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世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
邪神編
141/163

革命家ゴンザレス⑨

 ベック伯爵領陥落後、早馬により報告をウスタから、受けたカストロ公爵名代イリス・ウラハラはため息を一つ付いた。


「アレス様らしい。

 本当に仕事に行ったのですね。

 まさか単独でベック伯爵領を、制圧に行かれるとは、、、。

 すぐにメリッサお姉様にも伝えないといけませんね。」

 相変わらず無茶苦茶だ。


 軍も動員せずに、どのようにしたらそんなことが出来るのか。

 彼にとってしてみれば、ナンバーズのイリスですらも、足手まといなのかも知れないと寂しく笑う。


 、、、いや、事後を任せてくれる事が、まさに信頼の現れである。

 今までなら、そんなことはなかった。

 全て自分で片を付けていたのだから。

 ならば、イリスたちは、その信頼に応えねばならない。



「あ、あの〜。

 ゴンの奴は一体、、、?」


 その報告を届けてくれたウスタの戸惑う様子は、流石にイリスも慣れっこになってしまった。


「ゴンザレス様は、カストロ公爵アレス様ご本人で御座います。

 そして、、、。」

 そこは軽い笑みで留める。


 それでも、関わった者はある存在を浮かべる。

 世界最強ランクNo.0。


「さて、それと貴方からの伝言、確かに聞きました。

 少々そのままでお待ちなさい。」

 イリスは部屋から出て行った。


 ウスタは、その時の事を生涯忘れないだろう。

「お父さん!」

「ターナー!!」

 娘と妻は生きて、カストロ公爵家に保護されていたのだ。


 そして、ウスタは唐突に気付かされた。

 全ては偶然などではなかったのだと。


 あの男、いや、あのお方は全て分かった上で3人に接触したのだ、と。


 ベック伯爵領の民の未来を案じ、ただ、全てをカストロ公爵領の者が助けるのではなく、自らの力で立ち上がるように促しながら。






 イリスからの手紙を受けたメリッサは、図らずもイリスと全く同じように、ため息をついた。


「本当に仕事をしに行っていたとは、、、。」

 しかし、どこまで本気だったのかはあやし〜ところだ。


「イリスさん、なんて?」

 気怠げなカレン姫にも手紙を見せる。

 それを読んでカレン姫も吹き出す。


「ははは、、、アレスさん。相変わらず無茶苦茶だよねぇ〜。」

「全くです。さあ、カレン姫様。帝国までもう少しかかります。

 あまりご無理なさりませぬよう。」


「んー、メリッサもね。

 、、、お父様には、なんて言おうかなぁ。」

 カレン姫は、たはは、と笑う。

 それにはメリッサもこめかみを抑える。


 まあ、なんとか考えるしかない。

 なんと言って良いかは、全く分からないが。


 帝国を上げて、アレスを血祭りに上げようとすることだけは、何としても止めなければならないのだから。






 その日、元ベック伯爵領は、カストロ公爵領に併合された。

 それもカストロ公爵領は、ただの一兵も使わずに。

 仕掛けたのは、無論、あの男。

 カストロ公爵アレス。


 カストロ公爵領に居たはずの男が、突然転移でもしたように、その街に現れた。


 そのような存在を人々は知っている。

 世界最強ランクNo.0。

 やはりカストロ公爵アレスはNo.0なのだろうか?

 事実、エストリアが誇る10剣の1人、グリデン・ベックを、無手にて制したという。


 むしろNo.0の数々の逸話から見れば、当然で、挑んだグリデンの方が愚かだと言わざるを得ない。


 ナンバーズであっても、誰一人No.0には敵わないのだから。


 世界の叡智の塔、邪神の作ったその塔に、No.0の名は、ない。











 報告をカストロ公爵領とケーリー侯爵に送り、ある程度の目処が付いた。

 私、ナユタは、主人であるゴンザレス様の居ない元ベック伯爵の館で、これからについて考える。


 ここからは私よりも、他の人の方が適任なので、私については一旦、カストロ公爵領に戻るかどうかといったところ。


 そんなある日、土煙をあげて、何者かが元ベック伯爵領のこの街に接近していると、知らせがあった。


 私はグリデンに敗れはしたが、それでも元革命軍では最高戦力。

 警戒も兼ねて、その何者かを城門にて出迎えた。


 土煙を上げてやってきた人物は、私の前で急停止して行った。


「チクショー!!アレスの奴!

 まんまと奪っていきやがった!!」


 美しいエルフの女性。

 剣聖の担い手と呼ばれる伝説の1人、エルフィーナという名だとか。

 その実力はナンバーズに匹敵するという。

 アレス、つまりゴンザレス様を追って来たのだろう。


「いいえ、あの方は何も奪っておりません。」

 むしろ、皆に希望を与えて行かれました。


「え?奪われたでしょ?」

 キョトンとした顔で、私の全身を見る。

 私のことで言うなら、、、。

「え、ええ、まあ、奪われました。」

「ふ〜ん。」


 さらに私をジロジロ見る。

 そして手を差し出す。

「行く?」

「え?」


「あんた、一緒に行く?

 アイツが手を出したんなら、見込みあるわ。

 ナンバーズ並に強くなれるわよ。

 それに、、、アイツはクズだから、追いかけないとさっさと逃げるわよ?」


 私はその言葉に、、、。

「はい!」

 頷き、彼女の手を取る。


「私はエルフィーナ。あんたは?」

「ナユタと申します。」


 そして、元革命軍の皆とブレンたちに笑顔で見送られ、エルフィーナさんと共に旅立った。

 あの方を追いかけて。

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【外伝】キョウちゃんのその後の話をリンク貼っておきます。 カクヨムサイト かなりガッツリ恋愛系なのでご注意を!
親友だったはずの女の子とイチャイチャな日々!?〜キョウちゃんの憂鬱〜
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☆【世界最強、その名はランクNo.0彡☆の真相編先行版はこちら、近い内全て再掲予定。
ネタバラシになりますので、先が気になる方はこちら】☆
世界最強、その名はランクNo.0彡☆真相編女神陥落
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