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世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
全ては詐欺
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冒険者ゴンザレス①

 世界最強と呼ばれる存在がいる。


 曰く、全てを見通す千里眼を持つ大軍師。

 曰く、万の敵すらも打ちのめす大将軍。

 曰く、病の悉くを治療して人を救う聖者

 曰く、最強にして無敗、世界の叡智の塔に刻まれるランクNo.1も超えた最強ランクNo.0


 だが、その正体は一切不明。

 男か女かオカマか、年齢も不詳なら、生まれも公爵家の捨て子だとか転生者とか生まれながらの救世主だとか、数え上げたらキリがない。

 それら全てを合わせて、誰も見たことがないという。


 それが、世界最強ランクNo.0



 俺の名はアスト。

 アレスは気に入ってたんだが、帝国でお尋ね者の名になったから捨てた。


 ゴンザレス?誰だそれ?


 今、俺は帝国の冒険者ギルドにいる。

 頼りになる仲間とパーティを組むため、なんかではなく、良いカモを探すため。


 大体、冒険者と言う奴は学が無いのが殆どだ。

 だから、ちょっと上手い言葉をかけてやれば簡単に引っかかる。


 日々稽古したり本を読んだり、自己研鑽を図る奴は稀だ。

 当たり前のことだが、だからサッサと死んじまう。


 そうなるぐらいなら、俺に有効活用されるのが、冒険者の賢い使い方ってもんじゃないか?


 早速、俺は2人ほどのカモをゲットした。

 田舎出の成人したての村娘が冒険者を目指し、やって来ていたのだ。


 この2人は理解していないが、これは俺でなくても美味しい獲物だ。

 むしろ引っかかったのが、俺であったことを幸運と言って良いだろう。


 よほど上質な冒険者ギルドでもなければ、冒険者同士のいざこざは自己責任。


 当然、多くは野蛮な飢えた獣だ。

 その中に、美味しい兎ちゃんが2匹である。

 美味しく頂いて、酷い時にはダンジョンや森にポイである。


 しかもこの2人、田舎臭くはあるが、顔は悪くない。


 大人の世界の洗礼をどのように受けることになるか、想像出来るというものだ。


 もちろん、身体の方も美味しく頂くつもりだが、同意なしのつもりはない。言葉巧みにその気にさせてである。


 意外に思われるかもしれないが、俺は女好きだが、陵辱は好みではない。

 だって、金にならないから。


 その気になってくれた方が、女も金を稼いで貢いでくれ、さらにまた美味しく食べさせてくれる。

 良いことづくめだ。


「そっち!ゴブリン行ったよ!」

「任せておけ。」


 一刀の下にゴブリンを叩き斬る。

 さらに意外に思われるかもしれないが、俺は剣もそこそこ使える。


 ゴブリンぐらいはなんてことはない。

 ナンバーズ?人外の化け物と比べるな。


 俺たちは村での依頼を受け、ゴブリン退治をしている。

 時々はこうしてゴブリンを間引いておかないと、森からゴブリンが溢れ村に大きな被害を及ぼす。


 ゴブリンという奴は少数なら大した敵ではないが、繁殖力が強く大軍になることがある。


 そうなってしまうと村が壊滅し、女子どもは、ゴブリンの繁殖のお手伝い、つまり苗床にされる。


 その手の本も沢山発売され、実話を基にしたゴブリン話は発禁処分を食らったりする。

 ちなみに俺も拝見し、大層深い感銘を受けたものだ。


 ゴブリンに生まれるのも悪くないと思ったりもしたが、すぐにほとんどのゴブリンはこうやってあっさり始末されていることを思い出した。


 ちなみにこれまた意外かもしれないが、俺は本が大好きだ。大好きだ!

 本があれば大概のことは我慢する。


 かつて、No.8の女が俺を領主として拘束したことがあったが、その時に本を大量に与えられていれば、未だにその椅子に座り続けていたかもしれない。

 あの女はアプローチを間違えていたのだ。


 それはそれとして、依頼達成を村に報告して、その夜は、3人で村でお泊り。


 村でタダ飯を食って、3人で1つの部屋へ。

 いやー、盛り上がった。


 これこそが狙いなんだよ。

 初めての依頼達成、腹も懐も満たされて、しかもゴブリンという(魔物でも)生き物を殺して、人は嫌が応にも興奮してしまうのだ。


 慣れて来ると平気にもなるが、初めての殺しはその感情を、どうしたらいいか分からないものだ。


 そこを優しく、突く!

 ほい、楽しい一夜の完成だ!



 朝方まで楽しんだから、村人が慌てて俺たちを起こしに来た時はまだ惰眠を貪っていた。


 3人共裸だったが、村人は余程慌てていたのか言いたいことをまくし立てる。


「い、急いで来てくれ!


 ドラゴンが、ドラゴンが出たんだ!!!」


 ドラゴン、、、?


 こんな村にか?


 もちろん、本当にドラゴンなら速攻で逃げる。


 服を着て、村長のところへ。

 昨夜の情事を思わす臭いだが、もしドラゴンの話が本当なら急いで逃げなければいけないので、我慢する。


 呼びに来た村人はまだ慌てているので、気にしていないが、村長は少しムッとした顔をする。


 いいから早く説明しろよ。


「巨大な黒いドラゴンがこっちに向かっているそうです。

 すでに此処から見えるほどに、、、。」


 本当に早く言えよ!

 急いで家の外に。


 巨大な黒い巨体が、昨日いた森の向こうから突っ込んで来ている。


 はい、撤収〜。


「じゃ!」と手を挙げてドラゴンの進行方向から横に歩き出す。


「ちょちょちょ、、、!」

 村長が慌てて止める。


「なんだよ?」

 命に危険が掛かってるんだ、早くしろよ。

 昨日までは紳士然とした口調だったが、今は取り繕う暇がない。


 急がないとドラゴン様、それも悪名高いブラックドラゴン様のお腹の中だ。

 光栄すぎて漏れちまいそうだ。


 俺の態度に気圧されながらも、村長は詰め寄る。

「なんとか出来ませんか?」

「マジでどうやって?ブラックドラゴンなんてSSSランクだろ?

 しかも、あの巨体、暗黒の暴龍だろ?あれ。


 世界レベルの災害じゃないか。

 ナンバーズ連れて来いよ、ナンバーズ。」

 俺の言い方はどうあれ、言ってることに間違いはない。


「一体なぜ今になって、、、。龍の姫巫女が生贄になって大人しくしている筈なのに、、、。」

 村長はぶつぶつ言いながら、膝をつく。

 逃げないなら勝手にしろ。俺は逃げる。


 2人の女に声をかけ走り出す。


 村人は危機感がないのか、それとも諦めか。

 いずれにせよ、俺には理解出来ん!


 走り続けて暫し、、、。

 あれ?あの黒いヤツ、なんかこっちに来てないか?


 あ、村から逸れたね


 こうして村は救われましたとさ!メデタシメデタシ。

 ふざけんなーーー!!!

 世界の誰より俺が救われねぇと意味がねぇわ!!!!


「わ、私のせいです。私が逃げたから、、、。」

 A子が何か言ってるな。

 そういや、俺、この女2人の名前しらねぇな。

 一夜を共に過ごしたのに、1回も名前呼ばなかったんだな。


 流石に、それは俺自身のことながら、ちょっと思うことが無いでもなかった。

 これを無事に逃げれたら、ベットで名前を呼んでやろう。


 黒いお方は脇目もふらず、近づいて来る。

 うわ、こっぇええ!なんでこっち来るんだ?


「私を置いて、逃げて下さい!」

と女A。

「そんなこと!」

と女B。

「でないと、暗黒の暴龍に貴方達まで!」


 何?置いてったら、なんか良いことあるの?


「暗黒の暴龍は、私を生贄の姫巫女を狙っているのです!お願いですから、私を置いて逃げて下さい!」


 いやいや、そういうなら、一緒に走って付いて来るなよ!

 足止めて、黒いヤツのところ行ったら良いじゃん!


「私は絶対に貴女を見捨てない!

 あの時、生贄の役目で山に行く途中の貴女を、連れて逃げた時から、絶対見捨てないって決めたから!」

と女B。


 お前が連れて逃げたせいかよ!


 えーい!貴様ら!あくまで俺に付いて来るなら、俺にも覚悟がある!

 俺だけでも絶対生きるという覚悟がな!


 だから、崖になっているところで、2人を蹴り出した。


「あばよ!」

 驚愕に染まる2人の顔、笑顔で見送る。

 悪く思うなよ。


 2人が下の川に落ちるのを確認して、俺はまた走り出した。


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【外伝】キョウちゃんのその後の話をリンク貼っておきます。 カクヨムサイト かなりガッツリ恋愛系なのでご注意を!
親友だったはずの女の子とイチャイチャな日々!?〜キョウちゃんの憂鬱〜
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☆【世界最強、その名はランクNo.0彡☆の真相編先行版はこちら、近い内全て再掲予定。
ネタバラシになりますので、先が気になる方はこちら】☆
世界最強、その名はランクNo.0彡☆真相編女神陥落
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