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結局のところ、お酒はいつ飲んでも美味しい。

 ()(かど)玲王(れお)は緊張していた。なぜなら今宵、付き合ってn年目の恋人(たけ)()夏空夜(かぐや)にプロポーズしようと決めていたからだ。

 「大事な話がある」とちょっとこ洒落たレストランに呼び出し、カクテルをたしなみつつディナーに舌鼓をうつ。夏空夜も楽しそうである。玲王はポケットの内側の小箱をさりげなく確認した。大丈夫、ちゃんとある。さあ、いざ。

「夏空夜、オレと結婚して、一緒に月に行かないか」

 指輪を収めたケースと共に、この日のために購入した月の土地の権利書を差し出す。

「え、大事な話ってそっち……? 私は別れるつもりで来たんだけど」

 ゴメンナサイ。

 求愛の品を一顧だにせずそう言い残し、夏空夜は玲王と指輪と紙切れを置き去りにして去った。

 蜜〝月〟計画はあえなく失敗。ヤケクソであおった酒は、こんな時でも美味かった。


 買ってしまったものは仕方がないと二人の愛の巣になる予定だった月面の新居へ移住した玲王は、そこで赫映(かぐや)と名乗る女と出会う。

 女にフラれたばかりで傷心中、元カノと同じ名前。そして何より、生粋の月生まれ月育ちの赫映は輝かんばかりに美しかった。玲王はたちまち赫映に夢中になった。


 しかし、赫映はこの月で最もえらい人の妻だった。


 不貞に怒り狂った夫は、罪を犯した赫映に罰を与えることにした。緑色の軌道エレベータで赫映が地球に送り込まれるのは、そう遠くない話……。

 

竹酔日(なぜかかぐや姫が月へ還った日とされている)、メイ・ストームデー(別れ話を切り出してもいい日)、カクテルの日のちゃんぽん。

かぐやの漢字表記色々考えすぎて、あと50回くらい「かぐや」という名のキャラが出ても困らないくらいです。


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