表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/110

ドミニオから戦争が始まった④

 あんまりユックリしてる時間は無いけどティファさん達は無理矢理休息、コンバットハイとかガンマンズハイと言われる様な状態に陥ってたからだ。

 当然ジーンさん達にも休憩・・・勿論ボクも休憩し、ノーダーの整備と補充はポップさんとドローンの皆さんでやって貰う。


「休憩しながら聞いて・・・」


 ボクは地面に大の字になったまま言った。


「後15分もすればミューズに追い立てられてゲイドの艦隊がやって来る・・・いやミューズの事だから艦隊では無く単艦にして追い掛け回して来るかも知れないけど、まぁそんな事は如何でも良い」


 周辺にはジーンさん達とティファさん達が、いや着陸したジョシュアさん達もボクを囲む様に座ったり寝転がったりしてる・・・何だかんだ言って皆が疲労困憊なのだ。


「その間は当然ゲイドと取り巻きが・・・キミ達に一番酷い真似をした奴らが乗ってる!」


 彼女達の貌が歪んだ。


「ハッキリ言ってキミ達はチームとして戦うならAAAの評価が出来るノーダー戦部隊、だけど今回は初戦な上AAAと言う事とノーダーの性能を加味してもキミ達だけで戦わせるには厳しい」


 怒りで歪んでた彼女達の貌が今度は屈辱で歪む・・・


「だけどボクはキミ達の意思を尊重する・・・自分達で今迄の屈辱を晴らしたいと思う?」


 スクッとティファさんが立ち上がって言った。


「やらせて下さいっ!絶対に後れは取りません・・・」


 うん良い貌をしてるね♪

 こう言う貌をしてる奴をボクは好きなんだ♪


「いいよ!キミ達の好きにして・・・でもキミ達が危ないと思ったら、ボク達は問答無用で介入する。そのタイミングは各セクションのリーダー、つまりボクとジーンさんとジョシュアさんが判断する。文句は言わせない・・・解ってるね?」


「はいっ!」


 ティファさんが威勢良く返事をすると、何時(いつ)の間にか上体を起こしてたグランティア勢の面々も力強く頷いた。


「お兄さま・・・そちらには後50キロ程の距離まで迫りました」


 カチューシャ越しにミューズの通信が皆の脳裏に響く。


「じゃあ行ってらっしゃい、無事に帰還出来なかった悪い子は、アイギスお母さんからお尻ペンペンのお仕置きだからね!」


 場を和ませる冗談の積りで言ったんだけど・・・ティファさん達の貌が蒼くなったのはチョッと面白かったね。


「全員搭乗っ!」


 ティファさんが叫ぶとグランティアの女の子たちが全員ノーダーに飛び乗った。

 すぐ起動音を発してノーダーが稼働状態に、重々しい足音を立てて彼女等の乗ってる新型ノーダーが歩き出す。

 名前考えなくちゃね・・・いやコイツはポップさん達が造ったのだから、彼等に名付けさせるのが筋かな?

 それにスターシップで運用するか、ファルデウスと友好国に売り付けるかは決まって無いんだし・・・マァそれは後で決めても良いね!


「じゃあボク達も・・・」


「それよりキッドさんの方が大丈夫なんですか?」


「隠れて彼女達の援護に徹して・・・実質ティファや私達より、アナタの方が疲労してる筈でしょう!」


 見抜かれてたか・・・彼女達をコッソリ狙う不埒な敵を蔭でバッサリ切伏せてた。

 いや実は・・・


「新しい武器が気に入ってチョッと調子に乗ってただけなんだけど・・・・・」


 いや日本のリアルロボットアニメの名物、光学兵器の剣が出来ちゃったから・・・ノーダー相手なら良心の呵責なく斬れるし、最も今回に限ってはノスモー兵が搭乗してたってボクは遠慮なく切伏せてたけどね!


「大丈夫・・・ノーダーにはバイタルセンサーも搭載されてる、自分の調子が悪くなったら素直に引っ込むよ。それでも前に出たら後でミューズが怖いしね」


 ジーンさん達が微笑を浮かべた。


「さあ行こうか・・・マダマダ彼女達には子守りが必要だ」


 そう言うとボク達もノーダーに、ジョシュアさん達はアイアンイーグルに走って行った。


「よしシステム、オールグリーン・・・エクセリオン行くよ」


 ボク達はG地点に指定されてた突き立ってる廃棄宇宙船の天辺に成ってる場所、後部甲板の壁面から地面に向けて飛び降りる。

 廃棄船は頭から地面に突き立ってるからね、当然ボク達が床の代わりに踏み締めてたのは宇宙船の前方よりの壁に立ってた事に成るんだ。


「さっきまで阿鼻叫喚の地獄絵図だったんですがね・・・」


 ニアさんが独り言ちる。


 そう()っき迄ノスモー兵の泣き叫ぶ声が響いてたのだが、その叫び声も今では静まっていた・・・まあボク達が休んでた廃棄宇宙船の後部甲板までは届いちゃいなかったけどね。

 この程度の時間苦しんだだけで死ねたのなら幸運だと思った途端、藪からノスモーの士官らしき奴が飛び出して来る・・・が途端に小型の恐竜も飛び出して来て彼の胴体を咥えると茂みの中に消えて行った。

 もっとも小型の恐竜と言えスリムながら体重だけならグリズリー以上、体長は2倍 体高も1,5倍は有ると目測出来た・・・茂みの中から哀れな彼の悲鳴が響いたが同情してやる程ボクは優しくない。


「お兄さま」


 ミューズの声が頭の中に響く。


「敵が増援を送って来ました・・・艦影は突撃艦3隻のみですが背後から執拗かつ的確な攻撃を、如何やらティファさん達にデカい(ツラ)をしてたゲイド達よりはマシな連中らしい」


「ミューズ、いくら何でも言葉使い悪いぞ」


 流石に注意しながら言った。


「申し訳無いけどジーンさん達がいないので、砲撃手の手が足りずコッチで対応し切れません・・・でも直撃は出さずにゲイド達だけは何としてもティファさん達の前に・・・・・」


「無理はするなよ」


 無理したら後で❝お尻叩きの刑❞に成る事が分ってるから無茶しないけどね、もっとも無茶する様な御バカはミューズもとっくに卒業してる。


「これだけは許したく無かったんだけど・・・敵の突撃艇が戦闘ポッドを展開し始めました。数が多過ぎて撃ち落とせない・・・・・」


 相当悔しいのだろう声から気持ちが伺える。


「ミューズは十分良くやった、後はゲイド達を処刑人の前に引っ張り出して、その後で敵の突撃艦を撃沈すれば良い・・・戦闘ポッドはボク達に任せろ!」


 そう言うとボク達はティファさん達の前に出て、ゲイド達を無視して進むと上空に展開する敵の戦闘ポッド部隊に肉薄した。


「ミューズは戦闘ポッドと言ってたけどアレは航空機の類じゃ無いのか?いや違うな・・・実際 見るのは初めてだけど、あれは敵対国側の新型の戦闘ポッドで・・・・・」


 望遠センサーが捕らえた敵影を見ると同時に、アリスのデータバンクから該当する敵機の情報と三面図がモニターに表示される・・・いやボクの視界にカチューシャ経由で投影させてるのか?

 その情報だけなら眼を通した事がある・・・あれは大気圏内専用の新型戦闘ポッドで、航空機型から戦闘ポッドに変形出来るタイプ・・・ただし航空機部分は切り離して投棄しちゃう非効率な戦闘ポッドだった。


「あんな設定のを有名リアルロボットアニメの劇場版で、まあボクはブルーレイでしか・・・は如何でも良いけど、ああ言うの見てるとポップさんがマタ何かスターシップで悪企み始めそうな気がする」


「ギクゥ・・・」


 暫くの沈黙が流れた後、


「ポップさん・・・態々擬音を口から発すると言う事は既に何か造っているね?それもアンナ感じのドウシヨウモナイ新型機を・・・・・」


「失礼なっ!」


 気分を害した様で不機嫌そうな声に成るけど・・・


「どうしようもない事なんか無いと思いますよ!航空機部分は切り離して投棄なんかせず、背面バーニアとして変形後も機動力向上に利用出来る様に設計を・・・・・」


「うん造らなくても良いから・・・まさか?」


 嫌な予感がする・・・そして多分当たってるなコレは!


「エ・・・エクスカリバー2は近日公開予定で・・・・・」


 試作機迄は出来上がってるなコリャ・・・・・




 まだレーダーとかでボク達の事は捉えられて無いらしい・・・スターシップは元より、スターシップに搭載されてるノーダーや戦闘機の類はチョッとチートなステルス技術が使われているからね!


「先ずは一機・・・みんな発砲用意・・・撃てぇっ!」


 まあ咄嗟にってのは如何しようも無いけど、仲間が照準を合わせてる敵機は表示されてるので皆が違う敵を狙って発砲出来る。

 だから綺麗に8人で8機の敵を撃墜・・・続けて第二弾・三弾も、ほぼ的確に敵機を打ち落として行った。

 だけど敵だって黙って撃ち落とされるだけじゃ無い・・・すぐに変形・・・と言うほどじゃ無かったね、手と言うか砲台と脚を畳んで戦闘機の下に搭載されてた戦闘ポッドが、それを伸ばしながら地表に降下して来る。


「こうして見ると航空機部分は大して残って無いのかな・・・でもヤッパリ投棄するほど、少ない資源じゃ無いと思うんだけど」


 せめて自動で母艦に帰還出来る様に成らなかったのかな?


「相変わらず数の上では圧倒されてるのに余裕ですね?」


「敵機の数は約120・・・」


 ジーンさんとフォスターさんに注意されると言うか呆れられてるけど、


「何か問題ある?一人当たり20も満たない戦闘ポッドの相手何て・・・・・」


「いや普通なら十分脅威なんですけどね(笑)」


 ニアさんも呆れてるけど、


「そんなコト無いでしょ?確かに普通のノーダーに搭乗員ならわかるけど、皆が乗ってるのはスターシップ性のノーダーなんだし・・・それに皆 特Aクラス以上のパイロットじゃ無いか」


 ジーンさん達は先古代文明時代の軍隊で、一般レベルの兵士をBそしてベテランの腕利きをAクラスと仮定すると最低でもAA以上のクラスに該当・・・それはスターシップでミューズの御守りして貰ってるダーグが判定してるから間違いは無いと思う。


「ファルデウス軍 正規兵パイロットの平均クラスはB+(ちなみに訓練終えたばかりの新人さんはC-からD)位・・・その彼等がカブリヌスに乗ったって最新鋭戦闘ポッド相手に3機から5機同時に相手出来るんだから楽勝だって!」


「一人アタマ20機相手にしてですか?」


 とチョッとフォスターさんがジト眼で見て来た。


「この程度の試練を(こな)せない様じゃスターシップのクルーとして失格だよ?その時は下船して貰うしか・・・・・」


「その時って死体袋に梱包されてでしょうに・・・来ますよ、油断しないで!」


 チャンと前は見てるさ・・・さあ接敵、戦闘開始だ!




 ボクが先頭を切って敵の中に飛び込み、囲まれて敵兵から集中的に砲火を受ける・・・けどソレを躱しながら反撃し、同時に外から包む様にジーンさん達が敵を撃破して行く!

 それに対応し様と機首を巡らせたらコッチのモノで、その時はボクが背を向けた敵機の背中を無慈悲に撃ち抜いて行った。

 こう言うと簡単そうに聞こえるだろうけど実際は首の皮一枚の・・・エッ、簡単には聞こえないから安心しろって?


 まぁ後ろでジーンさん達がギャーギャー文句を、いやカチューシャからもミューズがギャアギャア・・・いやボクは余裕を持ってヤッテるんだから、キミ達も自分の戦闘に集中しなよ!


 マァ・・・自分でも非常識な戦法だと思うね♪


「しかし・・・この戦闘ポッド、ヤケに動きが良く無いか?」


「それに反応も良いですね・・・確かポイゾニアとヴィエンドの共同開発だっただろう?」


 ジーンさん達が言っているが、ボクは敵と対峙した敵を撃破しながら或る確信をもって言った・・・・・


「この戦闘ポッド・・・多分だけど有人だ!搭乗員・・・パイロットが乗り込んでるんだよ」


 と言いながら敵機を一機撃破する。


「驚きましたね・・・それはマタ前時代的な・・・・・」


「フォスター・・・アンタ今何に乗って戦闘してるんだい?」


 呆れた様にニアさんが言った。

 まあノーダーと戦闘ポッドの違いって言ったって、有人の人型または半人型機動兵器ってコト位しか変わりないからね!


「まあ仕方無いさ・・・リモコン操縦よりAI任せより、人が乗り込んだ方が圧倒的に動きも反応も良いんだから」


 これ迄そう言う戦闘精度の物量で埋め尽くす事で対応して来たみたいだけど・・・まあ人型兵器もロマンだけでパイロットを載せてる訳じゃ無いんだよね♪

 ボクは前方から乱射してきた敵に飛び掛かり一機を飛び蹴りで、もう一機を手にした他銃身機関砲(ガトリング)で蜂の巣にしながら・・・ドン引いて硬直してる敵機に鉛弾を叩き込む!

 いやホントは鉛じゃ無いんだけど鉛弾の方が響きが良いし・・・じゃあ本当は何だと言えば彼の技術で創り出した錬金弾と言う金製の弾、と言っても本当に錬金術で想像した訳じゃ無い。


 錬金術って本来は「鉛やアルミなど安い金属から高価な金を創り出す術」だって事は知ってる?

 まあ地球の技術じゃマダ難しいけど、実は今の地球でも再現が可能な話だと言うのも更に知ってるかな?

 そう今の地球でも元素的に近い水銀を原料にするなら、金を錬金する事は実際に可能だと言われてるんだよ!


 じゃあ何でしないのかと言えば「天文学的な資金と時間と手間が必要なので工業的には誰もしない」だけ、ただ実際に事件ではビスマスと言う卑金属から金を成功した例が報告されてるらしい。

 そして金を安く量産出来たら鉛以上に銃弾には最適な素材に成る・・・限度は有るけど重い方が有利だからね弾丸の中身は、固さは外皮に依存すれば良いだけだし!

 で鉛より重い金やウラン(まあコスパ考えれば劣化ウランだろうけど)の方が、そしてソレよりオスミウムやイジリウムの方が重くて銃弾に向いている。


 そこで我々は彼の技術で鉛や水銀を原料に更に重い❝重金(重金属では無い)❞と言う金属を創り出し弾丸に利用してる!

 これは金と殆ど同じ原子構造をしながら真っ黒な金属で、比重が29.3g/cm³と30近くもある・・・ちなみに固さは金と同じ位だ。

 これで造った弾丸は劣化ウラン弾と比較に成らない程チートで強烈、しかも劣化ウラン弾の様に放射能の心配をしないで済むトコロが嬉しい代物だ!


「さてと増援の敵戦闘ポッドはほゞ壊滅したか・・・グランティア義勇軍(アッチ)も片付いた様だし、そろそろゲイドに引導を渡しに()()()ようかな?ジョシュアさんの方は・・・・・」


「すいません思ったより砲撃が激しかったので、時間がかかって仕舞いました・・・でも2隻撃沈して一隻鹵獲、これをティファ達に使わせて・・・・・」


 うんうん大分ボクのやり方を覚えて来たみたい、この後のお仕置きには手心を加えて上げよう。


 えっ許して上げろって?


 そんな勿体無い事をボクがすると思う?


「お兄さま?何か邪まな空気がした様な気がしたのですが・・・」


 ホントお前何か鋭くなったよね?




 敵の戦闘ポッド部隊を完全沈黙させてから、ティファさん達はジョシュアさんが強制着陸させて鹵獲したステルス揚陸艇にノーダーごと乗り込んだ。


 生き残ってた敵兵?

 その場で放り出したよ・・・恐竜たちから逃げ延びたら御褒美に後で拾いに来てあげる♪


「そう言えばキッド様は先程から私たちの事をグランティア義勇軍と呼んでましたけど・・・・・」


「君達はゲイド達に従属させられてたけど、雌伏しながら反抗の機会を狙ってたグランティアの残党・・・そして遂に立ち上がり決起した❝グランティア義勇軍❞だ!胸を張って堂々としてなよ・・・さもないと協力したんだからと強欲な爺ちゃん達が、さして大した手を貸して無いのに領土を大幅に・・・・・」


「誰が強欲なジジイだと!」


 うん相変わらず良いタイミングの突っ込みだね爺ちゃんは♪


「お嬢さんが元グランティア大統領の息女ティファニー嬢かね?」


「ハイ陛下・・・ご尊顔を賜り・・・・・」


 すると爺ちゃん鼻を鳴らして


「そう言う堅苦しいのは良い、そこに居るクソガキに感化されて私も大分頭が柔らかくなった・・・血圧は高く成って仕舞ったがな」


「お酒と塩分と辛い物を控えろよ」


 ボクが言う時を害したらしく


「酒の所為でも塩分の所為でも無いわっ!お前だ!お前が私の血圧を・・・ええい今はそう言う事を言っとる場合では無い、この場を借りて正式に条約を締結する・・・我が国ファルデウス帝国とノーマ宗教教国そして新生グランティアの間でな!」


 そう言うのはキッチリしとかないと後で揉め事に発展するからね。


「元のグランティア共和国の領星・領域はグランティアに帰属、この戦争後にノスモーから掠め()っ・・・じゃ無い割譲された宙域の内3割をファルデウスとノーマが独立に協力した対価として受け取る。その他にグランティアが金銭的な賠償をノスモーに要求しても我々は一切要求しない」


「よっ、爺ちゃん太っ腹ぁ!」


 思いっ切り揶揄って言った。

 実際これは戦時同盟条約としては破格の好待遇でもあるらしい。


「オ・マ・エ・が描いた筋書きじゃろうが!正直 私は最初、ノスモーから削り取った領域に関しては半分以上貰う積りだったのに」


「良いじゃんタダで手に入る様な代物だし欲張っても良い事無いぜ!それに正直爺ちゃん達の手を借り無くても、ボクとミューズで・・・・・」


 ウン爺ちゃん切れたよ!


「お前は兎も角ミューズに虐殺者のレッテル張られて堪るかっ!と言うよりソンな積りも無いくせに良くも言う・・・なるべく殺さず、なるべく労力もかけずムカ付くノスモーを叩きのめす計略を企んでたクセし折ってからに・・・・・」


「それが解って協力してくれたなら煩い事言わないの、どうせ悪魔呼ばわりされた事に対するボクの仕返しって解ってる癖して・・・・・」


 ブツンッ!って音が聞こえた様な気がして、


「次に顔を見たらキッド。貴様をチョークスリーパーホールドで・・・・おいコラ放さんか、ジェリス貴様主君に対して・・・ええいキッドの前にオマエを私の技の錆に・・・・・」


 可哀想に爺ちゃんアヴァ元帥たちに引っ張られて別室に消えて行った。


「キッド君あんまりウチの老人・・・じゃ無かった陛下を揶揄わないでくれ、宥めるのが大変なんだから・・・まぁ本人も楽しんでるんだろうけど」


 と呆れ顔で言いながらも本気で咎めてる積りは無さそう。


「それが解ってるなら・・・って条約が締結した以上は如何でも良いや、じゃあコノ後は前回の打ち合わせ通り流れに乗せて・・・・・」


「ノスモーの領域を3割・・・悪い稼ぎじゃ無いな、ただ分割してるのは飛び星系では無く、ノーマやファルデウスに近い星域をお願いしたいね」


「それはティファさんと新しく出来る新生グランティア政府と相談してね!」


 そう言って笑いながら通信を遮断する。




 救難信号を発しながら鹵獲したステルス揚陸艇が敵艦隊に接近して行く・・・ゲイド率いる敵艦隊は元々数隻しかいない小艦隊だったけど、ミューズに衛星軌道上から大気圏の突入してからズッと背後に張り付かれ攻撃され続けている。

 その為 既に艦数は半分になっておりゲイドの性根の腐り加減から考えても、任務に失敗して逃げ帰って来た身内を助ける性格はしてないかと思われたけど・・・それが有人戦闘ポッドを乗せた味方なら話は別だろう。

 失態の負債を取り戻せと発破を掛けて使い潰すに違いない、何しろスターシップに背後上方を取られて攻撃され続けてるから、この後は地面に叩き落とされて地上戦が待ってるとゲイドは思っているだろう。


『まぁ・・・大気圏内で背後上方を取られるのは、大気圏内を宇宙戦闘艦で戦うのに王手掛けられた様なモンだからね・・・・・』


 戦闘機戦で背後6時後方を取られる様なモノだ・・・ただ宇宙戦艦の場合 大気圏内で戦うなら光学兵器は別にミサイルや実体弾(レールガン・ブラスターなど砲弾類の事)など質量弾で攻撃する事を考えたら、重いし速度の足りない物質で攻撃するのに上方から攻撃した方が有利になる。

 だから6時後方なだけで無く重力の事を考慮した、6時後方の斜め上から攻撃した方が有利に成ると言う事だ。


 ゴゴゴ・・・


 大気を震わせながら、また一隻・・・ミューズの攻撃で敵艦が推力を保てなくなり地表に突っ込んで行く。


 あれでは可哀想だが全員即死に成らないだろうな・・・生き残った敵兵は地上で恐竜相手にサバイバルゲームを楽しむ事に成る、ボク達は助けて上げる積りは無いしノーマやファルデウスから救助と言うか捕虜を拿捕しに来るのは当分先に成るからだ。

 それ程と気を掛けずに彼等は食料や水を求めて外に出るだろうけど、その時に狡猾な捕食者を相手に無事生き残る事が出来るのか疑問だ・・・北海道のヒグマ騒ぎじゃ無いけど彼らが如何(いか)に優れた軍人で強力な火器を有してても、野生の天性の捕食者を相手に早々戦えると思う方が馬鹿でしか無かった。

 人間相手に戦ってる武器が野生動物に効果的とは限らない、そして軍人さんが野生動物を相手に有効に戦えると思ってる方が愚かなのだ。


 ボクの知る由も無いけど・・・この頃ボクの故国でも自衛隊にクマ退治させる何て話が出てたらしいが、そもそもクマって戦闘態勢に入ったら待ち伏せや奇襲つまりアンブッシュで襲って来る。

 行き成り襲い掛かってるクマ相手に強力な武器を狭いバイタルポイント狙って、クマに対して素人の自衛官が正確に銃弾撃ち込める?

 それにクマを追跡したり気付かれずに接近するスキルも無い・・・攻撃しても弾を外して逃げられたり、逃げたクマが手負いに成って狂暴化したり、深山に分け入って追跡した彼等がヒグマに美味しく食べられたり・・・悲惨な未来しか見得無いんだけど!


 せめて十年は熟練の猟師を講師にして訓練しないと使い物に成らないだろうし、それまでに何人の市民や自衛官が犠牲になるか・・・まあコレは別の県での話だけど近い内に同じ様な事に成るだろうドッカの町議さん達に是非ご意見を伺いたいものだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ