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ミューズは帰って来た♪

 コチラの世界では既存の技術で特別なモノでは無いが、相手の位置を特定出来てるならAD通信と言うタイムロスの無い通信が使える。


 ちなみに本来なら光の反射を見る特性上、何光年も先の物を望遠鏡で見ても、それは何年も前の状態が見えている計算に成る。

 それほど遠くの映像をリアルタイムに見る事が出来る❝AD望遠❞と言う技術も有った。


 ADとは亜空間や異次元を意味する❝Another Dimension❞の略で、宇宙に進出した人類に欠かせない技術だった。

 ただレプトン通信に比べてエネルギーの消費が激しいんだ!


 で何故そんな事を言ってるのかと言うと・・・ファルディウス帝国・首都星ミューズに大至急連絡を取る必要が有ったからだ。

 眠り姫が目覚めたのだから保護者に一報してやらないと、ジェネレーターを全開で廻しミューズが起きた事を知らせて上げた♪


 ただ陛下の返答は「スグに行くからソコから動くな!」って親の敵にでも言ってる様に聞こえる!

 まあ来ると言うならコチラとしても待つしか無く、何と言っても相手は帝国の最高権力者だ。


 コチラはコチラで取り合えず必要なモノを用意しなくては成らないし・・・・・




 ジェリス艦長を始め偉そうな人達が十数人集結し、スターシップに乗り込んで来た・・・のだが、ミューズに叱り付けられ追い返される。

 ところだったが流石に可愛そうなので謁見の機会を設けて上げた・・・ただし待つのは狭い連絡艇の中でだった。

 そこで反省しながら待ちなさい!


「コレを持って来てって頼んだんだから、ミューズが如何言う状況なのか見当付くでしょ?まあ着るモノを用意して無かったボクの落ち度でも有るんだけど・・・・・」


 彼女の部屋を用意しなくちゃとは思ってクセに、その前に着る物の事はスッカリ忘れていた!

 アイスコフィンでのスターシップ大改造、あの時にボクの衣類コンテナが出て来て、その中に一緒にミューズの服も入っていた。

 ところがファーレンで纏めて購入した為、自分の衣類に不自由して無くコンテナごとアイスコフィンに置き忘れて返して貰うの忘れてた。


「こんな恥ずかしい恰好を私にさせる為、ワザと忘れて来たんじゃ無いのですか?」


 ボクも男だしスケベ心に溢れてる事は認めるが、ホントにタダ忘れただけで意図的である事は断じて否定する!

 しかし敢えてボクは忘れた自分を褒めてあげたい♪


 そう今ミューズさんは、恋人にさせたいHな恰好の永遠の第一位❝全裸ワイシャツ❞なのだ!


 取り合えずココさんだけ、連絡艇から降りて貰い一緒に来て貰う事にした。

 お着換えの手伝いが皇女様には必要だろう。


 シャツのボタンを一番上まで閉じ、裾を掴んで捲れない様にしてるミューズは凄く可愛かった♪

 女の人でも想いは同じらしく、ココさんはボクに向かって親指を立てている。

 この世界でも同じ意味のサインの様だ。


「お手数をお掛けしますがヨロシクお願いします」


 そう言って服を脱ぎ出すミューズにゲンコツを落とそうとしたが、頭部の治療直後なので遠慮し代りに頬を抓り上げた。

 せめてボクが後ろを向くか退室してから脱ぎなさい!


 結局ミューズに居て欲しいと言われ、衝立の後ろで待機する事に成ったけどね。

 最も教育上叱ったが、コッチも健全な男の子で欲望は抑えられない。

 衝立の隙間からコッソリ・・・思わず手を合わせて拝んでしまった!


 ところでミューズの手術はナノマシンと極細内視鏡による近未来的なモノ、耳の後ろに小さな手術痕が有るが数日で完全に消え痕跡は残らない。


「先程ラグナレクにも連絡が有りましたが、陛下が大急ぎでコチラに向かってますよ♪殿下の事が、余程心配だったのでしょう」


 ココさんに言われ、ミューズが含羞(はにか)む様に笑った。


「大分お爺さまには心配をお掛けしました。如何恩返しをしたら良いのか、自分でも解りません」


 そう思ってる様だが、


「ボクがアノ爺さんなら、恩返しなど考えた事でゲンコツ落とすよ!まともな肉親なら心配したり助けるのは当然、ミューズの両親が異常過ぎるんだよ」


 そう言ってミューズの着替えを覗いてた。

 ココさんが用意してたのは女の子用の軍服で、帝国軍の場合は下だけパンツ(ズボンの方ね)かスカートを選ぶ事が出来る。

 ココさんに呼ばれて衝立から出ると、そこには階級章や勲章の付いて無い軍の制服を着たミューズが、含羞(はにか)みながら立っている。


「ウン可愛いね♪とても良く似合ってるよ」


 本心から言った途端にミューズがボクの胸に飛び込んで来る。

 本当にカワイイ奴だなミューズは・・・・・


「クソ~ッ、タダでさえ手強い敵が居るのに・・・更に手強いライバルが現れたか!」


「ココさんってボクの事、そう言う眼で見てたんだ?」


 言葉の意味を理解して言った。


「当然じゃない!モロ好みドストライクなのに・・・って気付いて無かったの?!」


 そんな事を言われても・・・・・


「気付かせるには、ココさんは悪巫山戯(フザケ)が過ぎたかと思いますよ・・・しかもお友達まで一緒に成って!」


「アウッ!」


 ミューズに言われてココさんは撃沈した。

 アレは照れ隠しだったんだ・・・ならピチピチのボクサーブリーフとかヤリ過ぎたよね!


「それにジュリア中佐だって、お兄さまの事を狙ってますよ!気付いてませんでしたか?」


 ミューズはアリスに接続され、そのオペレーションシステムになってたから・・・その間にカチューシャを通じてボクのプライバシーを全て網羅されている。

 まあ隠すほどのモンじゃ無いけどね♪


「アッチはアッチで弟か何か、子ども扱いしかされてない様な気がしてた・・・・・」


 ミューズは深々と溜息を吐いた。


「お兄さまは兎も角・・・お姉さま方もポンコツ過ぎますね!もう少し異性には明確な感情表示(アピール)しましょうね」


 ココさんは苦笑いしながら、微妙にダメージを受けていた。




 さて休憩室で偉い人に囲まれ謁見とやらをする事に成ったミューズ、ラグナレクへ移動させ様とする人々を正論で蹴散らした。

 もっとも移動を勧める彼等も悪意や打算で言ってる訳では無い様で、未婚の男女が的な話や小型艦のスターシップより大型のラグナレクの方が居住性が良いだろうと言いたいらしい。

 マア今更の話だが仕方ないかも知れない・・・この人達の大半はボクとミューズの状況も詳しく知らないのだ。


 ちなみにスターシップの性能を片鱗でも知ってるジェリス艦長は、司令官のクセに配下の方々を放置している・・・言うだけ無駄なのは解ってるのだ。



「間違いですか・・・もし起こるなら大歓迎です。お兄さま、責任取って下さいね♪」


「起きてから言ってくれ!」



「安全性に居住性ですか?このスターシップより、それが高い船が有るのなら是非見せて頂きたいのですが・・・・・」


「確かにソファの座り心地も寝心地も最高、食事だって最高に美味しいね♪」


「ココさん・・・それボクのブランチ何だけど!」


「それに我等の艦隊全艦で襲い掛かっても、絶対に勝てない事は私が保証するよ。マダ何か隠し球も有りそうだし・・・・・」


「ヤダな~、そんな物ある筈無いでしょ!ジェリス艦長ったら(汗)」



 そんな感じで論破され続け、結局偉い人達は引き上げて行った。

 後に残ったのはジェリス艦長とクランキー大尉、それにココ少尉の3人だけだった。


「スマンね・・・アイツ等も悪気が有って言ってるんじゃ無いんだ。だが何分ミューズ殿下は未婚女性で、キッド君と2人切りと言うのは体裁が悪い」


 実際イロイロ理由を上げて来たけど、本音はソコ何だろう事は想像がついていた。


「ところで明日には陛下も近くにワープアウトするが、今後キミ達は如何するんだ?いやキミ達と言うよりミューズ殿下を如何するのかと言う方が正しいね」


 まあ当然そこに話が行くよね。


「それは勿論ミューズが望むままにですね」




 銃を分解して磨いてる・・・使わないに越した事は無いが、使う時は常に躊躇わず必ず撃てる様してある。

 格納庫の端にシューティングレンジを作ってあり、試し打ちを数発してから弾丸を詰め直し、そしてセーフティを掛けショルダーホルスターに戻した。


「お兄さま、お茶が入りました」


 オヤツを持って来てくれ、ボクは笑顔でコンテナの上にミューズと並んで座った。


「予定では到着は夜に成るらしい。元気な所を見せてやるんだ・・・きっと爺さん喜ぶぞ」


 一帝国の皇帝に爺さん呼ばわりは失礼だが、ゲンコツ落としてくれた仲だし勘弁して貰おう。


「爺さんはミューズを手元に置きたいと思うだろうね」


 ミューズが黙って頷いた。


「ボクは一緒に来て欲しいけど、ミューズは如何考えてる?前から言ってるけど、ボクはキミの意思を最大限に尊重する」


 他に言い様が無い。

 彼女の人生を決めるのは彼女だ。


「お兄さまが私を手放したく無いのは・・・可愛い()()と離れたく無いからですか?」


()()()()()()と離れたくないから・・・だ!ボクはミューズの事を一人の異性として好意を持ってる」


 ミューズがボクの首っ玉に齧り付いた。

 お願い止めて、お茶が零れてて熱いったら!


「私も一人の異性として、お兄さまが大好き・・・愛しています」


 ミューズは涙を浮かべている。

 ボクは・・・黙ってミューズの唇を塞いだ。


 そのまま暫らく時間が流れる。


「流石に今はココ迄だね・・・この先は、もう少し大人に成ってから・・・イタッ、チョッと痛いってば!ゴメン、ミューズさん許して!」


 照れ隠しに余計な事を言って、抱き合ったまま尻を抓り上げられる。


「お兄さまの馬鹿・・・気分台無しです!」


「だってコレ以上は、お互い流石に早過ぎ・・・解りましたっ!もう言わないからオシリ抓るの止めて!」


 怒るとミューズさん怖い。

 あっ!


「そうだ・・・ミューズに御仕置されて、大事な事を思い出した!」


 ボクはミューズを抱き寄せると、膝の上に乗せてスカートを捲りショーツをペロンと下ろす。

 我ながら手際が良い・・・ボクはスケベなスキルって高いよね♪


「チョッ、お兄さまのHっ!一体何を・・・・・」


 狼狽えるミューズ。


「全裸で抱き着いて来た人が、お尻を出されただけで騒ぐんですか?」


「だってアレは・・・・・」


「流石に端無(はしたな)い事だと思いますから、兄として罰を与えなければと思ってたんです!」


「そ・・・そんな事は・・・・・」


「そう言えばシィーゲルを一時的に離脱した際、非常時でも無いのに段階加速を無視して、行き成りハイパードライブにブチ込んでブッ千切ったよね?」


「それは、その~~~」


「それにミューズさん、どんなに些細な事でも、身体に異変が有ったら言う様にボクは言いましたよね?」


「そ・・・それはっ!」


「・・・その狼狽えよう、やっぱり自覚してたんだね?」


「チョッと倦怠感や目眩が有ったけど、疲れてるだけだと・・・・・」


「それでも言う様にボクは言ったよね!」


「アウ~~~ッ」


 ウ~ン、怯えてるミューズさんカワイイ♪

 でも許して上げない!


「それぞれが本来は百叩きにしなければ成らない重罪だけど、流石に300発も叩いたらミューズのオシリが壊れちゃうからね!3つ分を纏めてオシリ百叩きで許して上げる♪」


「ア~~~ンッ、お兄さま許してっ!」


「フッフッフ、甘いよミューズ君!こんな美味しいチャンスをボクが逃す筈無いだろ?」


「お兄さまのオニ~ッ!アクマッ!Hっ!スケベッ!」


 正直先に出た2つは許しても良かった・・・まあ兄貴分としてや船乗りとしてはNGだけどね!

 でも危険な状況で躰に不調が有った事を黙ってたのだけは許せない!

 ボクは(チョットだけ楽しみながら)ミューズの尻を100回平手打ちした♪


「悲しいな~~~っ、これもミューズが再び間違いを犯さない様にと言う愛の鞭なのに♪反省が足りない様だから、もうチョッと追加しとこうか!」


「ピェ~~~~~ンッ!」


 元気に成ったミューズの鳴き声が格納庫に響いた。




 その翌日の夜半・・・皇帝陛下の爺さんが護衛の艦隊と共にシィーゲル小惑星群に到着する。


 朝方にも「やはり皇帝との謁見に成るのだからラグナレクに来ないか」と言われ、その位なら良いじゃないかとボクからもミューズを説得し承諾させた。

 ところが今度は陛下の方が「んな事せんでも良い」と言って、スターシップと爺さんの乗ってる船を直接❝連結アーム❞で接続する事に成った。

 いや実際そう言う風には言わなかっただろうけどね!


 皇帝の座乗艦アトロペルスは全長3585mも有る帝国最大の戦艦だった。

 スターシップも帝国規格に合わせてあるから接続アームで連結出来て、旅客機の搭乗口位あるアームの付属通路で移動可能だった。


「ミューズ・・・」


 それ以外何も言わず、皇帝陛下はミューズを抱き締める。

 その周囲を報道機関らしい人達が遠回しに囲み、カメラの様な物を操作している。

 カメラも進化した様でストロボ光は無い。

 そのまま2人は無言のまま抱き合っていた。


「明日の新聞の見出しは全面ミューズ様だな・・・悲劇のヒロインが勝利の女神となって帰って来たんだから」


「その御蔭で悪徳貴族や腐敗軍人を一掃出来た・・・まさしく帝国の女神だね」


 そう言う声が周囲の人から聞こえて来る。

 すると泣いて赤くなった眼をしたミューズがボクの所へ来て、コッチに来いと言いながら腕を引いて陛下の前に行こうとする。


「何だよ!感動の対面中だろ?」


「お爺さまが如何しても、お礼が言いたいと・・・・・」


 陛下の前に連れ出されると、行き成り陛下に両手を掴まれる。


「オマエには幾ら礼を言っても気が済まん程だ・・・本当に良くやってくれた」


「ボクは自分の好きな女の子を助けただけ、礼なんか不要ですね♪」


 気さくな皇帝は軽口で言い返す。


「そんな事を言ってると恩賞とか出さないぞ!」


「要りませんね・・・ミューズが生きている。それだけで十分いや二十分だ」


 そう言ってミューズの頭を撫でる。

 眼を細める仕草が可愛い♪


「そう思って下さるなら、もう少し優しくして貰えませんか?悪いのが私の方なのは解ってますが、それでも罰にオシリ百叩きは・・・・・」


 すると陛下の両手が今度はボクの顔に伸びて来た。

 左右の頬を摘まむと、そのまま抓り上げる。


「オマエはマダそんな事をしとるのか?嫁入り前の娘に、そう言う事をだな・・・・・」


 コチラも負けずに爺さんの両頬を抓り上げる。


「お言葉ですがミューズは、されるだけの事をした相応の罰です!」


「ほう何をしたのだ?」


 ギリギリと(ちから)を込められるが、コッチも負けずにやり返す。


「危険時でも緊急時でも無いのに機関を半停止状態から行き成り全力航行、陛下も船造りが趣味なら危険かつ船に悪い事は判りますよね?」


「だがな・・・・・」


「それにミューズは全快し嬉しかったと言え、寝ているボクの所へ全裸で来て、そのまま一緒に寝てたんですよ?幾ら何でも端無(はしたな)過ぎるでしょう?それでも叱るなと言うなら、今後はそのまま❝頂きます❞しちゃいますけど?」


「イヤそれは少々早過ぎるだろ!」


「そして何より身体の不調は包み隠さず申告する様に言って有ったのに、その事を内緒にして黙っていた事です。おかげで肝を冷やしました・・・手遅れまで1~2年しか無かったんだから」


 陛下は少し考えると言った。


「解った・・・私の方が間違っていた。だから手を離せ・・・痛い!」


「先に陛下が抓り出したんだから、離すのも陛下が先ですよ!これだけは絶対に譲らん」


 結局そのまま硬直してたボク達は、ジェリス艦長の「二人とも大人気無い」の一言で手を離した。


 翌日の(当然データで配信される)朝刊はドコの新聞も、ボクと陛下が互いの頬を抓り合う画像だった。

 その時にボクにオシリ叩きされた事もバッチリ書かれ、ミューズが赤面しながら悶えるのだった。




 流石は皇帝の座乗艦、豪勢な食堂が完備されている。

 そこで茶を楽しみながら、今後の話し合いが始まった。


「先に言っておく、私はミューズを手元に置きたいと思っている」


「ボクも言っときますが、手放す気は一切ありません!」


 ボク等は互いにニッコリ微笑み合うと立ち上がり、互いの頬に手を伸ばそうとした。


「お爺さま、お兄さま、ここは真面目な話し合いの場です。大人気ない子供の様な真似をされるなら・・・私も子供を相手する様な対応しても良いですよね?」


 そう言って袖を捲り上げるミューズさんはチョッと怖い。

 ボク達(おそらく皇帝も)は心の中で舌打ちしながら、互いの席に戻って座った。


「何より最優先すべきなのは、ミューズの意志だとボクは思います」


「それに附いては同感だ」


 ボク達は同時にミューズの方を向いた。


「お爺さま、ゴメンなさい・・・私、お兄さまと・・・・・」


「クッ!」


 悔しそうに拳を握り締める皇帝陛下に、ガッツポーズを決めるボクだった♪

 そのボクの頭をコツンとゲンコツを落とすミューズさんは、何か強く成って無いか・・・(ちから)じゃ無くて内面的なモノがさ?


「フンッ、やはりそう成るか!予想は付いとったさ・・・だがな、少しくらい躊躇ってから答えても良かったんじゃ無いか?」


 ミューズが即答でボクに付いてくと答えられた事が、非常に面白くなかった様だ。

 まあ気持ちは分かるけど、残念ながら勝者はボクだ♪


「まあヒロインはヒーローに助けられ、最後は結ばれるのが王道だ。文句は言わん、ヒロインを助けたのは紛れも無くキッドなんだからな!」


 と言うモノの納得は出来ない感じだ。


「反乱軍が片付いたら、首都星ミューズに一度来て貰う。その後は好きにすると良い・・・だが連絡だけは取れる様にしてくれ」


「残念ながら暫くは無理です」


 皇帝が怪訝そうな顔をする。


「コチラの世界にはマダ稼働している可能性が有る、先古代文明の遺跡が後2か所残っています。失礼ながら現在の皆さんには過ぎたモノと言わざるを得ない・・・文明が成熟するまで❝彼❞の遺言に従い封印させて頂きます」


 彼が眠る前にボクに託した依頼だが、実際に管理するのはアリスに成る。


「帝国内では無いんだよな?」


「そうですね・・・だから帝国とは関係の無く、内容も陛下達には話しません」


 なんせ残りの2か所はファルディウスの宿敵ヴァイラシアン帝国の領域内に有るのだ。

 下手に動いたら全面戦争の火種に成ってしまう。


「で出来たらソノ間は・・・・・」


「私にファルディウスで留守番してろと言うなら・・・・・」


 彼女は合成樹脂製の木刀を取り出した!

 ボクが起床時に振ってる奴だ・・・いつの間に持って来た?ドコから出した?


「危険だからって地球に置いてったら、お兄さまは私に初めてオシリ百叩きしましたよね?なのに私を置いて行くと言うなら、今度は私がお兄さまを百叩きです」


「チョッと待て!それで100回殴ったら、普通に死ぬぞ!」


 お姫様のクセに片手で木刀を保持しながら、肩の上をポンポンと叩くの止めなさい。


「当然止めに入る様な方も(ちから)尽くで排除する積りです」


「オマエ・・・本当に強くなったな?」


「コ・・・コンナ子じゃ無かったぞ、失踪前は・・・キッドお前の影響じゃ無いのか?」


 失礼な!・・・と言いかけて反応が止まった。

 正直自信が無い。


「影響が無かったとは言いませんが、直接の原因は両親だと思います。自分の身は自分で守るべきだと、身を持って教えてくれましたから♪」


 顔を見合わせたボクと陛下は、深~く溜息が出て仕舞った。

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