ドミニオで強盗国家から来た誘拐犯を殲滅する①
「うぅ・・・お兄さま酷い・・・・・」
お尻の上に氷嚢を乗っけてミューズが呟いた。
「自業自得だろ?これに懲りたらヘンな悪戯は・・・・・」
「同じくらい悪戯してるのにイリスちゃんにはオシオキしないじゃ無いですか?」
そんな事言いながらミューズはボクが他の女性のお尻叩いてると焼きもち焼く。
「だからイリスの悪戯なんて可愛いモノじゃ無いか、抑々さっきも言ったけどイリスの悪戯はオマエのみたいに実害を伴うほど悪質じゃ無いんだよ!」
ミューズの悪戯は特にボクにダメージを主に精神的に与えてくれる。
だからチョッとお仕置きも厳しめに成らざるを得ない。
「旦那ぁ~~~~っ!あのデカいトカゲのバケモノ、解体には後30分は掛かるってよ」
ジョシュアさんがコッチに怒鳴るけど彼女の方は見れない、その背後でアノ偽ティラノの解体ショーが行われているからだ。
んなモノ見たら食欲が落ちちゃうよ・・・イリスにも見せない様にボクの膝の上で絵本を読ませ、そっちを向きそうになると目隠しして見せない様にしてた。
「それにしてもドローンに、こんな使い方が・・・」
そう偽ティラノを解体・保存してるのは採取用に作った新しいドローン達である。
ノーマの学術局からも殺しちゃった以上は有効活用をと言っており、所有権はボク達に有るので自分達が食べる様に確保、その上で残った(大部分残るぞ?)物も貴重なので研究資料として全て確保し持ち帰って欲しいと・・・ちなみに分析して毒が無い事と食べられる事はチャンと確認済みである。
「それにしても・・・見るんじゃ無かった気持ち悪・・・・・」
「オレ・・・当分肉は食えない」
「あの胃袋解体した時に臭いが・・・・・」
と男性陣が皆グロッキー状態、それに対し・・・・・
「内臓も出来る限り利用を・・・・・」
「ガスで強制的に冷やしたから鮮度や腐敗に心配は・・・・・」
ミューズとアイギスさんやジェイナス婆ちゃんは気に成らないらしい、それに意外とイメンケさんアノンさんも・・・・
「学生時代は冒険サークルに入ってまして食料の現地調達何て御手の物ですから・・・・・」
「私が貧民街育ちなの言った事ありますよね?牛馬の屠殺なんて御馳走が手に入るんで喜んで手伝ってましたよ!」
とドローンを操作してるのだった。
「それにしても味は如何なのかな?」
「アリスに分析して貰ったところ十分食用に適してるし、味の方も期待出来るみたいですよ?」
これまたボクの隣でミューズがタブレット操作しながら言った。
「そう言えば・・・元々この偽ティラノ体温が高いので雑菌が比較的に繁殖し難いと、馬肉と一緒かな?解体後に即急速冷凍してるから生食も行けるかな?」
「イリスはナマはチョッと嫌だな・・・・・」
無理矢理食べさす気は無いよ・・・無いんだけど「生魚何て食べられない」と言ってた彼女たちに刺身やお寿司食べさせたら、ミューズもイリスも思いっ切り気に入って大好物に成ってるんだけどね!
「そう言えばキッドの故郷の星と言うか、故郷の国の米を使った酒が海産物に合うんだろう?早いところ飲んでみたいモンだねぇ・・・・・」
ボクが帝国に提供した地球とC4895の遺伝子は既に関係機関に送られ、安全が確認されると順次❝繁殖・養殖❞され新しく創り出された自然界に解放されたり酪農や養殖関係者に売却が始まってる。
「イグニアさんが思った以上に優秀だったからな・・・地球とC4895の遺伝子を一括管理して利益も配布先から分配させてる、よほどダイルさんより経営者向きだよ」
地球とC4895の生態系は爺ちゃんの所だけじゃ無く、その他の希望者からも募って諸々から星を借り完全に再現できる体制を整えた・・・学術的な研究だけでなく観光や新しい何かを開発する切欠に成るとニュースで大々的に報道されている。
しかも更に一方でジェリスさんちとウェルム少将以外からも農業・牧畜・養殖用のコロニーを借り、地球の銘柄タンパク源を片っ端から再現している・・・そしてその繁殖・販売する権利を高値で世界中に販売してるのだ。
「地球では牧畜や養殖で再現出来無かったり採算取れなかったモノも、コッチじゃ成功しそうだし・・・まぁ地球より化学も技術も進んでっから当たり前と言えば当たり前か?」
松茸やトリュフにポルチーニ等のキノコにウナギやマグロの完全養殖も成功してるそうで、地球に有った遺伝子は全て再現できるそう・・・実は絶滅してたと思われる種も幾つか発見して持って来ていた。
「流石に人間は再現出来んけどな」
イヤ出来たとしてもやらない、それが神に対する冒涜だなんて考えちゃいないけど人間造るなんて人外の考えは持ち合わせていないんだ!
それに・・・あっちの人間が再現出来たからと言って同じ人間、ボクの肉親や友達が再現できる訳じゃ無いのだから。
「それにしても・・・やっぱ馬鹿だな、もう痛い目に会ったの忘れて集まって来た」
いったん追い払った恐竜達が再び戻って来て森の中からコッチを窺っている・・・まあ流石に襲って来ようとする雰囲気は無いのだが、隙を見せれば間違い無く襲って来るだろう事は想像に難しくない。
一応ノーダーには交代で乗り込み周囲を警戒させてるけど、出来る事なら発砲したくは無いのだが・・・
「食不適な部分や骨は残して置こう、アイツ等にも分け前やらないと後で化けて出て来そうな気がする」
「その前に飢えて襲い掛かって来るかも・・・・早く船に戻りましょう!」
ポップさんにせかされて船に戻ると肉用のコンテナボックスが山盛に成ってる事に気が付いた。
「私達で消費する分以外は明日にでもシャトルが引き取りに来るそうですよ、ノーマの学術局って貧乏だから研究用以外の余った肉を売って研究費用が捻出出来るのが嬉しいらしい」
「そんなら適度に害の無い程度、間引いて販売を・・・・・」
「そうするとオレ達にも狩りさせろと考えるアタマも計画性も無いハンターとかや、殺すなんて可哀想なんて言いだす自称環境保護団体が・・・・」
そう言う馬鹿って地球以外にもいたのね・・・呆れるなぁ!
「お兄ちゃ~~~ん!」
向こうからイリスが元気に走って来る。
「お婆ちゃん達が呼んでる、何か艦隊が接近中だからコクピット来てって」
「了解」
ボクはイリスを抱き上げてコクピットに、イリスは抱き上げられるのが嬉しいのかキャッキャ喜んでいた。
「早速お姉ちゃんが恐竜の肉を調理してみるって、今アリスと一緒に詳しく分析してるよ」
一応食べられる事と毒の無い事は分析済みだけど、如何言う料理法が合うかはマダ分析中で結果が出ていない。
「美味しいと良いな・・・やっぱり鶏系の味なのかな?」
地球の研究じゃ恐竜は爬虫類じゃ無く鳥類の先祖だ何て話も出てるけど、こちらの研究では・・・この星で確認されてる恐竜は少なくとも爬虫類でも鳥類でも無く、その両方の先祖に当たる別の生物❝原始爬虫類❞だと言うのが定説だった。
まぁ良い教科書である、この星みたいのが幾つも有るらしいからね♪
そう言えば爬虫類は鶏肉に近い味だと言うし、ひょっとして同じ先祖なら味が似てても不思議ないかも・・・なら恐竜も鶏っぽい味なのかも知れない。
「お姉ちゃん料理が上手いから楽しみだね」
実際に料理するのは自動クッカーだったとしても操作するのは人間、その指示をミューズが出してるなら彼女のセンスがモノを言う。
ちなみに現在スターシップでメインの調理担当はアイギスさん、その助手にミューズとイリスが収まってるのだが、自動クッカーを操作してると料理される工程は見得てるので実戦不足だろうと自然に料理の腕は上がって行く。
この様な世界に成っても母親の手料理の味が失われていないのは幸いだ・・・現に自動クッカーを使わないキャンプ料理や偶に作ってくれる手料理の味も二人ともドンドン美味しく成ってる、あの碌に教育もうけさせてもらえてなかったミューズ迄も結構手の込んだモノを出す様に成って来た。
「鶏か・・・恐竜の味が鶏系なら、やっぱ唐揚げが最高だと思うんだけどな♪次席で照り焼きか焼き鳥かな」
「いいねぇ・・・唐揚げイイよね!」
ボクの呟きにイリスも乗って来る・・・ちなみにコッチの世界にも唐揚げと全く同じ料理はあった、だけどスターシップで一番人気の唐揚げはボク特製の塩唐揚げのレシピだったりする!
すると・・・
「あぁ唐揚げは良いよね・・・酒が進む♪」
コクピットに居たジェイナス婆ちゃんもボク達の会話を聞いてた様で賛同してくれた。
「晩ご飯のメニューはさて置き、ボクの事を呼んだの婆ちゃんだろ・・・」
「いや実際はミューズが最初に気が付いた、だから話はミューズから聞いてくれ・・・・・」
コクピットの中ではエプロンをかけたミューズがコンソールを叩いている・・・ミューズはコクピット後方のリビングに隣接する台所に居たので、緊急事態を察知したアリスが一番近くに居たミューズを呼び付けたらしい。
「何が有ったんだミューズ?」
ミューズは難しい貌をして。
「この恒星系の最外周部で艦隊がワープアウトしてるみたい何だけど、艦数は200前後の小規模な艦隊、事前連絡は無いわ・・・これって、お兄さまの持つスターシップつまり先古代文明のロストテクノロジーを狙って何処かの・・・・・」
ミューズが少し青い顔をしてるのは敵を脅威と思っての事じゃない、やられた以上やり返す主義のボクが何人の敵兵を蒸発させるか心配してるのだ!
まぁ勿論ミューズだってそうだけどね、もう彼女だって成長し立派なボクの相棒・・・ただ奪われて泣き寝入りする様な、か弱い小娘では無く成っている!
それでも彼女は優しさを忘れて無い、ボクの様に「襲って来たなら覚悟出来てるよな?」とか「奪いに来る奴に従ってる以上は同行してる責任果たせ!」と思う性格破綻者では無いだけんだ。
「それはマダ分かんないけどコイツ等がワープアウトしたら解析して、場合によっては即行で大気圏から離脱し戦闘態勢に・・・アレ?」
解析するまでも無くワープアウトした艦影に見覚えが、しかも・・・ほゞ全艦揃ってエルミスタイプなのはロイヤルフェンサー第一艦隊しか無いだろう?
「こんな艦隊で事前連絡も無くボクの近くにワープアウトとは、この間お尻ペンペンした事を根に持って仕返しの悪戯かな?だとしたらチョッとキツメに再お仕置きが必要ナンだが・・・・・」
ボクの行き先や座標は爺ちゃんから聞いて来たんだろうし、ここにワープアウトして来てボクに会う積りじゃ無く偶然だったなんて言い訳は通用しない!
前回お仕置きしてからジュリアさんのオシリを叩く事に抵抗が無く成ったボクは、もし悪戯なら本当にオシリ引っ叩いてやると心に決めたんだけど・・・・・
「うぅ・・・だってキッド君に顔合わすと思ったら、お仕置きされた前回のコト思い出して恥ずかしいやら怖いやら・・・・・」
「それでもミントさんにでも代理頼んで音声通信くらい出しなよ!そもそも司令官本人が映像付きで挨拶しなきゃ成らない何て規則無いんだから!」
ボクは呆れながら情けない姉貴分のジュリアさんが隠れてる机を見下ろした・・・彼女は自分の艦に有る執務室の机の下に隠れてる、如何やら前回の一件以来 彼女が現実逃避する時は机の下と言うのがデフォルトに成ったらしい。
まぁ・・・この世界では相手が個人だろうと団体だろうと国家だろうと、大艦隊で移動して面会を求める場合には最高指揮官が映像付きの通信で対面で直接挨拶する習わしがあるそうだ・・・まぁ慣例って奴で規則や法律で決まってる訳じゃ無いそうだけどね!
だから彼女がボクに顔合わせたくなくて先延ばしにしてたら、結局行き成り近くにワープアウト・・・する事に成っちゃったと!
「まぁ驚かされたけど別に怒ってる訳でも無いから出て来なよ」
「ホント?」
と言うや否やチョコンと顔を出して僕の表情を確認し、怒ってないことを確認すると滑り出す様に机の下から飛び出して机の上に飛び乗り正座するジュリアさん。
お仕置きは無いと言う話を聞いただけで貌はニッコニコで笑顔に成ってる・・・さっきまでのビクビクしてた声色は何だったのだろう?
そこでボクは有る事を思い付いた・・・・・
「もちろん行き成り近くにワープアウトした事に対してだけだけどね怒らないのは!」
お貌がサッと青くなるジュリアさん・・・この人ホント嘘が付けないよね?
「勿論お尻叩かれる様な失態が何か他に有るのなら・・・その時はキッチリお仕置きさせて貰いますが?」
「ア~~~ンッ、許してぇキッドくぅん~~~~~ッ!」
とボクに抱き付いて来たけど、机の上で正座したまま器用な人だなぁ・・・・・
「まぁ最初はキッドさんに会いに行けるとウキウキでしたからね・・・うちの大将は」
と、いつもジュリアさんと一所に居る部下の男性の人が言った。
「でもその後で・・・全く正直に話しちゃって下さいね司令官殿、これ以上隠し立てしたり遅延行為すると本当にお尻叩かれる時の回数を増加されちゃいますよ」
こっちはミントさん・・・これだけ周りがボクのオシリ叩きを意識するなんて、いったい彼女は何をやらかしたのだろう?
「お父さんから遠距離レプトン通信来てね・・・・・」
「うむうむ・・・」
重い口を漸く開く。
「キッド君に伝言を・・・これを渡してくれって・・・・・」
渡されたタブレットでデータを見ると・・・ウンこれは間違い無くボクを狙ってる感じの動きだね、まだ国境を越えて無いけど今頃動き出してるかも知れないな。
「で早速ロイヤルフェンサー1を率いて、ここに向かって来たんだけど・・・」
「まぁ戦争中じゃ無いし友好国の領域に居るから気を抜いちゃって、本来の手順である周囲の偵察やチェックすっ飛ばし・・・ワープアウトの際に近くで船籍不明艦が居たのにワープインしてから気が付いたの」
余りにもモジモジと語るジュリアさんに業を煮やしてミントさんが言葉を突っ込む、なるほど・・・それは多分ノスモーの偵察部隊、まんまと上手く行き先を観測されたって訳ね?
「と言ってもファルデウス居た訳じゃ無いんだから、船籍不明の不審艦が居たからって臨検とか捜査は出来無いでしょ?」
「それでも偽装ワープやジャマーで行く先を読み難くするコト自体は出来た筈ですよ・・・私もブリッジに居たら叱り付けたんですけど、その時は運悪く書類仕事に追われてて・・・・・」
で敵の水先案内しちゃった訳ね・・・でもドッチにしろ妨害したって相手もプロだ、時間と技術を掛ければ最終的にはジュリアさんの進路は計算で出されたと思う。
「あ~~~んキッド君、お仕置きなら素直にされるから部下の見てる前でだけは・・・・・」
「しませんよ・・・抑々ボクも実害が出る訳じゃ無いし」
だいたい余所様の娘のお尻をそう何度も・・・えっ?一度だって普通はしないって、まぁそうなんだろうけどね♪
「そんなお兄さま狡いですよ!」
「そうだよアタイ達なら即お尻叩きするじゃ無いか!」
ミューズとジョシュアさんが抗議の声を上げるけど、
「お前等はボクの船のクルーじゃ無いか!ボクの船で失態した以上はボクの手でオシオキされても文句は言えない、第一お前等の失敗や悪戯って何時も確実にボクに実害を与えるじゃ無いか!金銭的にしろ精神的にしろ・・・・・」
「旦那・・・そりゃ普通お尻叩きじゃ無く減給とかでですね・・・・・」
そう言うジョシュアさん、まぁ普通のクルーならそうなんだけどね!
「へぇ・・・じゃあジョシュアさんさぁ、本当に減給しちゃって良いんだね?でもしちゃったらジョシュアさんの給料って・・・・・」
「お尻叩きで許して下さる寛大な旦那に感謝してますっ!何だったら夜の御奉仕で御返ししても・・・いだだだっ!ミューズさん冗談ですってば、ちょっとキッドさん迄ナニをイダダダダッ!お尻を抓らないでぇっ!」
この所ジョシュアさんは調子に乗り過ぎだ!
この間もイーグルで事故るは、格納庫で次のレースに備えチューンしてたスターライダー爆発させたり・・・本当に給料から差っ引いてたら減給どころか本来マイナスでボクに借金しそうなミスを連発してる。
まぁボクはジョシュアさん達のチームのスポンサーで彼女の機体にはスターシップ貿易のロゴマークが入ってるから後者は勘弁して上げても良かったけど・・・悪戯でスターシップを掠めてイーグルで飛んだ時に責め過ぎて擦った事は許す訳には行かない、ボクが大事にしてるエンブレム掠めちゃったんだから!
そして今・・・巫山戯てボクに色目を使った罰としてミューズにオシリ抓り上げられ、エンブレム擦った事を思い出してムカッとしたボクに反対側の尻をダブルで抓り上げられてる。
でジョシュアさんのお尻を抓り上げながら・・・・・
「どのみちボクの居場所なんか隠しても、いずれは割り出されて襲って来るでしょ・・・だったらジュリアさんの所為で襲われる訳じゃ無いしボクは怒って無いから安心して良いよ」
抱き付かれたまま手だけ伸ばしてジョシュアさんのオシリ抓るボクを見上げ、ジュリアさんは潤んだ眼で・・・・・
「ホント?」
と聞いて来た・・・ドキッとしちゃうなジュリアさん美人だから、オッとそう考えてるのバレたらミューズにボクが抓られる。
「でもさぁ・・・ボクは良いんだけど・・・・・」
ボクがチラリと見やった方を眼で追ったジュリアさん、その先を見た彼女の眼が引き攣って・・・・・
「私がブリッジから席を外した隙に平常の手順を省略して・・・部下としても指揮官の一人としても親愛なる上官殿を諫めなければ成りませんね!」
うんミントさんって普段から真面目・・・職務上は部下だけど普段はジュリアさんと対等な親友、そして彼女の方が真面目で優等生っぽいキャラをしてる。
何でも士官学校の頃から暴走しがちなジュリアさんのストッパー件お目付け役だったらしい、でも流石に余程の事が無い限り手を上げる事は無かったそうなのだが、ボクがジュリアさんに❝お尻ぺんぺん❞を執行してから友人関係と言うか力関係と言うか❝ソウイウモノ❞に何か変化が有ったらしい。
その彼女が怒ってるぞモードに成って・・・
「ちょっとコッチ来て下さい♪」
「チョッとミントお願い許して・・・イタタタタッ!」
耳を引っ張られて執務室に隣接する仮眠室に連行されるジュリアさん・・・そしてドアの向こうで
ペ―――ンッ!
「あ~~~ん、ミント許してぇ~~~っ!」
まぁ彼女の望み通り部下の前でオシオキされる事は無く成ったので・・・
「じゃあボク達は船に戻るか・・・」
少し呆れながらスターシップに戻るボク達だった・・・
ボク達は再びドミニオに降下して元の位置に・・・仕事はマダ終わって無いからね、それにロイヤルフェンサーがボクの元に来たのは向こうも知ってるしソレでノスモーの連中も諦めて来ないかも知れない。
「まぁワープアウトを察知したらスグ離陸して大気圏突破を、それで戦闘態勢取ったとしても十分間に合うしね」
地表には採取用ドローン軍団と大型冷蔵庫コンテナを置いて来ており、その役割をプログラムに従って恐竜の解体作業を・・・既に終わって解体後に残ってた残骸とかに恐竜の小さいのが群がっていた。
若干の戦闘用ドローンも解体の邪魔に来た恐竜へのけん制に置いといたけど、流石に襲って来ることは無かったみたいで解体・回収後に残ったゴミに群がり出したのだ。
で降下後にミューズが料理に戻って、ボクはジュリアさん達やイリスと一緒に地上で待機してたドローンと冷蔵庫コンテナを回収してたんだけど・・・・・
「ミントの奴ったら手加減無しで人のお尻を・・・」
と文句を言いながら自分のオシリをさするジュリアさんも、お仕置きを終えてクリッパーでロイヤルフェンサー1と共に付いて来てたりする。
「それは良いんだけど何でジュリアさんまで地表まで付いて来たのよ・・・」
「そりゃ一応キッド君は護衛対象なんだから」
そう言いながらロボットカーゴを使ってコンテナを回収しスターシップに積むのとか色々手伝ってくれてる、彼女にノーダーを与えてからロボットカーゴや作業用ローダー(エイリアンⅡに出てる様なの)を操縦するのが楽しみに成ったみたい・・・なんかジェリスさんがドッカで溜息を吐いてる様な気がする。
「そんな事言ってて・・・ボクに叩かれなくても、ミントさんにされるかも知れないでしょ?怒ったミントさんにお尻叩きされても知らないからね」
「ちゃ・・・ちゃんとキッド君の護衛だって言って来てるもん!」
そんな事言ってると後ろでクスクス部下の人たちが忍び笑い、と言ってもボクに聞こえてる段階で忍んで無いんだけどジュリアさんがキッ!と睨んで一時的に笑いを止めて・・・でも我慢し切れず再び声が漏れる。
「キッド君のやり方を見習おう・・・ここに居る奴等全員、ボーナス査定の認め印を絶対に押して上げない!」
途端に今度は一切声を漏らさずなんか背筋もピッと伸びた様な気がしたので・・・
「出来るなら最初からすりゃ良いのに・・・・・」
「お言葉ですけどキッドさんならします?」
おっとジュリアさんの副官である男の人が・・・顔は覚えてるんだけど名前まで聞いて無かったな?
「面白いから絶対にしない!」
「でしょ♪」
「キッド君っ!ジェーソン大尉っ!」
ボク達の会話にジュリアさんが金切り声を上げた。
「それよりジュリアさん、危ないからロボットカーゴを操縦する時はチャンと座ってよ。お尻を浮かせたまま操縦するのは危ないから・・・」
ロボットカーゴは自動でも動かせるけど、やっぱり人が乗って操縦する方が早くて応用が利く・・・その為にバイクシートの様な操縦席が付いてるんだけどジュリアさんったら座らないで中腰で操縦してるのだ。
「だってミントに叩かれたオシリ痛くて座れないんだもん!」
「だったら大人しくしてれば良いでしょう!」
手伝ってくれるのは有難いんだけど不安定な操縦席に腰を浮かせて乗るのは可成り危ない。
「ちゃんと座って操縦するか降りる、さもないとボクからも・・・・・」
「わ・・・解ったよぅ、アダダダダ・・・・・」
シートに座ってお尻の痛みに声を上げるジュリアさん、またクスクスと部下の人たちの忍び笑い声が聞こえて来た。
うんもう全然忍んで無いかもね・・・・・
「全くソレがイヤなら普段からチャンとしてりゃ良いのに・・・イリスもお仕置きされる事に成っちゃうから、ミューズやジョシュアさんにジュリアさんを反面教師にして絶対見習ったりマネしない様にしないと・・・まあイリスにはお仕置きしたコト無いけどね」
今の所イリスにはお仕置きした事は無いと思ってたんだけど、イリスは顔を赤らめながら・・・
「お兄ちゃん私にもお仕置きした事あるじゃない、それもHなお仕置きを・・・・・」
はて?
ボクはイリスにはお尻叩きを執行した事は無かった筈だけど?
「叩いたんじゃ無くて助け出して貰った時に私のパンティー掴んで、グイって持ち上げて思いっ切り食い込ませたじゃない!アレだって相当Hなお仕置きだったよ!」
おおっ!
そう言えばソレも有った、確かに考えて見たらアレも結構Hなお仕置きだったね!
「でもアレは偶然下着まで掴んじゃっただけで意図してやった訳じゃ、マア食い込ませて持ち上げたのは確かにヤリ過ぎたけど・・・あそこで大声出されたら困った事に成ったのはイリスだってわかっているだろ?」
まあ既に捕捉されてて直後には包囲されちゃったけど、考えて見たらソレだってイリスがアイギスさんを見付けて声を上げたのが原因かもしれない!
「とにかくアレは偶然的な事故でもあったんだから・・・」
「ホントかなぁ、お兄ちゃんHな事大好きだし」
イリスがボクを冷たい眼で見てて微妙に何かが心に突き刺さる。
「普段の行いが悪いからよ」
「普段の行いが悪いからだぜ旦那」
ジュリアさんとジョシュアさんに言われてしまったが、
「また・・・お尻叩きを執行されたいのかな2人は?」
途端に搬入作業に戻った2人を尻目にボクはスターシップの中に戻るのだった




