革命家ゴンザレス⑦
星エネルギーだぁぁあああ!
更新します_(:3 」∠)_
領主館の扉が開き、おざなりに俺は指示する。
「はーい!制圧急いでー!時間との勝負だよー。」
捕らえられていたフリをしていたヒゲオヤジたちも、ヒモをつけたけまま剣を抜き駆け出す。
「降伏する者は命は助けるが、抵抗する者は皆殺しだー!!
ヒャッハー!」
ヒゲオヤジが興奮しながら、突撃して行く。
やあねぇ、野蛮で。
1人の男が、音もなくやって来て、俺の前でひざまづく。
「お館様。お待ち申し上げておりました。
領主館の見取り図にございます。
領主代行はおそらく、西の離れの塔に逃げ込んだと思われます。」
この人もカストロ公爵領の、というか里の人か。
有能そうな匂いがプンプンする。
「カストロ公爵領とケーリー侯爵への連絡は?」
「委細ご指示の通り。」
ちゃんとこの後始末、押し付けないといけないからね。
「ゴンザレス様。参りましょう。」
ナユタに案内されるように移動。
ブーフーウーも付いてくる。
逃げたい、、、。
どう見ても、逃げさせてくれなさそうな雰囲気である。
ううう、、、。
ベック伯爵領にて、反乱に御座ります!
何!?首謀者は誰だ!
ゴンザレスなる詐欺師であります!
なぁにぃ!やっちまったな!!!
である。
しかも、成功しそう。
情報戦にしても、噂流すにしても、兵の配置にしても、ベック伯爵領はザルも良いところである。
なんでだ〜、もっとしっかりしろよー。
そんなんだから、詐欺師に領地を攻め落とされるんだ。
詐欺師は普通、反乱なんかしないけど。
「領主代行は、頭は残念ですが、剣の腕前はエストリアの10剣の1人に選ばれるほど。
ご注意下さい。
私でも、少々難しいかと。」
エストリア10剣はナンバーズと同じ制度。
帝国ランクと似たようなもの。
つまり、エストリア国を代表する10人の内の1人ってこと。
いやいや、最高戦力より上ならどうしようも無いでしょ?
逃げようよ。
「ですので、数で追い込みましょう。」
それならまあ、、、妥当か。
近寄らないように注意しないと。
西の離れの塔では、領主の私兵が抵抗を続けている。
奴らに関しては、甘い蜜を吸い過ぎて降伏しても、先がないからだろう。
それでも領主代行が捕まれば、諦めるだろうけど。
「はっはっは!コッパども!俺をエストリア国10剣が1人、グリデン・ベックと知ってかかって来ているのか!
忌々しきカストロ公爵に、籠絡された小娘イリス・ウラハラでも連れて来るがいい!!」
俺がここに居ると知ったら、本当に来そうだからそんなこと言うのやめて?
「不味いですね。囲みを突破して逃げるつもりです。
逃すと厄介なことになります。」
よし!それに合わせて逃げよう。
俺はタイミングを図る。
グリデンが囲みを突破して、こっちに突っ込んでくる。
こ、こっちに来るなー!!!!
「ゴンザレス様!」
ナユタがグリデンの前に立ちはだかる。
ブーフーウーも加勢。
俺は応援する!
が、がんばれー!!!
ウーが蹴られ、跳ね飛ばされる。
そこから少しずつ押され出す。
何やってるんだ!ウー!
娘のターナーに手を出すぞ!
フーが頭突きされて、崩れ落ちる。
根性で耐えろよー!!
ブーが顔を捕まれ投げられ、その先で木にぶつかり崩れ落ちる。
どんなパワーしてんだよ、、、。
最後はナユタが首根っこ捕まれ、吊るされる。
負けんなよ!根性出せよ!!
というかグリデンは10剣という割に、剣を使ってないじゃん。
「ご、ゴンザレス様、、、お逃げ、下さい、、、。」
ナユタが健気にもそう言う。
大丈夫、俺はとっくに走り出していた。
ナユタを放り投げ、グリデンは猛烈な勢いで俺を追い掛ける。
「貴様が首謀者だなー!!!
貴様の首を城門に掲げて、その目の前で、さっきの娘を甚振ってくれるわー!!」
く、来るなー!!!
さっきの娘は甚振っても、俺は殺さないでー!!
俺の全力ダッシュを、猛然と追いかけて来る。
その距離がグングン縮まる。
ひー!!
俺は何か無いかと、手持ちの物を探るが、あの時、街で小道具に使った木しかない。
すぐに街を出たので、なんとなく持ったままだった。
後はマーカーとスイッチ。
使ったら100%死ぬ!
使えるか!!
というか、俺は剣も持ってません。
だって逃げるのに邪魔だから。
もう一足飛びの距離にまでグリデンは接近。
「往生せいやぁああ!!」
グリデンはジャンプして、俺に剣を叩き込もうと。
俺は無様に木を振り回す。
グリデンが俺の目の前に着地、、、しようとした足が何かで滑る。
仕掛けに使った木の中に入っていた油が、俺が振り回したせいで、グリデンの足元に少量ではあるが溜まっていた。
ジャンプしようとして爪先立ちになったそのピンポイント。
「「あら?」」
俺とグリデンの声が重なる。
まるでスローモーションで後ろに、目を丸くして倒れるグリデン。
俺も目が点になって、それを見守る。
ゴンッと出てはいけない音が、グリデンの頭の方から聞こえる。
倒れた後頭部の位置に、大きな石が。
そこにこちらの兵がやって来て、、、。
「グ、グリデン討ち取ったりー!!!!」
と叫ぶ。
いや、討ち取ってないから。
下の星エネルギーをお願いします_(:3 」∠)_