革命家ゴンザレス②
星が輝く時、更新されます彡☆
最初の数話抜けてましたので修正致しました。
「援軍?」
「はい。
領主一族の横暴な行為に、人々は何十年と苦しんでおりました。
食べる物もなく、家族を泣く泣く売るしかない家も。
それでも人々には、その環境を変える自由も存在しませんでした。
そんな時、隣の領地にカストロ公爵領が突如として、登場したのです。
それは闇夜に差す希望という名の光。
人々は職業を自由に選び、働いて食べることが出来る。
そんな希望の土地。
しかし、ベック伯爵は領外、特にカストロ公爵領への移動を禁じました。
当然、そうなると商人たちも、この領地は通らずケーリー侯爵側を通ることになり、ベック伯爵領はさらに貧しくなりました。
されど、ベック伯爵の態度は変わりません。いいえ、さらに厳しくなったそうです。
人々はさらに困窮しました。
そんな時、ベック伯爵が王女捕獲のため軍を動かしました。
働き口のない者たちはこぞって、その軍に参加致しました。
ですが、相手が悪すぎました。
結果はご存知の通り、軍は大敗北、ベック伯爵は捕虜となり被害こそありましたが、領地の者たちは喜びました。
これで地獄は終わる。
でも違いました。
ベック伯爵の子息は、それに輪をかけた愚物でした。
それに付き従う者たちの横暴も。
女と見れば、攫い弄び、売り払う。
金銭を払わず、飲み食い。
気まぐれに人々に乱暴し、官憲たちも見て見ぬふり。
そして、ついにこの街の人々は立ち上がることにしたのです。」
「よく今までナユタは、攫われなかったな?」
「いくらなんでもあのような者どもに、攫われるほど未熟であはありません。
後、普段は目立たぬよう、気配を抑えておりましたので。
ゴンザレス様をお見かけした時は、つい嬉しくなり、、、。」
恥ずかしそうにするナユタ。
うん、つまり君も可憐な見た目で、化け物なのね。
俺なら簡単に攫われるよ?
、、、ならば、よし。
逃げよう!
ここに居ては捕まるだけではなく、反乱軍の旗頭にされてしまう。
そんな危険なことはゴメンだ!
そうと決まれば、こんなところに居られるか!
俺は逃げるぞ!
元より3人の盗賊から逃れるための方便で、ここまで来ただけだ。
ついでにそう簡単にカストロ公爵領の者が入れない、と思ってた場所がここだっただけで。
すでにカストロ公爵領の手が回っているのであれば、早急に立たねばならぬ。
カストロ公爵領の者から、公爵が逃げているなんて不思議ね〜。
あわよくば、ナユタを美味しく頂きたかったが、時間が惜しい。
泣く泣く諦めよう、生きるために。
、、、捕まっても死なない気がするけど。
いや!いつか邪神に突撃しろと言われかねないから、逃げるのが正解だな。
S級美女に手を出すということは、そういうことなのだ!
世の人よ!覚えておくと良い!
さて、、、後はどういう口実で、この場を立ち去るか、だ。
だが、流石はS級には至らぬまでも、並外れたA級美女ナユタ!そうは問屋が卸さないと、畳み掛ける!
、、、そんなつもりないんだろうけど。
「では、ゴンザレス様早速参りましょう。」
「へ?何処へ?」
「革命軍の者たちのところへ。」
「いや、まだちょっと、早いんじゃないかなぁ、、、?」
連れて行かれたら、逃げられなくなるじゃないか!
「早い?
あ!そういうことですか、、、。
成る程、あの3人は、ゴンザレス様に見出された、という訳ですね?
ならばお待ちします。」
立ち上がろうとしたナユタは、すぐに綺麗な正座をする。
その居住まいは凛としており、ナユタの魅力をより一層引き立てていた。
3人待つの?
見出すも何もないんだけど?
「棟梁や他の人は元気?」
逃げるアイデアが浮かぶまで、興味はないが情報を探ろう。
「ゴンザレス様のおかげで、全員元気にしております。」
柔らかく微笑み、頭を下げる。
俺のおかげって、俺何したの!?
い、いかん!ボロが出る前に話を変えよう!
しかし、急に変えようとしても、いい考えは浮かばない。
「えっと、元婚約者って?」
「、、、あのまま、ゴンザレス様が望まれて里で暮らしていれば、私がゴンザレス様と夫婦になっておりましたので。
、、、身分も弁えず申し訳ありません。」
ナユタは少し寂しそうに儚げに笑う。
君の方がずっと上の身分だと思うけどね!
しかし、ということは、何かい?
手を出されることも、やぶさかではないと仰るのかな?
ナユタを熱い視線でジッと見ると、目を潤ませて見つめ返してきた。
ちなみに俺はこの時、疲れていた。
よって、考えることを放棄した。
さっさと逃げれば良いのに、アイデアが浮かばない。
うん、疲れてたからだ。
ゴンザレス、悪くない。
そういや、この娘も棟梁の娘だから、里の姫と言えなくもないのかな?などとどうでも良いことが浮かぶが、すぐに頭から消えた。
いっただきまーす。
当然のことながら、人はいついかなる時も考えることを、放棄してはいけない、そんな教えが後で浮かぶことになる。
下の星エネルギーをお願いします_(:3 」∠)_