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世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
邪神編
161/163

最後まで、詐欺にご注意しましょう。

「良かったのですか?バラしてしまって?

 貴方様なら、全てを隠し切ることは可能だったはずでしょう。」

 イリスは、たった今、城から出て来た俺にそう尋ねた。


「なるほどね、お前も詐欺に掛かったな?

 虚言で脅しただけだ。」

 

 大体、何が邪神だ。

 そんなもん信じる訳ねーだろ。


 ま、これでもまだ覇道を諦めないなら、別の方法で止めるだけだ。


 潜入については、今の王宮は何処もそうだが、魔力を感知することを優先している。

 だから技術で潜入するなら、穴が存在してしまう。

 嘘を見破る技術も同じように、魔力に依存していることが多い。


 、、、だから誰もが詐欺に掛かるんだ。

 世界最強なんて幻の詐欺に、な。


「お前らにも教える気なんか無かったがな。

 だがそうしないと、お前たちをS級と呼ぶなと、どっかのエルフ女が言うからな。」


「貴方様は、そうやって、ずっとお優しい。

 私の時も、お気になさらずとも良かったでしょうに。」

「田舎出の可愛い女がちょっと騙されやすそうな顔してたから、引っ掛けただけだ。」


 イリス・ウラハラはクスクスと笑う。


「そうやって、弱った女をなんとかして救ってしまうから、ホイホイなんて呼ばれるのですよ?」


 俺はふんっと顔を逸らす。


「俺はチンケな詐欺師だ。それは変わらん。」

「ええ、それで結構ですよ?

 ただチンケな詐欺師の貴方様の女は、ほぼナンバーズ入りしておりますが。」


「何?」


「エルフィーナは例外として、メリッサ姉様がNo.3、カレン姫がNo.4、ナユタがNo.5、ツバメがNo.6、チェイミーがNo.7、ソーニャさんはNo.8ですが、貴方様の女でしょうか?

 、、、後、私はこの度、No.2になったハムウェイさんを抑え、No.1となりました。

 その頂点が貴方様です。

 これで名実共に世界最強、ですね。」


 俺はため息を一つ吐く。

「化け物集団だな。」

 世界の叡智の塔は、邪気を集める一切の機能を無くし、ただ再び世界ランクを刻むのみの存在となった。


「、、、ええ。その化け物集団のご主人様が、貴方様です。」


「どいつもこいつも詐欺に引っ掛けられただけだ。

 詐欺には十分注意するこった。」


「あともう一つ。

 勇者について、ですが。」


 ん?

 ああ、キョウちゃんか。


「何故、お帰しに?

 自分の女にするつもりで、女性にした訳ではなかったのですか?」


 そういや、あん時イリスが一緒だったな。


「あれは歪みを正しただけだ。

 帰ったのも、キョウちゃん本人が強く望み、さらには元の世界の誰かと繋がっていないと無理だ。


 、、、元々、異世界勇者のほぼ全てが、その世界から逃げたい願望によって、こっちの召喚に引っかかる訳だからな。


 それでも、元の世界を忌避きひしながらも、どうしても帰りたい、何かがあったということだろ。


 だから、異世界転移で帰還した勇者なんてのは、ほんのマレなんだよ。


 帰れなかったら、そのまま、俺の女にしたさ。

 S級だしな。」


「マレ、ですか?」


 俺はため息を吐く。


「異世界転移なんて、どうやったら出来ると思う?

 どの世界のなんであるかは、ともかく。

 一つの事象を法則を無視して飛ばす、なんてことは本来不可能だ。


 それを無理矢理行うから邪気が一緒に入り込んだりもした訳だが、無理矢理行うにも、初めから世界から歪んでないと引き抜けない。

 そして、肉体ごとなんてさらに無理だ。

 だから魂のみが移転する。」


「歪み、ですか?」


 質問ばかりだな、まあ、仕方ないことだ。


「この世界の過去の異世界勇者は、多かれ少なかれ、歪んでいた。

 多くが性格破綻者、巨大な力に酔うもの、常識という物の欠如。

 もしくは、獣の中で育てられ人としての認識がない、とかな。

 キョウちゃんはそのいずれでもなかった。

 恐らく千年前と、召喚の方法が少し違っていたのだろう。

 だが、それでも歪みがない訳ではなかった。

 最強になりたい虚栄心と、、、。」


「、、、性の不一致、ですか。」

 イリスが言葉を引き継ぐ。

 俺はそれに肩をすくめる。


「本来、何が正しいかまでは、流石に俺も分からない。

 分からないが、せめて魂の歪みだけは修正した。

 

 まあ、元の世界に帰れたということは、あながち間違いでもなかったってこった。

 虚栄心についても、、、エルフ女が良い師匠だったんだろうな。」


「よく女だと分かりましたね?」

 ふん、と俺は鼻を鳴らす。


 俺の嗅覚をバカにするなよ?

 S級は匂いでわかる。

 分かりすぎて、男の娘に接吻する衝撃的なミスもあった訳だが。

 心から女なら、俺のS級レーダーが反応してしまう!


 そんな俺を見て、イリスはため息一つ。


「そうですね、もしも、、、私たちとの出会いから見ている人が居たら、詐欺だと言うかもしれませんね。

 いいえ?もしかすると、『そうだと思った』と言うかもしれませんね。」


 ふん!それなら上々だ。

 詐欺をそんなに最初から疑えるなら、詐欺にもかからないことだろうよ!


「いずれにせよ、私は、いえ、私たちは幸せです。」

「、、、勝手に幸せになってろ。」


 ほんと、詐欺みたいなお人ですね、とイリスはクスクス笑う。


「うるせ。ベッドで懲らしめてやる。」

「ええ、喜んで。」









 そこで俺は今更ながら、『ある事』に気付いて、足をぴたっと止める。


「あ、あれ、、、?

 もしかして、俺、本当に強いと思われて、、、る?」


 迷いもなくイリスは頷く。

「ええ。世界最強かと。」


 俺は必死に首を横に振る。

「ないよ?ないからね?

 詐欺に掛けれるところは、詐欺したけど、他は全部、ただの偶然だからね?

 それを口で辻褄つじつま合わせただけだからね?

 これは本当に、本当なんだよ、、、?」


「さあ?どうでしょうか?」

 イリスはたおやかに、ふふっと笑う。


「、、、逃げていい?」

「ふふふ、もちろんダメですよ?

 貴方様はこれから世界最強にして大国の王として、君臨しますから。」


 お、お願い!見逃してぇぇえええ!!!


「ふふふ、もう世界規模で追跡出来ますので、逃げてもす〜ぐ捕まえますので、逃げないで下さいね?

 あ・る・じ・様。」


「い、いやだぁぁあああああああ!!!」



 この日、皇帝の元に世界最強No.0が姿を現したと言うが、その真実は世界の誰も知ることはない。


 最後に残った世界の叡智の塔。

 新たなナンバーズの名を刻んだその塔に、誰もが認めた世界最強ランクNo.0の名が刻まれることは、ない。


 同時にその日、人々はゲシュタルト連邦王国の方に流れる星を見た。

 それはまるで世界を駆け抜けた一つの伝説のように。


 世界の人々は世界の叡智の塔に、決して刻まれることのないその名を心に刻む。


 その名は、、、。


 世界最強ランクNo.0彡☆





 同じ日の夜、何処かの詐欺師の大絶叫が響いたが、それはやはり世界最強No.0とはなんら関係が、、、ない。


 完
























「ところであるじ様?最後までNo.0とはお認めにならないのですか?」

「絶対に、絶対に違う!!!!俺は認めない!認めるものかぁぁああああ!!!!」



 今度こそ。

 完

これにて一旦区切り。


真相編入りますので、少々お待ちを( ゜д゜)

ゴンザレスから見た本音サイドストーリー的

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【外伝】キョウちゃんのその後の話をリンク貼っておきます。 カクヨムサイト かなりガッツリ恋愛系なのでご注意を!
親友だったはずの女の子とイチャイチャな日々!?〜キョウちゃんの憂鬱〜
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☆【世界最強、その名はランクNo.0彡☆の真相編先行版はこちら、近い内全て再掲予定。
ネタバラシになりますので、先が気になる方はこちら】☆
世界最強、その名はランクNo.0彡☆真相編女神陥落
― 新着の感想 ―
[一言] めちゃくちゃ面白かったです!! シリアスを吹き飛ばすドタバタ勘違い冒険劇は痛快で、とても楽しめました! あとゴンザレス…一生ヒロインズの尻に敷かれそうな…羨まけしからん!
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