表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

69/89

第63話「勇者vsナセル(後編)」

 ───卑怯だろうが! オッサぁぁあン!


「はッッ!!!」

 (なぁに)をふざけたことを。



 ……卑怯だぁぁあ?!

「───知るかッ、ボケぇぇ!!」



 お次はこいつだ!───ズチャキッッ!



 脇に吊るした、バカ長い二挺のライフル!


「何度も同じ手を食うかッッ! 豆鉄砲なんざ、この伝説の盾で────」


 コージの憤懣など完全無視。

 ナセルは「おらぁぁあ!」と気合い一閃!──二手に構えたのはPzb39(対戦車ライフル)が二挺ッ!


 再装填は手間だが、一発撃つだけならこいつで十分!!


 防げるものなら、

「─────防いでみろぉお!!」


 発射ッッ(フォィエル)!!



 ───ズッ、ズガァァァン!!



 超至近距離で発射される対戦車ライフル。

 そいつの弾頭(・・)は7.92mmとMG42のそれと同じだが、発射する薬量(・・・・・・)が桁違い!


 なんせ、本来は13mm機関砲弾を(・・・・・・・・・)撃つ薬莢(・・・・)に詰まった炸薬で、この小さな弾を飛ばすのだ。


 その貫通力はすさまじく、

 そしてパンチ力も、また凄まじい!!


 ──そいつが2発同時着弾ッッ!


 コージの持つ盾にぶち当たると、バギャアァァァァァァアン! とドラでも鳴らしたかのような派手な音を立ててぶっ飛ばす。


 貫通しないのは流石に伝説装備だが──。

 着弾の衝撃までは消せずに、コージの腕をもぎ取らんばかりに、盛大なダブルパンチをお見舞いした。


 メキャ……。

「──うぎゃああああああ!! う、腕がぁぁぁあああ!!」


 ボキィ、メシメシメシ……! という音がしたところを見るに、直撃を受けてへし折れたらしい。


「──ぎゃぁぁぁぁぁああ!!」


 はっはっはっはっ!!──いい気味だぜ!


「い、いでぇぇええ! この野郎ぅぅう!」

 懐から試験管のような物を取り出すと、中身を煽るコージ。


 む!? この匂い────。


「ハイポーションか!」

「エクストラポーションだよ!!」


 超高価な回復アイテムを呷り、あっという間に傷を治すコージ。

 メリメリ……と音を立てて腕が元に戻っていき、あっという間に全回復。


 そのまま両手で聖剣を構えると────。


「俺は勇者だぞぉお!!」

「知っとるわぁぁあ!!」


 こぉぉぉぉの間男が──!!


 だったら、こいつを喰らえぇぇぇえ!!


 背に担っていたデッカイ筒を……デンッ!──と構えるナセル。


 まるでストーブの煙突のようなもので、──そのデッッッカイ筒の口径は88mm。


 筒の左側には発射ガスから射手を護る防盾付き──────。



 そうとも、コイツは────!!



 ば、

「バズーカぁぁあ!?」


 変な声を上げて目を見開くコージ。


 ちげぇ……、

 聖剣をナセルに叩きつけようと振りかぶっているコージの前に突き出されたのは、88mmのロケット弾を発射する、対戦車兵器──。


 ──断じて、バズーカじゃねぇ!!




パンツァ(88mm)ーシュレック(対戦車榴弾発射器)だよッ!!!」




 死ね。クソ勇者ッ。



 発射(フォィア)──────────!!


「た、タンマ──」


 驚愕に目を見開く勇者コージの鼻先に、────ズバァァァアアン!! とロケットモーターを唸らせて88mm対戦車ロケットがスッ飛んでいく。


 何がタンマじゃ!

 タンマするわけねぇだろ、ボケ!!




 ───ズガァァァアアアン!!!




 と、命中したロケット弾が一瞬でコージを焼き尽くし四散させる。


 余りにも至近距離なものだから。

 すぐには信管が作動せず、コージの腹に突き刺さった砲弾が飛翔していく様まで、まざまざと見えた。


 「ほげぇぇぇええええええ!!!」とか叫びながら88mmロケット弾に打ち上げられて、上空で信管が作動ッ。



 チュドォォオオオン!──と、空中で爆散し、焼き尽くされたコージ。

 その四肢がバラバラと吹っ飛んでいき。

 良く焼けた肉がベチャベチャと周囲に降り注いだ。





「──は。(きたね)ぇシャワーだぜ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お読みいただき、ありがとうございます!


⇧ の『☆☆☆☆☆』評価欄 ⇧にて


『★×5個』で、応援いただけると嬉しいです!



新作だよ!
⬇️ 新作 ⬇️

異世界サルーン
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ