ゴンザレスVS世界最強No.0⑨
立てー!
立つんだ、No.0!!
立って、その後であっさりやられてくれ!
これではまるで、俺が一撃で世界最強No.0を倒したみたいじゃないか!!
エルフ女みたいなジト目で見てくるな!妖艶娘ぇぇええ!!!
、、、なんだその目は?
ち、違うぞ!?
流れ石で当たりどころが悪かっただけだぞ!?
犯人は俺じゃない!!
俺は首を横に振ることで、無罪を主張する。
妖艶娘も静かに首を横に振る。
心の声が聞こえる。
『現行犯だから。』
動揺している俺の耳に、誰かがポツリと言った言葉が届く。
「本物のNo.0だ、、、。」
ポツリと言ったのに、皆が沈黙するものだから、そんな声さえ届いてしまう。
それを皮切りに口々と、絶叫が届く。
「世界最強!」
「魔王殺し!」
「ドリームチームリーダー!」
「本物のゲシュタルト総司令官!」
「ゲシュタルト次期国王!」
おい、最後のちょっと待て!
必死に第3王女に手を出すの我慢したんだからな!
国王になんかならねぇぞ!!
というか、なれねぇからな!!!
万の兵が大恐慌を起こす様子を、俺たちは呆然と眺めてしまう。
「鎮まれ!世界最強No.0が何するものぞ!
そのような者、この俺が叩き切ってくれるわ!」
伯爵息子がサーベルを掲げる。
「いや、世界最強No.0はそちらの、、、。」
「ええい!黙れ、黙れ!!」
伯爵息子は首を横に振り、話を聞かないと叫ぶ。
「ゴンちゃん、本物のNo.0なんでしょ?もう自分の心に正直になったら?」
妖艶娘がボソボソと何かを言う!
お、俺は認めんぞ!
本物は、そちらで気絶なされているお方だ!
決して俺ではない!
「、、、だって、今、向こうで叫ばれてるのって、全部心当たりあるんでしょ?」
「み、認めんぞ!」
特に次期国王なんて!
本当にそうなるぐらいなら、きっちり第3王女に手を出す!
せっかくのS級美女を血の涙を飲んで我慢したのに、あんまりだ!
「あぁ、、、大体分かった。
ゴンちゃんって、そういうやつなのね、、、。」
お、俺の何を分かったというのだ!
そんなことは、俺とベッドに入るまでは分かったと認めないぞ!
「はいはい、、、。」
チクショー!
「里を人質に取れば、俺が手を出せないと思っー!」
「里を人質ってなんか違う、、、。」
だまらっしゃい!
まるでエルフ女みたいな言い方しおって。
キョロキョロと周りを見るが、エルフ女の姿はない。
普段ならこういうタイミングでは、何故か姿を見せるが、やっぱりこの辺りには居ないようだ。
「えーい!この俺を無視するな!!」
サーベルを掲げたままで、伯爵息子が憤慨する。
あ、忘れてた。
その場でムキーと叫ぶばかりで、突っ込んで来ない。
一歩いや、半歩、足を出してみる。
、、、一歩下がられた。
本物のNo.0と誤解されているらしい。
このまま、お帰りしてくれないかなぁ。
起きる前に、気絶されておりますNo.0様にトドメを刺したいので。
もう一歩、進む、下がる。
「がおー。」
両手を広げ、百獣の王のポーズ。
「ひー!」
伯爵息子殿は腰を抜かす。
おもしれー。
「坊っちゃま!!
おのれ!坊っちゃまのカタキー!!」
従者な小太りが切りかかってくる。
いや、坊っちゃま死んでないから!
ワタワタと俺は逃げ出す。
妖艶娘がその刃を小刀で止める。
おお!妖艶娘が初めて役に立った!
妖艶娘が押され気味。
小太りは余裕そう。
「セバスチャン!ゴー!」
俺の合図と共にマッチョセバスチャンが参戦!
だが、それを小太りが軽くいなす。
こ、小太りのくせにつぇええ!!!
「ゲシュタルト8剣が1人、鋼のセルバンティス!
小娘や見せかけ筋肉なんかに負けん!」
ひー!
大ピンチ!
誰かー!
誰かおらぬかー!!
今、俺的最大の危機を迎えた気がする。
あれ?いつも危機だよな?
その時!!俺の視界に何かが映る。
ゲシュタルトの大軍より、右手の高台の上。
日の光に照らされた巨大なカバ。
『ぶるぉぉおおおおお!!!!』
巨大カバは雄叫びをあげる。
、、、へー、カバって雄叫び上げるんだ。
上げたっけ?
「ぬ!?」
切り結んでいた小太りが妖艶娘を蹴りつけ、距離を取る。
妖艶娘は蹴り飛ばされても、荒い息のまま、小刀を構える。
激しい動きで全身から汗をかきながら。
色っぺぇな〜。
今なら誘惑されたら、喜んでベッドinしちゃうね!
もちろん、里長にされる前に逃げるがね!
下の星エネルギーをお願いします_(:3 」∠)_