表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
邪神編
130/163

逃亡者ゴンザレス②

最初の数話かなり抜けてました。

修正しました。

 アレスはいくら探しても、見つからなかった。

「相変わらずアレス様は、とんでもない方ですね。」


 それがどれだけ異常なことなのか、カストロ公爵領の名代をしながら、経験を積んだ今のイリスには分かる。


 隠れ里の棟梁たちは優秀だ。

 世界のありとあらゆる情報を取得してくる。


 だが、アレスのことだけは発見出来ない。

 発見出来るのは、事が終わり噂が流れた時。

 もしくは彼が自ら姿を見せた時だ。


 まるで突然、何者かに連れ去られているかのように。


「カストロ公爵様は見つかりになりませんか?」

 エストリア国王女セレンがイリスに尋ねる。


「ええ、いつものことです。」

 イリスは穏やかな笑みを浮かべる。


 それでも時々は帰って来てくれる。

 今のイリスには、それで十分だった。


「不思議な方ですね。あの方と会ってから、追っ手がピタリと止みました。

 それに『反乱軍』の混乱ぶりも、噂が聞こえて来ます。

 これが全て、、、。」


「ええ、恐らくアレス様のお力です。」

 全てを見通す千里眼を持つ大軍師。

 その場に居なくても、敵の動きを封じてしまうその力。


 分かりきったことだが、とある詐欺師はそこまで考えていない筈である。

 ただの嫌がらせが、効果が出過ぎただけである。


 誰もが、ベッドの中では口が緩む。

 王都のグローリー派に仕掛けられた嫌がらせとは、そういう手だった。

 一時の王都の大勝利に気が緩んだ瞬間を、これ以上ないほどについてしまった。

 それだけである。


 かつてアレスが帝国諜報部にその手腕と効果を見せたが故に、帝国諜報部はそのやり方をマネて、効果を出して見せたのだ。


「私たちは、ただアレス様を信じて待つのみ、です。

 すぐにその時は来るでしょうから。」

 そう言って、イリスは驚きを見せるセレン王女に微笑んだ。







 囲まれていた俺は、生きようとする思いにより覚醒した。


 なんてことはない、気付いたのだ。

 俺は両手を上げて、オッサンズに話しかける。

「へっへっへ、兄さん方。あっしがカタギに見えるんでやすか?」

「何?」


 まず俺の格好だが、金持ちには見えない。

 次に荷馬車といえど、ぼろぼろだ。

 金目の物を持っているとは、どう見ても言えないはずだ。


 男たちは改めて俺を観察する。


「、、、いや、見えないな。

 せいぜいチンケな詐欺師にしか見えない。」


 なんて観察眼だ!


 感心している場合ではない。

 言葉を途切らせれば終わりだ。


「後ろの荷馬車の荷物を見てくだせぇ、、、。

 おっと、間違っても手荒に扱ったらダメですぜ!

 そうなったら、あっしも兄さん方もお終いだ!」


 互いに目配せし、1人が荷台を覗きに行く。


「なんだコレは?」

 荷台を見に行った男が声を上げる。


 知らん!

 後で見ようと思って、まだ見てないからな!


 先に見ておけば良かった!

 ご禁制の荷を運ぶ時、見ないのがルールだ。


 見たことがバレたら、それだけで始末されてしまう。

 もう一つ言えば、運び屋としての信用も失う。


 でも大丈夫。

 俺、詐欺師だから。

 運び屋じゃないから。

 騙される方が悪い。


 通常ならば俺もこんな危ない橋は、渡らない。

 だが、街から抜け出すには、通常ルートでは無理な程度には、俺の監視は厳しかった。


 イヤイヤ違う、ゴホン、逃げ出したんじゃない。

 仕事をしているだけだ、仕事だから街を出ても仕方ないんだ。


 決して、美女に囲まれて、王侯貴族のような生活をしているあり得ない事態に、怖くなったからじゃない。


 ち、違うからね!

 おいおい、このままじゃあ、戦争の最前線に、総大将として駆り出されるんじゃね?とか。


 そうなったら、もうどこでも完全に顔バレじゃねぇか!冗談じゃねぇ!とか思った訳じゃないからな!!


 、、、まあ、そういうことなんだけど。


 大体さぁ〜、チンケな小悪党に王侯貴族なんて無理に決まってんじゃん?


 かと言って色々、手出してしまったから、今更許して?と言っても許してくれねぇだろうし、、、。


 王侯貴族になる覚悟が無いなら、良くて詐欺師として宦官にされて永久に牢獄か、もしくは縛り首だ。


 良くてそれよ?

 逃げるしかないじゃんよ〜。


 おっと、とりあえず今を生きねば。

「そいつはとあるお方に渡してくれ、と頼まれた品だ。

 、、、そこで物は相談なんだが、一緒にコレを売り払うのに協力しねぇか?ってことよ。」


「なんだと、、、?」

 3人は戸惑いを隠せない。


「おっと、俺を殺してそれを盗んでも、兄さん方の身がヤバくなるだけで、売れもしねぇ。

 、、、そんなのはお互い、損なだけ。

 そう思わないか?」


 3人はまた顔を見合わせて、俺に尋ねる。


「幾らで売るつもりだ、、、?」

「金貨で10000、、、いや20000は下らないだろうな。

 取り分は、、、四等分で良い。俺たちは一蓮托生。

 どうだ?乗ってみないか?」


 金額は現実を超えた、あり得ないのものであればあるほど信じやすい。

 人の不思議な心理だ。


 ごくっとオッサンどもの喉が動く。

 かかった!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【外伝】キョウちゃんのその後の話をリンク貼っておきます。 カクヨムサイト かなりガッツリ恋愛系なのでご注意を!
親友だったはずの女の子とイチャイチャな日々!?〜キョウちゃんの憂鬱〜
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆【世界最強、その名はランクNo.0彡☆の真相編先行版はこちら、近い内全て再掲予定。
ネタバラシになりますので、先が気になる方はこちら】☆
世界最強、その名はランクNo.0彡☆真相編女神陥落
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ