ゴンザレスと聖剣②
悪夢なんだか、天国なんだか、分からない一夜が明け、へろへろのわたくし、ゴンザレス。
なんでこうなった?
しかも、すでにコルラン国で再会して俺が気絶している間に、俺に初めてをくれたそうで。
はっはっは、アレ、ユメじゃなかったのね?
もう、手遅れだった!!!
やばいー、ヤバいー!
間男ゴンザレス!
最大のピンチ!
いつ何時、公爵様の魔の手が襲いかかるか。
「先に着いていれば、通りの奥の広場でエルフィーナが待っているはずです。」
No.8は、普段通り。
いや、何か憑き物が取れたような、爽やかな笑顔だ。
そうだよなぁ、この女は暗殺気にしなくても、いいもんなぁー。
世界ランクNo.8。
いかに公爵と言えど、この女を殺せる奴を手配することは出来まい。
すでにエストリア国最強だもんなー。
ちくしょー!
火遊びに使われた!
貴族の女怖い、、、。
とぼとぼとNo.8の後を歩く。
何か手を考えねば。
No.8から貰った金貨100枚は残っているが、暫く身を隠すことを考えれば、もっと金が要る。
一生懸命、詐欺仕事をしていて、見つかってしまっては元もこうもないからだ。
キュピーンと閃く。
昨日の閃きは何故かNo.8には通じなかったが、これならいける。
それは、、、聖剣を盗んで売れば良いんだ!
間違いなく高く売れる!
エルフ女、キョウちゃん、No.8、上手くいけば、この3人の目を盗むだけでいけるはずだ!
へろへろで頭が働かない気がしたが、気のせいだった!
俺、冴えてる!
とぼとぼとしていた、足取りが急に軽くなる。
未来に希望が持てるようになり、そこで俺は顔を上げると周りの景色も目に映る。
周りが通りの端っこに寄って並んでいるのだ。
ふと遠くの方で、シャンシャンダムダムと楽団の音楽らしき音が聞こえる。
「なんだ?」
「何かの催しのようですね。端に寄りましょう。」
No.8の言われるがままに、端に寄る。
通りの先に、でっかい生き物が見えた。
それが見えると同時に、居並ぶ人々から歓声が上がる。
なんだ?
さながら、お祭りにおける大パレード。
タイコと鈴の音。
それに歓声。
大きな生き物は確か、象とか言ったか。
「王族主催のパレードのようですね。どうやら、周りの声を聞く限り王太子の結婚を祝うパレードのようです。」
No.8が耳元で囁く。
おうふ!
くすぐったい。
危険が危ない女だが、超S級である。
恐るべしイリス・ウラハラ!
俺が悶えている間にも、シャンシャンドンドンとパレードは進行する。
それをボーっと眺めていると、見たことのある男女が目に入る。
それもパレードの中心に居る。
俺はそっと目を逸らす。
シャンシャンドンドン。
シャンシャンドンドン。
シャンシャンドンドン。
音が遠ざからないのはどうしてだろう、、、?
俺は現実から目を逸らしたくて必死だ。
そっと、パレードの方を見る。
その場に居る全員が『何故か』俺の方を見ている。
恐らく王太子夫妻であろう見たことのある男女が、俺と目が合う。
その2人がにっこりと笑う。
ひーーーーー!!!!
俺が詐欺った男女。
口車に乗せて適当なことを言って金貨100枚せしめた相手、、、。
王太子とその奥方で御座いました、、、。
象の台車の上で王太子が立ち上がり、俺に言った。
朗々と響く声で。
「先生!お久しぶりです!再会出来て光栄です!」
副音声で、ここで会ったが百年目、覚悟はいいな?と聞こえます。
隣でNo.8が、流石はアレス様、と呟く。
何が、流石なんだよ、、、。
という訳で、王宮です。
なんでだろ、、、。
「いやあ、その節はユウナ共々お世話になりました。
先生のおかげで無事優勝する事が出来ました。」
俺は一生懸命、首を横に振る。
「君たちの実力だ。」
いや、マジで。
俺、君らを詐欺に掛けただけだから。
気づいているよね!?
変わった拷問だよね?
じりじりと己の罪を悔い改めよって!?
ヒィ!お赦しを!
「先生、そちらの女性は?」
No.8は王太子に問われ、優雅な礼でもって応える。
「僭越ながら、アレス様のシモベにして妻の1人イリス・ウラハラと申します。」
「イリス・ウラハラ、、、?もしや元ウラハラ国王女にして世界ランクNo.8の!」
見惚れるような微笑で答えるNo.8。
「流石、先生だ、、、。」
何が、流石なの、、、?
あとね?No.8。
あんた、いつ俺の妻になったの?
あと、妻の1人って何?
1人も居ないよ!?
色々突っ込みどころ満載なんだけど?
どうしてこうなったんだぁぁあああ!!




