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まだ見ていたいが、もう片付けなければ。

拝啓 始めて手紙を送ります。

ぼくは3年2組の南大地といいます。

本当は直接言いたかったんだけど、それは無理だと思ったので、手紙を書きました。

ぼくは、田村さんが好きです。なので、ぼくと付きあってほしです。

返事はなるべく早めに下さい。    南大地



 引っ越しのため部屋の整理をしてたら、懐かしいものが出てきた。間違いだらけのラブレターだ。中三のときクラスメートから受け取ったもので、とっといてはふとした瞬間見返している。今日もつい片付けの手を止め封筒を開いたが、今見てもひどい誤字脱字だらけだ。当時は同じクラスだったのに、わざわざ学年・組を教えてくれるところからしてもう。


 中学の頃、ラブレターをくれたクラスメートをからかった。

 高校の頃、誤字脱字ばかりだと同級生をからかった。

 大学の頃、大人びようと拝啓を使って結局敬具を忘れたマヌケな彼氏をからかった。


 そして今。


「優里ー、冬物まとめ終わったってそれ……」


 新居へ持ってく冬物を仕分け終えた大地が様子見に寝室まで覗きにきてくれたが、私の手の中の紙切れを見て固まる。


「懐かしいでしょ。ほら見て、ここ」


 私に南の苗字を分けてくれた人をからかっている。

恋文の日。


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