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世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
邪神編
138/163

革命家ゴンザレス⑥

「なぁあんでこうなったかなぁ、、、。」


 馬で領都へ移動中。

 作戦はこれ以上ないほどに、上手くいった。


 簡単に言うと、口で騙した。


 中央府は攻めるフリ。

 丸太や柵も油を仕込んだのは、前面、つまり処刑場とこちらの間の分だけ。

 いざとなったら、火を付けて逃げるために。

 牢獄だけは1番手薄だったので、本当に解放。


 それなりの訓練された兵が居れば、中央府を潰しても良かったが、軍としての訓練をしていない雑兵では数が居ても難しかった。


 向こうも兵士としては微妙だったので、革命軍だけで直接武力で制圧も不可能ではなかっただろうが、被害はかなり大きかっただろう。


 カストロ公爵の兵?

 呼び寄せる訳ないじゃん。

 捕まるし。


 そんな訳で、頭を潰すのが1番楽そうだった。

 その一言に尽きる。


 んで、口が最も上手い人が、矢面に立ったという訳だ。

 詐欺師って名乗ってないけど、オーラで分かるのかな?


「お館様が前面に出れば、勝利は疑い無いですから。」

 ナユタはキラキラした目でそう言った。

 うん、疑おうね?


 カーラにご執心のフーに伝令兵として、敵陣の中に入ってもらう。

 失敗したら自分で、カーラをなんとかしてね?という感じで。


 俺が適当なことを言って、代官と兵が戸惑っている間に、代官にフーが接近。

 剣を突き付けて脅す。


 降伏に応じなければ切って捨てて、戦闘。

 俺は逃げる!


 、、、まあ、抵抗する気骨もない代官様で、良かった。


「お見事でした。ゴンザレス様。」

 ロープに亀甲縛りされた(ように見える)ヒゲオヤジが、感心してしきりに俺を褒める。


 まあ、どうも。

 オッサンに褒められてもなぁ、、、。


 んで、俺たちがどうしているかと言えば、領主代行の居る街に移動中である。

 ヒゲオヤジと首謀者の男女を、20名ほど連れて全員亀甲縛り、して見えるように。


 大体100名ぐらいの大所帯。

 反乱軍を警戒するという名目。


 何をするつもりかは見れば分かる通り、領主代行を成敗に向かう予定です。


 大将、俺。


 いつもだが、なんでだ?

 なんで俺は、領主代行の街に攻め入る暴徒の親玉になっているんだ?

 君らなんで俺を信じるの?おかしくない?


 詐欺師オーラ出てるでしょ?オーラ。

 溢れんばかりのイケメンオーラに騙された?

 じゃあ、仕方ないな。

 いやいやいや。


 すぐに逃げ出したいが、逃げれる感じがしない。

 ナユタ乗馬上手いのよ。

 馬の上に片足で立つぐらい。

 曲芸師?


 それはともかく、これがどういう状況かというとあの混乱の最中、伝令兵を領主代行へ送っていた。

 反乱軍が決起したが、返り討ちにして捕縛したので連行します、と。


 道中、反乱軍の残党を警戒しますので、それなりの数にて移動します、とも。


 街の内部には人が入り込み、領主代行の街の反乱勢力とも繋ぎを取っている。


 また、合わせて噂もばら撒く。

 ベック伯爵の失態に宰相側は憤慨ふんがいしている。

 この街は見捨てられるかもしれない、と。


 カストロ公爵は抵抗しなければ、民を保護する旨を領主代行に伝えたが、領主代行は愚民への気遣いは不要と突っぱねたらしい、と。


 流した噂をまとめて言うと、宰相側からの援軍は期待が薄いこと、カストロ公爵に付けば保護されるが、領主代行は自分のことしか考えていないこと。


 これらは皮肉なことに、事実でもあった。

 そこにもう一つ、抵抗すれば街を蹂躙じゅうりんすると。


 それに併せて、先のベック伯爵との戦いにおけるカストロ公爵の軍の強さも流す。あの時の中身は帝国軍だったけど。


 これを流しておかないと、日和見主義者が増えるからだ。


 本当は、革命をしたあの街にも、似たような噂は流していたが、活用せずにあっさりと終わった。


 なんだかなぁ。


「ゴンザレス様、街が見えて来ました。」

 は〜い。








 ブレンは緊張を滲ませ、その門を潜った。

 街で編成されていた兵から参入した者が、手続きを行う。

 この時点では、疑われてはいないようだ。


「兵の皆様、かなり緊張されてるようですが?」

 門兵がいぶかしげに、ゴンザレスに尋ねる。


 バレたか!?


 ブレンたちは、さらに緊張してしまう。

 ゴンザレスの合図一つですぐに戦闘だ。


 領主館まではまだ距離がある。

 駆け抜けられるか?


「そうなんだよ、、、。

 もうね、道中、反乱軍がいつ来るか分かんないでしょ?

 それで全員、無駄に警戒して疲れ切っちゃってさあ、、、。

 ほんと、早く休みたいよ。」


 門兵にゴンザレスはゆる〜く答える。

 心からそう思ってるのがよく伝わる。


 上手い!

 ブレンはそう思わずに、居られなかった。


 多少の訓練経験者もしくは帰還兵を優先して選んでいるが、それでも民兵に毛が生えた者たちばかり。


 そんな連中が、街から街への移動中に反乱軍を警戒し過ぎて、ピリピリしてしまうのは、むしろ当然とも言えることだ。


「はあ。ですが、もう街の中ですし、そんなに緊張なさらなくても、、、。」

 そこでもゴンザレスが、間髪かんぱつ入れず答える。


「君さあ、、、。領主代行に緊張なく会える?

 領主代行なら、なんで反乱軍が出たんだ!と怒りそうじゃない?

 良かったら、変わってくんない?」


 またしても、心の底からそう思っているようにしか聞こえない。



「いえ!結構です!皆様のお役目を奪うわけにはいきません!どうぞ、お通り下さい!」


 早口で大きな返事をして、門兵は下がる。

 それはそうだろう。

 領主代行もベック伯爵同様、どんなことを言い出すか分からない相手。

 本当にそう言って怒り出しそうだ。


 その考えが門兵たちに伝わり、むしろ、緊張するのが、当然という雰囲気で見送られる。


 バレる感じがなくなって、ブレンたちも、少しだけ緊張が和らいだ。


 そして、道の先にある一際大きな贅沢な建物。

 領主館兼伯爵邸。


 解放するのだ、この街を、この領を。

 ブレンたち全員の心は今一つになった。


 とある詐欺師以外。

下の星エネルギーをお願いします_(:3 」∠)_

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【外伝】キョウちゃんのその後の話をリンク貼っておきます。 カクヨムサイト かなりガッツリ恋愛系なのでご注意を!
親友だったはずの女の子とイチャイチャな日々!?〜キョウちゃんの憂鬱〜
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☆【世界最強、その名はランクNo.0彡☆の真相編先行版はこちら、近い内全て再掲予定。
ネタバラシになりますので、先が気になる方はこちら】☆
世界最強、その名はランクNo.0彡☆真相編女神陥落
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