ゴンザレスとNo.1、あとエルフ女①
世界最強と呼ばれる存在がいる。
曰く、全てを見通す千里眼を持つ大軍師。
曰く、万の敵すらも打ちのめす大将軍。
曰く、病の悉くを治療して人を救う聖者
曰く、最強にして無敗、世界の叡智の塔に刻まれるランクNo.1も超えた最強ランクNo.0
だが、その正体は一切不明。
男か女かオカマか、年齢も不詳なら、生まれも公爵様だとか、転生者とか、生まれながらの救世主だとか、魔王を指先一つで討伐したとか、数え上げたらキリがない。
それら全てを合わせて、誰も見たことがないという。
それが、世界最強ランクNo.0
どうも、アレスです。
かつてはゴンザレスとも呼ばれました。
詐欺師です。
詐欺師だよ?
、、、嘘だよね?
嘘だと言ってよ!
もう誰も俺を詐欺師と思ってないとか無いよね!?
俺違うからね!?
No.0じゃないし、カストロ公爵でもない!
そもそも俺は貴族じゃない!!
さらに言えば、総司令官も総指揮官も違う!その2つの違いも分からない。
ましてや世界を救うために走り回ってるなんて、まったくないから!
逃げただけでなんでこうなるんだ?
、、、あともう一つ。
ハーレムなんか作ってないから。
コルランからの援軍が追加され、2000人を越える大所帯。
作戦が決まったら、万の軍が援軍に来るんだって〜。
へー。
作戦決めるのカストロ公爵って言う人らしいよ?
へー。
俺かよ。
「ハムウェイに話があるから。
魔王にも関係あるからエルフ女も。」
そう言って、俺は皇女王女元皇女と違う馬車に乗り込んだ。
何あれ?
あの馬車だけのランクで言うなら、SSSお外に1人Sって集団が出来上がってるんだけど?
強さでも美しさでも。
そんでもって、俺、あの中に混じって良いんだって〜。
ハハハ(゜∀゜)
こえぇよ!
何、その怪獣の中に人間1人みたいな感じ。
もうね、最近、勘違いのレベルが酷くておかしくなりそう。
そもそも、この集団、何処に向かってると思います?
わたくしの領のカストロ公爵領ですって。
オホホホ(゜∀゜)
俺、いつから貴族なの?
「結構、前からじゃない?少なくとも、アタシと会った時には、もうこんな感じだったし。」
「そんなことない!
そんなことないぞ!エルフ女!!」
酷い風評被害だ!
訴えてやる!
身体で支払え!!
「ところで良かったの?そこのNo.1にバラして?」
話についていけずに、戸惑う世界ランクNo.1。
この度、S級美女のパーミットちゃんと婚約してすぐに単身赴任中!
そう簡単に幸せになどさせぬぞ、イケメン!
「考えたんだがなぁ、、、。
バラしても、もう殺されなさそうだし、良いかなぁ〜っと。」
蚊帳の外の戸惑うイケメンを、ちろっと見る。
「でも、皇女様とかにアンタがただの詐欺師って、バラされたら不味くないの?」
そうだったぁぁぁああああ!!
「何卒!何卒!御内密に!」
狭い馬車の中で、なんとか土下座ポーズ。
尻が下がらず、頭だけ床につけるポーズ。
「アンタ、それバカにしているようにしか見えないわよ?」
そ、その誤解はマズイ!!
ハムウェイの足にしがみ付き、懇願する。
何卒!何卒!お許しを〜。
確実に処刑される!
皇女様に手を出したのは、実はただの詐欺師ですよ?
ゴメンちゃい!?
許すかボケー!!
存在自体を抹消されるわ!
皇女様自身の手で無かったことにされるわ!
「そういう訳で、わたくし、世界最強のNo.0でカストロ公爵ということで、よろしくお願いします、ハムウェイ様。」
そこでキッと俺を睨む世界ランクNo.1ハムウェイ。
「それでは何かい?君は皆を騙していたというのかい?」
あれ?とエルフ女と顔を見合わす。
(ちょっとエルフ女さん?ハムウェイさん、ちょっとお堅い雰囲気でしてよ?)
(この人、割と堅物でしょ?
魔王討伐の時にハーレムドリームなんて言われてた時も、誰にもアプローチ掛けてなかったし。)
なんだと!?
あの美女集団を見て、何もアプローチをかけないなんて!
ふてぇ、野郎だ!
礼義として、一晩のお願いぐらいするだろ!?
(あれ?じゃあ、この状況ちょっとヤバくない?)
(ヤバいわね?ヤバヤバよ。)
ヤバヤバって何?
とにかくヤバいってことか。
ナルホドナルホド。
って、こんなところで、ゴンザレス最大のピーーーンチ!!!!
このままでは!!!!
ポワポワポワワ〜ンと想像する。
「エルフィーナ。君も彼と関係があるのか?」
「関係があると言えば、あるわね。」
「なんで、詐欺師なんかと。」
「騙されたのよ。」
「君という奴は!!昇天させてやる!」
「きゃー!やめてー!逝っちゃう!逝っちゃうから!そんな太いもので突こうとしないでー!」
「黙れ!この僕の精神棍棒で貫いてやる!」
「あーれー!おたすけー!こんなところで(命を)散らしちゃうー!!」
ということになってしまう!!!!
ギャーとハムウェイの『モノ』に刺し貫かれるまでの、想像をしてしまった。
(なるかもね!あとアンタの想像なんか違くない?)
(何とかしろ!エルフ女)
(自業自得でしょ?
自分で言いくるめなさいよ?
アタシが騙されたのはほんとだし。)
グヌヌ!
考えろー考えろー!!
そうだ!
騙せばいいんだ。