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世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
邪神編
137/163

革命家ゴンザレス⑤

 作戦決行の日。

 結局、俺は逃げられなかった、、、。


 ナユタの隠れ家で寝泊まりして、眠い目を擦りながら決行の日を迎えてしまった。


「ゴンザレス様お言葉を。」


 何言えちゅうねん。

 集まった革命軍の代表たち。

 全体では何人居るんだ?


「諸君、皆の未来を掴むぞ!革命を!」

「革命を!!」


 全員ノリ良いね?


 決行の日は、西の代表カーラの公開処刑日。

 その日に合わせ、各重要拠点を攻撃。

 本命を狙う。


 公開処刑日になったのは、単に準備に時間がかかったせいだが、そのおかげで敵は分散状態。


 狙うポイントは3つ。

 西の代表カーラの処刑場。

 街の中央府と牢獄。

 あともう一つ、領主代行の居る街への伝令。


 処刑場は物々しい雰囲気。

 本日、革命軍の襲撃がある予定と噂されているからだ。


 丸太や柵による防衛陣地が構築されている。

 設置は街の者を奴隷のように酷使して行われた。


「では、ゴンザレス様。参りましょう。」

 ナユタに護衛についてもらい、俺も現場に移動。


 ナユタはこの街の中でも、抜きん出て強いようだ。

 カストロ公爵領の奴等って皆異常なほど強いよね、、、?


 理由は知ってる。

 エルフ女、本当に教えるの上手いんだ。

 究極なんとか勇者コースみたいなの、志願制でさせたみたい。

 志願者で溢れ返ったそうな。


 すげぇな。

 俺、絶対やらない。


 そして、作戦時間が来た。








 ベック伯爵領の街の一つ、マルンド。

 その街の代官ゴッドワルドは、焦っていた。

「反乱軍の動きはまだ掴めんのか!」


 革命軍と自称する反乱軍。

 その西区の代表のカーラという中年だが、なかなかに美しい女を、内通者を使い捕らえたまでは良かった。


 今度はその内通者より、処刑場に反乱軍が襲撃をかけると連絡があった。


 そのため、防備を固め、反乱軍を待ち構えていたが、奴等が姿を現す様子がない。


 それならばそれで、カーラの処刑を済ませてしまえば良かったのだが、ここまで動きが読めないと不気味で仕方がない。


 今まで反乱軍が、このような動きをしたことはない。

 カーラ捕縛の際もそうであったが、反乱軍は所詮、一般庶民の烏合の衆。


 統率された動きもなければ、少し突いただけでとても分かりやすく、滑稽こっけいに踊ってくれた。


 今日は、いや、ここ最近はむしろ真逆。

 何か巨大な存在の手のひらで、踊らされているような、そんな感覚すらしてしまう。


 そこに火急の知らせと、兵が走って来た。

「申し上げます!中央府が襲撃に遭い、、、捕らえていた者どもに、逃げられました!」


「なんだと!?守備隊は何をしていた!」

「そ、それが、、、反乱軍の奴等は、カストロ公爵の兵を、街に呼び込み忍ばせていたようで!」


「ぬぬぬ!急ぎ援軍を送る、、、。」

「はーい、そこまで〜。」


 処刑場の外に、どう見ても胡散臭そうな男とこの街では見ないほどの、楚々《そそ》とした美しい女性。


「なんだ貴様は!」

「いいからこれ見てね〜。」

 懐から木を取り出し、美女から火を受け取る。


 それに火を付けると、ボワッと一瞬で燃え上がる。

 その燃え方は、木の中に油を仕込んであるようだ。


「アチー!!アチアチ!!」

 ぽいっと木を放り捨てる男。


 沈黙が流れる。

 ゴッドワルドは驚愕する。


 な、なにをしたいんだこの男!?と。


 手を冷ますように振りながら、男は話を続ける。


 ゴッドワルドは思わず思った。

 あ、話続けるんだ、と。


「そこの丸太やら柵、これと同じ材料で作ってるから。

 火を付けたら、君たち蒸し殺されるから。」


 ゴッドワルドは、処刑場の全方位にある丸太や柵を見る。

 だが、出入り口にしている場所には、それはない。

 簡単に逃げ出せる。


「逃げれると思うよね。そこで!」

 処刑を見学していた街の者たちが、武器を取り出し、入り口の方ににじり寄ってくる。


 一触即発。

 そんな中、さらに男は続ける。

「はいはい、慌てない、慌てない。」


 男が緊張感のない声でさらに続ける。

 美女が文官らしき男の腕を固定し、剣を突き付けている。

 抵抗しようとするが、文官は力の無さそうな美女を、振り解けないようだ。


「こちらは人質が居ます!大人しく兵を引きましょう!」

 それは昨日、姿を見せなくなった高級文官の1人だ。


 ゴッドワルドは叫ぶ。

「卑怯だぞ!」

 それにやる気の無さそうな男が答える。

「美人の女性を、処刑しようとする男よりマシでしょ?

 もう中央府も陥落するから、投降しようか!」


「そんな訳にいくか!者共、、、。」

「いいのか!次に見捨てられるのは、自分だぞ!それでもこんな奴の元で戦うか?

 さらに自らの守るべき人々を殺してか?兵士諸君!」


 兵たちが戸惑い、一瞬止まる。

 ゴッドワルドは歯噛みする。

 兵はこの街での徴用兵だ。

 忠誠心など期待出来ない。

 従えるならば、恐怖ぐらいしかない。


 ゴッドワルドはさらに、言葉を告げようとして、、、出来なかった。



 喉元に剣を、突き付けられていたからだ。

 それは、報告に来ていた兵。

 反乱軍の手の者だったのだ。

 火急の報告と、あの男の妙な行動のせいで、確認が遅れたことが致命打となったのだ。


 突き付けられた剣から、目が離せないゴッドワルド。


 そこに男から、先程と変わらぬ口調で告げられる。

「、、、さて、お分かりかな?お分かりになりましたら、降伏を。

 それとも、そんな訳にいくか、と首と胴が離れますかな?」


 戸惑う内に、兵から迫る圧力。


 ゴッドワルドには、為す術が浮かばなかった。


 こうして、この街は革命軍の手に落ちた。

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