逃亡者ゴンザレス③
最初数話抜けてました。
修正しました。
ご迷惑をお掛け致します_(:3 」∠)_
「さあ、兄さん方。
こうなったら、乗って4人で大金を手にするか、それとも降りて地道な盗賊稼業に戻るか、2つに1つ。
乗るかそるか。
俺はどちらでも良い、納得する答えを出すといい。」
不自由な2択という奴だ。
だが、そもそも、そんな2択など初めから無いんだけどね。
「もし、、、それの依頼主にバレたら、、、。」
『もし』頂きましたー!!
この言葉が出来たらほぼOKの返事です!
皆さんも自分がその言葉を言ってしまったら注意しましょう!
無意識に、相手の提案に乗ってしまっているということです!!
「バレたら、おしまいだろーな。
どうする?ここで怖気付いてやめるか?
まあ、金貨20000のヤマだ。
手にすりゃあ人生大逆転だが、負ければそりゃおしまいだろうよ。
当たり前だ。」
「ブレン。俺は乗るぞ!」
迷うオッサンAに対しオッサンBは言う。
「フーガ。しかし!」
「ブレン!俺も乗った!こんなこといつまで続けてても先がねぇ!俺は、、、俺はその金で家族を買い戻す!」
荷物を確認したオッサンCが叫ぶ。
「ウスタ、、、。分かった。テメェの話、乗ろうじゃねぇか。
俺たちはたった今から、一蓮托生だ。」
「へっへっへ、俺はゴンって呼んでくれ。」
手を差し出すので、その手を掴み握手してニヤリと笑う。
お買い上げありがとうございます。
ですが、詐欺ですのでご注意下さい。
そうして、俺は荷物の無事を確認するフリをして、秘密の荷物を初めて見た。
愕然とした。
場合によっては僅かでも売って、金にしてコイツらに責任を押し付けて逃げようと思っていたが、、、コレは売れねぇ、、、。
価値がない訳じゃ無い。
価値はある。
あり過ぎる。
嘘から出た真という奴だ。
コレなら本当に金貨20000ですら、売れてしまうだろう。
だが、おいそれと売ることはできない。
ああ、コレは確かにご禁制の品だ。
バレればヤベェ、間違いない。
それを俺は誰よりも知っていた。
この世界で唯一、使用したことがあるのだから。
そこには、手のひらサイズの箱とマーカーと呼ばれる物体で、何かに貼り付けられる布みたいなもの。
聖剣の発動スイッチやないかーい!!!
必死に動揺を隠しながら、俺は思った。
せっかくなので、本当にこのオッサンどもを巻き込もうと。
いざとなったら、このオッサンたちに押し付けて逃げるために。
とにもかくにも移動だ。
そこでふと俺はある事に気付いた。
「ブーフーウーの兄さん方。カストロ公爵領に来て、どれ程になる?」
「あん?」
のんびり話していたが、このオッサンたちも呑気である。
カストロ公爵領は盗賊に厳しく、かなり定期的に街道を治安維持部隊が周回している。
何故って?
俺が安全に旅をするためだ。
盗賊とか出たら、1人旅の多い俺が困るから徹底的に周回する様に頼んだ。
その結果、カストロ公爵領に繋がる街道は、世界でも有数の安全な街道だ。
商人も安心して通れるからお金も循環しやすい。
良い事づくめ。
最近は内乱にため、少しは滞っているが、致命的なほどではないはずだ。
つまり、ヤベェ!!
急いで逃げないと捕まる!
「兄さん方、とりあえず、馬車に乗んなせえ。
話はそれからだ。
ほら、早く!」
戸惑いながら、2人が荷台に乗り、1人が俺に刃物を突き付けながら、俺の隣に。
くせえ、風呂入りやがれ。
「おかしなマネをしやがると、、、。」
「そういうの後で良いから、急いで急いで。追いつかれる!」
「お、、、おお。」
オッサンは俺に刃物を突き付けたままだが、大人しく座る。
「ど、どういう事だ!?」
隣のブーなんとかが問う。
俺はカストロ公爵領の、盗賊対策の徹底ぶりを教える。
ブーフーウーは蒼白な顔になる。
どうやら、3人はここに流れついたばかりのようだった。
そこに運悪く通りがかったのが、俺と言う訳だ。
ついてねぇー!!
「とにかく!急いで身を隠さねぇと!!」
俺は必死に馬車を操る。
くそっ!時間を無駄に浪費した。
この3人が街道を行く人に少しでも見られていたら、通報されて騎馬の治安部隊が出動する。
職務質問されたら、逃げ切れる自信はない!
無論、治安を徹底するために、馬術の得意な精鋭だ。
白ウマ隊と名付けた。
、、、そうなのだ。
俺がノリで作った部隊だ。
間違いなくそれがやって来るだろう。
ブーフーウーが、揺れる荷馬車に戸惑いながら、叫ぶ。
「なんでオレらより必死なんだー!?」
色々あんだよーー!!!!!!!