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ヴァルマーにトドメを刺す!

 ノーダーでガスター内部に突入すると、隔壁が閉鎖されてボク達を閉じ込め様とし始める。

 多分ガスター内の戦闘ポッドも押し寄せて来るだろう、その前に移動しながら破壊工作を進める!


「隊を二つに分けよう・・・」


 ボク皆に言った。


「予想以上に手応え無いから、早々にヴァルマーが逃げ出すかも知れない・・・その前にカブリヌス隊は、港湾部を叩いて内部に待機してる艦を殲滅して欲しい」


「お兄さま申し訳ありませんが、港湾部に到着しちゃいました・・・先にみんなで潰しちゃいましょう」


 ガスター内にある港湾ブロックに着いてしまった。


「こんなに近かったの?」


「港湾部がガスターの一割占めてるんだもん」


 隔壁の横にある非常口をこじ開けて潜ると入って来たボク達に皆が驚き、中に係留されていた艦船が砲塔をコチラに巡らせて来たのだが・・・・・


「まさか自分ちの要塞内で発砲を・・・・・」


 ビーム砲等の射出口が輝き始め・・・・・


「散開っ!」


 非常口を大口径ビーム砲台の荷電粒子砲が貫いた。


「そ・・・そんなにボク等を怖がらなくても良いだろう!?」


 主砲副砲関係無く要塞内で発砲し続ける。


「こ・・・この辺りに係留されてる船の艦長はヴァルマーの縁故関係の様で、自分は高貴な人間だから生き残らせる為に何をしても許されると思ってる様です!」


「ふざけんなよ!?」


 呆れた奴等が自分ちの中で発砲し続け、同時に出航し逃げ様としてる!


「そんな事を言ってる間に敵艦を黙らせて下さい!」


 ボクやジュリアさん達が攻撃を躱しながら逃げ惑ってる間に、ミューズは普段は二つ折りにして背負ってる大口径ビームランチャーの砲身を展開する。

 同時にジュリアさん達はミューズのガードに入ったから・・・・・


「右の2隻は任せた!左の3隻はボクが・・・」


 係留中の艦船は全体的に大型シールドを展開する事が出来ない、設備や補給経路を自分で焼き切る事に成るからだ。

 つまり向こうも丸裸な状態なのだ!


「いっきま~す♪」


 高位貴族の船が多いからだろう戦艦や重巡洋艦など大型で防御力の高い艦が多く、そして大型艦は大きなブリッジが備わってるケースが多かった。

 これは地球の豪華客船の煙突と同じ様に見栄で「立派な艦には立派な艦橋」的な考えがあるらしいが、同時に大型艦は目視で確認が必要なケースが多くスターシップの様にコクピットを内蔵してしまうと運航に支障を来たす場合が有るのだ。

 地球の豪華客船からは見栄の煙突は消えつつある様だがコッチの世界では艦橋を消す事は難しい、その点エルミス級やヴィダーシュペンスティガー級は艦橋を折り畳み内部に収容出来る様に成っている。

 必要無い時は装甲の中に隠して守れるのだ。


「先ずはオマエだ!」


 大型戦艦の艦橋(ブリッジ)の上に飛び乗る。

 シールドを張って無いからこそ出来る芸当、そのまま足元のブリッジにリニアガンを撃ち込んだ!

 艦橋内部で火の手が上がる。


「次っ!」


 砲弾を躱しながら特に五月蝿い砲塔を4基破壊し、重巡洋艦のブリッジに側面から銃弾を浴びせる。

 さらに後方の戦艦の背後に廻り込むと、戦艦の両側面の船外リフレクターが帯電し始める。


「周りを巻き込んでもシールドを張るのか・・・遅いよ?」


 後方からエンジンを銃撃し隣の戦艦を巻き込んで炎上し始め、港湾部が火の海に成る前にミューズ達を呼んで奥に入り込んだ

 戦闘車両の様な物や戦闘用ポッドが出迎えてくれるが、跳ね飛ばし蹴飛ばしながら更に奥へと進む。


「ヴァルマー以外に眼もくれるな!奴の首だけを狙え!」


 皆でミューズのエクセリオンを取り囲んでカードしながら周囲を警戒、ミューズがヴァルマーの位置を捜索してるのだ!


「戦闘ポッドが大量の来るよ!4時方向、気を付けてっ!」


 ジュリアさんが言うと同時にハッチから敵が溢れ出す・・・前にミサイルを()ち込んで全機破壊、ダーグやジュリアさんが白い眼で見ているが気にしない!

 更に砲台の付いたモノレールみたいなのも来るが、コチラもランチャーで叩き落としてやった。


「いくら何でも派手過ぎるんじゃ無いか?」


「わざと派手にやってるんですよ・・・・・」


 頭に?マークを浮かべているダーグ達にミューズが言った。


「見付けました、内部通路をCF28からRF3へ移動中!」


「RF・・・港湾部へ逃げるんじゃないのか?」


 エクセリオンのバーニアを吹かす。


「外に逃げ出す勇気が無いでしょうけど、それ以前にガスターなら お兄さまの事を食い止められると思ってるんじゃないですか?」


「甘い奴だね」


 内部通路のハッチを蹴破ると中に飛び込んだ。

 ジュリアさんとダーグは続こうとしたみたいだが、その前にミューズのエクセリオンが立ち塞がって進行を阻む。


「ちょっとミューズ様、何を?」


「ここで私達はお待ちしております」


 ミューズがボクに言った。


「ミューズ何を言って・・・」


 ダーグが言い掛ける。


「私達はココで敵の進行を食い止めます。お兄さまはヴァルマーをお願いします」


 やはりボクの事を一番解ってくれているのはミューズだった。


「ありがとう・・・」


「その代わりに無事帰還をお約束下さい」


「必ず帰る」


 ボクは通路の中にエクセリオンを踊り込ませた。




「一人で行かせて大丈夫なの?」


 敵に発砲しながらジュリアが言った。


「一人じゃなきゃダメですよ、お兄さまはヴァルマーを前にした自分を私達に見せたく無いでしょうし・・・・・」


 ミューズも敵を狙撃しながら言った。


「つまりキッドはヴァルマーを?」


「まあ思いっ切り残酷に殺しにかかるでしょうね」


 久し振りに殺気を抑え切れないキッドを一番身近で感じてたミューズが零した。




 RF17からRF3までは5分も掛からない。

 その短い時間にボクはヴァルマーに追い付かなくては為らなかった。


 だがミューズが既に敵の進路を解析済み、ヴァルマーはボクが狙いそうな第1司令部では無く第4司令部で指揮を執る積りらしい。

 浅はかな奴である・・・どこに隠れようと命令伝達経路を解析すれば一発で判明する、その点ミューズは非常に優秀な解析能力を持っていた。


 しかも運の良い事に奴の移動経路は目と鼻の先、奴の乗った車両が眼の前に現れて・・・ボクは即発砲した!

 車両と言っても自動車の様な自走タイプで無くチューブ状の通路を走るモノレールみたいな奴、ファルディウスで見たチューブライダーと言う乗り物に似ている。

 ボクの放ったプラズマ榴弾がチューブを吹き飛ばし、その中から車両が飛び出して来た。


 少し待ってると引っ繰り返った車両の中から人々が這い出し転げ落ちる。

 その中で一際装飾過多で素材だけは良さそう(デザインとセンスは最悪)な着衣の男が・・・データ通りの偉そうな顔に肥満体、間違える筈も無いヴァルマー本人だ。


 ボクは何も言わずに・・・奴の両足いや下半身をエクセリオンで踏み付け、外部の音は拾って無いが汚らしい絶叫が響いただろうな♪

 ボクは如何しても奴に直接言いたい事が有って、エクセリオンのコクピットシールドを開いて上半身を乗り出した。

 銃を構えた兵士が2人居たが問答無用でM69を引き抜いて発砲、頭部を吹き飛ばされた死体が2体転がった。


 他に抵抗しそうな人間は見当たらないし隠れても居無い、ボクは銃を持ったまま上半身を外に乗り出すと下半身を踏み潰されてる奴に向き合う。


「こんにちわヴァルマーさん、あんたの所為で寝付きが悪くなった一般市民です♪その腹癒せにアンタの事を嬲り殺しにする為に来ました!」


「なんだと平民の分際で貴族た・・・ギャァァァァ~~~~~ッ!」


 甲高い悲鳴が上がった。

 下半身を踏みにじったのだ!


「貴族だろうが何だろうが関係()ェな!そもそもオマエ自身、自分が罪を犯したなんて思って無いだろうし・・・・・」


 ヴァルマーが恐怖に眼を見開いた。

 奴を踏み付けているエクセリオンの右脚、その脛にあるバーニアの内部が発光し出したからだ。


「ま・・・待て!」


「待た無ェな・・・オマエは平民のボクに殺される事だけ自覚してれば良い!」


 脛のバーニアがアイドリング状態に入ると、死ねない程度に焙られながらヴァルマーが悲鳴を上げる。

 コクピットを閉じて周囲警戒レーダーを起動、アイドリングのまま死ぬまで何時間でも焙ってやる積りだったが15分ほどで絶命したらしい。


「たった15分苦しんだだけか・・・オマエの犯した罪に比べたら軽いんだから感謝してくれ!」


 最後にバーニアをふかして消し炭にして吹き飛ばすとボクはミューズの元に帰る。

 ミューズはボクの邪魔をされない様にヴァルマーの救援に訪れる敵を迎え撃つ積りだったが、結局 救援隊は組織されなかったのか来る事は無かった。

 それ処かガスターの敵も意見は降伏に傾いており、ヴァルマーの死を確認するとジェリス艦長のラグナレクに降伏の申し入れが入る。


 そうしてガスター要塞攻略戦は終了した。

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