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もう一人の転生者

修正しました。黒髪→紫色の髪


「碧クンはどこにいるの?」

と悠仁は言ったが私もそれは知らない。朝もいつの間にかいなくなっていたし、碧は神出鬼没なのだ。

「分からないわ。」

「ええぇー!なにそれー。」

彼は力の抜けた声で不満の声を表した。

「嫌なら来なくていいわよ。」

と言うか手伝いも本当はいなくて良いくらいなのだ。目的は碧に音桜杜美月の事を言うだけだし。

嫌なら別に帰ってもらっていいのだ。

「行くよ~!!」

(何だか彼が軽いのも馴れてきたわ…。)

この学校の仕組みをまだ覚えていないので探そうとしても迷子になりそうだ。誰かに聞くのもいいかもしれない。

さっき趣味は日本舞踊とお琴と言っていた折原賀奈子さんが近くにいた。彼女に聞いてみようか。

「あの、折原さん。」

彼女はゆっくりと振り替えると首を傾げた。

「あら、貴女は…」

「ああ~怜花チャンちょと待ってよ~」

私が折原さんに話しかけていると彼がへらへらしながら私を追いかけてきた。

わたくしに何かようですか?」

良く見てみると彼女はとても美人だ。ぱっちりとした琥珀色の目に綺麗な紫色の髪、動く所作一つ一つが美しい。まさに大和撫子な人だ。

「あの、義翁碧を見ませんでしたか。」

すると彼女は「義翁碧…あの粘着系男子かしら…。」と呟いた。何だかすごくデシャヴな気がする…。

今彼は粘着系男子ではない…とは言い切れないが彼女が知っているのが可笑しい。

「さっきここをまっすぐ通りすぎていきましたわ。…彼を振りまわすのは止めておいた方がいいですわ。」

碧がいたならすぐに追いかけなければ。

(もしかして彼女も転生者かしら…。)

そんな時にはあの言葉を言えばすぐに分かると思う。このゲームの事を知っている人かそうではないかは。

「『ワケあり少女は騎士を救う』って知っているかしら。」

私がそう言うと彼女は驚いた顔をした。そして小さな声で「なんでそれを…?」と言った。私が答えようと思ったが横から悠仁が出てきて

「それは俺達が転生者だからだよ~。」 

とゆるーく言った。

「貴方達も…。」

どうやら彼女は転生者らしい。

「このゲームを知ってるなら分かると思うけど俺達全然ゲームと違うでしょう?」

彼女は私達を交互に見て軽く頷いた。

「えぇ、全然違いますわね。…わたくしはこのゲームを知っています。けれど、わたくしはモブキャラですわ。」


「わたくしの事は賀奈子と呼んでもらって構いませんわ。流川さんのことも怜花さんと呼んで構わないかしら。同じ人に会うのは初めてで。」

彼女は、賀奈子さんは花のような笑顔で私に言った。それは友達と言うやつだろうか。

(そう言うのは初めてだわ…。)

「えぇ構わないわ。また今度ゆっくり話しましょう。今は碧を探しているから。」

「ねぇ俺は?」

「ごめんなさい。チャラチャラした方は嫌いなの。」

彼女は申し訳ないような顔を私にした後悠仁に冷たい視線を送った。

「ひゃ~俺嫌われてる~?悲し~。」

彼は全く気にしていないようだが。

「また会いましょう。賀奈子さん。それではさようなら。」

私はそう早口で話すと少し早めに歩いて碧をさがした。

「待って~~」


◇◇◇ 


だいぶ歩いた気がする。ようやく彼を見つけた。

「碧っ!」

私が大きな声で彼を呼ぶと驚いたように振り返った。

「怜花っ?どうしたの?」

「碧に話したいことがあるの。」

話したいことがあると言う私を碧は不思議そうに見ていた。

「あれ、後ろの人、誰?」

碧は後ろにいた悠仁の事が気になったらしい。

「この人は、」

「俺の名前は久遠悠仁だよ~。」

彼が悠仁と言った瞬間に碧は「日本三大財閥の…」と言っていた。何気に日本三大財閥が揃った。

「ここで話すのも難だし、違うところで話しましょう。」


「…うん。それはいいんだけど、彼もついてくるの?」

碧、ごめんなさい。このチャラ男はついてきます。

「ついていくよ~。もともと俺達二人で変える予定だったんだし。」

悠仁がそう言うと碧は驚いていた。

「二人は付き合ってたり…」

「婚約者だよ。」

「…へ?」

碧の目が点だった。

「そんなのはどうでもいいわ。碧に大事な話があるの。美月ちゃんの話よ。」

私が美月ちゃんと言うと彼は反応して「すぐに場所を移そう。」と言って歩き出した。美月ちゃんの事はやはり彼も知りたいのだろう。

私達は場所を移すと言って今日から開放されているカフェテリアへと移動した。


「それで美月ちゃんの事なんだけど彼女の苗字と居場所が分かったわ。彼女の本名は音桜杜美月。今は私の家が経営している病院に入院しているわ。」

私がそう話すと彼は早口に「それ、どこの病院なの?!」と言ってきた。

だが私もそれはまだ調べていないので分からない。そう言おうとしたら悠仁が言ってくれた。そしたら明らかに碧はへこんでいた。


「私も明日までには調べておくから、そう落ち込まないで。」

碧の目は、さっきまで暗かったのにすぐに輝きが戻った。

「ありがとう、怜花。」


「もう碧クンに伝えたし、俺と一緒に帰ろ~。」



「分かったわ、また明日ね。碧。」


悠仁が帰ろうと五月蝿いのでもう帰ることにする。だけど私は碧に美月ちゃんは後少しで自殺するとは言えなかった。



PV2000越え!ありがとうございます、頑張ります。

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