第63話「勇者vsナセル(前編)」
「死ねクソガキぃ!!!」
ナセルは構えたMG42を乱射。
微塵も躊躇なく全力射撃!
剣を振り上げたコージに目掛けて、真正面から迎撃する。
剣と銃。
聖剣とMG42!
交差寸前の二人だが────!
───これでも喰らえッッ!
ヴォババババババババババババババババババババババババババ!!
「ちょま……!」
じゅ、銃とか────。
「──ひ、卑怯だぞ!!──うぎゃあああああああああ!!」
ズドドドドンッッッ! と、7.92mm弾の連射がコージに突き刺さる。
ギィン、ガァン、ゴィィン───!
伝説の鎧だとかいうやつにも命中し、盛大に火花が散る。
弾丸は貫通に至らないも、連打の衝撃がコージを襲う。
「何が卑怯じゃぁあああああ!! 死ねクソガキぃぃいい!!」
ヴォバババババババババババン!! ヴォババババババババババ!!
数々の装備を体中に引っ提げると、MG42を乱射したまま勇者コージに追撃を加えていく。
連射で暴れまわる銃身を腕力で押さえ込み、万感の思いを込めてぶちかます!
その悉くが伝説の鎧に阻まれるも、
「はッ──鎧ごしでも痛いだろう! たっ~ぷりと、7.92mm弾で歓迎してやるぜ」
ヴォババババババババババッババ!!──50連ドラムマガジンをあっという間に撃ち尽くすと、空のマガジンを放り捨てる。
その後は、脇に抱えていた弾薬箱を開けて250連のメタルリンクで連結された弾帯を取り出し、薬室に装填ッ! ガシャコと初弾を送り込む。
「──追加のメニューだよッ!!」
地面に垂れる弾帯をジャラリ!──と腕に巻き付けると、滅茶苦茶至近距離でコージを狙う。
「いでぇぇええ! いで、いで!! よ、よせ!!」
「やめるかボケぇぇぇ!!」
この日を、
この瞬間を、
この刹那を待っていたんだ!!
死ね、このクソボケがぁぁぁあ!!
「250発の弾丸──全部プレゼントしてやるぜぇぇええ」
「やめろぉぉぉおお!!」
やめるかぁぁ────ヴォババババババババババババババババババッババババババッババババババッババババババッバッバババババババババババババババババババッバババババババババッバババババババババババババババババババババババババババババッババババババッババババババッババババババッバッバババババババババババババババババババッバババババババババッバババババババババババババババババババババババババババババッババババババッババババババッババババババッバッバババババババババババババババババババッバババババババババッババババババババババババババババ────……バキィン!!
ブシュウウウウ……!!
連続射撃で真っ赤に焼けた銃身が割れる。
弾が途中で詰まったらしくうんともすんとも言わなくなった。
ついでに、勇者コージも…………。
───コイツ!
「い……いづづづ…………!」
一発も貫通してないとか、どんだけ出鱈目装備なんだよ!
──普通なら100回くらい死んどるわ!
だが、全身をハンマーで殴られまくったような打撃は勇者をして強烈だったようで、今はカメの様にして蹲るのみ。
「さっさと死ね!!」
ブン! とMG42をぶん投げてぶつけてやるとゴキィン──と良い音がする。
だが、その瞬間勇者コージが身を起こす。
弾切れを狙っていたのかもしれない。
手には聖剣が握りしめられており、煤だらけの顔が怒りに染まる!
そして、憤怒の表情で、
「卑怯だっつってんだろうが! オッサンよぉぉぉお!!」
何が卑怯じゃ、
「───知るかッ、ボケ!!」
お次はこいつだ!