球を灰皿から取り上げたミューズは、濡れてる事も構わないで両手に取り微笑んだ。
陛下の話を聞いて呆れたボクは・・・・・
「いっその事そのフェスケークってオバサンも、ヴァルトンに合流させちゃわない?一緒にボクの方で焼却処分にしとくけど・・・・・」
「断わる・・・生かして置いて、死ぬより辛い眼に会わせてやる」
爺さんが怒りを隠さずに言った。
「何か有ったの?」
「チャンスが有ったらミューズを辱めろとヴァルトンに指示しておった!」
ボクの頭にも血が上った!
「やっぱりヴァルトンに合流させ様よ・・・ボクが思いっ切り残酷に始末してやるから!」
「そう言う事はオマエよりワシの方が巧い♪あ奴が本当に苦しむ様にしてやるから、コッチにやらせる方が良い・・・確実に苦しめられるし、その方が最終的にオマエも納得出来ると思うぞ」
何かクックと笑いながら爺様は思わせ振りな言い方をしてる。
「なんでさ?」
「あ奴・・・オマエの事も女だと思っていて、ヴァルトンに辱めろと・・・」
カッチ~~~ン!
「そう言えば爺さん!アンタとウェルムの爺様二人で、ボクのコト女として流布する様に手を回・・・・・」
「何の事じゃろな~~~♪」
惚けながら回線切りやがった!
「このクソジジイ、テメエそんな態度なら・・・予定より早くミューズに大人の階段を登らせるぞ!」
「チョッと待て卑怯だぞソレ・・・」
あのジジイ・・・こっそり何処かの回線を残してたな?
ミューズにチョッカイ出す様な事を言った途端、スグにに回線をつなぎ直して文句を言って来た!
でも今度はコッチから遮断し聞いてやらなかったけどねw
その横でミューズは・・・
「お兄さま♪大人の階段って・・・・・」
凄っごくワクワクしながら聞いて来たのでデコピン一発!
「本気にしないの、売り言葉と買い言葉に決まっているだろ?」
ミューズは面白く無さそうに不貞腐れた。
皇帝陛下の爺様からヴァルトンとフェスケーク夫人の密談の内容は全て聞いてる・・・だから対応するのは簡単で、と言うより対応する必要あるのだろうか?
元々コッチは向こうを追い回しに行くのだから、アイツ等が集まってくれるのは願ったり叶ったりと言う物だった。
国が滅んでるのにヴァルトンの申し出に乗るのはヴァイラシアンの残党だろうし、勿論だけど恭順の姿勢を見せといて裏切る奴も居るかもしれないけどソレならソレで不穏分子を労せず焙り出せる。
取り敢えず今の所ボク等は敵の影を追い回すしかないのだが・・・・・
「UNOっ!指定は赤・・・・・」
ワイルド・ドロー4を出したジュリアさんが言ったが、ボクは空かさず宣言する。
「チャレンジ!」
「おのれキッド君!」
途端にジュリアさんが悔しそうに顔を歪めてボクに手札を渡し、中を確認したボクはニヤリと笑って手札を返した。
出したドロー4を取って出せるカードを出し直し、山札から4枚引かせる事が出来た。
そしてボクが数字の札を出し次のミューズに廻すと、
「ゴメンなさい・・・・・」
とドロー2を出したミューズ、するとキャンディさんが・・・・・
「累積有りルールでしたよね?」
と色違いのドロー2を出す。
公式ルールじゃ無いんだけど・・・・・
「あっオレも・・・」
「艦長ゴメン・・・」
急遽同行する事に成ったロイヤルフェンサー第四艦隊のビスタ艦長とミントさんも続いてドロー2を出す。
するとジュリアさんがニヤリと笑って、
「キッド君が引かせてくれたから♪」
更に繋げて10連鎖・・・ぷ〇〇よじゃ無いんだぞ!
仕方無く10枚引くと今度はミントさんが、
「スミマセンね、上司に不利な事ばかりして・・・」
とリバースカードを出し、ジュリアさんの番を逆回転させる。
「アンタ・・・次のボーナスの査定、覚えて置きなさい!」
「怖ェな・・・女の上司は・・・・・」
そんな際をしながら暢気にUNOをしていたが、
「何時まで遊んでるんですか!敵の反応ですよ、艦に至急戻ってください」
通信が入って皆が自分の船に戻った。
「ヴァルトンの身内?」
聞いて見たが、
「いえ艦数8の半端者、逃亡中のヨシュア大尉・・・雑魚です。キッドさんが出る迄も無い、ウチの艦長とビスタ艦長が夕食のデザートを賭けて鴨狩に・・・・・」
本当に平和な戦場だった。




