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世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
邪神編
121/163

ゴンザレスとコルラン⑤

「いやぁ〜、今回ばかりは世話になったね!No.0。」


 ハムウェイが、パーミットちゃんを後ろから抱きしめるように、引っ付いている。


 俺はもはや定位置と化した研究室のソファーでぐったりしながら、カレン姫と王女様と3人でそれを眺める。

 カラクリに気付いてしまうと、ただイチャイチャしているだけだと気付かされる。


「もう迷惑かけないでね?」

 お願い口調で言ってしまうぐらい疲れた。

 俺もう世界の叡智の塔に近づかない、、、。


 色々やっちゃった、、、どうしよ〜。

「ははは、まあまあ。」

 カレン姫の方はあっけらかんとした感じ。

 そうだよなぁ、処罰されるのは俺だけだしな。


「僕も今回は君に倣って、自由にやってみようと思うよ。」

 おい、いつ俺が自由にやったよ?


 自由に出来なくて、こんな状況なんだが?

 なんでこうなったんだぁあ!!!!








 それからすぐに、僕、ハムウェイはパーミットと無事、婚約することが出来た。


 どうやったかと言えば、本人にちゃんと想いを伝えて、関係各所を脅して回った。


「最初からそうしろよ!

 世界最強なんだからさぁ〜、誰が逆らえるんだよ。」


 研究室のソファーで、帝国の皇女カレン姫と世界ランクNo.9とエストリア国のセレナ姫をはべらせたNo.0にそう言われた。


「僕には、君のようにハーレムを作る甲斐性までは無いからね。」


 僕は肩をすくめてそう返した。

 本物の世界最強にそう言われても、嫌味だよ?


 すると、No.0は何故か蒼白な顔をして、ハ、ハーレムって、、、何?と聞いてくるから。


「今の君の状態だけど?」


 言ってあげると、No.0はついには白い顔になる。

「、、、て、帝国皇女様?エストリア国王女様?少し離れて頂けますか?」

「「嫌。」」


 そして、No.0は涙目で見てきて、ヘルプ、、、というのでニヤリと笑い、片手を上げて部屋から出ておいた。


 ハーレムを形成している自覚がなかったらしい。


 皇女にまで手を出したんだ。

 間違いなく、これから奴は大変だろう。

 ざまぁみろ。


 パーミットちゃんが言っていたお見合い相手だが、パーミットちゃん自身は相手を知らなかったらしい。


 彼女の父である伯爵に尋ねると、

「はて?貴殿のことであるが、話はいってなかったのですかな?」

 と言われた。


 最初から相手は僕であったらしい。

 ああ、確かに研究は続けて良いと言ったかもなぁ。


 誤解から暴走して、国を危機に晒してしまったのは、大いに反省した。


 そこで僕の立場を救済したのは、またしても奴だった。


「あー、じゃあ、カストロ公爵領の例の土地とその周辺あげるから、No.1の力貸してよ?


 上手くいけばエストリア国からも、土地をさらに分けてもらえるかもしれないし。


 そういう理由ならコルランの国益にもなるし、良いんじゃない?

 どうせ、悪いのは世界の叡智の塔って事で。」


 カストロ公爵領の一部は現在、借用という形だ。

 それを正式に譲渡する。

 国として、国境線も変わることとなる。


 前の時もそうだったが、あの地域を聖地としている部族との土地問題も、改善が見込めることになる。

 争わなくても、分け合える豊かな土地が手に入るのだ。


 しかもカストロ公爵領は魔王無き今でも、魔獣素材の多くが取れる地域だ。

 コルランでは魔獣素材は大きなウェイトを占めているので、それが手に入るのは、土地以上の価値を持つ。


 つまり、コルランとしては、今回の被害を超える利益が見込めるのだ。

 その結果、僕の罪は問われなくなった。


 大きな借りを作ってしまった。

「アレスさんは不思議な人ですね。

 最初見た時は、バグ博士を騙した詐欺師かと思いましたが、そんなことはなかったです。」


「、、、奴だけは僕が唯一恐る男だよ。」

 後ろから抱きしめられたパーミットは、ふふっと笑う。


「アレスさんは凄い人ですが、私が好きなのは、ハムウェイさんだけですよ?」


 、、、まったく、やっぱり奴には大きな借りを作ってしまったようだ。


 No.0、この借りは必ず返す。

 僕はそう誓った。




 この日、コルラン国の世界の叡智の塔はNo.1により破壊され、コルラン国は邪神の影響から逃れることが出来た。


 この事件の際、No.1が堕ちた事で、コルラン上層部からはNo.1を処罰する話も出ていた。

 何故ならこの時は王家にも、虚ろになった者も居たからだ。

 しかし、その話はすぐに却下された。


 No.0とパーミット伯爵令嬢が作った薬により、人々はすぐに回復したこと。


 そして何より、今回No.0はNo.1が堕ちて、数日も経たずに助けに現れた。

 それもNo.2を連れて。

 それは魔王討伐ドリームチームの固い絆を現していた。


 さらには、No.1を連れて行くために、No.0は破格の報酬を用意した。


 それは逆にこうとも言えた。

 No.1に何かするなら、No.0及びドリームチームは黙っていない、と。


 世界は邪神の脅威に脅かされている。

 しかし、世界には希望があった。

 世界ランクNo.0。


 決して世界の叡智の塔に刻まれることのなかったその名を、誰もが知っているから。






 虚ろになった人の回復薬を徹夜で作り続けて、それが終わりNo.1が来た後、離れてくれない皇女様方にさらに疲れて、ソファーでぐったりしていると、ついにその時が来た。


 冷た〜い空気が流れ、近付いてくる。


「、、、ご主人さまぁあ〜、、、、。

 よもや、よもや、、、王女ホイホイは仕方ないかと思ってましたが、まさか、まさか!そちらとは!!」

 おドロドロしい気配をまとい、メリッサが顔を見せた。


 あら?メリッサさん、相変わらずお美しい。

 ですから余計に怖く思えますのよ?


 軍は?半数はカストロ公爵領に、半数は連れて来た?

 へー。


 俺に引っ付いていたカレン姫がその空気をモノともせず、メリッサに手をフリフリ。


「あー、メリッサ〜。

 ゴメンねぇ〜。

 やっぱ吸引力凄いわぁー。


 閉じ込められちゃって、今度こそもうダメかなぁ、と思ってたら、絶妙なタイミングで助けに来るんだもの〜、ヤッバイわぁ〜、堕ちるに決まってるわぁ〜。

 ホイホイされちゃった。」


 う〜っと涙目になるメリッサ。

 う!詐欺師の俺すら罪悪感!?


「あんた、やっぱりハーレム作っちゃってるわよね、、、。」

「え、エルフ女、、、。やっぱそう思う?」

 俺も涙目。


「これは流石にアタシも想像してなかったわ、、、。

 まさか帝国皇女様にまで、手を出すなんて。

 あんた、今度こそ色々諦めな?」


 い、いやだぁぁぁぁああああああ!!!!


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【外伝】キョウちゃんのその後の話をリンク貼っておきます。 カクヨムサイト かなりガッツリ恋愛系なのでご注意を!
親友だったはずの女の子とイチャイチャな日々!?〜キョウちゃんの憂鬱〜
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☆【世界最強、その名はランクNo.0彡☆の真相編先行版はこちら、近い内全て再掲予定。
ネタバラシになりますので、先が気になる方はこちら】☆
世界最強、その名はランクNo.0彡☆真相編女神陥落
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