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世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
邪神編
128/163

ゴンザレスとカストロ公爵④

 流石にエルフ女の目が荒んで来たので、適当に手を抜けば良いのに、と言ったらどつかれた。

 なんだかんだ言いながら、引き受けた仕事は全うしてくれるようだ。


 ちなみに俺は定番ソファーでゴロゴロ、たまにやってくるカレン姫とか相手しながら、やっぱりゴロゴロ。

 こんなに遊んでいて良いのだろうか?

 仕方ない、することないんだもの。

 でも飽きた。


 俺は根っからの根なし草。

 そもそも何故、俺はここで豪華なソファーで美女はべらして、転がっているのだろう?


 流石に有り得ん。

 きっと夢を見て居たのだろう。


 ゴンザレス、お主夢を見ていたな?という気分だ。


 ということで、街に出て仕事をしよう。

 そもそも、詐欺師をしていたのも、仕事がなかったからだ。


 前に斡旋所でタイミング悪く、同じ穴のムジナに引っかかってしまったが、そうそう何度もそんなことがあるわけもない。


 裏通りらしい雰囲気の場所を歩き、それっぽい店に入る。


 荷物運びの仕事だ。

 以前、アストの名で冒険者登録していた時の名義を使う。


 荷物の中身?

 馬鹿言っちゃあいけない。

 こういうのは、知らないでいることも依頼の一つさ。


 黙って行くと、エルフ女に殺されちゃうので、ちゃんと置き手紙をしておいた。

 ちょっと仕事行ってくるって。


 そうして、俺は荷馬車を操り、カストロ公爵領の街を出た。










 その手紙を最初に見つけたのは、いつもソファーを掃除していたメリッサだった。


『ちょっと仕事行ってくるわ。』


 それを見た瞬間、メリッサは崩れ落ちた。

 彼の意図に一瞬で、気付いてしまったからだ。


「あなたの仕事は公爵じゃないんですかぁぁぁあああああ!!!!!

 逃げたらエストリア国崩壊するって言ったのに!しかも、また置いて行かれた〜!」


 でも、これはメリッサも気付くべきだった。

 アレスが初めから国など、どうでも良いと思っていることに。


 これはアレス本人も気付いていない性質ではあったが、単純に女性陣の誰かが困るからと言った方が、アレスは大人しくしていたことだろう。


 いずれにせよ、今回は今までと違う。

 早急になんとかしなければならない。

 いつまでも、へたり込んでいる訳にはいかないのだ。


 だが、この時、いくら優れていても神ならぬ身のメリッサは気付いて居なかった。


 エストリア王女救出の際に、アレスからメリッサが請け負った『嫌がらせ』の意外な効果に。


 後にメリッサがその事に気付いた時、アレスの底知れなさに、またしても戦慄することになる。



 へたり込んだメリッサの肩を、イリスがポンっと叩く。


「ご安心を、メリッサお姉様。捜索の手筈は整っています。」


 以前なら、アレスが逃げ出すと共にへたり込んでいたイリスが、柔らかな笑みと強い意志の瞳を宿して、そう言った。


 良くも悪くも、アレスはイリスの迷いを取り除いてしまったのだ。


 そこには、国を失い、全てを失って自棄になり、No.0に依存していた少女の姿はない。

 1人の超S級美女の誕生であった。


 イリスは手を広げ、皆に指示を出す。

「出陣準備をしている者以外は、アレス様捜索任務に移れ!これは最優先任務である!

 繰り返す、最優先任務である!

 我らの命運がそこに全てかかっていると心得よ!」


 いつの間にか、気配もなく控えていた黒づくめたちが、一斉に御意と言って散って行く。


 かくして、カストロ公爵領の全力を尽くしたアレス捜索作戦が開始された。


 エストリア国王女は、一体どうなるのか分からず、意味もなく右往左往し、カレン姫は相変わらず行動力はナンバーズ並みよねぇ、と笑う。


 彼を知るそれぞれは、彼らしいと苦笑いを浮かべるしかなかった。


 なお、1番怒り出すと思われていたエルフィーナは、それを聞いた際、怒るよりもまず呆れた。

「捜索は海まで広げた方がいいわよ?あいつの行動範囲、ちょっとおかしいから。

 偶然で魔王城に来るぐらいだし。」


 それを聞いた魔王討伐軍参加者は、戦慄と共に納得した。


 有りえる、と。





 だがそれも含め、まるでこの出来事が運命であったかのように、彼女たちを翻弄する事態が発生した。


 この報告を聞いた時、最も衝撃を受けたのは、他ならぬエルフィーナであった。


「なんで、、、。なんで、そんなものが!」





 その日、アレスに荷物を預けた秘密組織は、その日の内にカストロ公爵領の本気により、徹底的に潰され明らかにされた。


 『何故か』世界ランクナンバーズが4人も参加していたのだ。

 抵抗する術があろうはずもない。


 彼ら秘密組織も、カストロ公爵領の調査が進んでいたことに気付いてはいた。

 それ故に、十分な吟味もないまま、アレスに荷物を預けざるを得なかったのだ。

 彼らが知ってか知らずか、アレスに託したモノ。


 それは、手のひらサイズの箱とマーカーと呼ばれる物体で、何かに貼り付けられる布みたいなもの。


 聖剣の発動スイッチと同様の存在であった。


 そして、運命は加速する。






「こうなっては、情報の洗い出しが必要です。一度帝国に戻ろうと思います。カレン姫様も戻りましょう。」

「まあ、アレスさんも居ないからねぇ。一旦戻ろうかな。」

 こうして、帝国メンバーは帰国する。


「僕も一度コルランで国の方針を確認するよ。パーミットにも逢いたいしね。」

 No.1含め、コルランの兵も。


 残されるエストリア王女セレンは、困惑と不安でいっぱいだったが、イリスは優しく語る。


「ご心配なく。アレス様は我らを見捨てたりは致しません。

 その証拠に、エストリア国『反乱軍』は今この時も、なんら動きを見せていないでしょう?


 恐らく、すでにアレス様が何かを仕掛けておいでなのでしょう。」


 イリスはまだ知らないことではあったが、それは真実であった。


 アレスはカストロ公爵領に来る前に、ある『嫌がらせ』を王都に滞在する『反乱軍』に対し、仕掛けていた。

 それが予想外の効果を挙げているということを。


「ですので、我らは決戦の準備を進めながら、アレス様捜索に全力を尽くせば良いのです。」

 いつの間にか力強く温かな、そんな雰囲気がイリスには備わっていた。

 セレンはその言葉を信じることにした。


「アタシは、アレスを追いかけてみるわ。

 あいつが持っているのが、もし聖剣に関わりがあるなら、それは魔王と関係があるのかもしれないから。」


 終わったと思っていた役目は、まだ終わりではないのかもしれない。

 それはアレスと行動を共にする事で、明らかになるかもしれない。


 こうして、集まった仲間たちはまた、それぞれに散り散りになる。

 それはやがて大きな流れの中で集まることになるだろうと、誰もが予感した。


 詐欺師のとある男以外。

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☆【世界最強、その名はランクNo.0彡☆の真相編先行版はこちら、近い内全て再掲予定。
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世界最強、その名はランクNo.0彡☆真相編女神陥落
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