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#8 「あがり症がマックスな件について。」

 俺はテルのプロデューサーとして相応しくないのではないだろうか

 そんなネガティブな感情に囚われている間に写真撮影は終わったらしく、テルが駆け足でこちらへ寄ってくる


「プロデューサーさん!カメラマンさんが写真の確認をお願いしたいそうです!」


「あ、ああ。わかった、すぐ行く。」


 自分を見つめ返すのは業務が終わった後にしよう

 俺は急いでカメラマンのもとへ向かった


「撮影ありがとうございます。」


「ああ、とりあえず何枚かピックアップしてあるから、なにか注文があれば言ってくれ。」


 手渡されたカメラに記録された写真を確認すると、そこには満面の笑みで輝くかのように写ったテルがいた

 どれもテルの明るい笑顔がしっかりと撮られていて、思わず見入ってしまう

 宣材写真とは、アイドルのそのものが撮られるんだなあと、つい感慨深くなってしまう


「あはは…気に入ってくれてるのは嬉しいけど、注文がないなら事務所に帰ってから見定めてね。俺も昼休憩だからさ。」


「え、ああ!すみません!」


 そうか、もう昼なのか

 撮影の間、俺はどれだけボケっとしていたのだろうか

 全く…これじゃあプロデューサー失格だな


「それじゃあ、輩君にもよろしく言っといてね。お疲れ様。」


「はい!ありがとうございました!…そうだ、テル。」


「はい?」


「昼飯どうする?撮影も疲れただろう、奢るぞ。」


「本当ですか!?えー、どうしようかなぁ。」


 テルは数秒悩んだ後に、ハンバーガー屋を提案した

 意外とジャンクフードが好みなのだろうか、まあ俺も好きだし丁度いいか

 テルと共に、近所のハンバーガー屋で昼食を済ませた後、事務所へ一度戻ることにした


 _____


「先輩、お疲れ様です。」


 事務所へ戻ると、他の同僚たちは出払っていたのか、先輩が一人で雑誌を読んでいた


「ああ、お疲れさん。どうだ、いい写真撮れただろ。」


「ええ、バッチシでした。あと、カメラマンさんが先輩によろしくと言っていましたよ。」


「ん?ああ、そうか。ま、次の指示は…ちょっと待っててくれ。」


 先輩は大したリアクションもせず、雑誌へと目線を戻してしまった


「先輩…もしかしてサボってます?」


「んなわけあるか。客だよ、客を待ってんの。」


「お客さん…ですか?この事務所に?」


 テルが不思議そうに尋ねる


「ああ。まあ…俺にじゃなく、お前らにだけどな。」


「私達にですか?…もしかしてホンモノの取材!?」


 テルが鼻息を荒げながら、先輩に詰め寄る


「近い近い、ったく…。取材じゃない…じゃないが、近いものではあるな。」


「取材に近いもの?…うーん、あ!取り調べとか?なんちゃて…。」


「はい正解。10ポイント。」


 えぇ…

 適当に冗談かましただけなのに…


「と、取り調べですか…?私達、なにか悪いことでもしたんですか!?」


「お、落ち着け、テル。俺たちはまだなにもやってないじゃないか!?」


()()って。これからやるみたいな事を言うな。JPN領の上層部の人間が、先日のライブ会場乗っ取り事件について聞きたいことがあるそうだ。…ただの聞き込みだろ。」


「で、でもでも…俺らがやりました、みたいな勘違いされてたら…!?」


「馬鹿か。それだったら俺が警察に突き出してるよ。いいから落ち着け、もうそろそろ来る頃だろう。」


 先輩の予感は的中し、途端にインターホンがなり始める


「ほれ、大人しく椅子に座って待っとけ。」


 先輩がインターホンへの対応に、席を立つ

 俺とテルはガクガクになりながら、ソファーへと並んで腰掛ける


「失礼します。」


 俺たちは既に内心ガクブルだったが、この時現れた人物を見て、更に緊張することとなった

《キャラクター紹介》

【輩先一の趣味】

アイドルよりも、テレビドラマや舞台演劇の方が好き。酒と煙草も大好きだが、1人で嗜むことが多い。

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