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世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
魔王編
22/163

ゴンザレスとグレーターデーモン①

 そんな訳で見事に俺のしもべとなったメメを、美味しく頂いたのは良いんだが、時間が経つごとに、ちょっとずつ俺の扱いが雑になっていった。


 俺、君のご主人様なんだよね?


 酒屋で軽くあしらわれる時のような感じ。


 あれ?俺もしかしてNo.0じゃないってバレてる?


 気付かない方がおかしい気はしてたから、メメの方が正しい気はするが、この段階でバレるのは、それはそれでマズイ。


 よし!逃げよう。

 森の中でそっとはぐれて、そのままバックれてしまおう。


 アディオス!メメちゃん!


 俺の尊敬する詐欺師シューバッハ氏は言った。

 真の詐欺師とは、相手に最期まで詐欺師だと気付かせないことである、と。


 そうして、彼は最期まで結婚詐欺で、多くのお金と愛を巻き上げたが、本気になり過ぎた男の娘に、貴方を殺して僕も死ぬ!と刺され伝説となった。


 なお、その男の娘はその後、別の女性と結婚し幸せになったという。


 シューバッハ氏はこうも言っているのだ。

『どれほどの善行に見えようとも、詐欺とは、何処まで言っても悪である。』


 故に、男の娘も重い罪には問われなかった。


 その言葉を思い出す度に、お空で笑顔で笑うシューバッハ氏が見えるようだ。


 シューバッハ氏の姿形知らないけれど。


 それは良いとして、サクサク森の中を進むのだけど、メメは迷いなく俺について来る。

 この追跡能力は例のNo.8を思い出す。


 ナンバーズクラスになると、謎の追跡能力でもあるのだろう。

 あれ?ということはメメも、そのクラスの化け物?


 基本的に魔力が強ければ強い程、美人になる傾向がある。これは体内魔力と美容が相乗効果を生み出すため、と言われている。


 そこに元々の下地があれば、さらに倍となる。


 俺、やっちゃったかも。

 いや、やっちゃったんだけどね。


 いやいや、現実逃避は良いから、逃げよう。

 頑張って逃げよう。


「ご主人様〜、どうするんですか?森の中、着いちゃいましたよ?」

 ジーっと見られてビクッとしてしまう。


 い、いかん!動揺するな、俺!

 今ここにある危機を乗り越えるのだ!


 更に森へ進むが万策尽きた!

 逃げられない!ピンチだ!


「んじー。」

 メメがわざわざ口に出して言ったので、身体が勝手にビクッとなってしまった。


 クスッと嬉しそうに笑われた。


 こ、これ完全に気付かれてるよね?

 今のところ、それを責める気配はないのが救いだけど。


 そうこうしているうちに毒の沼地に出た。

 木を沼に刺し、その匂いを嗅ぎ顔を顰める。これは、、、。


「ご主人様大丈夫ですか?何やってるんですか?馬鹿ですか?」


 思ったことを口に出した感じだが、そこに嫌味は感じない。


 No.0ではないと気付いているだろうに、ご主人様呼びは変えないんだな、と思った。


 とりあえず、更に進もうとすると、剣の光が視界のずっと先に見えた。


 うん。


「、、、帰ろう。」

「駄目です。」

「嫌だ。帰る。」


 生きるためには、見なかったことにするのだ!

 No.2とグレーターデーモンが戦っている現場なんて!!!!


 No.2の名前を呼びながら、メメは駆け出した。


 は、速い〜!


 あっという間に沼の対岸の更に奥、薙ぎ倒された木々や大木の中で戦うNo.2のところへ向かって行く。


 メメは、やっぱりそれなりの強さを持っていたに違いない。

 どう見ても、並の身体能力ではない。


 呆然としかけた俺は、ハッと気づいた。

 こうしては居られない!


 俺は逃げるぞ!!!!


 森を抜けるため、走り出そうとした。


 しかし!タイミング悪いというか何というか、No.2が何十メートルもこちら側に弾き飛ばされる。


 それをメメが拾い、直ぐにコッチに帰って来る!!


「やめろ!コッチに来るな!!」

 俺は必死に叫ぶ。


 俺の叫びを無視して、木々を抜けながら、真っ直ぐ此方に逃げてくる。


 こっち来んな、言っただろぉぉおおお!!


 俺は必死に違うところに、行っちまえと合図する。


 そうするとNo.2を背負ったメメは、きっちり俺が指差した方向にカクッと、進路を忽然と変えた。


 その結果、何が起こるかというと、、、。


 あっらぁ〜、グレーターデーモンさん?

 相変わらずイカしたツノねぇ〜。

 ちょっとこっち見ないでくれないかしら?


 突然、グレーターデーモンさんの視界から消えた2人の代わりに、あのお方の目に入るのは、わ・た・し。



「グオオオオオオオ!!!」

 気合いの入った雄叫びをする、素敵な貴方はグレーターデーモン。


 沼の中に突っ込んでまで、真っ直ぐ俺の方に向かおうとする。


 来るなーー!!


 俺は必死に火打ち石を弾き、さっき沼に突っ込んだ木に、小さな布を巻き火を付ける。

 その間、僅か数秒!

 俺的快挙!


 勢いよく火のついた木を、沼に投げ入れる。


 結果を見ずに、沼の中のグレーターデーモンに背を向け、出来るだけ近い大木の裏に飛び込むように、、、。


 ドンっという音が聞こえた気がした瞬間、空間から音が消えた。


 一瞬だけ、記憶が飛んだ気がする。


 辺りは激しい炎に包まれる。

 俺は立ち上がり、とにかく走った。


 森の木々は次々と燃え、正直生きた心地はしなかった。


 行きしに森を歩いた時間よりも、きっと長かった気はするが、森を抜け、川のほとりに着くと夢中で水を飲んだ。


 生水を飲まないように気をつけていたが、今は仕方ない。


「や、やったぞ、、、!逃げ切った。」


 俺は立ち上がり、森の方を見る。

 森は激しく燃え、数日は燃え続けるだろう。


 幾つもの被害を出して、、、。


「、、、しーらね。」

 俺は、とにかく少しでも早く帝国から逃げ出すことにした。

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世界最強、その名はランクNo.0彡☆真相編女神陥落
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