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世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
魔王編
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奴隷ゴンザレス④

 ついに防衛線が限界を迎えたので、俺たちは作戦通り、全員坑道内へ入った。


「予定出口の開通は?」

「もう少しなんだが、、、。」


 ふむ、こういう時は切り替えるのが正しいな。


「引き続き作業しつつ、副案のこちらを開けよう。

 開けた先は崖かもしれないが、閉じ込められるよりはマシだ。」


 周りの看守たちは頷き、急いで指示を飛ばし、指示した看守自らも走り出す。

 ジッとしていると恐怖に負けてしまうからだろう。


 もう誰も準男爵看守には、指示を仰がない。

 まとめて俺に騙されている。

 プクク。


 元軍人オッサンも抜き身の剣を持ったまま、戻ってきた。

 無事だったんだな、すげぇな。


「このまま、坑道入り口で時間を稼ぎます。

 、、、頼みましたぞ?」

 俺はオッサンの言葉に頷く。


 美少年は最後に、俺の盾にするから任せろ。

 しかし何故か、俺に丁寧語になったね?

 騙されやすいなぁ。


 オッサンは美少年の前に跪き、一言。

「では、行って参ります。」


 美少年も頷き、一言だけ。

「エイブラハム。御武運を。」


 少女と思えるような高い、されど威厳のある言い方だった。


 奴隷たちで、騎士ごっこやってたんだろうな。そんなんでもないと、奴隷稼業辛いしね!


 俺もせっかくなので、のっておこう。


「オッサン!死中に活アリだ!」


 俺は適当に本に載ってた格好いい言葉を、オッサンに投げかける。

 俺、格好いい。



 オッサンは俺の言葉に目を見開くと、右手拳を左手で包むようにして胸の前に持って来て、一礼した。


 とってもサマになっていて格好良かった。

 ちくしょー。





 そこからは急展開だった。


 そりゃそうだ、すぐそこまで魔獣が近づいている訳だから。


 坑道内の所々に、爆破のための火の宝珠が設置され、用意が整ったタイミングで、ようやく脱出口が開いた。


 なんとか、間に合った。


 結局、当初案の出口予定は岩盤を抜くことが出来ず、途中で掘削ポイントを切り替えたのが正解だった。


 しかし、、、開通した出口は崖の中腹、下には川が流れる。

 そこに向けて飛び降りれば、助かる可能性は高いが。


 飛び降りるこの場所も高い。

 見下ろすだけでクラッとする。


「こ、こんなところから脱出するんですか〜!?」

 美少年が女の子みたいな声を上げる。


 えーい、だまらっしゃい!男だろ!

 はよ行け、という思いで蹴り出す。


「え!?きゃあああああーーー!!」

 きゃあ、じゃねぇ!


 目の前の視界が開いたので、俺も意を決して飛び出そうとして、背後が爆発した。


 後からの想像でしか無いが、脱出口を開く時に使った火の宝珠が、不発で残っており、それが爆発したのだと思う。


 ちゃんと安全点検しとけー!!!


 そうして、大きく飛び出した俺は本来落ちるはずだった川を越え、対岸の木々に突っ込んだ。


 、、、だが!


「俺は生きてる!生きてるぞー!!!!」


 坑道の脱出口からは、さらに開いた穴から、次から次へと人が川へ飛び込む。


 最後にあの元軍人オッサンが、何かを作動させる動きをして、川に飛び込むと、、、。


 鉱山があちらこちらから、爆発を起こす。


 どうやら、上手くいったようだ。


 坑道内に魔獣を誘い込み、鉱山ごと爆破。

 奴隷や看守は開けた穴から脱出する作戦。


 完璧と言って良い。


 、、、いいや、それ以上だ。


 うししっと俺は笑う。


 当然、奴隷解放の恩赦なんて嘘っぱちだ。

 奴隷共は変わらず、奴隷のまま。


 しかし、俺はこうして奴らの目から逃れ、自由の身!


「世の中、騙される方がバカなのさ!」


 俺はルンルン気分でスキップしながら、木々の間を抜けて自由への道を進むのだった。


 その日は、奇跡のような、ううん、奇跡の日だった。


 ユーロ王国を失い、頼れる数名の騎士と共に逃げに逃げ続け、私ユーロ王国最期の姫ルカ・ユーロはついに帝国に捕まった。


 ただ、逃げ続けた意味は多少なりともあったのか、逃げ続ける内に情勢が変わった。


 魔王が現れ帝国が覇道をやめた影響で、処刑されることなく、恩赦として犯罪奴隷として鉱山での労働を命じられた。



 だけど、終身の犯罪奴隷となった私と騎士たちには、希望はなかった。


 鉱山から抜け出すには、出入口は一つしかなく、脱出を手引きしてくれる仲間も全て捕まり、国を再興するどころか、いつか奴隷として力尽きる日を待つだけだった。


 いっそ、それならまだマシかもしれない。

 私は性別を偽り、騎士たちに護られてはいたが、それもいつまでもつか。


 女性とバレた瞬間に、奴隷もしくは看守たちの慰みモノになるのは、間違いなかった。


 そうでなくても、男と思われたままでも騎士たちが護るのをやめた瞬間に、誰なりとの餌食になってしまう程度には、私の容姿はよかった。


 その日が近いことに、目を逸らし震えながら日々を過ごす。


 そんな時、あの人が奴隷としてやって来た。



 あの人、ジャックという名の彼は飄々《ひょうひょう》としていて、その目はこの奴隷生活であっても希望を失っていなかった。


 あっという間に、看守と他の奴隷たちに取り入り、情報を集めているようだ。


 エイブラハムからも何を考えている奴か分からないので、近寄らないようにと忠告された。


 ただ、彼は他のどの奴隷とも違って、私に一切興味を示さなかった。

 まるで美少年であっても、男に興味が無いからとでもいうように。


 ただ、この頃になると、私を男として見るのは、多少無理が出ていた。

 情報を集めていたはずの彼が気づかない筈がない。


 気付かないとしたら余程の間抜けか、徹底的にその可能性を考えていないか。


 もしくは、私が女と気付いていて、本当に男にしか興味が無いか。


 目は自然と彼を追い始め、私は擬似的な恋をした。

 それは、この辛い現実を直視したくない心の所為だ。


 そもそも、ここに送られた時点でマトモな人ではない。犯罪者なのだから。


 それでも、私は生きる希望を欲しがった。

 それだけのこと。


 運命の歯車が回り出すのは、突然だった。


 大量の魔獣が鉱山にやって来たのだ。


 帝国から逃げ惑っている間にも、いくつもの街や村、時には国が滅ばされたのは、知っている。


 世界ランクのナンバーズですらも、その半数近くが魔獣にやられたと。


 そんな魔獣たちが数百以上。

 騎士たちが精強とは言え、それは気力体力が万全の状態の時のこと。


 今の弱った騎士たちでは、如何程粘れるかが精々だ。


 その時、立ち上がったのが彼だった。

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☆【世界最強、その名はランクNo.0彡☆の真相編先行版はこちら、近い内全て再掲予定。
ネタバラシになりますので、先が気になる方はこちら】☆
世界最強、その名はランクNo.0彡☆真相編女神陥落
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