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世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
魔王編
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ゴンザレスとグレーターデーモン②

 メリッサが、カレン姫を背負い森を抜けた時、背後の森は既に激しく燃え盛り、更に拡大を続けていた。


 そこから、少し移動すると、森の入り口を境に数十万の魔獣と戦っていた第一、第二の部隊が、無事に撤退を済ませ休憩していた。


 そこにはNo.10、ソーニャ・タイロンも無事で居た。


 メリッサは、カレン姫の治療を頼み、第一、第二の隊長とソーニャに起きたことを、可能な限り報告した。


 彼がカレン姫を救出する際に、森の中で起きた不可思議な現象、ただの一匹も魔獣に遭遇せずに目的地に辿り着いたこと。


 共に行動していたメリッサよりも、遥かに早くカレン姫を見つけ出す驚異的な察知力。


 カレン姫を救出して、必死に真っ直ぐに逃げるしか出来なかった自分を、的確な指示を飛ばしてカレン姫共々命を救って見せた。


 そして、もっとも恐ろしいのが、世界ランクNo.2カレン姫ですら、ただ防戦する一方だったグレーターデーモンを、ただ一撃。


 毒の沼地で罠に引っ掛けたとは言え、ただの一撃で討伐して見せた。


 とどめに森を焼き払い、数十万の魔獣を殲滅し第一第二部隊のみならず、帝国そのものを救い、その功を誇るでもなく、そのまま姿を消した。


 仮にだ。


 コレが全て偶然の産物だとして、何処の誰がそんなことが可能だというのか?


 はっきり言おう。

 不可能だ。


 かくして、伝説は真実となる。


 第一、第二の隊長、そしてソーニャの3人ともあまりの凄まじい結果に、言葉が出なかった。


 戦慄と共に実感する。

 No.0、伝説に偽りなし、と。



 だが、とメリッサだけは思う。

 彼はよもや自分をNo.0だと気付いていないのではないか?

 もしそうだとしたら、、、。


 メリッサは心の中で、歓喜の感情が沸き起こることを感じる。

 それが自分のご主人様であることを。


 偽りかも知れぬが、それでも伝説を作り上げてしまう存在。


 そして、恐らく、世界で唯一、自分だけがそれに気付いてしまったことを。

 その歓喜の中で、メリッサが思い出したのは、他のどの顔でもなく、アレスが一瞬だけ見せた困り顔。


 普段から冷静沈着を心掛けて、実際にそうである自分の中の心の動揺に気付いた時、メリッサは自覚せざるを得なかった。



 あ〜、、、私って、ほんと男の趣味最悪、、、。

 出来うれば、こんな趣味の悪い相手は今回限りで願いたい。




 メリッサはそう願うのみである。


「帝国、、、ね。」

 ふとメリッサは、彼が言った一言を思い出す。

 帝国に居られなくなる。


 このような大火だ。

 確かに犯人は帝国に居られまい。

 『普通』なら。


 だが、その結果、カレン姫様は救出され、残っていた魔獣、、、数十万もの魔獣が森ごと焼き払うことで殲滅され、帝国は救われた。


 多数の被害と森の大火による被害は、巨額にはなるだろうが、それでも、帝国は生き延びられた。


 帝国に数十万もの魔獣を押し留めることなど不可能なのだから。


 だが、きっと彼は気付いてはいまい。

 自身が救国の英雄などと。


 そう考え、メリッサはクスリと笑った。



 メリッサは、最後に3人にこう告げる。

「さて、私はご主人様の元に行かねばなりません。


 、、、ご主人様は自身がNo.0であることを、広められることを好みません。

 この事は帝国上層部だけのトップシークレットでお願いします。


 、、、あと、カレン姫様にお伝え下さい。ご自愛を、と。」


 すすけた格好であったが、メリッサはその場で優雅に一礼する。


 そこに居たのは、帝国の帝国第3諜報部隊並びに帝国ランクNo.1のメリッサではなく、元レイド皇女であり現No.0のしもべのメメだった。


 その立居姿は、公爵令嬢ソーニャ・タイロンから見ても、高貴なる姿であった。





 この日、世界は戦慄する。


 追い詰められていたはずの、世界ランクNo.2カレン姫が救出され、数十万の魔獣が森と共に殲滅された。


 帝国上層部は皆、口をつぐんだが、真実はまことしやかに噂された。


 全てを為したのは、世界最強No.0。


 世界ランクNo.1の上に表示された『魔王』、そして灰色に染まったナンバーズ。


 だが、人々は絶望しなかった。

 この世界には、世界最強No.0が居るのだから。


 世界ランクを示す世界の叡智の塔。

 そこには未だNo.0という番号は、ない。






「というわけで〜、今宵は君と一晩のメイクラブ、って事で、どう?」

「え〜、でも、ちょっとお金弾んでくれたら、メイクラブ行っちゃうかも!」


 ウヒョ〜!


 あ、ども、詐欺師アレスです。

 ゴンザレス?誰それ?


 帝国の森から抜け出し一週間。


 脇目も振らず移動して、帝国の隣のバーラト商業連合国の港街に到着した。


 だから、英気を養う意味で、飲み屋のバーバラちゃんにお声がけをしていたという訳だ!


 無事に交渉も上手く行ったので、早速、、、。


 そこに、、、。


 店に入って来た瞬間から、誰もが振り向かずには居られない美貌とオーラ。


「どいてください。」


 哀れな飲み屋店員バーバラは、その美貌の主にそう声を掛けられた瞬間に、俺から飛び退いた。


 呆然と俺はその美貌の主、メメに目を向けた。


「困りますね、ご主人様。変な病気を貰われたら、私にも感染うつりかねません。

 以後、女性関係は私が管理いたしますので、どうぞよろしくお願いします。」


 微笑を浮かべ、その美貌の主は俺にしなだれかかる。


 俺は固まったまま。

 その美貌の主の謎の威圧に耐えられるほど、俺は厚顔無恥ではない。

 完全に悟ってしまった。


 俺は、手を出してはいけないものに、手を出してしまったのだと。


 色々な意味で、ヤッチャッタ!


「ご主人様。

 ナンバーズを除けば、帝国最強を自負致します私を、撒けるとお思いでしたか?


 残念ですが、私はご主人様のものです。


 以後、置いて行くことのないよう、ご注意下さいね。分かりましたか?」


 そうして、メメは俺の耳元に口を寄せ、

「ご・主・人・様?」


 俺は震え上がりながら、何度も首を縦に振るしかなかった。


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【外伝】キョウちゃんのその後の話をリンク貼っておきます。 カクヨムサイト かなりガッツリ恋愛系なのでご注意を!
親友だったはずの女の子とイチャイチャな日々!?〜キョウちゃんの憂鬱〜
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☆【世界最強、その名はランクNo.0彡☆の真相編先行版はこちら、近い内全て再掲予定。
ネタバラシになりますので、先が気になる方はこちら】☆
世界最強、その名はランクNo.0彡☆真相編女神陥落
― 新着の感想 ―
[一言] 最後んとこのASMR聴きたい。
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