ゴンザレスと海②
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ありがとうございます\( ゜д゜)/
更新だー!
「んで、海出るんでしょ?
なんでまだウロウロしてんの?」
「老人がな、繰り返し出て来て、舟は出せないって言うから、次に行くところ。」
ねえ?そろそろ、首根っこ離してくんない?
「え?詐欺しなくていいの?」
いや、なんでだよ!?
引っ掛ける対象の前で、詐欺しますと言ってどうすんだよ。
「大体、エルフ女の前で、詐欺したことないだろ?」
「なかったっけ?」
なかったと思うけど、自信はないな。
「あんた息を吐くように、人を引っ掛けるからなぁ、、、。
ほら、ここにも犠牲者が。」
ナユタの頭をナデナデするエルフ女。
犠牲者だけど、詐欺った気はないんだがなぁ、、、。
「もうあんた、存在自体が詐欺だから、いいじゃない。
詐欺師にこだわんなくても。」
「失礼な!俺は至って普通のチンケな詐欺師だ!」
大体、イリスに引っ掛かるまでは、せいぜい小銭稼ぐしか出来なかったし、美女と良い思いもしたことねぇよ。
だから、この現状が怖い!!!
「あ、あの〜。お2人とも、、、。」
なんだい?心の癒しナユタ。
チェイミーといい、ナユタといい、A級からS級に登る途上の娘は中身が良いな。
A級だろうがS級だろうが、高嶺の華なんだが。
ナユタが示す先には。
モリを手入れするじいさんが、睨んでいる。
「用がないなら、とっととけぇれ!」
「そういえば、お爺さん。舟はどこも出せないと言ってたけど、何があったの?」
わ!馬鹿!エルフ女!
土地の厄介ごとには関わらない。
常識だぞ!?
、、、エルフ女のツッコミが、常識的なのでまた忘れてたが、この女、世間知らずだった。
基本的にその土地の厄介ごとに、旅人が入るのは望ましくない。
その旅人がその土地の人に騙され餌食になるか、現状を掻き乱して皆が迷惑するか。
どれにしたところで、誰も救われない。
俺なら、それを利用して詐欺に掛けるがね。
今回は、グリデンの金で懐が暖かい。
無理して詐欺に、掛ける気もなかった。
1番の理由は、どう見ても貧乏そうだから。
儲からない。
「、、、ふん。よその者には関係ねぇ。」
「よし、行こう、エルフ女。じゃあな、じいさん!邪魔したな!」
じいさんが言うや否や、エルフ女の腕を引っ掴んで、さっさとその場を去ろうと。
「、、、だが、そこまで言うなら、話してやらんでもない。
ちょっと来い。」
「言ってない、言ってない。」
俺は首を横に振る。
じいさんは無視してスタスタ。
振り返り早く来いと手招き。
「ほれみろ!あれ絶対厄介ごとだぞ!エルフ女!あとでベッドで責任取れ!」
「あー、うん、ごめん。とりあえず、気になるから行こう。」
エルフ女は俺の腕を引っ張る。
好奇心旺盛だなぁ。
騙されるから、好奇心に従うのは注意しろよ?
ナユタは特に何も言わずに、静々ついてくる。
(ナユタ?少しは自分の意見言った方が良いぞ?エルフ女グイグイ来るから。)
ナユタはちょっとビックリした顔をした後、少しだけモジモジした。
(トイレか!?)
(違います。)
違ったらしい。
特に文句は無いらしい。
俺たちの後をついて来る。
じいさんはそんな俺たちを、不気味に観察している。
(どうすんだよ!エルフ女!あれ、やっぱりヤバいじいさんだぞ?
お前みたいな世間知らずは、ちょっと口車に乗せられて、ベッドに運ばれるぞ!)
エルフ女はジト目。
(あんたと同じ手口ね?気をつけるわ。)
俺のことはいいんだよ。
気をつけるより、まずは関わらないようにしましょう。
一方的に奪われるだけで、得は必ず無いから。
「あれはもう何年前になるか、、、。」
俺たちが声の届く範囲に来ると、じいさんは1人語りを始める。
平和な海に、大きな白い魔獣が現れた。
それから舟を出すと、食べられちゃうから舟を出せなくなった。
おしまい。
それをじいさんの想い出話と、飲み屋のクラリッサちゃんに貢いでいる話と交えて、熱く語ってくれた。
特にクラリッサちゃんにお金が無いなら、お店に来ちゃダメよ?と言われた話は、俺の胸を打った。
「じじい、、、辛かったなぁ、、、。分かる、分かるぞ。」
俺も金が無い時に、貢いでた飲み屋のキャリーちゃんに虫けらを見る目で見られた時は、心が折れるかと思ったもんだ。
「分かってくれるか、若造。
貴様も色々あったんだなぁ、、、。」
今は美女2人連れて万死に値するがな、とボソリとじじいは付け加える。
俺もこういうの見たら、そう思う。
本とかに出て来る勇者は、特に注意するように。
そういうハーレム野郎は罠に掛けてやろうと思うのが、一般的だから迂闊に閉鎖的な村とかで頼みとか聞いたらダメだぞ!
「じゃあな!」
後ろからじじいが、待たんかい!と叫んでいるが、これ以上はダメです。
本当に危険が危ないので。
今度こそ、エルフ女とナユタの手を引いて、その場を去った。
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