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#5 「あまりにも安直な件について。」

 しかし、どうしたものか…

 お前を倒す、と大きく見栄を張ったものの、倒し方なんてわからない

 高校時代文芸部だった俺に喧嘩なんて出来るはずもない

 そもそも普通に殴っただけで倒せるのか?


「…随分悩んでるねェ?もしかして…勝てる見込み無しかな?」


「くっ…悔しいけどその通りだよ…。」


「あははッ!まあ、そうだよねェ。君みたいなもやしっ子が肉弾戦で勝てるとは思わないしィ?」


 …いちいち腹立つな、こいつ

 喋り方が奇妙というか…とりあえずのキャラ付感が半端ない


「そうだなァ…そろそろ目的の子が来ると思うからさァ、少しゆっくりしてなよ。」


「目的の子…?」


「プロデューサーさん!!」


 !?…テル!?

 声のした方へ振り向くと、そこにはスタンドマイクを持ったテルがいた

 まさか…それで撃退しようってのか?


「無茶だ、テル!」


「なるほどねェ、君が今回の目的の子ってわけだ。」


「え…?なんの話ですか…?」


「ふーん…いいねェ。エネルギーに満ちあふれている。やはりこうでなくては、ね。」


 仮面の男が指をパチンと鳴らす

 それと同時にモニターの画面がフェスのロゴから変わり、ステージの様子が映し出される

 しばらくすると画面の右側から白い文字が流れてくる


『なんだこれ』『ライブ中継?』『動画見てたら急にページ変わったんだが』


「これは…コメントか?」


「さァ、ショーの始まりだョ!この僕、『ミラクル仮面』主催のライブバトルが始まるよォ!」


「ライブバトル…?」


 先程と同様にどこからか現れた謎の糸がスポットライトを操作し、舞台を照らす


「ルールは簡単。この僕が操るアイドルちゃんと、君のどちらがより支持を集めるか。」


 拘束されていたアイドルが、糸によってマリオネットのように繋がれる


「司会進行の君、名前は?」


「…カワイ…イコ…。」


 操られているのか、発声がたどたどしくなっている

 …にしても


「カワイ、イコ、ね。芸名なんだろうけど、安直だねェ。もしかしたら負け試合になるかも?」


 …不覚にも同感だと思ってしまった


「んで、そっちの君は?」


「は、はい!呼音テルです!」


「うーん、一世代前の流行りっぽい名前だねェ。ジェネレーションギャップ?みたいな?センスを疑うよ。」


「なっ!?そ、そんなに言わなくてもいいだろ!?お前の歳は知らんが、俺にはビビッとくるものがあったんだぞ!?」


「…あの、一応本名なんですが…。」


「「あっ。」」


 思わずミラクル仮面と声がかぶる


「…仕切り直そう。それぞれ自身のパフォーマンスを終えた後、配信のアンケート機能でどちらがより良かったかを決めてもらう。得票率の多かった方が勝ちってことで、理解できたかなァ?」


「…ああ。まあ、要は普通にライブして皆に選ばれろってことだろ?もったいぶった割に普通じゃねえか。」


「まあねー。でも君たちが負けた場合は、ここの観客たちみーんな廃人にするけどねェ。」


「はぁ!?どういう意味だよ!?」


「うるさいなァ。これ以上の尺稼ぎは良くないし、さっさと始めさせてもらうよォ。」


「なんだよ尺って!?」


「ルートビ!パフォーマンス開始だ!」


『かしこまりました…ミュージックスタートでございます!』


 放送席からのアナウンスと共に、今流行りのアイドルソングが流れ始める

 すると、カワイイコを繋いでいた糸が動き始め、彼女を踊らせ始める


「なっ…完璧な踊りだ…。」


 あまりに完璧な踊りに、思わず感嘆してしまう

 タイミングは寸分の狂いも無く、原曲としっかりマッチしている

 それどころか粋なアレンジも入っていて、本家以上とさえ思えてしまう


「…これが、能力…!?」


「さァ、君たちはどう対抗してくるかなァ?」

《キャラクター紹介》

河井かわい衣子いこ

文字通り「カワイイ」を売りにしたアイドル。確かに人並み以上に可愛く、一定数のファンもいるが、抜群に売れるほどではない。また、実家では声が低いという噂も聞く。

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