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世界最強、その名はランクNo.0彡☆  作者: パタパタ
邪神編
114/163

ゴンザレスとエストリア④

 国を救ってくれってなんぞや!?


 いつから国は詐欺師が、救うようになったのでしょう?

 足元すくわれるよ?


「はあ?」

 俺は敢えて、そう返事をすると、ケーリー侯爵は皮肉げに笑う。


「そうだろうな。貴殿にしてみれば、今更何を、と言ったところか。」

 ケーリーは立ち上がり、部屋を無駄に歩き出す。


 のそりとしたその動きは、可愛くないパンダの動きである。


「この事態を引き起こしたのは、かつてレイド皇国を滅ぼし、禁忌なる勇者召喚を起こしたエストリア国。

 自業自得だと言いたいのだろう?」


 俺は首を横に振る。

 全く違います。


「、、、ふっ、人同士で争っている場合では無い、貴殿が帝国に対して送ったメッセージは、私にも届いたよ、、、。

 権力に溺れ、贅沢に溺れたこの私にさえ。」


 皇帝陛下もそうだったが、誰から交信を受けているのでしょう?

 ツツーツー。

 ワレワレハ詐欺師ダ。


 エルフ女に目で訴える。

『このオッサン、何言ってんの?』


 そうすると隣のメリッサに、太ももをつねられる。

 可愛く頬まで膨らませるおまけ付き。


 うん、超可愛い。


 オッサン後ろ向いてて、こちらに気付かず。


 だから、メリッサに目で聞いてみる。

『このオッサン何言ってるの?』


 メリッサはパチンとウィンク。

 うん、可愛いね?


 伝わってないかな?

 太ももに文字書かれた。

 くすぐったい!

(わかってますよ?)


 メリッサはオッサンを見て、首を一回横に振り、俺の両手を手に取り、口パクで。

『ファイト!』


 その後、ガッツポーズで応援付き。

 可愛いけど、要するにエストリア国の総司令官になれと。



 なれるかーーー!!!


 今度はエルフ女が俺の足をバシバシと叩く。

 いてーよ。


 オッサンは気付かない。


『じゃあ、どうすんのよ?』


 俺は一瞬考え、すぐに答えを出す。

『逃げよう。』


 立ち上がる。


 そのタイミングで、オッサン振り向く。

「やはり、立ち上がってくれますか。

 それでこそカストロ公爵、、、いや!世界最強No.0だ。」


 ガシッと握手されました。






 ケーリー侯爵との面談を終え、本日の宿として与えられた部屋で、俺は頭を抱える。


「どうせこうなると思ってましたので。

 ですから、ファイト!とお伝えしました。」

 クールな雰囲気なメリッサがまたガッツポーズ。


 うん、ガッツポーズの時、可愛かったから、もうそれは良いよ。


「アタシよく分かんないんだけど、こいつが詐欺師かどうかは別にして、全軍の指揮ってそんな簡単に、任せて良いものなの?」


 そうだー!無理だぞー!


 俺はぐったりして身体を横になると、メリッサが動いて、膝枕をしてくれる。


 あー、なんかとりあえず、俺もう色々ダメだ。

 今ならなんでも言うこと聞かされそう。

 ほら、見ろ!S級やっぱり恐ろしいぞ!こうやって、何でもしてしまいそうになる。


 今なら壺10個ぐらい買うね!

 、、、金出すのメリッサだけど。


 エルフ女が俺をジト目で見つめる中、メリッサは気にもせず答える。


「、、、通常は有り得ないでしょう。

 しかしながら、ご主人様のお気持ちはどうあれ、エストリア国で多数居る将軍や司令官の中で、1番の指揮官が誰かと問われれば、間違いなくご主人様の名前が候補に上がることでしょう。

 帝国がその覇道を辞めた理由は、決して伊達ではありません。」


 俺の名前が、俺の知らない間に急浮上。

 それは別人ですよ?

 お名前をもう一度確認して連絡して下さい。


 まあ、エストリア国にも名将や猛将もいっぱい居るし、その戦記が本にもなってるぐらいだから、実際に戦いになれば、相手にならんよ?


 その内の誰かが、ケーリー侯爵側に付いてれば、さっさとそいつに押し付ける所存だ。


 そんな皮算用をして、その日はさっさとベッドでお休みなさい。






「はぁ?」

 ちょっと眠たい中、ケーリー侯爵から情報を聞いて俺は愕然とする。


 肝心要の有名どころの将軍たちは、誰もケーリー侯爵側に付いていないだと。


 誰かー!今なら全軍の指揮官になれますよー!!

 泥舟だから、乗りませんよね?

 俺も乗らない、乗らないぞ!

 乗せるなよ!!


 これは結局のところ、怪物宰相グローリーの政治力の力である。


 ケーリー侯爵は副宰相になれるかも?というほど勢力を伸ばしてはいたが、それは文官派閥に対して。

 反対にグローリー宰相の派閥は、軍部側に偏っていた。


 それにしたって、王家に付く軍部側が少なすぎると思ったが、背景にナンバーズ優遇の背景があった。


 王家は、その国家の武威として、ナンバーズ、つまり殺されたNo.5とNo.6、更には勇者を優先し、ある種、有能な将軍たちをないがしろにした。


 これまたそうなる背景があった。

 かつてレイド皇国との戦いは、王家として行いたいものではなかった。

 それを王家はずっと苦々しく思っていた。


 しかし、それを軍部が主導し、挙句には、完勝してしまった。

 そのため、エストリア国磐石なり、と帝国や周辺国に対し、隙を与えなかった。

 それが皮肉な事にレイド皇国を滅ぼして以来、大きな大戦が起こる余地をなくしてしまった。

 つまり、軍部の活躍の場を自ら奪ってしまったのだ。


 その事は今回のことに、更に悪影響を及ぼした。


 王家としては、レイド皇国との戦いの際に蔑ろにされた恨みもあり、軍部にやり返す機会を狙っていた。

 それと同時に大戦が無い故に、王家が将軍たち軍部要らなくね?と勘違いしたことも致命的だった。


 また、軍部が待ち望んでいたコルラン国との戦いは、始まりと共に、カストロ公爵により、終焉を迎えた。


 これにより、軍部と王家の亀裂は更に大きくなった。

 そこに今回の邪神の件である。

 世界の叡智の塔からの邪神の思念により、彼らの憎悪や欲望が刺激され、遂には事に至ってしまった。



 そんな国の一大事を、何故か聞かされる詐欺師ゴンザレス。


 俺はとりあえず思った。

 逃げて良いよな?


「ダメでしょうね。」

「なんで!?」

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☆【世界最強、その名はランクNo.0彡☆の真相編先行版はこちら、近い内全て再掲予定。
ネタバラシになりますので、先が気になる方はこちら】☆
世界最強、その名はランクNo.0彡☆真相編女神陥落
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